公務員が不倫したら懲戒免職?職種別のリスクやトラブルの回避法3つ

公務員が不倫したら懲戒免職?職種別のリスクやトラブルの回避法3つ

著者情報

籾山 善臣

籾山 善臣 弁護士

リバティ・ベル法律事務所

神奈川県弁護士会所属
取扱分野は、浮気・不倫問題、離婚問題、労働問題等。
【連載・取材】幻冬舎ゴールドオンライン、ちょこっと弁護士Q&A、東京新聞、毎日新聞、週刊女性他

公務員が不倫したとしても、直ちに処分されるわけではありません

しかし、公務に関係し、あるいは職種によっては処分の対象になることがあります。

ホウペン

この記事の要点

・不倫は私生活上の出来事であるため、公務員であっても不倫したことから直ちに処分を受けるわけではありません。

・しかし、警察など職種によっては不倫を処分の対象としている場合があるほか、公務中に不倫を行っていた場合などには、処分を受ける可能性があります。

・公務員の不倫は職場への暴露など不倫トラブルが問題となることも多く、示談書に口外禁止条項を盛り込むなど、法的な対応を求められることもあります。

この記事を読めば、公務員が不倫をしたら処分されるのかよくわかるはずです。

目次

1章 公務員の不倫は発覚しても処分されない

1章 公務員の不倫は発覚しても処分されない

公務員の不倫は、発覚しただけで直ちに懲戒免職や減給などの処分を受けるわけではありません

不倫は私生活上の出来事であり、公務とは別の問題であるためです。

もっとも、以下の場合には公務員も不倫したことで処分を受ける可能性があります。

・信用失墜行為をした
・職務専念義務に違反した
・その他法令や指針等で定める規定に違反した

公務員の信用失墜行為は、不倫が公務全体への信頼を損なう場合をいいます

例えば、警察官が事件関係者の女性と不倫をしていた事案では、警察官が信用失墜行為をしていたとして懲戒処分されています。

他方で、職務専念義務の違反は、勤務時間内において注意力を職務遂行に向けていない場合をいいます。

例えば、出張先で不倫相手と会っていたり、勤務時間中に不倫相手と連絡を取っていた場合などに問題になりやすいです。

不倫が公務と結び付いている場合には、処分されてしまうリスクがあるのです

2章 職種別!公務員の不倫で処分されるリスクの差異

公務員の不倫では、職種によって処分を受けるリスクが異なります

同じ不倫でも、職務上求められる信用や職場内の規律などが異なるためです。

例えば、公務員の不倫における職種別のリスクとしては以下の5つがあります。

職種1:警察官
職種2:教師
職種3:地方公務員
職種4:国家公務員
職種5:消防士

2章 職種別!公務員の不倫で処分されるリスクの差異

それでは、職種別のリスクについて順番に説明していきます。

2-1 職種1:警察官

警察官は、不倫が問題になりやすい職種の一つです

警察官は「不適切な異性交際等の不健全な生活態度をとること」が懲戒の対象として定められているためです。

※懲戒処分の指針の改正について(通達)
https://www.npa.go.jp/laws/notification/kanbou/jinji/jinji20230707.pdf

不倫が、「不適切な異性交際等の不健全な生活態度」として処分を受ける可能性があるのです。

例えば、警察官が不倫によって処分を受けた事例としては以下のものがあります。

事例事案処分内容
2025年

山口県警

50代の男性警部補が、不同意わいせつ行為と2021年から2024年までの不適切交際をした停職6か月の懲戒処分
2025年

神奈川県警

秦野署の男女警察官が、交番で当直勤務中に数回、休憩室で性行為をした2人とも減給10分の1・1か月
2023年

石川県警

同じ警察署勤務の男女が、勤務中に持ち場を離れて密会した男性:減給10分の1・6か月

女性:減給10分の1・1か月

2022年

兵庫県警

巡査部長が、事件の捜査に関連して知り合った女性と不倫関係になった戒告
2021年

兵庫県警

女性巡査部長が既婚の男性警察官2人と不倫し、交番で性行為をした女性巡査部長:減給10分の1・3か月

男性警察官2人:訓戒

※出典:https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mro/589921
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202211/0015839266.shtml
https://mainichi.jp/articles/20210528/k00/00m/040/187000c
https://news.livedoor.com/article/detail/29941032/
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1788628

2-2 職種2:教師

教師も、不倫が問題になりやすい職種です

教師については、「教職員の主な非行に対する標準的な処分量定」として懲戒事由が定められているためです。

対象具体的行為処分
児童・生徒・同意の有無を問わず、性交又は性交類似行為を行った場合(未遂を含む。)

・同意の有無を問わず、直接若しくは着衣の上から性的な部位(性器等若しくはその周辺部、でん部又は胸部)に触れる、又はキスをした場合

免職
・性的行為と受け取られる直接又は着衣の上から身体に触れる行為を行った場合

・指導上必要のない、直接又は着衣の上から身体に接れる行為(マッサージ、薬品の塗布、テーピング等を行う際の行為も含む。)を行った場合

免職

停職

保護者同意の有無を問わず、性交又は性交類似行為を行った場合(未遂を含む。)免職
・同意の有無を問わず、直接又は着衣の上から、性的な部位(性器等若しくはその周辺部、でん部又は胸部)に触れる、又はキスをした場合

・性的行為と受け取られる直接又は着衣の上から身体に触れる行為をした場合

・手段を問わず、わいせつな内容を送信等した場合

・手段を問わず、わいせつな行為の誘導・誘惑を行った場合

性的羞恥心を害するような言動を繰り返し行った場合

免職

停職

減給

同僚等・地位を利用して、性交又は性交類似行為を行った場合免職
一般の者・性的な身体接触を行った場合、手段を問わず、わいせつな内容を送信した場合、性的な発言等のわいせつ性が認められる言動や性的羞恥心を害するような言動を行った場合免職

停職

減給

戒告

※引用:教職員の主な非行に対する標準的な処分量定|服務|東京都教育委員会

教師の場合、未成年者と接する機会があることを踏まえ、不倫の職務関連性だけでなく、不倫相手を考慮して重い処分内容が定められています。

実際、東京都の男性教師が保護者の母親と不倫をしていた事案では、懲戒免職されています。
※出典:https://news.livedoor.com/article/detail/21424167/

教師の不倫については、以下の記事で詳しく解説しています。

2-3 職種3:地方公務員

地方公務員は、不倫が私生活上の問題にとどまる限り、処分を受けることはありません

また、地方公務員の欠格事由は以下のとおりであり、不倫を理由に免職されることはありません。

・禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
・当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
・人事委員会又は公平委員会の委員の職にあって、第六十条から第六十三条までに規定する罪を犯し、刑に処せられた者
・日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者

しかし、以下の場合には公務員が処分を受ける可能性があります。

・地方公務員法や同法に基づく法律に違反した場合
・職務上の義務違反または職務を怠った場合
・国民全体の奉仕者としてふさわしくない非行があった場合

不倫によって、これらに該当する場合には処分を受ける可能性があるのです

実際、勤務中に庁舎内でみだらな行為を繰り返していた男性福主査と女性係長は、停職3か月の処分を受けています。

2-4 職種4:国家公務員

国家公務員の場合も、不倫したことを理由に処分を受けるわけではありません

不倫は、職務とは離れた私生活上の行為と考えられるためです。

ただし、国家公務員も地方公務員と同様に、処分を受ける可能性があります。

・国家公務員法や同法に基づく法律に違反した場合
・職務上の義務違反または職務を怠った場合
・国民全体の奉仕者としてふさわしくない非行があった場合

実際、防衛事務官の女性が既婚者男性と不倫したことが、自衛隊法の「隊員たるにふさわしくない行為のあった場合」にあたるとして、戒告処分を受けた事例があります

2-5 職種5:消防士

消防士の場合も、不倫が職場の規律や信用と結び付いて問題になることがあります

ただし、警察官や教師のように特別な規定はなく、地方公務員等と同様に義務違反等の行為があれば処分の対象になることがあります。

消防士の不倫は、私生活上の行為であるため原則として処分されませんが、公務時間中の不倫など、公務に影響がある場合には処分の対象となる可能性があります

実際、部下職員と不倫したことにより職場内外で非難が出て、防火活動や消防業務の運営に支障が生じたとして、消防職員を分限免職(消防士として不適格と判断し免職)したとする事案があります(宮崎地判昭和57年11月19日)。

3章 公務員の不倫で懲戒処分のリスクがあるケース5つ

公務員の不倫は原則として処分されませんが、私生活上の不倫にとどまらず、公務に影響がある場合などには処分を受けることがあります

例えば、公務員の不倫で懲戒処分のリスクがあるケースとしては以下の5つがあります。

ケース1:勤務時間中に不倫相手と連絡
ケース2:携帯等の貸与物の私的利用
ケース3:施設内で不倫
ケース4:業務秘密の漏洩
ケース5:職務上の立場などを利用した不倫

3章 公務員の不倫で懲戒処分のリスクがあるケース5つ

それでは、公務員の不倫で懲戒処分のリスクがあるケースについて順番に説明していきます。

3-1 ケース1:勤務時間中に不倫相手と連絡

勤務時間中に不倫相手と私的な連絡をしていた場合には、処分を受ける可能性があります

公務員は、勤務時間中には職務に専念する必要があるためです。

例えば、業務時間中に私用メールやメッセージを何度も送っていた場合、不倫そのものよりも、勤務時間中に職務と関係のないやり取りをしていた点が問題になります。

処分の判断のため、連絡回数や時間帯、業務への影響や使用端末などを確認されることがあります。

勤務時間中の私的連絡は、職務専念義務違反と判断されるリスクがあるのです

3-2 ケース2:携帯等の貸与物の私的利用

公用携帯、業務用パソコン、公用車などを不倫に使っていた場合には、処分を受けるリスクがあります

貸与物は業務使用の目的で貸渡されており、私的利用は想定していないためです。

例えば、公用携帯で不倫相手と連絡し、公用車で不倫相手の送迎をしていた場合には、目的外使用として判断されることがあります。

目的外使用となった場合、処分を受けるだけでなく、ガソリン代の返還などを指示されることもあります。

3-3 ケース3:施設内で不倫

施設内で不倫していた場合には、処分を受けるリスクがあります

施設内で不倫した場合には、公的施設を私的利用することになるためです。

例えば、不倫のために庁舎内の一室で密会していた場合には、施設の目的外使用や職務専念義務違反などが問題になりやすいです。

施設内での不倫は公務時間中にされることが多く、実際に処分されている事例も少なくありません。

3-4 ケース4:業務秘密の漏洩

倫相手に業務秘密を漏洩した場合には、処分を受けるリスクがあります

公務員には、職務上知った秘密を守るという守秘義務があるためです。

例えば、不倫相手との関係を維持するために、捜査に関する情報や内部資料の内容などを話していた場合には、秘密を漏洩したと判断されることがあります。

公務員の不倫では、不倫相手との会話内容にも注意する必要があるのです。

3-5 ケース5:職務上の立場などを利用した不倫

職務上の立場などを利用して不倫関係を持った場合には、処分を受けるリスクがあります

単なる私的関係ではなく、上司と部下といった職場内での力関係が問題になるためです。

例えば、評価や異動に影響する立場を背景に関係を迫った場合には、処分を受ける可能性がある他、ハラスメントの問題にまで発展するおそれもあります。

合意の上で関係を持っていたとしても、後から「無理やり迫られた」としてトラブルが大きくなりやすいのです。

4章 公務員の不倫でよくあるトラブル3つ

公務員が不倫をした場合、発生しやすい傾向にあるトラブルがあります

例えば、公務員の不倫でよくあるトラブルとしては以下の3つがあります。

トラブル1:不倫慰謝料を請求される
トラブル2:離婚を請求される
トラブル3:職場に暴露される

4章 公務員の不倫でよくあるトラブル3つ

それでは、公務員の不倫でよくあるトラブルについて順番に説明していきます。

4-1 トラブル1:不倫慰謝料を請求される

公務員が不倫をすると、不倫相手の配偶者や自分の配偶者から慰謝料を請求されることがあります

不倫に及んだ場合、貞操義務違反、あるいは婚姻生活の平穏を崩壊させたといえる関係にあるためです。

不倫慰謝料の相場は50万~300万円程度とされています。

実際に請求される場合、弁護士名義の内容証明郵便で請求書が届くこともあります。

内容証明郵便で請求を受けた場合、記録が残るため「請求されていなかった」と言い逃れするのは難しくなります。

不倫慰謝料を請求された場合には、無視することはせず、誠実に対応していくことが大切です

不倫慰謝料の相場については、以下の記事で詳しく解説しています。

4-2 トラブル2:離婚を請求される

不倫が発覚すると、配偶者から離婚を求められることがあります

不倫は、「配偶者に不貞な行為があったとき」として、離婚事由として定められているためです。

離婚する場合でも慰謝料は請求することができ、既に不倫慰謝料を全額支払っていない場合には、離婚の際に考慮されることがあります。

また、公務員の場合、収入が安定しているため退職金の財産分与が問題になることもあります。

実際に退職していない場合でも、退職金を受け取ることが確実といえるような場合には、婚姻期間中に働いていた分が対象とされることがあります

なお、不倫した側が離婚請求するには、有責配偶者として以下のような条件を満たす必要があります。

・長期間の別居
・未成熟子がいないこと(経済的に自立していない子がいないこと)
・離婚により相手方配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれないこと

4-3 トラブル3:職場に暴露される

公務員の不倫では、相手から「職場に知らせる」と言われることがあります

公務員は、職場に不倫を知られることで、人事や処分への影響を不安に感じやすいためです。

例えば、不倫相手の配偶者から「慰謝料を支払わないなら職場に言う」と言われることがあります。

しかし、不倫を職場に暴露する行為は、社会的評価を低下させるおそれのある行為であるため、名誉棄損に該当する可能性があります。

浮気を勤め先にバラされた場合については、以下の記事で詳しく解説しています。

5章 公務員の不倫で慰謝料請求された場合に弁護士への相談が適しているケース4つ

公務員が不倫で慰謝料請求された場合、弁護士への相談が適しているケースがあります

例えば、公務員の不倫で慰謝料請求された場合に弁護士への相談が適しているケースとしては以下の5つがあります。

ケース1:相場よりも高い慰謝料を請求されている
ケース2:離婚請求もされている
ケース3:職場に知らせると言われている
ケース4:示談書の内容に不安がある

5章 公務員の不倫で慰謝料請求された場合に弁護士への相談が適しているケース4つ

それでは、公務員の不倫で慰謝料請求された場合に弁護士への相談が適しているケースについて順番に説明していきます。

5-1 ケース1:相場よりも高い慰謝料を請求されている

相場よりも高い慰謝料を請求されている場合には、弁護士への相談を検討してみるといいでしょう

不倫慰謝料には相場があり、相手が希望する金額を支払うものではないためです。

不倫慰謝料の相場は50万~300万円程度とされています。

具体的な金額を判断する際、以下の事情が考慮されることが多いです。

・不倫の期間・回数
・婚姻期間
・別居、離婚したか
・幼い子どもがいるか
・反省しているか

しかし、考慮すべき事情は個別の事案により異なるため、どの事実が慰謝料に影響するのか、主張すべきタイミングなどは法的判断が必要となります

請求されている金額が妥当か判断に悩む場合は、弁護士へ相談してみるといいでしょう。

5-2 ケース2:離婚請求もされている

離婚請求もされている場合には、弁護士への相談を検討してみるといいでしょう

離婚を請求された場合、不倫慰謝料だけでなく、婚姻費用や財産分与の他、親権や養育費なども対応する必要があるためです。

財産分与の割合は原則5:5ですが、夫婦の状況によって対象となる財産や割合は変動します。

例えば、夫婦の一方が医師であり、その収入が高度な才能によって築かれていた場合には、医師が割合を多くとれる場合もあります。

離婚手続きについて、どのように進めるべきか悩んでいる場合は弁護士に相談してみるといいでしょう

5-3 ケース3:職場に知らせると言われている

相手から職場に知らせると言われている場合には、弁護士への相談を検討してみるといいでしょう

職場への暴露をめぐるやり取りは、感情的になりやすく、円滑に進められないこともあるためです。

職場に知らせることは名誉棄損にも該当しうるため、予防する必要があります。

弁護士であれば、不相当な行為はやめるよう伝えることができ、また第三者が介入することで相手方も落ち着きを取り戻しやすくなります。

当事者での話し合いが難しいと感じた場合には、弁護士へ相談してみるといいでしょう

5-4 ケース4:示談書の内容に不安がある

示談書の内容に不安がある場合には、弁護士への相談を検討してみるといいでしょう

示談書に盛り込むべき内容は法的観点から状況を見る必要があるだけでなく、一度合意すると後から変更することが難しいためです。

例えば、支払金額だけでなく、状況に合わせて口外禁止条項や清算条項等を盛り込めるよう交渉していくことが必要な場面もあります。

これらの条項があいまいだと、解決したと思っていたのに、後から不倫が噂になっていたり、慰謝料を追加請求されるおそれが残ります。

どのような内容で示談書を作成すべきか悩む場合には、弁護士へ相談してみるといいでしょう

示談書の書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。

6章 公務員の不倫が多いと言われる理由5つ

公務員の不倫が多いと言われる背景には、様々な理由があります

例えば、公務員の不倫が多いと言われる理由としては以下の5つがあります。

理由1:安定した職業のため
理由2:職場内の人間関係が固定されやすい
理由3:異動等で交友関係が広まる
理由4:単身赴任や長時間勤務がある
理由5:生活圏が重なりやすい

6章 公務員の不倫が多いと言われる理由5つ

それでは、公務員の不倫が多いと言われる理由について順番に説明していきます。

6-1 理由1:安定した職業のため

公務員は、民間企業のように倒産することはなく、また収入が高いため安定した職業として見られやすいです

経済的に安定しており異性から安心感を持たれやすく、私的な関係に発展しやすいのです。

最近の物価高の状況も踏まえると、収入や雇用への不安が少ないために、好意を向けられやすい状況が整っています。

このような見られ方が、公務員の不倫が多いと言われる理由の一つになっています

6-2 理由2:職場内の人間関係が固定されやすい

公務員は、職場内の人間関係が固定されやすいことがあります

同じ部署や関係部署とのつながりが続くと、仕事を通じて相手との距離が近くなりやすいためです。

また、住民対応や現場対応で一緒に苦労する中で、個人的な相談が増えることもあります。

このような関係が続くと、仕事上の信頼と私的な好意が混ざってしまうことがあります。

職場内の距離の近さが、不倫のきっかけになることがあるのです

6-3 理由3:異動等で交友関係が広まる

公務員は、異動や研修によって交友関係が広がることがあります

同じ自治体内などで異動があるため、新しい部署や研修先での出会いの機会が多いためです。

例えば、異動先で同じチームになった相手と話す機会が増えることがあります。

仕事上の関係であっても、連絡が続くうちに私的な関係へ進むことがあります。

異動等による人間関係の広がりは、不倫が起きる背景の一つといえます

6-4 理由4:単身赴任や長時間勤務がある

単身赴任や長時間勤務があると、家族と心理的な距離ができてしまうことがあります

家族と過ごす時間が少なくなり、職場や赴任先での人間関係に気持ちが向きやすくなるためです。

また、長時間勤務が続き、家庭内で十分に話す時間が取れないということもあります。

長時間勤務はストレスが溜まりやすく、仕事の悩みを聞いてくれる相手に気持ちが傾いてしまうこともあるのです。

6-5 理由5:生活圏が重なりやすい

公務員同士や同じ地域で働く人同士は、生活圏が重なりやすいことがあります

生活圏が重なると、通勤や帰宅だけでなく、買い物や地域行事などでも接点が続きやすくなります。

職場外でも偶然出会う機会があると、仕事以外にも日常の会話が増えていきます。

職場だけではない私的なつながりが生まれやすいのです。

生活圏の重なりやすさは、公務員の不倫が多いと言われる理由の一つといえます

7章 公務員の不倫トラブルを回避する方法3つ

公務員の不倫トラブルを回避するには、適切に対処していく必要があります

例えば、公務員の不倫トラブルを回避する方法としては以下の3つがあります。

方法1:穏便に関係を解消する
方法2:公務中に私用を済ませない
方法3:慰謝料の直接交渉は避ける

7章 公務員の不倫トラブルを回避する方法3つ

それでは、公務員の不倫トラブルを回避する方法について順番に説明していきます。

7-1 方法1:穏便に関係を解消する

公務員の不倫トラブルを回避するには、穏便に関係を解消することが有効です

関係が長引くほど、慰謝料請求や職場に発覚するリスクが高くなるためです。

ただし、一方的に連絡を断つと、相手が感情的になり職場へ暴露されてしまうこともあります。

徐々に距離を取り、解消する旨を伝える際は誠実に話し合っていくことが大切です。

7-2 方法2:公務中に私用を済ませない

公務中に私用を済ませないことも、不倫トラブルを回避するために必要です

勤務時間中の私的連絡や公用物の利用があると、職場内で先に不倫関係を疑われてしまうためです。

勤務中に不倫相手へ何度も連絡していたことが発覚すると、上司や人事担当者から事情を聞かれる可能性もあります。

特に職場内不倫の場合には、勤務先で先に話が広まり、その後に相手の配偶者に話が伝わることもあります。

公務中の私用は、職場での処分リスクがあるだけでなく、慰謝料請求にもつながるきっかけにとなるのです

7-3 方法3:慰謝料の直接交渉は避ける

慰謝料の直接交渉は、避けた方がよいことがあります

公務員の場合、「トラブルを大きくしたくない」「職場に知られたくない」という不安から、相手の要求をそのまま受け入れてしまいやすいためです。

本人が直接対応すると、相場より高い慰謝料で合意してしまうことがあるのです。

また、慰謝料を支払っても、示談書に口外禁止条項や清算条項がなければ、職場への連絡や追加請求の不安が残ることもあります。

公務員が不倫慰謝料を請求された場合には、その場での対応が迫られず、双方の主張内容も整理しやすい書面等でのやり取りがおすすめです

8章 公務員の不倫に関するよくある疑問3つ

公務員の不倫に関するよくある疑問としては、以下の3つがあります

Q1:不倫慰謝料は給料から差し押さえられますか?
Q2:不倫が退職金に影響することはありますか?
Q3:公務員同士の不倫では双方が同じ処分を受けますか?

8章 公務員の不倫に関するよくある疑問3つ

それでは、これらの疑問を解消していきましょう。

8-1 Q1:不倫慰謝料は給料から差し押さえられますか?

A.不倫慰謝料が未払いのままになり、裁判などで支払義務が確定した場合には、給料が差押えの対象になることがあります

公務員の給料も、民間企業の給料と同じように、金銭債務の回収対象になり得るためです。

ただし、給料の全額が差し押さえられるわけではありません。

生活に必要な部分は残され、一定の範囲で差押えが行われることになります。

また、給料が差押えられる場合、会社に差押命令が送達されることになるため、不倫していたことが発覚する可能性もあります。

慰謝料を支払えない場合には、放置せず、分割払いなどの条件を交渉していくことになります。

8-2 Q2:不倫が退職金に影響することはありますか?

A.不倫をしたことが、退職金に影響する可能性はあります

民間企業であれば、労働者の勤続の功を抹消ないし減殺してしまうほどの著しく信義に反する行為があった場合には、退職金を不支給・減額することができます。

一方で、公務員の場合は非違行為の内容等を考慮して退職金の全部又は一部を不支給とすることができると定められています。

また、公務員の退職金不支給の判断にあたっては、民間企業と異なり支給権者に裁量が与えられており、不支給処分が裁量を逸脱濫用した場合に限り違法となるのです。

実際、県立学校教員が飲酒運転した事案につき、支給権者の裁量に触れつつ、退職金1724万円を全額不支給とした処分は相当と判断されています(最判令和5年6月27日)。

8-3 Q3:公務員同士の不倫では双方が同じ処分を受けますか?

A.公務員同士の不倫でも、双方が同じ処分を受けるわけではありません

処分の有無や内容は、それぞれの職務や役職、義務違反の程度や信用への影響などが考慮されるためです。

例えば、一方だけが勤務時間中に公用端末を使って連絡していた場合、同じ不倫関係でも、それぞれに見られる事情は異なります。

公務員同士の不倫では、相手と同じ扱いになるわけではなく、それぞれの行動の意味を踏まえて考える必要があります。

9章 不倫慰謝料に強い弁護士を探すなら弁護士コンパス

不倫慰謝料に強い弁護士を探したい場合には、是非、不倫慰謝料弁護士コンパスを活用ください

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10章 まとめ

以上のとおり、今回は、公務員の不倫と処分の関係を説明したうえで、職種別の処分リスクや弁護士への相談が適しているケースを解説しました。

この記事が、公務員が不倫をしたら処分されるのかについて知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

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籾山 善臣

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