
2025年12月29日
不倫の考え方
浮気・不倫の慰謝料相場はいくら?判例368件を独自調査し金額を解説
不倫慰謝料の相場は、50万~300万円程度です。別居や離婚の有無等の個別事情により金額は変わってきます。今回は、浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料相場はいくらかについて、判例368個を独自に調査、分析したうえで解説します。
投稿日:2026/07/18
不倫の考え方

不貞行為の慰謝料を請求されたとき、「自分だけが全額払うのはおかしいのでは」と不安になることがあります。
このような場面では、求償権の意味や使い方を知ることで、支払う前の交渉や支払った後の請求の方向性を整理できることがあります。

この記事でわかること
・求償権とは、不貞行為の慰謝料を多く支払った人が、もう一方へ負担分を求める権利です。
・不貞行為の慰謝料では、一方だけが全額を支払った場合、あとから求償権の問題が生じることがあります。
・求償の割合は必ず半分ではなく、時効や示談書の内容にも注意して対応する必要があります。
この記事を読めば、不貞行為の慰謝料と求償権について、どのように対応すればよいのかがよくわかるはずです。
目次

不倫慰謝料弁護士コンパスで
不倫慰謝料に強い弁護士を探す
求償権とは、不貞行為の慰謝料を一方が多く支払ったときに、もう一方へ負担分を求めるための権利です。
この意味を知っておくと、自分だけが全額を払うべきなのか、あとから相手に請求できるのかを整理しやすくなります。
求償権は、「きゅうしょうけん」と読みます。
簡単にいうと、他の人の分までお金を支払った人が、その人に対して「あなたの分を負担してください」と請求できる権利です。
不貞行為の慰謝料では、不倫をした配偶者と不倫相手の両方に責任があるとされることがあります。
例えば、不倫相手が慰謝料200万円を全額支払ったものの、不貞行為をした配偶者にも責任があるというケースもあります。
このような場合、不倫相手は、あとから配偶者に対して一定額の負担を求めることがあります。
このように、求償権は「自分だけが払いすぎた分を、もう一方に求める権利」と考えると理解しやすいでしょう。

不貞行為の慰謝料で求償権が問題になるのは、不貞行為が配偶者と不倫相手の共同不法行為になり得るためです。
共同不法行為とは、複数の人の行為によって、他人に損害を与えることです。
不貞行為の場合、不倫をした配偶者だけでなく、不倫相手にも責任が認められることがあります。
例えば、夫が不貞行為をし、不倫相手も夫が既婚者であると知っていたというケースもあります。
この場合、夫と不倫相手の双方が、慰謝料の責任を負う可能性があります。
求償権は、このように複数の人が責任を負う関係を前提として出てくる問題です。
求償権は、慰謝料を支払った人が、自分の負担分を超えて支払った場合に問題になります。
被害者に対して一方が全額を支払ったとしても、内部的にはもう一方にも負担分があることがあります。
例えば、不倫相手が慰謝料200万円を全額支払った場合でも、事情によっては、不貞行為をした配偶者にも100万円程度の負担があると考えられるケースもあります。

この場合、不倫相手は、自分の負担分を超える部分について求償を検討することになります。
ただし、求償できる金額は必ず半分とは限りません。
不貞行為への関わり方、既婚者と知っていたか、関係の期間、どちらが主導していたかなどによって変わることがあります。
そのため、求償権を考えるときは、支払額だけでなく、本来の負担割合まで整理する必要があります。
不貞行為をされた配偶者は、不倫をした配偶者と不倫相手のどちらか一方に対して、慰謝料全額を請求できることがあります。
不貞行為のように共同して不法行為が行われた場合には、被害者は、どちらに請求するかを自由に選ぶことができるためです。
もっとも、これは請求された人だけが最終的にすべてを負担するという意味ではありません。
例えば、不貞行為をされた妻が、不倫相手だけに慰謝料200万円を請求し、不倫相手が全額を支払うケースを想定しましょう。
この場合、不倫相手は、支払ったあとに、不貞行為をした夫へ一定額の負担を求めることがあります。
このように、不貞行為の慰謝料では、被害者から見た請求関係と、支払った人同士の内部間の負担関係を分けて考えることになります。
不貞行為の求償権は、誰が慰謝料を支払ったのか、誰から請求されているのかによって整理が変わります。
場面を分けておくと、自分が請求できる側なのか、請求される側なのか、放棄を求められる側なのかを判断しやすくなります。
例えば、不貞行為の求償権が問題になりやすい場面としては以下の3つがあります。

それでは、不貞行為の求償権が問題になりやすい場面について順番に見ていきましょう。
自分が不倫相手の立場で、相手の配偶者から慰謝料を請求された場合、支払ったあとに求償権を行使できることがあります。
例えば、自分が慰謝料200万円を全額支払ったものの、不貞行為をした相手にも責任があるというケースもあります。
この場合、自分は、負担分を超えて支払った部分について、不貞行為をした相手に一定額の負担を求めることがあります。
ただし、求償できる金額は必ず半分とは限りません。
そのため、自分だけが慰謝料を請求された場合は、支払う前に、求償の可能性や示談書の内容を確認しておく必要があります。
自分が不倫相手の立場で、先に不貞行為をした相手だけが慰謝料を支払った場合、あとから自分が求償を受けることがあります。
例えば、不貞行為をした相手が、その配偶者に慰謝料200万円を支払ったケースもあります。
この場合、不貞行為に自分も関わっていたとされると、相手から「あなたも負担してください」と請求されることがあります。
自分が直接慰謝料を請求されていなくても、あとから求償請求を受ける可能性がある点に注意が必要です。
求償を受けた場合は、相手が本当にいくら支払ったのか、自分の負担割合を超える請求か、示談書でどのような合意があるのかを確認しましょう。
自分が不倫相手の立場で慰謝料を請求された場合、示談の条件として求償権放棄を求められることがあります。
求償権放棄とは、慰謝料を支払ったあとに、不貞行為をした相手へ負担分を請求しないと約束することです。
例えば、自分が相手の配偶者から「慰謝料を支払う代わりに、今後こちらの配偶者には請求しないでほしい」と求められるケースもあります。
求償権を放棄すると、あとから不貞行為をした相手に負担分を請求しにくくなります。
求償権放棄について詳しくは5章で説明しています。
不貞行為の求償権で請求できる金額は、支払った慰謝料のうち、自分の負担分を超える部分です。
ただし、負担割合は必ず半分と決まっているわけではありません。
求償権で請求できる金額は、最終的に誰がどれだけ責任を負うべきかによって決まります。
不貞行為の慰謝料では、被害者に対して一方が全額を支払っても、内部ではもう一方にも負担分があることがあります。
例えば、自分が慰謝料200万円を支払ったとしても、自分の負担割合が6割であれば、自分の負担分は120万円です。
この場合、相手の負担分である80万円について、求償を検討することになります。
反対に、自分の負担割合が高い場合には、思ったほど請求できないこともあります。

そのため、求償額を考えるときは、支払った金額だけでなく、自分と相手の責任割合を整理する必要があります。

不貞行為の求償では、まずは5割ずつを目安として考えることがあります。
不貞行為は、不貞をした配偶者と不倫相手の双方が関わって成立することが多いためです。
例えば、慰謝料200万円を自分が全額支払った場合、5割ずつで考えると、相手の負担分は100万円です。
この場合、自分は相手に対して100万円の求償を検討することになります。
もっとも、5割ずつはあくまで出発点です。
実際の負担割合は、不貞行為への関わり方や具体的な事情によって変わります。
そのため、「半分は必ず請求できる」と考えるのではなく、事情に応じて調整されるものとして理解しておきましょう。
不貞行為では、既婚者側の責任が重く考えられることもあります。
既婚者は、自分の夫婦関係を守る立場にあるため、不貞行為をした責任が重く評価される場合があるためです。
例えば、自分が独身の不倫相手で、相手が既婚者だったケースを考えます。
この場合、相手が既婚者でありながら関係を続けた事情があると、既婚者側の負担割合が高くなることがあります。
その結果、5割ずつではなく、既婚者側が6割、自分が4割という考え方になるケースも多いです。
ただし、不倫相手が既婚者であることを知りながら積極的に関係を続けた場合には、不倫相手側の責任も軽くは見られません。
既婚者側というだけで必ず責任が重くなるわけではなく、具体的な事情を見て判断されます。
求償権の負担割合は、主導性、関係期間、既婚者と知っていたかなどによって変わることがあります。
不貞行為への関わり方によって、責任の重さが変わるためです。
例えば、どちらが関係を強く求めたのか、関係がどのくらい続いたのか、既婚者であることをいつ知ったのかが問題になるケースもあります。
このように、負担割合は単純に計算できるものではなく、事案に応じて決められることになります。
求償額は、支払った慰謝料から自分の負担分を差し引いて考えると分かりやすいです。
例えば、自分が不倫相手の立場で、慰謝料200万円を全額支払ったケースを考えます。
負担割合が5割ずつであれば、自分の負担分は100万円、相手の負担分も100万円です。
そのため、自分は不貞行為をした相手に対して、100万円の求償をできる可能性があります。
一方、負担割合が自分4割、相手6割であれば、自分の負担分は80万円、相手の負担分は120万円です。
そのため、自分は不貞行為をした相手に対して、120万円の求償をできる可能性があります。
このように、同じ200万円を支払った場合でも、負担割合によって求償できる金額は変わります。
求償権は、意味を知るだけでなく、どの順番で進めるかを整理しておく必要があります。
請求する前後の対応によって、相手との話し合いや証拠の残り方が変わることがあるためです。
不貞行為の求償権は、慰謝料を支払ったあとに請求するのが基本です。
自分の負担分を超えて支払った場合に、その超えた部分をもう一方へ求める権利だからです。
例えば、自分が不倫相手の立場で慰謝料200万円を支払ったケースもあります。
この場合、自分の負担分を超える部分があれば、不貞行為をした相手に対して求償を検討できます。
ただし、支払った金額すべてを請求できるわけではありません。
支払額、自分の負担割合、相手の負担割合を整理したうえで、請求額を考える必要があります。
慰謝料を支払う前に、不貞行為をした相手との間で、求償分を決めておくこともあります。
支払った後に初めて求償を求めると、相手から「その金額を支払うとは聞いていない」「その負担額には納得できない」と争われることがあるためです。
例えば、支払う前に、不貞行為をした相手との間で「自分がまず200万円を支払う予定である」「そのうち100万円はあなたが負担する」「支払日はいつにする」などを決めておく方法があります。
このように、先に内部間で負担額や支払方法を整理しておくと、慰謝料を支払った後の求償がスムーズになりやすいです。
ただし、この取り決めは、あくまで不貞行為をした2人の内部的な合意です。
慰謝料を請求している配偶者との示談内容とは別の問題なので、示談書の内容と矛盾しないように確認する必要があります。
また、接触禁止や連絡禁止の合意がある場合には、本人同士で直接やり取りをせず、弁護士を通じて調整する方がよいでしょう。
求償権を行使する場合でも、最初から内容証明郵便を送る必要があるとは限りません。
相手との関係が悪くない場合には、まずLINEやメールで支払意思を確認することで、話し合いが進むこともあります。
例えば、自分が慰謝料を支払ったあと、不貞行為をした相手に対して、次のように連絡するケースもあります。
【LINE・メールの文例】
| 先日、今回の件について、私から慰謝料として200万円を支払いました。
これについて、あなたにも負担してもらいたいと考えています。
一度、負担割合について協議させてください。
よろしくお願いいたします。 |
このように、最初は柔らかい表現で確認する方が、相手も話し合いに応じやすいことがあります。
一方で、相手が無視している場合や、あとから通知した内容を明確に残したい場合には、内容証明郵便を使う方法があります。
【内容証明郵便の文例】
| 私は、令和〇年〇月〇日、あなたとの不貞行為に関し、〇〇氏に対して慰謝料として金200万円を支払いました。
上記慰謝料については、あなたにも相応の負担部分があるものと考えます。
そこで、私は、あなたに対し、求償金として金100万円の支払を求めます。
本書面到達後14日以内に、下記口座へお支払いください。
期限までにお支払いがない場合には、法的手続を含めた対応を検討します。 |
ただし、文例をそのまま使えばよいわけではありません。
相手との関係、支払った慰謝料額、負担割合、示談書の内容によって、適した書き方は変わります。
まずは穏やかに確認し、応じない場合や記録を残したい場合に内容証明郵便を検討するとよいでしょう。
相手が求償に応じない場合は、裁判所を用いた解決も検討することになります。
話し合いだけでは、支払額や負担割合について合意できないことがあるためです。
例えば、内容証明郵便を送っても無視されるケースや、金額について争いになるケースもあります。
この場合、自分がいくら支払ったのか、相手がどれだけ負担すべきなのかを証拠に基づいて説明する必要があります。
求償権を行使する可能性がある場合は、支払う前後の通知や記録を残しておく必要があります。
相手に知らせないまま支払うと、あとから求償額や支払の扱いで争いになることがあるためです。
例えば、自分が慰謝料を支払ったことを相手に伝えないままにしていると、相手が別に支払いをしてしまうケースも考えられます。
また、相手に反論できる事情があった場合、通知がなかったことを理由に求償を争われることもあります。
そのため、相手への通知、示談書、領収書、振込明細、メッセージの記録などを残しておきましょう。
不倫慰謝料の交渉の際には、求償権の放棄が協議されることが少なくありません。
求償権放棄は、慰謝料金額にも大きな影響を与えることになります。
求償権放棄については、「求償権放棄とは?メリット・デメリットや拒否をわかりやすく解説【示談書条項例書式付き】」で詳しく解説しています。

求償権放棄とは、慰謝料を支払ったあとに、不貞行為をした相手へ負担分を請求しないと約束することです。
本来、慰謝料を多く支払った人は、自分の負担分を超えた部分について、もう一方に求償できることがあります。
しかし、示談書で求償権を放棄すると、あとからその権利を使いにくくなります。
例えば、自分が不倫相手の立場で慰謝料150万円を支払う際に、「今後、不貞行為をした相手に求償しない」と合意します。
この場合、支払後に相手へ負担を求めたくなっても、求償することはできません。
慰謝料を請求する側は、示談後のトラブルを防ぐために求償権放棄を求めることがあります。
とくに夫婦が離婚しない場合、不倫相手から配偶者へ求償されると、夫婦の家計からお金が出ていくことがあるためです。
例えば、妻が不倫相手から慰謝料を受け取ったあと、不倫相手が夫へ求償するケースもあります。
この場合、夫婦が離婚していなければ、夫の支払によって家計に影響が出ることがあります。
そのため、請求者は「慰謝料を支払う代わりに、こちらの配偶者には求償しないでほしい」と求めることがあります。

求償権放棄は、示談後に問題を蒸し返さないための条件として使われることがあるのです。
離婚しない場合の不倫慰謝料請求については、以下の記事で詳しく解説しています。
求償権放棄を求められた場合、その代わりに慰謝料の減額を求める考え方があります。
求償権を放棄すると、本来あとから回収できる可能性がある金額を失うことになるためです。
例えば、自分が不倫相手の立場で慰謝料200万円を請求されているケースを考えます。
本来であれば、不貞行為をした相手に一定額を求償できる可能性があります。
それでも求償権を放棄するのであれば、その分を踏まえて慰謝料額を下げてほしいと交渉することが考えられます。

もっとも、求償権放棄をすれば必ず慰謝料が下がるわけではありません。
慰謝料額、支払能力、不貞行為の内容、請求者側の意向を踏まえて、示談条件を整理する必要があります。
不倫慰謝料の相場については、以下の記事で詳しく解説しています。
求償権は、慰謝料を支払えば必ず使えるわけではありません。
示談書の内容、支払額、相手の負担状況、時効、相手の所在や資力によっては、請求が難しくなることがあります。
例えば、求償権を行使できない・しにくいケースとしては以下の5つがあります。

それでは、求償権を行使できない・しにくいケースについて順番に見ていきましょう。
求償権を明確に放棄した場合、あとから負担分を請求することは難しくなります。
示談書で「求償しない」と約束している以上、その合意が優先されることがあるためです。
例えば、自分が不倫相手の立場で慰謝料を支払う際に、「不貞行為をした相手に対して求償権を行使しない」と示談書に書いたケースもあります。
この場合、支払ったあとで「やはり相手にも払ってほしい」と考えても、示談書の内容が問題になります。
そのため、求償権放棄や求償権不行使の条項がある場合は、署名する前に意味を確認する必要があります。
自分の負担割合を超えて支払っていない場合、求償できないことがあります。
求償権は、自分が本来負担すべき金額を超えて支払った部分を、相手に求めるための権利だからです。
例えば、慰謝料200万円について、自分の負担割合が7割と考えられるケースもあります。
この場合、自分の負担分は140万円です。
自分が100万円しか支払っていないのであれば、自分の負担分を超えていないため、相手に求償することは難しくなります。
求償を考えるときは、支払った金額だけでなく、自分の負担割合を超えているかを確認しましょう。
相手がすでに相当額を負担している場合も、求償は難しくなることがあります。
すでに相手が自分の負担分に近い金額を支払っているなら、追加で負担を求める理由が弱くなるためです。
例えば、慰謝料全体の負担割合が5割ずつと考えられるケースで、相手がすでに100万円を支払っている場合があります。
この場合、自分が別に200万円を支払ったとしても、相手にさらに大きな金額を求められるとは限りません。
また、相手が請求者に直接支払った金額だけでなく、示談金や解決金として支払った金額が問題になることもあります。
求償をする前に、相手がすでに何を、いくら負担しているのかを確認する必要があります。
求償権も、長く放置すると消滅時効が問題になることがあります。
時効が完成すると、相手から時効を理由に支払を拒まれる可能性があるためです。
例えば、慰謝料を支払ったあと、長期間何も請求しないままにしていたケースもあります。
この場合、あとから求償しようとしても、相手から「時効ではないか」と争われることがあります。
求償権の時効は、慰謝料請求そのものの時効とは分けて考える必要があります。
詳しくは7章で説明しますが、求償を考えている場合は、支払日や最後に請求した日を早めに確認しましょう。
相手の所在がわからなかったり、相手の資力がなかったりする場合には、求償権があっても回収が難しくなることがあります。
請求する相手の住所や連絡先が分からなければ、通知や法的手続を進めにくいためです。
また、相手に十分な収入や財産がない場合、請求が認められても実際に支払ってもらえないことがあります。
例えば、不貞行為をした相手と連絡が取れず、勤務先や住所も分からないケースもあります。
この場合、求償権の有無とは別に、どのように相手を特定し、どのように回収するかが問題になります。
求償権の時効は、不貞行為の慰謝料請求そのものの時効とは分けて考える必要があります。
求償権は、慰謝料を支払った人が、もう一方へ負担分を求める権利だからです。
例えば、求償権の時効で確認すべき点としては以下の4つがあります。

それでは、求償権の時効と請求前に確認すべきことについて順番に見ていきましょう。
不貞行為の慰謝料請求の時効と、求償権の時効は別の問題です。
慰謝料請求は、不貞行為をされた配偶者が、不倫をした配偶者や不倫相手に対して行うものです。
これに対して求償権は、慰謝料を支払った人が、もう一方へ負担分を求めるものです。
例えば、妻が不倫相手に慰謝料を請求する場面と、不倫相手が支払後に夫へ求償する場面では、請求する人も理由も異なります。
そのため、求償を考える場合は、不貞行為の時期だけでなく、いつ慰謝料を支払ったのかも確認する必要があります。
求償権は、慰謝料を支払ったあとに時効が問題になりやすいです。
自分が負担分を超えて支払ったことで、相手に負担を求める関係が具体的になるためです。
例えば、自分が不倫相手の立場で、慰謝料200万円を支払ったケースもあります。
この場合、求償権の時効を考えるうえでは、その支払日が一つの基準になります。
支払後に長く放置すると、相手から時効を理由に支払を拒まれる可能性があります。
求償を考えている場合は、支払日、支払額、相手に請求した日を記録しておきましょう。
求償権では、一般債権として5年・10年の時効を確認する必要があります。
民法では、債権について、権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年という期間が問題になります。
例えば、慰謝料を支払ったあと、求償できることを知っていたのに、5年以上何も請求しなかったケースもあります。
この場合、相手から「すでに時効ではないか」と争われる可能性があります。
消滅時効については、以下の記事で詳しく解説しています。
時効が近い可能性がある場合は、早めに弁護士へ相談しましょう。
期間が過ぎると、相手から支払を拒まれる理由になりやすいためです。
例えば、慰謝料を支払ってから数年が経っているものの、まだ相手に請求(催告)をしていないケースもあります。
この場合、内容証明郵便を送るべきか、裁判などの手続が必要かを確認する必要があります。
また、相手とのやり取りによって、時効の完成猶予や更新が問題になることもあります。
求償を考えている場合は、支払記録、示談書、相手とのやり取りを整理して弁護士に相談するとよいでしょう。

不倫慰謝料弁護士コンパスで
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不貞行為の求償権では、自分がどの立場にいるかによって取るべき対応が変わります。
同じ慰謝料トラブルでも、不倫相手、不貞をした配偶者、不貞行為をされた配偶者、ダブル不倫では確認すべき点が違うためです。

自分が不倫相手の立場で慰謝料を請求された場合は、求償後の最終的な負担額まで踏まえて、支払額を検討しましょう。
慰謝料を支払ったあとに、不貞行為をした相手へ求償できる可能性があるためです。
そのため、支払う前に、不倫相手にも支払予定額や負担割合の考え方を伝え、求償をスムーズに行えるようにしておくことが考えられます。
ただし、示談書に求償権放棄や求償権不行使の条項が入ると、あとから相手に請求できなくなります。
慰謝料額だけでなく、求償権を残すのか、放棄するのかまで確認してから合意しましょう。
自分が慰謝料を直接請求されていない場合でも、あとから求償を受けることがあります。
不倫相手が先に慰謝料を支払った場合、内部的な負担分を求められる可能性があるためです。
求償を受けた場合は、まず相手がいくら支払ったのか、どのような示談に基づく支払なのかを確認しましょう。
そのうえで、自分の負担割合、すでに自分が負担した金額、求償権放棄などの合意の有無を整理する必要があります。
慰謝料を直接請求されていなかったとしても、求償請求を放置せず、支払うべき範囲を確認しましょう。
自分が不貞行為をされた配偶者の立場である場合、慰謝料を請求する相手と示談条件を慎重に決める必要があります。
特に離婚しない場合、不倫相手があとから自分の配偶者へ求償すると、家計に影響が出ることがあるためです。
例えば、不倫相手から慰謝料を受け取ったあと、不倫相手が自分の配偶者に負担分を請求するケースもあります。
この場合、夫婦の家計からお金が出ていくと、慰謝料を受け取った効果が小さくなることがあります。
そのため、示談書では、求償権放棄や求償権不行使の条項を入れるかを検討します。
ただし、求償権放棄を求める場合には、慰謝料額の調整を求められることもあるため、金額と条件をあわせて考えましょう。
ダブル不倫の場合は、求償権だけでなく、双方の配偶者からの慰謝料請求も問題になります。
関係者が増えるため、誰が誰にいくら請求するのかが複雑になりやすいためです。
例えば、既婚者同士が不貞行為をし、それぞれの配偶者が慰謝料請求を検討するケースもあります。
この場合、一方だけが慰謝料を支払うのか、双方で請求をしない形にするのか、求償権をどう扱うのかを整理する必要があります。
また、一部だけを個別に示談すると、あとから別の相手との間で請求や求償が残ることがあります。
ダブル不倫では、目の前の請求だけで判断せず、関係者全体の請求関係を整理して対応することが必要です。
ダブル不倫とは何かについては、以下の記事で詳しく解説しています。
不貞行為の求償権では、示談書の文言や請求額によって、あとから大きく負担が変わることがあります。
自分だけで判断すると、求償できる機会を失うことや、反対に不要な支払に応じてしまうことがあります。
例えば、弁護士に相談すべきケースとしては以下の4つがあります。

それでは、弁護士に相談すべきケースについて順番に見ていきましょう。
求償権放棄を求められている場合は、示談前に弁護士へ相談しましょう。
合意すると、慰謝料を支払ったあとに、不貞行為をした相手へ負担分を請求しにくくなるためです。
例えば、示談書に「求償しない」「求償権を行使しない」と書かれているケースもあります。
この場合、慰謝料額がその分調整されているのか、誰に対する求償権を失うのかを確認する必要があります。
弁護士に相談すれば、放棄に応じるべきか、慰謝料額の調整を求めるべきかを判断しやすくなります。
慰謝料額が高額な場合も、弁護士に相談した方がよいです。
支払額が大きいほど、求償できるかどうかで最終的な負担額が変わりやすいためです。
請求額が高い場合は、その金額が妥当か、支払後にどの程度求償できそうかを整理する必要があります。
また、求償権放棄を求められている場合には、その分を慰謝料額に反映できないかも検討します。
弁護士に相談すれば、慰謝料額、負担割合、求償の見込みを踏まえて対応しやすくなります。
相手方弁護士から通知が届いている場合は、早めに弁護士へ相談しましょう。
通知書には、慰謝料額だけでなく、求償権放棄、接触禁止、清算条項などが含まれていることがあるためです。
文面の意味を理解しないまま返答すると、あとから不利になることがあります。
特に「配偶者に請求しない」といった文言がある場合、求償権放棄にあたる可能性があります。
返答期限がある場合も多いため、通知書を受け取ったら内容を確認してから対応しましょう。
慰謝料を支払ったあと、相手が求償に応じない場合も、弁護士に相談することをおすすめします。
話し合いだけでは、負担割合や支払方法についてまとまらないことがあるためです。
相手が「自分には責任がない」「その金額には納得できない」と主張するケースもあります。
この場合、支払記録、示談書、相手とのやり取り、不貞行為の経緯を整理して、請求できる金額を検討する必要があります。
弁護士に相談すれば、内容証明郵便で請求するのか、分割払いで合意するのか、法的手続を取るのかを判断しやすくなります。
不貞行為の求償権に関するよくある疑問としては、以下の7つがあります。
これらの疑問を順番に解消していきましょう。
A.求償権とは、自分が他の人の分までお金を支払ったときに、その人へ負担分を求める権利です。
不貞行為の慰謝料では、不倫をした配偶者と不倫相手の両方に責任があるとされることがあります。
そのため、一方だけが慰謝料を多く支払った場合、もう一方へ負担分を請求できることがあります。
簡単にいうと、「自分だけが払いすぎた分を、相手にも負担してもらうための権利」と考えると分かりやすいです。
A.不貞行為の求償権は、慰謝料を支払ったあとに問題になるのが基本です。
まだ支払っていない段階では、自分が負担分を超えて支払ったとはいえないためです。
もっとも、支払う前でも、将来の求償を見越して話し合うことはあります。
例えば、慰謝料を支払う予定であることを不貞行為をした相手に伝え、内部間で負担額や支払方法を決めておくケースもあります。
支払前は、求償権を当然に請求するというより、将来の求償を見越して準備する段階と考えるとよいでしょう。
A.求償権を放棄すれば、必ず慰謝料が安くなるわけではありません。
ただし、慰謝料の減額交渉の材料になることはあります。
求償権を放棄すると、支払ったあとに不貞行為をした相手へ負担分を請求しにくくなります。
そのため、支払う側としては、「求償しない代わりに慰謝料額を調整してほしい」と交渉することがあります。
A.配偶者に知られないまま、不倫相手へ求償金を支払えるかは、状況によります。
不倫相手から求償を受けた場合、不貞行為をした本人が内部的な負担分を支払うこと自体は考えられます。
しかし、夫婦が離婚していない場合、その支払が家計に影響することがありますので、預金の残高などから支払いを気づかれることもあります。
A.不貞行為の求償権では、起算点は、慰謝料を支払った時からです。
一括で支払った場合は、その支払日から時効が進むものとして準備しておくとよいでしょう。
分割払いの場合は、支払った分ごとに求償の問題が生じると考えられることもあるため、最後の支払が終わってから考えればよいとは限りません。
A.不貞行為の慰謝料では、原則として、慰謝料を支払ったあとに求償権が問題になります。
そのため、支払前に当然に「求償金を支払ってください」と請求できるわけではありません。
もっとも、支払前でも、将来発生する可能性のある求償権を前提に話し合うことはあります。
例えば、慰謝料を支払う予定の人と、不貞行為をした相手との間で、支払後にいくら負担するかを先に決めておく方法です。
この意味で、「将来の求償権」は、支払後のトラブルを避けるために、事前に整理しておくことも検討しましょう。
A.求償権放棄と求償権不行使は、表現は違いますが、どちらも後日の求償を制限する意味で使われることがあります。
求償権放棄は、求償権を手放すという意味合いです。
求償権不行使は、求償権を使わないと約束する意味合いです。
もっとも、示談書では、どちらの表現でも、あとから不貞行為をした相手へ負担分を請求しにくくなる可能性があります。
そのため、示談書に「放棄」「行使しない」「請求しない」という文言がある場合は、求償請求はできないという前提で合意するようにしましょう。
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以上のとおり、今回は、求償権とは何かについて、不貞行為の慰謝料との関係・割合・時効をわかりやすく解説しました。
この記事が求償権とは何か知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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2025年12月29日
不倫の考え方
不倫慰謝料の相場は、50万~300万円程度です。別居や離婚の有無等の個別事情により金額は変わってきます。今回は、浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料相場はいくらかについて、判例368個を独自に調査、分析したうえで解説します。

2026年3月25日
不倫ケース別
教師の不倫は、慰謝料や離婚だけではなく、懲戒解雇や人事異動、刑事処罰といった法的なリスクがあります。弱みに付け込まれ揺すられたり、学校にバラすと言われたり、SNSで晒されたりするトラブルもあり、安易な対応はせず、すぐに弁護士に相談しましょう…

2026年4月22日
不倫ケース別
50代の不倫は意外に多いです。男性の浮気率は53.8%、女性の浮気率は31.9%です。夫婦生活のマンネリ化や時間・金銭的余裕、青春を取り戻したいといった気持ちなどの理由があります。身だしなみの変化やスマホの扱いの変化などの前兆には注意しまし…