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2025年3月8日
労働一般
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投稿日:2026/09/16
残業代

残業90時間は、月20日勤務で計算すると1日平均4時間30分の残業となり、定時が18時であれば22時30分頃まで働く生活になります。
帰宅が遅くなれば、十分な休養を取ることができず心身に不調をきたすおそれがあります。
今回は、残業90時間は1日何時間の残業になるのかを説明したうえで、健康リスクや違法性のほか、抜け出す方法について解説していきます。

この記事の要点
・残業90時間は、月20日勤務で計算すると1日平均4時間30分の残業となり、月の総労働時間は約250時間になります。
・残業90時間は時間外労働の上限である月45時間を超えていますが、特別条項付き36協定がある場合、単月100時間未満まで許容されるため、残業90時間は違法にならない場合があります。
・残業90時間が続いている場合、健康上のリスクを踏まえ、残業時間の証拠を確保したうえで残業代請求や転職等を検討することになります。
この記事を読めば、残業90時間がどのような働き方になるのか、抜け出すために何をすればいいのかがよくわかるはずです。
目次

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残業90時間は、月20日勤務で計算すると、1日平均4時間30分の残業をしていることになります。
例えば、所定労働時間が9時から18時までの会社であれば、22時30分頃まで働く計算です。
また、1日8時間、月20日勤務であれば所定労働時間は160時間であり、残業90時間を加えると月の総労働時間は約250時間になります。
例えば、月に90時間の残業をしている方の一日のタイムスケジュールを見てみましょう。
【平日】4時間30分×20日
| 時間 | 内容 | 補足 |
| 7:00 | 起床 | 睡眠時間が短くなりやすく、前日の疲れが残ったまま起きる日もあります。 |
| 7:00~8:00 | 朝の準備・朝食・家事 | 出勤までの時間に余裕がなく、朝食や家事に十分な時間を使いにくくなります。 |
| 8:00~9:00 | 通勤 | 帰宅から次の出勤までの間隔が短く、通勤時間も休息に使うことができません。 |
| 9:00~12:00 | 午前の勤務 | 前日の疲労を抱えたまま、その日の勤務が始まります。 |
| 12:00~13:00 | 昼休憩 | 日中にまとまって休める時間は限られており、疲労を回復するのは難しくなります。 |
| 13:00~18:00 | 午後の勤務 | 定時の時点ですでに8時間勤務しており、この後さらに4時間30分の残業が続きます。 |
| 18:00~22:30 | 残業(4時間30分) | 夜まで仕事が続き、勤務後半ほど疲労が蓄積した状態で業務を続けることになります。 |
| 22:30~23:30 | 通勤・帰宅 | 退勤時には店が閉まっていることもあり、食事や買い物などの日常生活にも制約が生じます。 |
| 23:30~0:30 | 夕食・入浴・家事 | 帰宅後に必要なことを済ませるだけで深夜になり、休息に使える時間はほとんど残りません。 |
| 0:30~1:00 | 自由時間 | 趣味や家族との時間はなく、確保しようとすると就寝時刻が遅くなります。 |
| 1:00 | 就寝 | 睡眠時間は6時間程度であり、翌日も同じ生活が繰り返されます。 |
残業90時間の生活では、平日の多くを仕事と通勤に使うことになり、自由に使える時間はほとんど残りません。
毎日22時30分頃まで働く生活が続けば、睡眠や休息に使える時間も削られ、自分らしい生活を送ることは難しくなります。
残業90時間は「残業が多い」というだけではなく、生活の大半を仕事に使う働き方といえるでしょう。
毎日のように残業が続く場合の問題点や対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
残業90時間の状態が続くと、睡眠や休息に使える時間が減り、心身の疲労も蓄積しやすくなります。
長時間労働は、日常的な体調不良だけでなく重大な疾患に繋がるおそれがあるため、健康への影響は軽視できません。
例えば、残業90時間による健康リスクとしては以下の3つがあります。

それでは、残業90時間による健康リスクについて順番に説明していきます。
残業90時間の生活が続くと、睡眠時間を十分に確保できず、眠気や倦怠感などの体調不良に陥りやすくなります。
月20日勤務であれば1日平均4時間30分の残業となるため、定時後も夜遅くまで働く日が続きます。
通勤や家事など仕事以外の時間も必要になるため、帰宅時間が遅くなると就寝時刻は遅くなりやすく、睡眠時間が削られてしまいます。
睡眠不足が続くと、日中に眠気や倦怠感が生じるだけでなく、注意力や集中力も低下し、仕事に支障が出ることもあります。
また、睡眠不足が長期間続くと、本人が眠気を自覚しにくくなることもあり、十分に休めていない状態のまま働き続けてしまうことがあります。
残業90時間では、長時間働くことによる疲労に加えて、その疲労を睡眠で回復する時間まで不足しやすくなります。
残業90時間が続くと、脳梗塞や心筋梗塞などの脳・心臓疾患を発症するリスクが高まります。
長時間労働によって十分に休息できない状態が続くと、疲労が蓄積して心臓や血管への負担が増えるためです。
厚生労働省の労災認定基準では、発症前1か月におおむね100時間、又は発症前2~6か月の平均で月80時間を超える時間外労働がある場合、業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強いと評価されます。
月90時間の残業が2か月以上続いている場合には、この月80時間を超える基準に該当します。
また、月90時間が1か月だけの場合でも、労働時間だけでなく、深夜勤務や休日のない連続勤務などの事情を含めて業務による負担が判断されることになります。
残業90時間は、脳・心臓疾患との関連性が強いとされる水準に近い危険な働き方です。
残業90時間の状態が続くと、心身の疲労やストレスが蓄積し、うつ病などの精神障害を発症するリスクが高まります。
長時間労働によって睡眠や休息の時間が削られるだけでなく、仕事から離れて気分転換をする時間も確保しにくくなるためです。
精神に負担がかかり続けると、気分が落ち込んだり、集中できないなどの症状が現れることがあります。
厚生労働省の労災認定基準でも、長時間労働は精神障害の発症に関する心理的負荷を判断する際の事情として扱われています。
同基準では、1か月おおむね100時間の時間外労働が続いている状態を「恒常的長時間労働」とし、仕事上の出来事と合わせて心理的負荷を評価する仕組みとなっています。
残業90時間が精神障害に直結するとはいえませんが、これに近い長時間労働が続いている場合には、心身に強い負担がかかっている状態といえます。
気分の落ち込みや不眠などが続いている場合には、無理に働き続けず、医療機関を受診しましょう。

残業90時間は時間外労働の上限を超えていますが、違法になるとは限りません。
労働基準法では、労働時間は原則として1日8時間、週40時間までとされています。
これを超えて働かせるには、会社が36協定を締結して労働基準監督署へ届け出る必要があります。
36協定を締結している場合でも、時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間です。
ただし、臨時的な特別の事情があり、特別条項付き36協定を締結している場合には、時間外労働が月45時間を超えられることがあります。
その場合でも、時間外労働は年720時間以内、時間外労働と休日労働の合計は月100時間未満かつ2~6か月平均80時間以内とし、月45時間を超えられるのは年6か月までにしなければいけません。
「2~6か月平均80時間以内」とは、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月のそれぞれの平均が80時間以内でなければならないという意味です。
残業90時間が2か月連続すれば、2か月平均も90時間となり、上限規制に違反しているおそれがあります。
36協定や時間外労働の上限については、以下の記事で詳しく解説しています。
残業90時間分の残業代と手取りは、月額賃金や1か月の所定労働時間などによって変わってきます。
例えば、月額賃金別の残業代の目安としては以下のとおりです。

それでは、残業90時間の残業代について順番に説明していきます。
残業代は、1時間あたりの基礎賃金に残業時間と割増率を掛けて計算します。
月給制の場合、1時間あたりの基礎賃金は、残業代の計算対象となる月額賃金を1か月の平均所定労働時間で割って求めます。
また、法定時間外労働の割増率は原則として1.25倍以上ですが、1か月60時間を超える部分については1.5倍以上となります。
残業90時間が法定時間外労働に当たる場合、60時間までの部分と、60時間を超える30時間の部分を分けて計算することになります。
例えば、1か月の平均所定労働時間を160時間とすると、計算式は以下のとおりです。
この2つを合計することで、残業90時間分の残業代の目安を計算できます。
ただし、実際の残業代は、深夜労働や休日労働の有無などによって変わってきます。
残業代を計算する際の時給の算出方法や割増率については、以下の記事で詳しく解説しています。
月額賃金20万円の場合、残業90時間分の残業代は約15万円となります。
1か月の平均所定労働時間を160時間とすると、1時間あたりの基礎賃金は1250円です。
残業90時間が法定時間外労働に当たる場合、60時間までの残業代は9万3750円、60時間を超える30時間の残業代は5万6250円となります。
これらを合計すると、残業90時間分の残業代は15万円となり、月額賃金20万円と合わせた支給総額は35万円程度になります。
月額賃金30万円の場合、残業90時間分の残業代は約22万5000円となります。
1か月の平均所定労働時間を160時間とすると、1時間あたりの基礎賃金は1875円です。
残業90時間が法定時間外労働に当たる場合、60時間までの残業代は14万625円、60時間を超える30時間の残業代は8万4375円となります。
これらを合計すると、残業90時間分の残業代は22万5000円となり、月額賃金30万円と合わせた支給総額は52万5000円程度になります。
月額賃金40万円の場合、残業90時間分の残業代は約30万円となります。
1か月の平均所定労働時間を160時間とすると、1時間あたりの基礎賃金は2500円です。
残業90時間が法定時間外労働に当たる場合、60時間までの残業代は18万7500円、60時間を超える30時間の残業代は11万2500円となります。
これらを合計すると、残業90時間分の残業代は30万円となり、月額賃金40万円と合わせた支給総額は70万円程度になります。
残業90時間の状態が続いている場合、心身に不調をきたす前に行動へと移す必要があります。
例えば、残業90時間から抜け出す方法としては以下の4つがあります。

それでは、残業90時間から抜け出す方法について順番に説明していきます。
残業90時間の状態から抜け出したい場合、早い段階で労働問題に詳しい弁護士へ相談するのがおすすめです。
長時間労働の状態だと、会社と交渉すること自体が大きな負担になるおそれがあります。
弁護士に相談すれば、労働時間や雇用条件を確認したうえで、どのような権利があるのかなど法的な助言を受けられます。
また、未払いの残業代がある場合には、請求できる金額や必要となる証拠についても確認することができ、対応方針を検討しやすくなります。
会社とのやり取りに不安や負担を感じる場合には、弁護士に交渉を依頼することもできます。
体調を崩してからでは今後の生活に影響しかねないため、働き続けることに限界を感じている場合は早期の相談が重要になります。
未払い残業代の相談先や、弁護士へ相談する前に確認しておきたいことについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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残業90時間の状態から抜け出す際には、退職する前に実際の残業時間が分かる証拠を集めておきましょう。
退職後は会社のパソコンや勤怠システムにアクセスできなくなる場合があり、在職中の方が集めやすいためです。
残業時間の証拠としては、例えば以下のようなものがあります。
例えば、タイムカードでは定時に退勤したことになっていても、その後に業務メールを送信している場合、メールの送信履歴などが実労働時間を示す証拠になることもあります。
会社の勤怠記録では実際の残業時間を説明できない場合に備え、パソコンのログや業務メールなどの証拠を集めておきましょう。
残業代請求で必要となる証拠や、証拠が不足している場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
残業時間の証拠を集めたら、弁護士に正式に依頼し、退職の意思と未払い残業代の請求を会社へ通知してもらいましょう。
弁護士に依頼すれば、これまでに集めた証拠や給与資料を確認したうえで、未払い残業代の見通しを踏まえて会社へ請求することができます。
また、弁護士が窓口となるため、会社と直接やり取りする必要はなく負担を減らすことができます。
通知書には、退職する意思や退職日、未払い残業代を請求する旨などを記載することになります。
「本書面をもって、令和●年●月●日をもって退職する旨を通知いたします。あわせて、令和●年●月●日から現在までの残業代を含む未払い賃金すべてを請求いたします。」
退職日や有給休暇の消化などについて会社と調整が必要な場合、これらについても弁護士に対応を依頼することができます。
残業90時間の生活から抜け出すためにも、証拠を確保した後は弁護士に依頼し、退職に向けた手続きを進めていくとよいでしょう。
退職の手続きを進めた後は、残業時間の少ない会社への転職を検討しましょう。
残業90時間の会社を退職しても、転職先でも長時間労働が続けば、同じように心身へ負担がかかることになります。
転職先を探す場合、求人票に記載された労働時間だけでなく、固定残業代の有無や想定されている残業時間についても確認しておくとよいでしょう。
また、面接の際に繁忙期の残業時間や休日出勤の有無などを確認しておくと、実際の働き方をイメージしやすくなります。
転職サイトの口コミや企業の採用ページなどから、職場環境について情報を集めることも有益です。
残業90時間の生活から抜け出すために、無理なく働き続けられる転職先を探しましょう。
残業が多い会社を辞める方法や、転職先を選ぶ際のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
残業90時間分の残業代が支払われていない場合、集めた証拠をもとに未払い残業代を計算し、会社へ請求していくことになります。
会社が請求に応じない場合、交渉だけでなく、労働審判や訴訟による解決も検討する必要があります。
例えば、残業90時間の未払い残業代を請求する手順としては以下の3つがあります。

それでは、残業90時間の未払い残業代を請求する手順について順番に説明していきます。
残業時間の証拠を集めたら、請求可能な残業代の金額と時効期間を確認しましょう。
残業代を計算する際には、タイムカードやパソコンのログなどから実際の労働時間を確認し、月ごとの残業時間を算出します。
基本給や各種手当、1か月の平均所定労働時間などから1時間あたりの基礎賃金を求め、適用される割増率を掛けて残業代を計算しましょう。
固定残業代が支払われている場合、固定残業代により残業代がすべて賄われているかも確認する必要があります。
また、未払い残業代には時効があり、各賃金の支払期日から3年で時効となります。
例えば、毎月25日が給料日の場合には、個別に3年間の時効が進行することになります。
長期間にわたって残業代が支払われていない場合、古い月の残業代から順番に時効が完成していきます。
労働に見合った残業代を請求するためにも、早めに金額と時効期間を確認しましょう。
残業代請求の時効や、請求する際に失敗しやすいケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。
未払い残業代の金額と時効期間を確認したら、内容証明郵便で会社へ残業代を請求しましょう。
内容証明郵便を利用すると、いつ、誰から誰に、どのような内容の書面を送ったのかを証拠として残すことができます。
内容証明郵便には、以下のような事項を記載します。
例えば、以下のような内容を記載します。
「貴社に対し、令和●年●月●日から令和●年●月●日までの未払い残業代として、●●万円を請求しますので、本書面到達後●日以内にお支払いください。」
また、会社へ書面が配達された事実を残すため、内容証明郵便には配達証明を付けて送るとよいでしょう。
残業代の請求は民法上の「催告」に当たる場合があり、催告をすると、その時から6か月を経過するまで時効の完成が猶予されます。
ただし、あくまでも猶予であるため、会社が支払いに応じない場合は次の手続へ進む必要があります。
内容証明郵便で残業代を請求した後は、会社と交渉し、支払金額や支払方法について話し合います。
会社が未払い残業代の全部又は一部を認める場合、交渉によって解決できることもあります。
しかし、残業時間や残業代の計算方法について会社と意見が食い違う場合、労働審判や訴訟を利用して解決を目指すことになります。
労働審判は、原則として3回以内の期日で審理が行われ、話し合いによる解決を目指しつつ、合意できない場合には労働審判委員会が労働審判を行う手続です。
労働審判に異議が出された場合には訴訟へ移行し、訴訟では裁判所が証拠や双方の主張を踏まえて残業代の支払義務を判断します。
どの手続を選ぶべきかは、請求金額や会社の対応などによって変わってきます。
会社が請求に応じない場合には、時効期間にも注意しながら、弁護士と相談して適切な手続を選びましょう。
労働審判の仕組みや手続の流れについては、以下の記事と動画で詳しく解説しています。
残業代請求の訴訟にかかる期間や費用、具体的な手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
残業90時間についてよくある疑問としては以下の6つがあります。

それでは、これらの疑問を解消していきましょう。
A.残業90時間を理由に退職することは、甘えではありません。
月90時間の残業が続けば、睡眠や休息の時間が削られ、心身に大きな負担がかかります。
現在の職場で残業を減らすことが難しい場合、健康を損なう前に退職して働く環境を変えることも選択肢の一つです。
会社や上司から「もう少し頑張れないのか」と言われても、働き続けるべきかどうかは本人の意思が重要となります。
また、未払い残業代がある場合、退職した後でも請求できるため、退職前に残業時間の証拠を集めておくとよいでしょう。
残業90時間の状態が続いているのであれば、自分の体調や今後の生活を踏まえて、退職を含めた対応を検討しましょう。
A.残業90時間だからといって、残業命令を拒否できるとは限りません。
会社が残業を命じるには、就業規則などに残業命令の根拠があり、36協定や法律上の上限の範囲内であることに加えて、残業を命じる業務上の必要性があることが前提となります。
これらの条件を満たす残業命令であれば、原則として労働者は従う必要があります。
他方で、残業命令が必要な条件を満たしていない場合や、労働者側に残業を拒否する正当な理由がある場合には、残業命令を拒否できる場合があります。
例えば、残業命令を拒否できる可能性があるケースとしては以下のようなものがあります。
残業命令を拒否できるかは、残業時間だけではなく、残業命令の根拠や業務上の必要性など諸事情を踏まえて判断する必要があります。
残業を含む業務命令を拒否できる場合や、拒否する正当な理由については、以下の記事で詳しく解説しています。
A.残業を90時間したとしても、上司から怒られるとは限りません。
残業時間が長くなった原因が業務量や人員不足、会社からの指示などにある場合、労働者本人だけの問題とはいえないためです。
他方で、会社が残業の事前承認制を設けているにもかかわらず無断で残業した場合や、業務上の必要がないのに残業を続けていた場合には、上司から指導を受けることがあります。
また、残業90時間が判明した場合、上司から残業の理由を確認されたり、今後の残業を減らすよう指示されたりすることもあります。
上司から怒られるかどうかは、残業時間だけではなく、残業に至った理由や本人の働き方などによって変わってきます。
A.管理職でも、労働基準法上の「管理監督者」に該当しなければ、残業90時間が違法となることがあります。
会社から課長や部長などの役職を与えられていても、法律上の管理監督者に該当するとは限りません。
管理監督者に該当するかは、職務内容や責任・権限、労働時間についての裁量、賃金などの待遇を踏まえて判断されます。
例えば、課長という肩書きがあっても、部下の採用や人事について権限がなく、出退勤の時間も会社から細かく管理され、一般社員と賃金がほとんど変わらない場合、いわゆる「名ばかり管理職」として管理監督者に該当しないことがあります。
管理監督者に該当しない場合、通常の労働者と同様に36協定や時間外労働の上限規制が適用されるため、残業90時間の状況によっては上限規制に違反しているおそれがあります。
他方で、労働基準法上の管理監督者に該当する場合、労働時間や休日に関する規制が適用されません。
ただし、管理監督者であっても、22時から翌5時まで働いた場合には深夜割増賃金を請求することができます。
役職名だけで判断せず、労働基準法上の管理監督者に該当するのかを確認することが必要です。
管理職が管理監督者に該当する条件や、管理職でも残業代を請求できるケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。
A.公務員にも残業時間の上限がありますが、民間企業の労働者と同じルールが適用されるわけではありません。
国家公務員では、人事院規則により、超過勤務を命じることができる時間は原則として月45時間・年360時間までとされています。
ただし、業務量や実施時期を決めにくい他律的な業務の比重が高い部署では、月100時間未満・年720時間以内・2~6か月平均80時間以内など、別の上限が設けられています。
また、大規模災害への対応など、特に緊急に処理する必要がある特例業務では、通常の超過勤務の上限が適用されない場合もあります。
地方公務員についても、各地方公共団体の条例や規則などにより時間外勤務の上限が定められています。
例えば、東京都や大阪府では、月45時間・年360時間を上限とし、他律的な業務の比重が高い部署については月100時間未満・年720時間以内・2~6か月平均80時間以内などの上限を設けています。
公務員であっても残業時間に制限がないわけではないため、残業90時間が続いている場合には、適用される上限規制を確認しておきましょう。
A.残業90時間の場合、会社都合退職になることがあります。
長時間労働を理由に退職した場合には、雇用保険上「特定受給資格者」として、会社都合退職に近い扱いを受けられることがあるためです。
例えば、離職前6か月のうち、以下のいずれかに該当する時間外・休日労働が行われたことを理由に退職した場合が対象となります。
残業90時間が1か月だけであれば、特定受給資格者に該当するとは限りません。
他方で、残業90時間が2か月連続している場合には、2か月平均が90時間となるため、この基準に該当する可能性があります。
最終的な離職理由は、ハローワークが本人確認や提出された資料などを踏まえて判断します。
自己都合退職として離職票を交付された場合でも、長時間労働を理由に退職したのであれば、残業時間の証拠を持参してハローワークに相談してみるとよいでしょう。
会社が会社都合退職にしたくない理由や、自己都合退職として扱われた場合の考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
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以上のとおり、今回は、残業90時間は1日何時間になるのかを説明したうえで、健康リスクや違法性のほか残業90時間から抜け出す方法について解説しました。
この記事が、残業90時間がどのような働き方になるのか、抜け出すために何をすればいいのか知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
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