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2025年3月8日
労働一般
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投稿日:2026/11/03
残業代

1日16時間労働が常態化していると、帰宅後は食事や入浴を済ませるだけで、睡眠を十分にとることは難しくなります。
特に、介護や看護の16時間夜勤では、仮眠中の呼び出しや忙しさで休むこともできず、疲労が蓄積しやすい環境にあります。
それでも、人手不足の職場では「休みたい」と言い出しにくく、生活費のことも考えると簡単には辞められないものです。

この記事の要点
・1日16時間労働は、36協定がない場合や、残業時間の上限を超えている場合、休憩や残業代の支払がない場合には違法になる可能性があります。
・16時間夜勤は、変形労働時間制などにより認められる場合がありますが、呼び出しに備えて待機する時間は、休憩に当たらないことがあります。
・体調が悪いときは受診したうえで充分な休息をとり、1日16時間労働の証拠を集めたうえで、労働環境の改善あるいは残業代の請求など、目的に応じて労基署や弁護士に相談しましょう。
この記事を読めば、1日16時間労働がつらいと感じた場合に、どうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次

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休憩を除いて1日16時間働くと、仕事だけで一日の3分の2を使うことになり、身体を休める時間は不足しがちです。
残りの8時間にも休憩や通勤、食事、入浴の時間が必要となるため、睡眠や自由な時間が削られてしまいます。
ここでは、1日16時間労働の一日の生活と身体への負担について、以下の3つに分けて説明します。

それでは、1日16時間労働による一日の生活や身体への負担について順番に説明していきます。
実働16時間と拘束16時間では、16時間の中に休憩時間を含めるかどうかが異なります。
実働時間は、休憩を除いた労働時間であり、拘束時間は休憩を含む始業から終業までの時間をいいます。
例えば、実働16時間で休憩が1時間ある場合、始業から終業までの拘束時間は17時間となります。
他方で、拘束16時間のうち1時間が休憩であれば、実際に働く時間は15時間となります。
このように、実働16時間の場合は、休憩の分だけ拘束時間が長くなり、通勤を含めると仕事に使う時間はさらに増えます。
「16時間勤務」と書かれている場合は、休憩を含む時間なのかに加え、その休憩が実際に取れているのかも確認する必要があります。
1日16時間働く生活では、睡眠に使える時間が4~5時間程度になることがあります。
実働16時間に休憩1時間と往復1時間の通勤が加わると、それだけで一日のうち18時間を使ってしまうためです。
例えば、毎朝7時に出勤し、実働16時間・休憩1時間・片道30分の通勤を続ける場合、以下のような生活になります。
| 時間 | 内容 | 補足 |
| 06:00~06:30 | 起床・朝食・身支度 | 前日の16時間労働の後、4時間半しか眠る時間がなく、疲れが残ったまま起きて慌ただしく朝食と身支度を済ませる生活です。 |
| 06:30~07:00 | 通勤 | もう少し眠りたくても家を出なければならず、眠気やだるさを抱えたまま職場へ向かうことになります。 |
| 07:00~12:00 | 仕事(5時間) | 十分に眠れないまま朝から働くため、仕事を始めた段階から眠気をこらえたり、集中しづらさを感じることがあります。 |
| 12:00~12:30 | 昼休憩(30分) | 食事の購入やトイレを済ませると、ゆっくり座って休む時間はほとんど残らず、疲れていてもすぐ仕事に戻る必要があります。 |
| 12:30~18:30 | 仕事(6時間) | 8時間勤務を超えても働き続けるため、立ち仕事では足腰、デスクワークでは目や肩などの疲れが重くなりがちです。 |
| 18:30~19:00 | 夕方の休憩(30分) | 既に11時間働いていても、夕食後にはさらに5時間の勤務があり、疲れた身体を横にして休む余裕も取りにくい状態です。 |
| 19:00~24:00 | 仕事(5時間) | 一日の疲れに夜の眠気も重なり、確認漏れや作業ミスに注意が必要な状態で、深夜まで仕事を続けることになります。 |
| 24:00~24:30 | 通勤・帰宅 | 16時間働き終えても、すぐに身体を休められず、疲れた状態で帰宅しなければいけません。 |
| 24:30~25:30 | 入浴・身の回りの片づけ・翌日の準備 | 入浴や翌日の準備だけで就寝時刻になり、家族と話したり、好きなことをする時間を取ることは難しくなります。 |
| 25:30~06:00 | 睡眠 | 眠るための時間は4時間半しかなく、寝つきが悪ければさらに短くなり、翌日も十分に休めないまま出勤を迎えます。 |
この例では、帰宅から翌朝家を出るまでに6時間しかなく、入浴や朝の支度を済ませると、睡眠には4時間半しか残りません。
昼食と夕食を勤務中の休憩で済ませてもこの状態なので、帰宅後に自炊や洗濯、育児をする場合には、睡眠時間がさらに削られることになります。
「帰ったら寝るだけ」の生活でありながら、その睡眠さえ十分に取れず、翌日の仕事が始まってしまうのです。
1日16時間労働が続くことは、自由な時間が少ないだけでなく、日常生活を送ることさえも難しくなる働き方といえます。
1日16時間・週6日勤務は、週96時間も働くことになり、過労によって健康を損なうおそれのある働き方です。
実働16時間の日が週に6日もある場合、1ヶ月の労働時間はおよそ384時間にも達します。
労災認定で用いられる週40時間を基準にすると、それを超える時間は週に56時間、4週間で224時間にも及びます。
脳・心臓疾患の労災認定では、以下のような時間外労働があると、仕事と発症との関連が強いと評価されます。
これが、いわゆる「過労死ライン」であり、1日16時間・週6日勤務は、この水準を大幅に上回ることになります。
身体への負担は、勤務時間が長いことだけでなく満足に休めない日が続くことにもあります。
例えば、前述のように睡眠が4時間半程度になる生活を週6日続ければ、疲れが残ったまま翌日の16時間勤務に入ることになります。
週に1日休みがあっても、疲れて横になって過ごしたり、溜まった洗濯や買い物を済ませるだけで終わることもあります。
休日があったとしても、睡眠不足や疲労を補えるとは限らないのです。
1日16時間・週6日勤務は、疲れや怠さなどの不調にとどまらず、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気につながるおそれがある過重労働といえます。
週6日勤務の違法性や、しんどい場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
1日16時間労働は、会社の働かせ方や休憩・残業代の扱いによって、違法になる場合があります。
例えば、1日16時間労働が違法になるケースとして、以下の4つがあります。

それでは、1日16時間労働が違法になるケースについて順番に説明していきます。
36協定の締結・届出もなしに1日16時間働かせることは、原則として違法になります。
労働基準法では、1日8時間・週40時間を労働時間の上限としており、これを超えて働かせるには36協定が必要となるためです。
36協定とは、会社と労働者側との間で、時間外労働や休日労働について定める協定をいいます。
会社は、労働者の過半数で組織する労働組合か、そのような組合がなければ労働者の過半数代表者と協定を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。
雇用契約書に「残業あり」と書かれていたり、本人が16時間勤務に同意していたとしても、36協定の代わりにはなりません。
また、労働者側と協定を締結していても、労働基準監督署への届出をしていなければ、法定時間外労働をさせることはできません。
ただし、1か月単位の変形労働時間制が適法に導入されている場合、16時間勤務が法定時間外労働に当たらないことがあります。
36協定を締結・届出していても、残業時間の上限を超えて1日16時間働かせている場合は違法です。
残業時間には、原則として月45時間・年360時間という上限があるためです。
臨時的な特別の事情があり、特別条項付きの36協定を締結している場合でも、以下の条件を遵守する必要があります。
例えば、所定労働日に実働16時間働く場合、1日8時間を超える8時間の部分が残業になります。
この勤務が同じ月に6日あれば、それだけで残業は48時間となり月45時間を超えることになります。
さらに、同じ月に13日あれば残業は104時間に達するため、特別条項があっても月100時間未満という上限に違反します。
また、1か月だけ100時間未満に収めても、前月までの残業と合わせた平均が月80時間を超えていれば、違法になる場合があります。
「特別条項があるから問題ない」と言われても、毎日のように16時間働かせることまで認められるわけではないのです。
月100時間の残業の違法性や健康リスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
1日16時間働いているのに、勤務時間中に合計1時間以上の休憩を取らせてもらえない場合は、原則として違法になります。
労働基準法では、1日の労働時間が8時間を超える場合、少なくとも1時間の休憩を勤務の途中に与えることが義務付けられているためです。
また、休憩時間は、仕事から離れて自由に過ごせる時間である必要があります。
休憩中も電話や来客に対応するよう指示され、待機している場合、その時間は休憩ではなく労働時間に該当する場合があります。
そのため、シフト表に「休憩1時間」と書かれていても、実際には仕事を任されているのであれば、別に休憩を取らせなければなりません。
休憩を取らせず、その分だけ早く帰らせたり賃金を上乗せしたとしても、休憩を与えたことにはなりません。
1日16時間労働では、勤務の途中で実際に仕事から離れて休めているかが重要になるのです。
1日16時間働いているのに、必要な残業代や深夜割増賃金が支払われていなければ違法になります。
1日8時間・週40時間を超えて働いた分には、通常の賃金に25%以上を上乗せした残業代を支払う必要があります。
さらに、月60時間を超える時間外労働については、その超えた分の割増率が50%以上になります。
また、22時から翌朝5時までの勤務には、時間外労働に対する割増とは別に、25%以上の深夜割増が必要です。
例えば、深夜まで残業しているのに、通常の残業代しか支払われず深夜割増が加算されていない場合は、不足分が未払いとなります。
固定残業代として毎月一定額が支払われていても、実際の労働時間に基づいて計算した残業代などがその額を上回れば、会社は不足分を追加で支払わなければなりません。
残業代が支払われない理由や、未払いの場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
介護施設や病院では、夜間も利用者や患者への対応が必要となるため、夕方から翌朝までの16時間夜勤が組まれることがあります。
変形労働時間制を導入している場合、1回の勤務が長くても違法になるとは限りません。
ただし、勤務回数や夜勤後のシフトによって負担も変わってくるため、月全体の労働時間や休日の取り方も確認する必要があります。
ここでは、16時間夜勤の仕組みや勤務回数、夜勤明けのルールについて、以下の5つに分けて説明します。

それでは、16時間夜勤の勤務回数や夜勤明けのルールなどについて、順番に説明していきます。
介護・看護で16時間夜勤が組まれるのは、24時間必要な対応を、日勤と夜勤の二交代制で担うためです。
患者や利用者が寝ている間も、見回りや排せつの介助、体調の急変への対応などが必要になります。
夕方に日勤者から引き継ぎ、翌朝の日勤者に交代するまでを担当するため、夜勤が長時間になりやすいのです。
このような夜勤を所定の勤務として組むために利用されるのが、1か月単位の変形労働時間制です。
この制度では、1か月以内の期間を平均して原則週40時間以内となるよう勤務を組めば、特定の日に8時間を超える労働時間を定めることもできます。
利用するには、労使協定や就業規則などで対象期間や勤務時間などを定め、法律上必要な届出を行わなければいけません。
また、対象期間が始まる前に、各日の勤務時間をシフト表などで具体的に決めておく必要があります。
これらの条件を満たせば、1日16時間の夜勤であっても違法ではないのです。
ただし、変形労働時間制でも、休憩の確保や深夜割増賃金の支払い等は必要であり、定めた勤務時間を超えて働いた場合には残業代も問題となります。
変形労働時間制で残業代が発生する条件や計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
16時間夜勤には、夜勤の出勤回数を抑えやすいメリットがある一方、1回の勤務が長く、身体への負担が増すというデメリットの両側面があります。
例えば、16時間夜勤の8時間夜勤と比べたメリットとしては、以下の3つがあります。
他方で、16時間夜勤の8時間夜勤と比べたデメリットとしては、以下の3つがあります。
実際の働きやすさは、勤務時間の長さだけでなく、休憩や仮眠を取れるか、次の勤務までに十分に休めるかによっても変わってくるのです。
16時間夜勤について、労働基準法には「月に何回まで」という回数制限はありません。
ただし、夜勤と日勤を合わせた労働時間や、休日の確保などのルールには従う必要があります。
例えば、週40時間制で1か月単位の変形労働時間制を使う場合、28日間の所定労働時間は160時間以内に設定する必要があります。
1ヶ月単位の変形労働時間制|厚生労働省
夜勤だけを担当し、休憩を除いた1回の実働が16時間であれば、この時間の枠に収まるのは10回分です。
日勤も担当する場合は、その時間も含めて計算するため、同じ枠内で組める夜勤の回数は減ります。
この10回は条件を置いた計算例であり、法律で定められた夜勤回数の上限ではありません。
夜勤を追加して法定時間外労働をさせる場合には、36協定の締結・届出が必要で、残業時間の上限も守らなければいけません。
また、雇用契約や就業規則、労働組合との協定で、夜勤回数の上限が定められていることもあります。
勤務表で日勤や残業を含めた労働時間を確かめたうえで、職場で決められた夜勤回数の上限も確認しておきましょう。
夜勤明けの日は、労働基準法上の「法定休日」に数えることはできません。
法律上の休日は、原則として午前0時から午後12時まで、丸一日働かずに休める日を指すためです。
例えば、朝まで夜勤をして帰宅した場合、その後は仕事がなくても、その日は既に働いているため、法定休日には当たりません。
会社は、原則として毎週1日、または4週間を通じて4日以上の休日を与えなければいけません。
そのため、夜勤明けの日を休日に含めて計算すると、法律で必要とされる休日数に足りていない場合があります。
シフト表に「休み」と書かれていても、その日の朝まで働いていれば、原則として法定休日を与えたことにはなりません。
勤務表を確認するときは、夜勤明けの日とは別に、丸一日働かずに休める日が確保されているかを確認しましょう。
介護職や看護職について、16時間夜勤のあとに日勤を入れることが、一律に禁止されているわけではありません。
例えば、変形労働時間制で実働16時間の夜勤を終え、そのまま予定外の日勤を追加された場合、その延長分は時間外労働となり、残業代が発生します。
36協定が締結・届出されていない場合や、協定で定めた残業時間の上限を超える場合には、その延長は原則として違法です。
1日の上限内でも、月や年の残業時間が協定の上限を超えていれば、働かせることはできません。
他方で、夜勤明けの翌日を休日にする法律上の決まりはなく、翌日に日勤があるという理由だけで違法にはなりません。
ただし、就業規則などで夜勤後の休息時間や休日が定められている場合は、会社はその定めを守る必要があります。
また、強い疲労や体調不良を訴えているのに、必要な対応をせず勤務を続けさせる場合は、安全配慮義務違反が問題となることがあります。
夜勤後に十分な睡眠や休養を取れない状態が続く場合は、体調や勤務状況を伝え、シフトの見直しを求めましょう。
16時間働く場合、法律上は勤務の途中に少なくとも1時間の休憩が必要になります。
ただし、休憩中も電話や呼び出しに対応しなければならず、仕事から離れられない場合は、休憩を与えたことにはなりません。
夜勤では、仮眠時間が設けられていても、求められている対応やその実態によっては、労働時間に該当する場合があるのです。
ここでは、16時間労働の休憩と仮眠について、以下の3つに分けて説明します。

それでは、必要な休憩時間や、夜勤中の待機・仮眠の扱いについて、順番に説明していきます。
16時から翌9時までの勤務でも、途中に1時間の休憩を取れていれば、休憩時間の長さについては労働基準法の基準を満たしていることになります。
この勤務形態では拘束は17時間ですが、休憩1時間を差し引くと実働は16時間となります。
労働基準法は、実働が8時間を超える場合に1時間以上の休憩を求めており、勤務時間が長くなったとしても、比例して休憩時間が増える仕組みではありません。
ただし、休憩は勤務の途中に与え、仕事から離れて自由に過ごせる時間でなければいけません。
また、就業規則や雇用契約で、1時間よりも長い休憩が定められている場合は、その時間を確保しなければいけません。
1人夜勤でも、ナースコール対応などで仕事から離れられない時間は休憩として扱うことはできません。
休憩には、業務から離れて自由に過ごせることが必要であり、業務に必要な待機時間は含まれないためです。
例えば、休憩室で食事をしていても、コールが鳴れば自分が対応するよう義務付けられている場合は、鳴っていない時間も労働時間に該当することがあります。
人手不足を理由に休憩を取らないという選択はできず、交代要員の配置などにより、会社は業務から離れられる時間を確保しなければいけません。
また、業務対応によって必要な休憩時間が不足した場合は、不足分の休憩を別途与える必要があります。
休憩として差し引かれていた時間が労働時間に該当する場合は、賃金や残業代の未払いが生じることもあります。
休めなかった日や対応内容、待機を指示された状況は、未払い賃金や残業代を請求する際の証拠になるため、メモなどで残しておきましょう。
休憩が取れていないことを証明する資料や、証拠を集める際のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
仮眠がないという理由だけで、16時間夜勤が違法になるわけではありません。
労働基準法は、夜勤中に仮眠時間を設けることまでは義務付けていないためです。
ただし、夜間に眠らず長時間働くと、疲労や強い眠気によって集中力が低下するおそれがあります。
日本看護協会も、疲労回復や眠気の解消のため、夜勤の途中でまとまった仮眠時間を確保することを勧めています。
1日16時間働いた場合に受け取れる給料は、基本給や勤務実態によっても変わってきます。
ここでは、1日16時間労働の給料と残業代について、以下の順に説明します。

それでは、残業時間の数え方や割増率を説明したうえで、月給別の計算例を紹介していきます。
1日16時間労働の残業代は、1時間当たりの賃金を求めたうえで、割増率と残業時間を使って計算することになります。
月給制の場合の計算式は、次のとおりです。
計算の対象となる月給には、基本給や役職手当などを含め、残業代や実際の通勤費に応じて支給される通勤手当などは除きます。
所定労働時間は、就業規則や雇用契約で決められた勤務時間を指し、残業時間は含みません。
割増率が25%の場合は1.25を掛け、割増率が異なる時間は分けて計算することになります。
通常の勤務形態で16時間働いた場合、原則として1日8時間を超える8時間分が残業となります。
ただし、1か月単位の変形労働時間制で16時間勤務が定められている場合、8時間を超えた分すべてが残業になるとは限らないため注意が必要です。
残業代の計算に使う1時間当たりの賃金の求め方や、計算上の注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
月給20万円で、以下の条件で1日16時間働いた場合、残業代は月28万1250円となります。
通常の労働時間制で、月平均所定労働時間は160時間、月20日の勤務すべてで8時間ずつ残業した場合の計算です。
月給には手当や固定残業代を含まず、深夜・休日勤務もないものとします。
この場合、1時間当たりの基礎賃金は1250円、月の残業時間は160時間となります。
月60時間までは1.25倍、60時間を超える100時間は1.5倍として、法律上の最低割増率で計算します。
月給20万円と合わせた総支給額は48万1250円となり、ここから税金や社会保険料などが差し引かれることになります。
月給30万円の場合、以下の条件で1日16時間働くと、残業代は月42万1875円になります。
通常の労働時間制で、月平均所定労働時間は160時間、月20日の勤務すべてで8時間ずつ残業した場合の計算です。
月給には手当や固定残業代を含まず、深夜・休日勤務もないものとします。
この場合、1時間当たりの基礎賃金は1875円、月の残業時間は160時間となります。
月60時間までは1.25倍、60時間を超える100時間は1.5倍として、法律上の最低割増率で計算します。
月給30万円と合わせた総支給額は72万1875円となり、ここから税金や社会保険料などが差し引かれることになります。
月給40万円の場合、以下の条件で1日16時間働くと、残業代は月56万2500円になります。
通常の労働時間制で、月平均所定労働時間は160時間、月20日の勤務すべてで8時間ずつ残業した場合の計算です。
月給には手当や固定残業代を含まず、深夜・休日勤務もないものとします。
この場合、1時間当たりの基礎賃金は2500円、月の残業時間は160時間となります。
月60時間までは1.25倍、60時間を超える100時間は1.5倍として、法律上の最低割増率で計算します。
月給40万円と合わせた総支給額は96万2500円となり、ここから税金や社会保険料などが差し引かれることになります。
1日16時間労働がつらいときは、無理して体調を崩してしまう前に対応を考えていきましょう。
例えば、1日16時間労働がつらいときの対処法としては、以下の5つがあります。

それでは、1日16時間労働がつらいときの対処法について順番に説明していきます。
1日16時間労働で体調を崩している場合は、早めに医療機関を受診し休養を取りましょう。
不調を我慢しても、かえって症状が悪化し回復までに時間がかかることがあるためです。
例えば、眠れない、食欲が落ちた、休日も強い疲れが残るといった変化がある場合は、早めに医師へ相談しましょう。
受診時には、症状が出始めた時期に加え、勤務時間や休憩・睡眠をどの程度取れているのか具体的に伝えましょう。
医師から休養が必要と言われた場合は、診断書を作成してもらい、会社に休む必要があることを伝えましょう。
長期間の休養が必要な場合は、会社の就業規則で休職制度の有無や利用条件、休職期間、提出書類を確認し、利用可能な制度の手続きを進めることになります。
休職できる期間や、休職期間が満了する際の注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
1日16時間労働がつらいときは、上司や人事担当者に、勤務時間や業務量を減らせないか相談しましょう。
担当業務の分担やシフトを見直すことで、働く時間を短くできる場合があるためです。
相談する際は、現在の勤務時間や体調への影響に加え、どのような変更を希望するのかを具体的に伝えましょう。
例えば、「毎日帰りが遅く睡眠時間が足りないので、残業を減らせるよう担当業務を調整してほしい」と相談してみましょう。
また、会社には健康配慮義務があり、勤務状況や体調に応じて、業務量の調整などの対応が求められます。
希望どおりのシフト変更が認められるとは限りませんが、健康を害する状況を把握しておきながら、これを放置した場合は、安全配慮義務違反が問題になることもあります。
相談内容や会社の回答は、変更に応じてもらえなかった場合も含め、メモなどで残しておきましょう。
長時間労働が安全配慮義務違反になるケースや、会社に責任を問う手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
1日16時間労働の改善や残業代の請求に向けて、実際の勤務時間が分かる証拠を集めましょう。
会社から「そんなに働いていない」「休憩は取れていた」と否定された場合に、勤務実態を証拠から説明する必要があるためです。
例えば、1日16時間労働の証拠としては、以下のような資料が挙げられます。
また、医療・介護の現場では、次のような資料も、実際に働いていた時間や休憩を取れなかった事情を示す証拠になります。
なお、患者や利用者の個人情報を含む資料をやむを得ず証拠として利用する場合は、患者名や患者番号をマスキングするなど、プライバシーにも配慮しましょう。
また、自分では取得できない資料は、資料の名称や保存先を控え、弁護士に勤務先への開示要請や証拠保全を相談しましょう。
タイムカードがない場合に使える証拠や、会社から勤務記録を入手する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
1日16時間労働に伴う休憩不足や残業代の未払いに悩んでいる場合は、労基署や弁護士に相談しましょう。
直接交渉による改善の見込みがない場合でも、行政の指導や弁護士を通じた請求によって解決できる場合があるためです。
労基署は、違法な長時間労働や残業代の未払いなどを調査し、労働基準法違反が認められれば会社に是正を求められる機関です。
相談は無料で、会社への調査や指導を求めたい場合は、勤務先を管轄する労基署に違反の事実を伝えて申告します。
是正指導によって残業代が支払われることもありますが、労基署が代理人として交渉したり、裁判で請求するわけではないため、任意の支払が期待できない場合には直接請求、あるいは弁護士に相談することになります。
他方で、弁護士には、残業代の計算や証拠の検討に加え、代理人として会社と交渉し、労働審判や訴訟での請求も任せることができます。
実労働時間に争いがある場合や、労基署の指導後も支払わない場合、自分で交渉することが難しい場合は、弁護士への相談がおすすめです。
弁護士に依頼する場合、弁護士費用がかかるため、相談時に着手金や報酬金などについて確認しておきましょう。
どちらに相談する場合も、手元にある勤怠記録や給与明細を持参し、勤務状況と、希望する内容を具体的に伝えましょう。
残業代が出ない場合の相談先や、それぞれの特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
1日16時間労働が続き、勤務時間や人員配置の改善が見込めない場合は、転職も検討しましょう。
職場を変えることで、長時間労働から解放され、自分に合った働き方を選べる場合があるためです。
例えば、医療・介護職で夜勤の負担が大きい場合は、日勤のみの求人や、1回の夜勤時間が短い求人を探してみるのもよいでしょう。
入職前には、労働条件通知書などで勤務時間・休日・賃金を確かめ、気になる点があれば事前に確認しておきましょう。
なお、退職したとしても、未払い残業代を請求する権利がなくなるわけではありません。
ただし、未払い残業代には各給与の支払日から3年の時効があり、請求を先延ばしにすると、古い分から時効にかかるおそれがあります。
退職後は勤怠記録などを入手しにくくなることがあるため、請求を考えている場合は、在職中から証拠を集めておきましょう。
残業が多い職場を退職する手順や、転職先を選ぶ際のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
1日16時間労働についてよくある疑問としては、以下の5つがあります。

それでは、これらの疑問を解消していきましょう。
A.掛け持ちで合計1日16時間働いたとしても、違法になるわけではありません。
ただし、複数の勤務先に雇用されて働く場合、労働時間は原則として合計して判断されることになります。
例えば、別々の職場で8時間ずつ働く場合でも、合計16時間のうち、8時間分が法定時間外労働となります。
この場合、法定時間外労働が生じる勤務先では、36協定の締結・届出と、超過分の割増賃金の支払いが必要になります。
また、残業と休日労働の合計は、複数の勤務先を合わせて月100時間未満、2~6か月の各平均で月80時間以内に収める必要があります。
36協定がないまま法定時間外労働をさせたり、こうした上限を超えて働かせたりすれば、掛け持ちであっても違法になる場合があるのです。
A.農業では、1日16時間働かせられる場合があります。
農業は天候などの自然条件に左右されるため、労働基準法上、労働時間・休憩・休日に関する規定の適用が除外されているためです。
ただし、農業の事業主にも、従業員の健康や安全に配慮する義務があります。
例えば、体調不良を把握しながら休ませずに長時間働かせ続ければ、繁忙期であっても安全配慮義務違反が問題になり得ます。
また、雇用契約や就業規則で定めた休憩・休日などの労働条件は守る必要があります。
午後10時から翌午前5時までの深夜割増賃金や、年次有給休暇の規定も適用されます。
なお、農業法人であっても、独立した加工工場や販売店などには労働時間の規制が適用される場合があり、会社の名称だけで判断することはできません。
A.「宿直」であったとしても、休憩なしの勤務が認められるわけではありません。
労基署長の許可を受け、その許可の範囲内で行う宿直については、労働基準法の休憩に関する規定が適用されなくなります。
ただし、ほとんど労働する必要がなく、夜間に十分な睡眠を取れることなどが許可の前提となります。
例えば、夜通し看護や介助が続き、十分に眠れない勤務が常態化している場合は、宿直の許可基準に適合していない可能性があります。
宿直の許可がない場合は、通常の休憩のルールが適用され、実労働時間が8時間を超えれば、原則として1時間以上の休憩が必要になります。
また、医療機関の宿日直許可は、職種や時間帯、業務を限定して出されることもあります。
勤務先に許可書を示してもらい、職種・勤務時間帯・業務が許可の対象に含まれているかを確かめましょう。
A.深夜業を含む勤務に常時従事している場合は、年1回では足りず、6か月以内に1回の健康診断が必要になります。
労働安全衛生規則により、「特定業務従事者の健康診断」の実施が義務付けられているためです。
具体的には、午後10時から翌午前5時までの時間帯にかかる勤務を、常態として週1回以上、または月4回以上行う場合が対象となります。
そのため、16時間夜勤を毎週行っている場合は、年1回の健康診断だけでは不足します。
また、日勤から深夜業を含む業務へ配置替えする際にも、健康診断が必要です。
対象なのに年1回しか案内されていない場合は、勤務先の健診担当者に夜勤の回数と前回の受診日を伝え、受診の手配を求めましょう。
A.月160時間労働は、月20日働く場合、1日平均8時間の労働になります。
1日当たりの平均労働時間は、月の総労働時間を、その月に働いた日数で割って計算するためです。
一方で、1日16時間労働は、1日に16時間働くことを指し、月20日続ければ、月の総労働時間は320時間にも及びます。
月160時間は1か月分の合計を表すため、16時間の夜勤と休日を組み合わせた働き方も含まれます。
月の総労働時間が同じでも、1回の勤務時間や勤務回数によって、働き方も異なってくるのです。
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以上のとおり、今回は、1日16時間労働の一日の生活と残業時間を説明したうえで、違法になるケースや16時間夜勤のルール、残業代の計算方法と対処法5つについて解説しました。
この記事が、1日16時間労働がつらいと感じた場合に、どうすればいいのか知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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