の慰謝料相場はいくら?.png)
2025年12月29日
不倫の考え方
浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料相場はいくら?判例368個を独自調査
不倫慰謝料の相場は、50万~300万円程度です。別居や離婚の有無等の個別事情により金額は変わってきます。今回は、浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料相場はいくらかについて、判例368個を独自に調査、分析したうえで解説します。
投稿日:2026/07/02
不倫慰謝料を請求された

慰謝料請求をされた場合には回答書を作成することになります。
しかし、回答書を書いたことがない方にとっては、一般的にどのような記載がされるかもわからないでしょう。そこで参考になるのが文例です。

この記事の要点
・慰謝料請求をされた場合、回答書の文例を参考にしつつ、事案に応じた調整をするようにしましょう。
・慰謝料請求の回答書には、安易な支払いの承諾、虚偽の記載、感情を逆撫でする記載はしないようにしましょう。
この記事を読めば、慰謝料請求をされた場合の回答書の書き方がよくわかるはずです。
目次

不倫慰謝料弁護士コンパスで
不倫慰謝料に強い弁護士を探す

慰謝料請求の回答書は、請求内容を認めるのか、争うのか、回答を待ってもらうのかによって書き方が変わります。
例えば、慰謝料請求の回答書の文例としては、以下の5つがあります。
ただし、文例については、あくまでも一般的な記載となりますので、ご活用いただく際には事案に応じて記載を調整する必要があります。
それでは、慰謝料請求の回答書の文例について順番に見ていきましょう。
不貞行為自体を認める場合でも、請求された金額をそのまま支払う必要があるとは限りません。
不倫慰謝料の金額は、不貞の期間、回数、婚姻関係への影響、離婚や別居の有無、双方の資力などを踏まえて話し合われることが多いためです。
そのため、不貞行為について謝罪しつつ、金額については減額を求める回答書を作成することがあります。
文例は、以下のとおりです。
令和〇年〇月〇日 〇〇〇〇 様 〒〇〇〇-〇〇〇〇 住所 〇〇県〇〇市〇〇 氏名 〇〇〇〇 印 回答書 前略
令和〇年〇月〇日付け通知書を受領いたしました。
私が、〇〇氏との間で肉体関係を持ったことは事実です。貴殿にご不快な思いをさせてしまったことについて、本書面をもって謝罪申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
もっとも、貴殿が請求されている〇〇〇万円については、類似事案の裁判例の相場に照らしても高額に過ぎます。
つきましては、本件の解決金として〇〇万円を、令和〇年〇月から毎月〇万円ずつ分割して支払う内容でご検討いただけないでしょうか。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。 草々 |
この文例では、不貞行為について謝罪しつつ、支払いが難しい理由や減額を求める理由を記載します。
ただし、謝罪の表現を入れる場合には、その内容が後から「不貞行為を全面的に認めた」と受け取られることがあります。事実関係に争いがある部分まで認める表現にならないようにしましょう。
不倫慰謝料は、一般的には肉体関係を伴う不貞行為があった場合に問題となります。
そのため、交際や連絡はあっても肉体関係がない場合には、慰謝料の支払を拒否する回答書を作成することがあります。
もっとも、相手が写真、メッセージ、宿泊記録などを持っていることもあります。事実と異なる内容を書いてしまうと、後の交渉で不利になるおそれがあります。
文例は、以下のとおりです。
令和〇年〇月〇日 〇〇〇〇 様 〒〇〇〇-〇〇〇〇 住所 〇〇県〇〇市〇〇 氏名 〇〇〇〇 印 回答書 前略
令和〇年〇月〇日付け通知書を受領いたしました。
通知書では、私が貴殿の配偶者と不貞関係にあったとして、慰謝料〇〇〇万円を請求されています。
しかし、私は、貴殿の配偶者と肉体関係を持った事実はありません。
そのため、通知書記載の慰謝料請求については、応じることができません。
なお、今後の不要な誤解を避けるため、貴殿の配偶者との私的な連絡は控える意向です。
本件について、不貞行為の具体的な根拠があるとお考えの場合には、その内容を明らかにしていただきますようお願いいたします。 草々 |
この文例では、肉体関係を明確に否定し、慰謝料の支払を拒否しています。
ただし、「会ったこともない」「連絡を取ったこともない」など、事実と異なる部分まで広げて否定する必要はありません。否定する範囲は、実際の事情に合わせて慎重に決めましょう。
相手が既婚者であると知らず、独身だと信じて交際していた場合には、慰謝料の支払を拒否できる可能性があります。
不倫慰謝料が認められるためには、単に交際していたというだけではなく、相手が既婚者であることを知っていた、または注意すれば知ることができたといえる事情が必要になるためです。
例えば、相手が「独身です」と説明していた、結婚指輪をしていなかった、休日や夜間にも自由に会っていたというケースもあります。
文例は、以下のとおりです。
令和〇年〇月〇日 〇〇〇〇 様 〒〇〇〇-〇〇〇〇 住所 〇〇県〇〇市〇〇 氏名 〇〇〇〇 印 回答書 前略
令和〇年〇月〇日付け通知書を受領いたしました。
通知書では、私が貴殿の配偶者と不貞関係にあったとして、慰謝料〇〇〇万円を請求されています。
しかし、私は、交際当時、貴殿の配偶者から独身であると説明されていました。
また、貴殿の配偶者が既婚者であることをうかがわせる事情も確認できず、私としては、同人が既婚者であることを知りませんでした。
したがって、私には、貴殿の婚姻関係を壊すような意思も認識もありません。
以上の理由から、通知書記載の慰謝料請求には応じることができません。
なお、同人が既婚者であることを知った後は、今後の関係について慎重に対応する意向です。 草々 |
この文例では、「既婚者だと知らなかった」という点を中心に支払を拒否しています。
ただし、既婚者であることを疑う事情があった場合には、「まったく知らなかった」と書くと後で説明が難しくなることがあります。相手との会話、会う時間帯、相手の生活状況などを確認したうえで、表現を整える必要があります。
既婚者だと知らなかった場合については、以下の記事で詳しく解説しています。
不倫慰謝料の請求にも、消滅時効があります。
一般的には、請求する側が損害と加害者を知った時から3年が経過すると、慰謝料請求権が時効により消滅する可能性があります。
ただし、いつから3年を数えるのかは、事案によって争いになることがあります。そのため、時効を理由に拒否する場合には、「時効を援用する」という意思を明確に伝えることが必要です。
文例は、以下のとおりです。
令和〇年〇月〇日 〇〇〇〇 様 〒〇〇〇-〇〇〇〇 住所 〇〇県〇〇市〇〇 氏名 〇〇〇〇 印 回答書 前略 令和〇年〇月〇日付け通知書を受領いたしました。 通知書では、私に対し、貴殿の配偶者との不貞行為を理由として、慰謝料〇〇〇万円を請求されています。 しかし、仮に貴殿のご主張を前提としても、貴殿は、遅くとも令和〇年〇月〇日には、損害および加害者を知っていました。 そのため、本件慰謝料請求権については、すでに消滅時効が完成しています。 本書面をもって、私は、本件慰謝料請求権について消滅時効を援用します。 したがって、通知書記載の慰謝料請求には応じることができません。 草々 |
この文例では、消滅時効を理由に慰謝料請求を拒否しています。
時効は、単に期間が過ぎているだけではなく、時効の利益を受ける意思を相手に伝えることが必要です。そのため、「消滅時効を援用します」という文言を入れることが一般的です。
不倫の時効については、以下の記事で詳しく解説しています。
慰謝料請求書が届いても、すぐに回答できないことがあります。
例えば、通知書の内容を確認する時間が必要な場合、弁護士に相談したい場合、証拠や事実関係を整理したい場合などです。
このような場合には、何も返事をしないのではなく、回答期限の延長を求める書面を送ることがあります。
文例は、以下のとおりです。
令和〇年〇月〇日 〇〇〇〇 様 〒〇〇〇-〇〇〇〇 住所 〇〇県〇〇市〇〇 氏名 〇〇〇〇 印 回答書 前略 令和〇年〇月〇日付け通知書を受領いたしました。 通知書の内容については、現在、事実関係を確認しているところです。 また、今後の対応について専門家への相談も検討しているため、通知書記載の回答期限までに最終的な回答を行うことが難しい状況です。 つきましては、令和〇年〇月〇日まで回答期限を延長していただけないでしょうか。 確認ができ次第、改めて書面にて回答いたします。 草々 |
この文例では、回答を待ってほしい理由を簡潔に伝えています。
回答期限に間に合わないからといって放置すると、相手が訴訟など次の手続に進むことがあります。すぐに最終回答ができない場合でも、期限延長を求める回答をしておくと、落ち着いて準備しやすくなります。

慰謝料請求の減額交渉では、「払えません」と伝えるだけでは、相手に納得してもらいにくいことがあります。
減額を求める理由を、感情的にならず、事情に応じて具体的に書くことが必要です。
追加文例としては、例えば以下の5つがあります。
それでは、慰謝料請求の減額交渉で使える追加文例について順番に見ていきましょう。
不貞行為を認める場合でも、相手夫婦が離婚や別居に至っていない場合には、慰謝料額の減額を求める事情になることがあります。
不倫慰謝料は、不貞行為によって夫婦関係にどの程度の影響が出たのかも踏まえて話し合われることが多いためです。
例えば、不貞行為があった後も夫婦が同居を続けており、離婚協議や別居に至っていないというケースもあります。
このような場合には、回答書に以下のような文例を加えることが考えられます。
| 本件について、貴殿に精神的苦痛を与えてしまったことについては、深くお詫び申し上げます。
もっとも、現時点において、貴殿ご夫婦は離婚や別居に至っていないものと認識しております。
そのため、通知書記載の慰謝料〇〇〇万円については、婚姻関係への影響の程度に照らして高額であると考えております。 |
この文例では、離婚や別居に至っていないことを、減額交渉の事情として落ち着いて伝えています。
ただし、離婚や別居に至っていないからといって、慰謝料が発生しないとは限りません。「離婚していないので慰謝料は払う必要がありません」などと断定すると、相手の感情を刺激するおそれがあります。
そのため、離婚や別居の有無は、慰謝料額を調整する事情として書くことが安全です。
離婚しないでも不倫慰謝料を請求できるのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
元々別居していた場合の不貞行為については、以下の記事で詳しく解説しています。
不貞の回数が少ない場合や、不貞関係の期間が短い場合には、慰謝料額の減額を求める事情になることがあります。
慰謝料額は、不貞行為の内容、期間、回数、夫婦関係への影響などを踏まえて話し合われることが多いためです。
例えば、不貞関係が一時的なものであり、長期間にわたる継続的な関係ではなかったというケースもあります。
このような場合には、回答書に以下のような文例を加えることが考えられます。
| 本件について、貴殿にご迷惑をおかけしたことについては、真摯に受け止めております。
もっとも、本件の不貞関係は長期間にわたるものではなく、回数も限定的でした。
そのため、通知書記載の慰謝料〇〇〇万円については、本件の経緯や不貞関係の内容に照らして高額であると考えております。 |
この文例では、不貞行為を認めつつ、期間や回数を理由に減額を求めています。
もっとも、「短期間だから問題ない」「数回だけなので大したことではない」といった表現は避けるべきです。相手から見れば、不貞の期間が短くても精神的苦痛を受けたことに変わりはありません。
そのため、回答書では、相手の精神的苦痛を否定するのではなく、慰謝料額の調整を求める事情として書くようにしましょう。
ワンナイト不倫については、以下の記事で詳しく解説しています。
慰謝料の減額交渉では、求償権を放棄することを条件として、慰謝料額の減額を求めることがあります。
求償権とは、不貞相手と配偶者が共同で責任を負う場合に、慰謝料を支払った側が、もう一方に対して負担分を求める権利をいいます。
請求者本人としては、回答者が後から自分の配偶者に金銭請求をすることを避けたいと考える場合があります。そのため、求償権を放棄することが、減額交渉の材料になることがあります。
このような場合には、回答書に以下のような文例を加えることが考えられます。
| 今後、貴殿の配偶者とのやり取りなどが発生することを避けるためにも、求償権について併せて清算させていただくのがよいと思料します。
つきましては、求償権の放棄を前提として、貴殿に対して、本件の解決金として〇〇万円を支払う内容でご検討いただけないでしょうか。 |
この文例では、求償権を放棄することにより、相手本人にとっても解決しやすい条件になることを伝えています。
ただし、求償権を放棄すると、後から相手の配偶者に対して負担分を求めることができなくなる可能性があります。安易に書くと、自分に不利な条件で示談してしまうおそれがあります。
そのため、求償権の放棄は、慰謝料額がどの程度下がるのかを見ながら、慎重に検討しましょう。
求償権放棄については、以下の記事で詳しく解説しています。
不貞行為の前から相手夫婦の婚姻関係が悪化していた場合には、慰謝料額の減額を求める事情になることがあります。
不倫慰謝料では、不貞行為によって夫婦関係にどの程度の影響が出たのかが問題になるためです。
例えば、不貞行為の前から別居していた、夫婦間の会話がほとんどなかった、すでに離婚に向けた話し合いが始まっていたというケースもあります。
このような場合には、回答書に以下のような文例を加えることが考えられます。
| 本件について、貴殿に精神的苦痛を与えてしまったことについては、真摯に受け止めております。
もっとも、本件以前から、離婚の協議をしているものとお聞きしており、貴殿ご夫婦の婚姻関係については良好なものではありませんでした。 |
この文例では、元々婚姻関係が悪かったことを、慰謝料額の調整事情として伝えています。
ただし、婚姻関係が良好でなかったと抽象的に伝えるだけでは、あまり意味がありません。これを根拠づける具体的なエピソードを提示できることが大切です。
慰謝料を一括で支払うことが難しい場合には、現在の収入や生活状況を説明し、減額や分割払を求めることがあります。
慰謝料の支払条件は、最終的には当事者の合意によって決まります。そのため、現実的に支払える金額を示すことで、話し合いが進みやすくなることがあります。
例えば、手取り収入が少ない、扶養家族がいる、家賃や生活費の負担が大きいというケースもあります。
このような場合には、回答書に以下のような文例を加えることが考えられます。
| 通知書記載の慰謝料〇〇〇万円については、私の現在の収入および生活状況から、一括で支払うことが困難です。
現在の私の月収は手取りで約〇〇万円であり、家賃、生活費、借金の返済を差し引くと、毎月支払に充てられる金額は〇万円程度です。
そのため、本件については、解決金を〇〇万円とし、令和〇年〇月から毎月〇万円ずつ分割して支払う内容でご検討いただきたく存じます。 |
この文例では、資力がないことを理由に、減額や分割払を求めています。
ただし、資力がないという事情だけで、慰謝料を支払わなくてよいことになるわけではありません。「お金がないので払えません」とだけ書くと、相手が納得しにくくなることがあります。
そのため、毎月いくらであれば支払えるのか、いつから支払えるのかを具体的に示すことが必要です。
慰謝料請求されたけどお金がないことについては、以下の記事で詳しく解説しています。

慰謝料をメールで請求された場合でも、基本的な対応は書面で請求された場合と大きく変わりません。
請求内容を確認したうえで、支払う意思があるのか、減額を求めるのか、支払を拒否するのか、回答を待ってほしいのかを整理して返信することになります。
もっとも、メールはすぐに送信できるため、感情的な文章を送ってしまいやすい点に注意が必要です。一度送信したメールは、後から証拠として使われることがあります。そのため、電話やSNSのような軽いやり取りではなく、書面に近いものとして慎重に作成しましょう。
例えば、謝罪しつつ減額交渉を行う場合の返信文例は、以下のとおりです。
| 件名:慰謝料請求に関するご回答
〇〇〇〇 様
令和〇年〇月〇日付けのメールを拝見いたしました。 〇〇〇〇と申します。
私が、〇〇氏との間で肉体関係を持ったことは事実です。貴殿にご不快な思いをさせてしまったことについて、本メールをもって謝罪申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
もっとも、貴殿が請求されている〇〇〇万円については、類似事案の裁判例の相場に照らしても高額に過ぎます。
つきましては、本件の解決金として〇〇万円を、令和〇年〇月から毎月〇万円ずつ分割して支払う内容でご検討いただけないでしょうか。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
〇〇〇〇 住所:〇〇県〇〇市〇〇 電話番号:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇 メールアドレス:〇〇〇〇@〇〇〇〇 |
メールで返信する場合には、件名を見ただけで内容がわかるようにしておくと、相手も確認しやすくなります。
また、本文では、いつの請求に対する回答なのかを明らかにしましょう。「令和〇年〇月〇日付けのメールを拝見しました」と書いておくと、どのメールへの返信なのかがわかりやすくなります。
メールで回答書を送る場合には、本文に直接記載する方法のほか、回答書をPDFファイルで添付する方法もあります。
添付して送る場合には、本文に以下のように記載するとよいでしょう。
| 〇〇〇〇 様
令和〇年〇月〇日付けのメールを拝見いたしました。
本件につきまして、回答書をPDFファイルにて添付いたします。
お手数ですが、ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
〇〇〇〇 |
PDFファイルを添付する場合には、添付漏れがないか、別のファイルを添付していないか、送信前に確認しましょう。
メールは便利ですが、相手が受信していないと主張する可能性もあります。送信後は、送信済みメール、添付したPDFファイル、送信日時がわかる画面を保存しておきましょう。
特に、消滅時効の援用や慰謝料請求の拒否など、後から証拠として残す必要性が高い内容を送る場合には、メールだけでなく内容証明郵便で送ることも検討しましょう。

慰謝料を電話で請求された場合には、その場で慰謝料の支払や不貞行為の内容について回答しないことが基本です。
電話では、相手の怒りや強い口調に動揺してしまい、冷静に考えられないまま発言してしまうことがあります。また、会話が録音されている可能性もあります。
そのため、電話では請求内容を確認することにとどめ、正式な回答は後日、書面又はメールで行うと伝えるようにしましょう。
例えば、電話で慰謝料を請求された場合の応答例は、以下のとおりです。
| 相手方:あなたと私の夫が不倫していたことはわかっています。慰謝料300万円を払ってください。
こちら:突然のご連絡ですので、まずは、ご請求の内容を確認させてください。
相手方:認めるんですか。認めないんですか。
こちら:ご請求の内容を確認したうえで、改めて回答させていただきます。このお電話ですぐに回答をお伝えすることは控えさせてください。
相手方:逃げるつもりですか。
こちら:正確に対応するため、請求内容を確認したうえで、書面又はメールで回答したいと考えています。
相手方:では、慰謝料はいくら払うんですか。
こちら:金額についても、この場では回答できません。請求金額や根拠を確認したうえで、改めて回答いたします。
相手方:いつまでに回答するんですか。
こちら:令和〇年〇月〇日までに、書面又はメールで回答いたします。恐れ入りますが、請求内容をメール又は書面で送っていただけますでしょうか。 |
このように、電話では「今すぐ払います」「不倫したことをすべて認めます」などと答えないようにしましょう。
慰謝料請求では、不貞行為の有無、既婚者と知っていたかどうか、不貞関係の期間や回数、離婚や別居の有無などにより、責任や金額が変わることがあります。
そのため、電話で一部の事実を認める場合でも、どこまで認めるのかを整理してから回答する必要があります。
特に避けるべき発言としては、以下のようなものがあります。
このような発言は、後の交渉で不利になってしまうことがあります。
また、電話で相手から強い言葉を言われた場合でも、感情的に言い返さないようにしましょう。相手を責める発言をすると、話し合いでの解決が難しくなることがあります。
電話を終えた後は、できるだけ早く、以下の内容をメモしておきましょう。
電話での会話は、後から内容を確認しにくくなります。記憶が新しいうちにメモを残しておくことで、弁護士に相談する際にも説明しやすくなります。
慰謝料を電話で請求された場合には、すぐに結論を出そうとせず、請求内容を書面又はメールで送ってもらうようにしましょう。そのうえで、事実関係を整理し、回答書として落ち着いて返答することをおすすめします。

慰謝料請求の回答書を書く前には、届いた通知書の内容を落ち着いて確認する必要があります。
通知書の記載を確認しないまま回答すると、相手の主張を必要以上に認めてしまうおそれがあるためです。
確認すべき記載としては、①代理人の有無や宛先、②事実の正確性、③離婚又は別居の有無、④請求金額、⑤回答期限があります。

慰謝料請求の回答書の作成前に確認すべき通知書の記載

それでは、慰謝料請求の回答書の作成前に確認すべき通知書の記載について順番に見ていきましょう。
通知書が届いたら、まず誰から届いているのかを確認しましょう。
慰謝料請求の通知書は、請求者本人から届くこともあれば、請求者の代理人弁護士から届くこともあります。代理人弁護士から届いている場合には、回答書の宛先は、原則として請求者本人ではなく代理人弁護士になります。
例えば、通知書の下の方に「通知人代理人」「弁護士」「法律事務所」などの記載がある場合には、代理人弁護士がついている可能性があります。
この場合、請求者本人に直接連絡するのではなく、代理人弁護士に対して回答するのが通常です。
確認するポイントは、以下のとおりです。
代理人弁護士がついている場合には、回答書の宛先を次のようにします。
一方、請求者本人から通知書が届いた場合には、回答書の宛先は次のようになります。
宛先を誤ると、相手に回答が届いていないと扱われるおそれがあります。まずは、通知書の差出人と回答先を確認しましょう。
次に、通知書に書かれている事実が正しいかを確認しましょう。
通知書には、不貞行為の時期、相手の氏名、既婚者であることを知っていたか、不貞関係を継続していたかなどが書かれていることがあります。
しかし、通知書に書かれている内容がすべて正しいとは限りません。請求する側が把握している情報に誤りがある場合もあります。
例えば、次のような点は確認しておきましょう。
例えば、通知書に「既婚者であると知りながら不貞関係を継続した」と書かれていても、実際には交際当初、相手から独身と説明されていたというケースもあります。
また、「長期間にわたり不貞関係を継続した」と書かれていても、実際には期間や回数が通知書の記載と異なるケースもあります。
回答書では、認める部分と争う部分を分けて書くことが必要です。事実と違う部分まで認めてしまうと、後から修正しにくくなることがあります。
そのため、回答書を書く前に、通知書の事実関係を一つずつ確認しましょう。
通知書に、請求者夫婦が離婚した、別居した、夫婦関係が破綻の危機にあるといった記載があるかも確認しましょう。
離婚又は別居の有無は、慰謝料額に影響することがあるためです。離婚に至っている場合には200万前後、別居に留まる場合は150万前後が相場となる傾向にあります。
不倫慰謝料は、不貞行為によって請求者が受けた精神的苦痛に対するものです。そのため、不貞行為により離婚や別居に至ったと主張されている場合には、請求額が高くなることがあります。
一方で、離婚や別居に至っていない場合には、慰謝料額の減額を求める事情として使えることがあります。
例えば、通知書に次のような記載があるかを確認しましょう。
不倫慰謝料の相場については、以下の記事で詳しく解説しています。
通知書に記載されている請求金額も確認しましょう。
慰謝料請求では、数十万円から数百万円まで、さまざまな金額が請求されることがあります。通知書に高額な金額が書かれていると驚いてしまうかもしれません。
しかし、請求された金額を必ずそのまま支払わなければならないわけではありません。
通知書では、例えば「金300万円を請求します」といった形で金額が書かれていることがあります。この金額が高いと感じる場合には、回答書で減額交渉を行うことが考えられます。
確認するポイントは、以下のとおりです。
通知書に回答期限が書かれている場合には、その期限も確認しましょう。
慰謝料請求の通知書では、「本書面到達後2週間以内」「令和〇年〇月〇日まで」などと回答期限が指定されていることがあります。
回答期限を過ぎると、請求者側が「話し合いに応じる意思がない」と考え、訴訟など次の対応を検討することがあります。
通知書に「期限内に支払がない場合には法的措置を検討する」といった記載がある場合には、放置せず、早めに対応しましょう。

慰謝料請求の回答書では、何を書くかだけでなく、何を書かないかも注意する必要があります。
回答書は後から証拠として使われることがあるため、不用意な記載をすると交渉が難しくなるおそれがあるためです。
慰謝料請求の回答書に記載すべきではないNG文例としては、以下の4つがあります。
それでは、慰謝料請求の回答書に記載すべきではないNG文例について順番に見ていきましょう。
慰謝料請求をされた直後に、請求額をそのまま支払うと約束する記載は避けましょう。
慰謝料額や支払条件を十分に確認しないまま承諾すると、後から減額交渉をしにくくなることがあるためです。
例えば、次のような記載は避けるべきです。
このように書くと、請求額や支払期限をそのまま認めたように受け取られる可能性があります。
回答書には、事実と異なる内容を書かないようにしましょう。
相手が証拠を持っている場合、虚偽の記載をすると、後の交渉で信用を失うおそれがあるためです。
例えば、肉体関係があったにもかかわらず、「私は、貴殿の配偶者と肉体関係を持ったことは一切ありません。」と言った記載をすることは避けましょう。
また、不貞期間は5年であったにもかかわらず、3年間と嘘をつくような記載をすることも避けましょう。
相手がメッセージ、写真、宿泊記録などを持っていた場合、このような記載は後から不利に働くことがあります。
回答書では、認める部分と争う部分を整理してから書くことが必要です。
事実と異なる内容を書いてしまうと不誠実な対応となってしまいますし、あなたの主張の信用性もなくなってしまうことになります。
慰謝料請求の回答書では、相手の感情を強く刺激する記載を避けましょう。
不倫慰謝料の請求では、相手が怒りや不安を抱えていることが多く、挑発的な表現を使うと話し合いでの解決が遠のくおそれがあるためです。
例えば、次のような記載は避けるべきです。
このような表現は、法的な反論というよりも、反省していないことを裏付ける記載となってしまいます、相手方も和解する気が亡くなってしまいます。
回答書では、守れない約束や現実的でない誓約を書かないようにしましょう。
その場を早く収めたい気持ちから強い約束をしてしまうと、後から約束違反を指摘され、追加の請求を受けるおそれがあるためです。
例えば、次のような記載は避けるべきです。
一見すると誠意を示しているように見えますが、約束を破ってしまうとトラブルになってしまうことがありますし、生活にも支障が生じます。
回答書では、相手に安心してもらうためであっても、守れない内容を約束しないことが必要です。支払、接触禁止、口外禁止、違約金などは、後の示談書にも関わるため、慎重に記載しましょう。

慰謝料請求の回答書は、内容だけでなく、どの方法で送るかも考える必要があります。
送付方法によって、回答した事実や回答内容をどの程度残せるかが変わるためです。
慰謝料請求の回答書の送付方法としては、以下の3つがあります。
それぞれ特徴が違うため、状況に合った方法を選ぶことが必要です。
それでは、慰謝料請求の回答書の送付方法について順番に見ていきましょう。
慰謝料請求の回答書を送る方法として、レターパックライトを使うことがあります。
レターパックライトは、追跡番号によって配達状況を確認できるため、回答書を送ったことを残しやすい方法です。
例えば、相手本人から通知書が届き、まずは減額交渉や回答期限の延長を申し入れる場合には、レターパックライトで回答書を送ることが考えられます。
レターパックライトで送る場合には、以下の対応をしておきましょう。
もっとも、レターパックライトは、どのような内容の書面を送ったのかまで公的に証明するものではありません。
そのため、後から「そのような回答書は届いていない」「内容が違う」と争われる可能性がある場合には、内容証明郵便を検討しましょう。
回答書の内容を証拠として残したい場合には、内容証明郵便を使うことがあります。
内容証明郵便は、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰あてに差し出したのかを残しやすい送付方法です。
特に、消滅時効を援用する場合、慰謝料請求を明確に拒否する場合、相手との間で後から言い分が食い違いそうな場合には、内容証明郵便で送ることが考えられます。
内容証明郵便を使いやすい場面としては、以下のようなケースがあります。
ただし、内容証明郵便は、相手に強い印象を与えることがあります。
減額交渉を穏やかに始めたい場合や、相手との話し合いの余地を残したい場合には、最初から内容証明郵便を使うべきか慎重に考えましょう。
また、内容証明郵便だけでは、相手に届いたことまで十分に確認しにくいことがあります。そのため、配達証明もあわせて利用することが考えられます。
内容証明郵便を送る場合には、文面の表現にも注意が必要です。強い言い方や感情的な表現を入れると、かえって交渉が難しくなるおそれがあります。
相手からメールで慰謝料請求をされた場合や、相手がメールでの回答を希望している場合には、メールで回答することもあります。
メールはすぐに送信できるため、回答期限が短い場合や、まずは早めに連絡を入れたい場合に使いやすい方法です。
メールで回答する場合には、送信後に以下のものを保存しておきましょう。
ただし、メールは、相手が受信していないと主張する可能性があります。また、迷惑メールフォルダに入ることもあります。
そのため、消滅時効の援用など、回答内容をしっかり残したい場合には、メールだけでなく、内容証明郵便で送ることも検討しましょう。
回答書をPDFファイルで添付する場合には、添付漏れや送信先の誤りがないかを送信前に確認しましょう。
メール本文には、回答書をPDFファイルで添付していることを簡潔に記載しておくと、相手にも内容が伝わりやすくなります。

慰謝料請求の回答書でよくある疑問としては、以下の5つがあります。
これらの疑問を順番に解消していきましょう。
A.慰謝料請求の回答書の書式に決まりはありません。MS明朝で10.5~12フォントで記載し、A4片面、白黒印刷で送付することが多いです。
ただし、内容証明郵便で送る場合には書式が決まっています。内容証明の書式については、以下の記事で詳しく解説しています。
A.慰謝料請求に回答したことを証拠に残すには、内容証明で送るのが確実です。
レターパックライトで送る際には、コピーをとったり、追跡番号を控えておいたり、工夫しましょう。
A.慰謝料請求をされた場合には、弁護士への相談を検討しましょう。
回答書の記載によっては、後から修正しにくくなることがあるためです。例えば、肉体関係をどこまで認めるか、慰謝料額をいくらにするか、求償権を放棄するかといった点は、その後の交渉に影響します。
とくに、次のような場合には、弁護士への依頼を検討しましょう。
不安が大きい場合には、最初の回答前に弁護士へ相談しておくと、方針を整理しやすくなります。
A.回答書への押印は、法律上必ず必要というわけではありません。
もっとも、紙の回答書を送る場合には、本人が作成した書面であることを示すため、署名と押印をすることが一般的です。押印は認印でも構いません。
一方で、電子内容証明やメールで回答する場合には、紙のように押印することができません。その場合には、本文の末尾に、氏名、住所、電話番号などを記載しておきましょう。
A.回答書を送っただけで、すぐに慰謝料を振り込む必要はありません。
慰謝料は、金額、支払方法、支払期限、追加請求しないこと、接触禁止、口外禁止、求償権の扱いなどについて合意してから支払うのが通常です。
先に振り込んでしまうと、後から追加請求を受けるおそれがあります。
慰謝料を支払う場合には、金額や条件を協議し、示談書を取り交わしてから支払うようにしましょう。支払を急ぐよりも、最終的な解決条件を文書に残してから対応する方が安全です。
不倫慰謝料に強い弁護士を探したい場合には、是非、不倫慰謝料弁護士コンパスを活用ください。
不倫慰謝料は交渉力の格差が金額に影響を与えやすく、弁護士の経験や知識次第で結果も変わってきますので、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
不倫慰謝料弁護士コンパスでは、不倫問題に注力している弁護士を探すことは勿論、地域や個別の相談内容から、あなたにマッチする最高の弁護士を探すことができます。
初回無料相談や電話・オンライン相談可能な弁護士であれば、少ない負担で気軽に相談をすることができます。
どのようにして弁護士を探せばいいか分からないという場合には、まずは試しにこの不倫慰謝料弁護士コンパスを使ってみてください。

不倫慰謝料弁護士コンパスで
不倫慰謝料に強い弁護士を探す
以上のとおり、今回は、慰謝料請求の回答書の文例について、テンプレート5つやNG記載と簡単な書き方を解説しました。
この記事が慰謝料請求の回答書の書き方について悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずなので読んでみてください。
弁護士に相談する
人気記事
の慰謝料相場はいくら?.png)
2025年12月29日
不倫の考え方
不倫慰謝料の相場は、50万~300万円程度です。別居や離婚の有無等の個別事情により金額は変わってきます。今回は、浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料相場はいくらかについて、判例368個を独自に調査、分析したうえで解説します。

2026年3月3日
不倫ケース別
PTAが不倫の温床と言われることが増えており、子どもにも深刻な悪影響が生じてしまいます。今回は、PTA不倫とは何かを説明したうえで、7つの原因や浮気のリスクと発覚のきっかけ、簡単な対処法を解説します。

2026年2月27日
不倫ケース別
医者の不倫は当たり前ではありません。医師と看護師の浮気多すぎるという声も聞きますが、職業特有の環境や立場が関係しています。今回は、医者の不倫が多い理由を説明したうえで、その特徴や慰謝料、離婚などのリスクと対処法を解説します。