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2025年3月8日
労働一般
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更新日:2026/09/07
残業代

残業160時間の生活スケジュールは、休日出勤を前提にしても、平日に毎日6時間24分残業したうえで、月4日は休日出勤するような生活になります。
平日は朝から日付が変わる頃まで働くため、睡眠や休養の時間を確保できず、疲労から長時間労働している実感も得られなくなることもあります。
今回は、残業160時間は1日何時間になるのかを説明したうえで、違法性や健康へのリスクのほか、抜け出す方法を解説していきます。

この記事の要点
・残業160時間は、平日は毎日6時間24分残業し、月4日も休日出勤するような生活となり、月の総労働時間は約320時間にも及びます。
・労働者に月160時間の時間外・休日労働をさせることは、特別条項付き36協定があっても原則として違法になります。
・残業160時間から抜け出すためには、残業時間の証拠を集め、退職や転職を検討することになります。
この記事を読めば、月160時間の残業の問題点や身を守るために何をすべきかよくわかるはずです。
目次

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残業160時間は、週40時間の所定労働時間に加え、1か月に約160時間も働いている状態です。
月に4日、8時間の休日出勤している場合、休日出勤が32時間となるため、平日は毎日6時間24分の残業をすることになります。
所定労働時間を午前8時30分から午後5時30分までとすると、平日の生活スケジュールは次のようになります。
【平日】6時間24分×20日
| 時間 | 内容 | 補足 |
| 6:45 | 起床 | 前日の帰宅が午前0時を過ぎるため、5時間台の睡眠で起床する生活になります。 |
| 6:45~8:00 | 朝食・身支度 | 睡眠不足のまま身支度を済ませ、仕事へ向かうことになります。 |
| 8:00~8:30 | 通勤 | 朝から仕事へ向かい、この後15時間以上、自宅を離れる生活になります。 |
| 8:30~12:00 | 午前の勤務 | 前日の長時間労働による疲労が残ったまま、その日の勤務が始まります。 |
| 12:00~13:00 | 昼休憩 | 平日にまとまって仕事から離れられる時間は、昼休憩程度になります。 |
| 13:00~17:30 | 午後の勤務 | 午後5時30分まで働いても、ここからさらに6時間24分の残業が残っています。 |
| 17:30~23:54 | 残業 | 所定労働時間8時間に近い時間を、さらに残業として働くことになります。 |
| 23:54~0:24 | 通勤 | 仕事が終わる頃には日付が変わる直前となり、帰宅は午前0時を過ぎます。 |
| 0:24~1:15 | 夕食・入浴など | 帰宅後に自由に使える時間はほとんどなく、食事や入浴を済ませるだけで就寝時間になります。 |
| 1:15~6:45 | 睡眠 | 睡眠時間は約5時間30分となり、十分に休めないまま翌朝を迎える生活が続きます。 |
また、月4回の土曜日に各8時間の休日出勤をすると、休日の生活スケジュールは次のようになります。
【休日(出勤日)】残業8時間×4日分
| 時間 | 内容 | 補足 |
| 7:30 | 起床 | 平日は5時間台の睡眠が続くため、土曜日になっても十分に睡眠を取れず、疲れが残ったまま起床することになります。 |
| 8:30~9:00 | 通勤 | 本来なら睡眠や休養に使える朝の時間も、身支度や通勤に使うことになります。 |
| 9:00~12:00 | 午前の勤務 | 平日の長時間労働による疲労や睡眠不足を抱えたまま、午前中の仕事を続けることになります。 |
| 12:00~13:00 | 昼休憩 | 疲労が蓄積していると、昼休憩も外出などに使わず、食事を済ませて体を休める時間になりやすくなります。 |
| 13:00~18:00 | 午後の勤務 | 午後も仕事が続くため、買い物や家事、家族との時間など、休日に行うことを平日に回すことも難しくなります。 |
| 18:00~18:30 | 通勤 | 帰宅する頃には夕方を過ぎており、休日であっても自分のために使える時間は数時間程度になります。 |
| 18:30以降 | 食事・休息 | 平日の睡眠不足と休日出勤の疲れから、帰宅後は食事や入浴を済ませて休息に充てることが多く、翌日の日曜日も睡眠や疲労回復を優先する生活になりやすくなります。 |
残業160時間では、平日は午前0時前後に帰宅し、土曜日も働き、日曜日だけ休む生活になります。
平日の睡眠時間も5時間台となるため、仕事以外の時間のほとんどを通勤や食事、入浴、睡眠に使うことになります。
なお、「残業160時間」と「月の総労働時間160時間」は意味が異なります。
1日8時間を月20日働いた場合には、それだけで月の労働時間は160時間になります。
これに残業160時間が加わると、月の総労働時間は約320時間になります。
残業160時間とは、通常の1か月分に相当する労働時間を、さらに残業として働いている状態なのです。
週6勤務の違法性や、しんどい場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
さらに残業が月180時間まで増えると、平日の長時間残業だけでなく休日出勤も繰り返し、睡眠時間を十分に確保することが難しい生活になります。
残業180時間の一日の生活スケジュールや違法性、健康リスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
残業160時間は、過労死ラインを超える長時間労働です。
長時間残業により睡眠や休養の時間が削られ、疲労が回復しないまま働き続けることになり、自由な時間がないだけでなく心身の不調にも繋がります。
例えば、残業160時間によって生じる健康への影響としては、以下の3つがあります。

それでは、残業160時間による健康への影響について順番に説明していきます。
残業160時間の生活では、睡眠不足や疲労が蓄積しやすくなります。
平日は午前0時前後に帰宅し、食事や入浴を済ませてから就寝すると、十分な睡眠時間を確保できないためです。
平日の睡眠時間は約5時間30分程度となり、前日の疲れが残ったまま翌日の勤務を始めることになります。
月4日は休日出勤となるため、週に1回の休日だけで蓄積した疲労を回復させなければいけません。
睡眠不足が続くと、朝起きても疲れが取れなかったり、勤務中に強い眠気を感じることもあります。
集中力や判断力も低下しやすくなり、仕事上のミスや通勤中・業務中の事故にも繋がります。
残業160時間が続くと、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの脳・心臓疾患を発症するリスクが高まります。
長時間労働によって睡眠不足や疲労が続くと、心臓や血管への負担も蓄積していくためです。
脳・心臓疾患の労災認定では、発症前1か月におおむね100時間を超える時間外労働がある場合、業務と発症との関連性が強いと評価されます。
また、発症前2か月から6か月の平均で月80時間を超える時間外労働がある場合も、同様に関連性が強いと評価されます。
過労死ラインは月80時間とされており、残業160時間は過労死ラインを大きく超える水準です。
激しい頭痛や胸の痛み、息苦しさなどの症状が現れている場合には、働き続けず医療機関を受診しましょう。
過労死ラインを超える長時間労働の健康リスクや対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
残業160時間が続くと、うつ病や適応障害などの精神障害を発症するリスクも高まります。
長時間労働によって心身に疲労が蓄積することに加え、心身を休ませる時間もほとんどないためです。
精神障害の労災認定基準では、発病直前の1か月におおむね160時間を超える時間外労働は、「極度の長時間労働」として扱われます。
精神障害を発症すると、眠れない、気分が落ち込む、仕事に集中できないなどの症状が現れることがあります。
このような症状が出ている場合、無理に勤務を続けることは避けた方がいいでしょう。
精神障害は、症状が悪化すると仕事を続けられなくなったり、日常生活にも支障が生じることがあります。
体調を崩してからでは危険なため、異変を感じた段階で医療機関を受診し、勤務状況を見直しましょう。

月160時間に及んで時間外・休日労働をさせることは、原則として違法になります。
労働基準法では、原則として1日8時間、週40時間までが法定労働時間として定められています。
これを超えて労働させるには、36協定を締結し労働基準監督署へ届け出る必要があります。
また、36協定を締結している場合でも、時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間とされています。
繁忙期など特別の事情があり、特別条項付き36協定を締結している場合でも、時間外労働と休日労働の合計は単月100時間未満にしなければなりません。
月160時間の時間外・休日労働は、この100時間未満という上限を大幅に超えているのです。
「36協定がある」「特別条項がある」という理由だけで、月160時間の時間外・休日労働が許されるわけではないのです。
なお、医師や自動車運転業務のように異なる上限規制が設けられている場合や、管理職のように上限規制が適用されない場合もあるため注意が必要です。
36協定や時間外労働の上限、超過勤務のルールについては、以下の記事で詳しく解説しています。
残業160時間をした場合、残業時間が長い分残業代も大きくなりやすいです。
例えば、残業160時間の残業代と給料としては以下の4つがあります。

それでは、残業160時間の残業代と給料について順番に説明していきます。
残業代は、1時間あたりの基礎賃金に割増率と残業時間を掛けて計算することになります。
基本的な計算式は、「1時間あたりの基礎賃金×割増率×残業時間」です。
法定労働時間を超えた残業については、原則として25%以上の割増となり、1か月に60時間を超えた部分の残業には50%以上の割増が適用されます。
残業160時間の場合には、最初の60時間と、それを超える100時間に分けて計算し、それぞれの金額を足すことになります。
60時間以下の残業代=1時間あたりの基礎賃金×125%×60時間以下の残業時間
60時間を超えた残業代=1時間あたりの基礎賃金×150%×60時間を超える残業時間
なお、午後10時から午前5時まで働いた時間には深夜割増が加わり、法定休日に働いた場合にも別の割増率が適用されるため、実際の残業代はさらに高くなることがあります。
残業代を計算する際の時給の算出方法や割増率については、以下の記事で詳しく解説しています。
基本給が20万円の場合、月160時間の残業をすると、残業代だけで基本給を上回る金額が加算されます。
1時間あたりの基本の時給は1250円であり、残業代の単価はそれぞれ1563円(60時間まで)、1875円(60時間超)となるためです。
例えば、月160時間の残業をすると、合計で約28万1250円の残業代が発生します。
(20万円÷160時間×1.25×60時間+20万円÷160時間×1.5×100時間)
基本給と合わせると、税金や社会保険料などが差し引かれる前の給料は約48万1250円となります。
基本給が30万円の場合、月160時間の残業をすると、残業代だけで約42万1875円になります。
1時間あたりの基本の時給は1875円となり、残業代の単価はそれぞれ2344円(60時間まで)、2813円(60時間超)となるためです。
例えば、月160時間の残業をすると、合計で約42万1875円の残業代が発生します。
(30万円÷160時間×1.25×60時間+30万円÷160時間×1.5×100時間)
基本給と合わせると、税金や社会保険料などが差し引かれる前の給料は約72万1875円となります。
基本給が40万円の場合、月160時間の残業をすると、基本給と残業代を合わせた給料は90万円を超えます。
1時間あたりの基本の時給は2500円となり、残業代の単価は3125円(60時間まで)、3750円(60時間超)となるためです。
例えば、月160時間の残業をすると、合計で約56万2500円の残業代が発生します。
(40万円÷160時間×1.25×60時間+40万円÷160時間×1.5×100時間)
基本給と合わせると、税金や社会保険料などが差し引かれる前の給料は約96万2500円となります。
残業160時間の生活から抜け出すには、退職や残業代請求を見据えた行動をしていく必要があります。
例えば、残業160時間から抜け出す方法としては以下の4つがあります。

それでは、残業160時間から抜け出す方法について順番に説明していきます。
残業160時間から抜け出したい場合、労働問題に注力している弁護士への相談がおすすめです。
退職の進め方や未払い残業代の有無など、状況に適した法的助言を受けられるためです。
残業160時間の状態は疲労が強く、退職手続や残業代の計算を負担に感じてしまうこともあります。
弁護士へ依頼すれば、退職や残業代請求の手続きだけでなく、会社との交渉まで任せることができます。
また、弁護士への相談は、できる限り早い段階で行うことがおすすめです。
相談が早ければ、残業時間の証拠を集めやすく、会社との交渉方針も検討しやすくなるため、取れる選択肢も広がります。
残業160時間から抜け出すことを考え始めた段階で、一度弁護士へ相談して今後の進め方を確認しておくとよいでしょう。
未払い残業代の相談先や相談前に確認しておきたいことについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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残業160時間から抜け出す場合には、退職前に残業時間の証拠を集めておきましょう。
未払い残業代を請求する場合、実際に何時から何時まで働いていたのか客観的な証拠から説明する必要があるためです。
例えば、タイムカードや勤怠システムの記録、PCのログ、業務メール・業務チャット、日報などが残業時間を示す証拠として挙げられます。
会社が管理している勤怠記録については、退職すると確認や保存が難しくなることもあります。
また、勤怠上の退勤時刻より後まで働いている場合、PCのログやメールの送信時刻など、実際の終業時刻が分かる資料も集めておく必要があります。
残業が160時間であったことを後から説明できるように、在職中から勤怠時間がわかる証拠を残しておきましょう。
残業代請求で必要となる証拠や、証拠不足によって請求が認められないケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。
十分な証拠が集まったら、弁護士に正式に依頼し、退職の意思と未払い残業代の請求を会社へ通知してもらうことをおすすめします。
確認した勤務状況や集めた証拠をもとに、残業代の金額や計算根拠を示したうえで適正な残業代を会社へ請求しやすくなるためです。
会社と直接やり取りする必要もなくなるため、「退職を言い出しにくい」「会社から強く引き止められるのが怖い」という場合でも、精神的負担を抑えて手続きを進められます。
通知には内容証明郵便などを利用し、退職の意思や残業代を請求した事実を後から確認できる形にしておくと、証拠として使いやすくなります。
また、退職日や有給休暇の消化など、会社との交渉が必要な場合でも、併せて対応を依頼することもできます。
なお、残業代には3年の時効があるため、証拠を集め終えた後も放置せず、請求に向けて手続きを進める必要があります。
退職した後は、残業時間や休日日数を確認しながら、無理なく働ける会社への転職を進めましょう。
残業160時間の職場から離れても、転職先でも長時間労働が続けば、同じように心身へ負担がかかってしまうためです。
転職先を探す際は、求人票に記載された所定労働時間や年間休日数、固定残業代の有無などを確認しましょう。
固定残業代について「月45時間分を含む」などと記載されている場合には、相当程度の残業が想定されている可能性も踏まえる必要があります。
また、転職エージェントを利用している場合、担当者から実際の勤務実態を確認してもらえる場合もあります。
内定後には、労働条件通知書などで勤務時間や休日など、労働条件を改めて確認してから入社するか判断しましょう。
残業が多い会社を辞める方法や転職先を選ぶポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
残業時間の証拠を集めた後は、未払い残業代を計算して会社へ請求し、支払いに応じてもらえなければ法的手続を進めることになります。
例えば、未払い残業代を請求する手順としては以下の3つがあります。

それでは、未払い残業代を請求する手順について順番に説明していきます。
残業時間の証拠がそろったら、会社へ請求する未払い残業代の総額と、請求できる期間を確認しましょう。
未払い残業代は、各月の労働時間と給与を確認し、すでに支払われた残業代を差し引いて算出します。
深夜労働や法定休日労働が含まれている場合には、それぞれに対応する割増率を反映し、固定残業代が支給されている場合には超過分がないかも確認することになります。
また、残業代請求権は給料の支払期日から3年で時効が完成します。
例えば、3年以上にわたって残業代が支払われていない場合でも、すべての期間について請求できるとは限らず、古い残業代から順番に時効が完成していきます。
残業代を請求する際は、請求額だけではなく、どの期間までさかのぼって請求できるのかも併せて確認することになります。
残業代請求の時効や、請求で失敗しやすいケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。
未払い残業代の金額と請求期間を確認したら、内容証明郵便などを利用して会社へ支払いを請求しましょう。
書面には、残業代を請求する意思のほか、請求する期間や金額、支払期限などを記載することになります。
内容証明郵便を利用すれば、いつ、どのような内容の文書を送ったのかを証明でき、配達証明を付けることで会社へ届いた日も確認することができます。
また、残業代の支払いを求める「催告」をした場合には、その時から6か月間は時効の完成が猶予されます。
ただし、催告を繰り返しても6か月の猶予期間を延ばし続けることはできないため、その間に会社との交渉や法的手続を進める必要があります。
会社へ請求した後は、支払いの有無や会社からの回答を確認し、合意できなければ次の手続へ進むことになります。
会社へ残業代を請求しても支払いに応じてもらえない場合には、まず交渉を行い、解決できなければ労働審判や訴訟へ進むことになります。
残業代を請求すると、会社から残業時間や残業代の計算方法、固定残業代の扱いなどについて反論され、請求額について争いになることがあるためです。
残業が160時間にも及ぶと、残業代も大きくなりやすいため、交渉で合意できない場合もあります。
交渉での解決が難しい場合には、裁判所へ労働審判を申し立てることになります。
労働審判は原則として3回以内の期日で審理され、話し合いによる解決を試みたうえで、まとまらない場合には労働審判委員会が審判を行います。
労働審判でも解決できない場合には、訴訟を提起して残業代の支払いを求めることになります。
会社から残業代の支払いを受けられない場合には、交渉から労働審判、訴訟へと段階的に解決を目指していくことになります。
労働審判の仕組みや手続きの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
残業代請求の訴訟にかかる期間や費用、具体的な手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
残業160時間についてよくある質問としては以下の3つがあります。

それでは、これらの疑問を解消していきましょう。
A.固定残業代が支給されていても、残業が160時間にも及ぶ場合には、追加の残業代が発生することがあります。
固定残業代は、あらかじめ一定時間分の残業代を固定額で支給する仕組みであり、その金額を超える残業代が発生した場合、差額を支払う必要があるためです。
例えば、40時間分の固定残業代が定められている場合、160時間残業したときは、不足する120時間分の残業に残業代が発生します。
また、会社によっては、固定残業代の対象時間を長時間に設定していることがあります。
しかし、160時間分もの固定残業代を設定し、それだけの長時間労働を恒常的に予定している場合には、その定めは法令の趣旨に反し無効と判断されることがあります。
固定残業代がある場合でも、対象となる時間数や金額を確認したうえで、未払い残業代がないかを確認する必要があります。
固定残業代の時間数ごとの考え方や未払い残業代への対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
A.会社で管理職として扱われていても、残業160時間分の残業代が出ないとは限りません。
労働基準法上、時間外労働や休日労働の割増賃金の適用除外は、「管理監督者」に該当する者が対象とされているためです。
管理監督者該当性は、経営者と一体的な立場にあるか、出退勤について裁量があるか、その地位に見合った待遇を受けているかなど、実際の働き方から判断されることになります。
例えば、「課長」や「店長」という肩書があっても、勤務時間を会社から決められ、経営に関する権限もほとんどない場合には、管理監督者に該当しないことがあります。
管理監督者に該当しなければ、会社が管理職として扱っていても、いわゆる「名ばかり管理職」に該当し、160時間の残業について残業代を請求できる場合があります。
一方で、管理監督者に該当する場合には、時間外労働や休日労働に対する割増賃金は原則として発生しません。
しかし、午後10時から午前5時までの深夜労働については、管理監督者についても適用されるため割増賃金が発生します。
「管理職だから残業代は出ない」という会社の説明を鵜呑みにせず、実態から管理監督者に該当するのか確認する必要があります。
管理職が管理監督者に該当する条件や、管理職でも残業代が出るケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。
A.残業160時間によってうつ病や適応障害などを発症した場合には、労災として認定される可能性があります。
精神障害の労災認定では、対象となる精神障害を発病しており、発病前おおむね6か月の間に業務による強い心理的負荷が認められることなどが判断の基準とされているためです。
労災認定基準では、発病直前の1か月におおむね160時間を超える時間外労働は、「極度の長時間労働」とされ、心理的負荷が「強」と評価されます。
ただし、残業160時間という事実から労災が認められるわけではなく、発病した精神障害の内容や発病時期、長時間労働が続いた期間なども踏まえて判断されます。
うつ病などを発症した場合には、医療機関を受診したうえで、勤怠記録など労働時間が分かる証拠を集め、労災申請を進めることも検討しましょう。
労災申請の期限や申請するタイミングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
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以上のとおり、今回は、残業160時間が一日何時間の残業になるのかを説明したうえで、過労死の危険や残業160時間から抜け出す方法について解説しました。
この記事が、月160時間の残業の問題点や身を守る方法について知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
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