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ブラック企業リスト掲載の事案は、労働安全衛生法違反が多く、実際のイメージとは異なる部分があります。今回は、ブラック企業リストとその内容について説明したうえで、ブラック企業を見極めるための簡単なチェックリストについて解説していきます。
更新日:2026/09/19
給与未払い・減額

会社は、原則として、労働者との契約で定めた給料を一方的に下げることはできません。
もっとも、労働者の同意や就業規則、査定、降格、懲戒処分などを根拠として、給料の減額が認められる場合もあります。
そのため、勝手に給料を下げられた場合には、まず会社がどのような根拠で減額したのかを確認する必要があります。
今回は、勝手に給料を下げられた場合に違法となるケース3つを説明したうえで、相談先や具体的な対処法を解説します。

この記事の要点
・根拠や理由がないにもかかわらず一方的に給料を減額したり、大幅に給料を減額したりすることはできません。
・労働基準監督署、総合労働相談コーナー、弁護士など、相談先によって対応できる内容が異なります。
この記事を読めば、勝手に給料を下げられた場合にどうすればいいのかがよくわかるはずです。
勝手に給料を下げられた場合については、以下の動画でも詳しく解説しています。
勝手に給料を下げられた場合については、以下のショート動画でも1分程度にまとめています。時間がない方は是非コチラを見てください。
目次

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勝手に給料を下げられたら、違法となることがあります。
勝手に給料を下げられた際に違法となるケースとしては、以下の3つがあります。

それでは、これらのケースについて順番に説明していきます。
勝手に給料下げられた際に違法となるケースの1つ目は、減額の根拠がない場合です。
給料の金額は雇用契約の一部となっていて、契約の内容を一方が勝手に変えることはできないためです。
給料減額の根拠として、典型的なものとしては、以下の2つがあります。
減額の根拠の典型例の1つ目は、合意に基づく減額です。
雇用契約の当事者の双方が合意している以上は、給料を減額することもできるという根拠です。
書面にサインや押印をしなくても、口頭によっても合意は成立してしまいますので注意が必要です。
ただし、給料を減額することの合意があったと言えるには、労働者の自由な意思に基づいてなされたものと認めるに足りる合理的な理由が必要とされています(最判平28年2月19日民集70巻2号123頁[山梨県民信用組合事件])。
減額の根拠の典型例の2つ目は、就業規則に基づく減額です。
労働者が合意していなくても、就業規則を根拠として減額を行うことができる場合があります。
例えば、毎年の給与の査定に基づいて、減額が行われるようなことがあります。
また、異動や降格に伴い、給与テーブルに従い、減額が行われるようなこともあります。
勝手に給料下げられた際に違法となるケースの2つ目は、減額が濫用となる場合です。
仮に給与の減額に根拠があったとしても、大幅な減額については濫用として無効とになるとされています。
労働者の生活に大きな悪影響が生じることになってしまうためです。
例えば、給料を50パーセント減額するような場合には、根拠があっても濫用とされることが多いでしょう。
勝手に給料下げられた際に違法となるケースの3つ目は、嫌がらせ目的の場合です。
労働者を退職に追い込む目的であったり、報復的な目的での不利益措置であったりする場合には、違法となることがあります。
会社側は労働者を退職するように強要することはできませんし、労働者が正当な行為をした際に不利益な取り扱いを行うことは禁止されていることも多いためです。
例えば、労働者がパワハラを告発したら、その報復として給料を下げられたという場合には、不利益取り扱いの禁止に反して違法となるでしょう。
給料を下げられた場合でも、すぐに辞めるべきではありません。
在籍期間中の給料の差額しか請求することができないためです。
例えば、2025年2月分から基本給を35万円から20万円に減額されたとしましょう。
末日締めの場合には、労働者が2025年3月31日に辞めてしまった場合には、労働者が差額を請求できるのは、2025年2月分と3月分だけとなってしまいます。
差額の15万円×2か月分=30万円の給料の請求は認容される可能性はありますが、それ以上の給料の請求は難しくなってしまうのです。

そのため、勝手に給料を下げられた場合に減額が不当であるとして争いたい場合には、辞めないで在籍しながら請求を継続していくという対応をとることが多いのです。
勝手に給料を下げられた場合には、給料が下がった理由や、どのような解決を求めるのかによって相談先が異なります。
決められた給料の一部が支払われていない場合と、会社が就業規則や査定などを根拠に給料そのものを変更した場合とでは、問題となる内容が異なるためです。
例えば、勝手に給料を下げられた場合の相談先としては、以下の4つがあります。

それでは、それぞれの相談先について順番に説明していきます。
労働条件通知書や就業規則などで決められた給料よりも実際の支給額が少ない場合には、労働基準監督署への相談が考えられます。
決められた給料が支払われていない場合には、給料の一部不払いとして労働基準法第24条に違反することがあるためです。
労働基準監督署では、賃金を含む労働条件に関する相談を受け付けており、労働基準法などに違反する事実が確認されれば、会社に対して指導等が行われることがあります。
ただし、就業規則の変更や査定、降格などによって給料そのものが変更され、その変更が有効かどうかを争う場合には、労働基準監督署への相談だけでは解決しないことがあります。
会社が何を根拠に給料を下げたのかを確認したうえで、決められた給料が支払われていないケースかを確認してみましょう。
労働基準監督署の相談先については、以下の記事で詳しく解説しています。
就業規則の変更などによって給料を下げられた場合には、総合労働相談コーナーへの相談が考えられます。
厚生労働省も、就業規則の変更に伴う労働条件の変更について、総合労働相談コーナーへの相談を案内しています。
総合労働相談コーナーでは、給料の引下げを含む労働条件のトラブルについて無料で相談でき、必要に応じて都道府県労働局による助言・指導やあっせんについて案内を受けることもできます。
あっせんでは、労働問題の専門家が会社と労働者の間に入り、双方の話し合いによる解決を目指します。
そのため、労基署へ相談しても対応が難しいと言われた場合でも、給料を下げられた経緯について総合労働相談コーナーへ相談する方法があります。
会社と給料の減額について交渉したい場合には、労働組合へ相談する方法もあります。
労働組合を通じて、減額の理由や根拠について会社へ説明を求めたり、元の給料へ戻すことや差額の支払いについて団体交渉を行ったりすることができます。
勤務先に労働組合がない場合でも、労働者が個人で加入できる合同労組などへ相談できることがあります。
自分一人で会社と話し合うことに負担を感じる場合には、労働組合を通じて交渉する方法も選択肢となります。
給料の減額が有効なのかを確認したい場合や、減額された差額を会社へ請求したい場合には、労働問題を扱う弁護士への相談が考えられます。
給料の減額は、労働者の同意、就業規則の変更、査定、降格、懲戒処分など、会社が主張する根拠によって確認すべき内容が異なります。
弁護士であれば、雇用契約書や就業規則、給与明細、会社からの通知などを確認したうえで、給料の減額が有効かを検討できます。
減額が認められない場合には、会社との交渉によって差額の支払いを求め、解決しないときには労働審判や訴訟を検討することもあります。
会社との交渉や差額の請求まで進めたい場合には、相談だけでなく、その後の手続まで対応できる弁護士への相談が選択肢となります。

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弁護士費用は、着手金は0円~40万円、報酬金は経済的利益の15%~30%程度です。
着手金とは、弁護士が依頼に着手する際に必要なお金で、委任契約を締結した後すぐに支払うことになります。
仮に失敗してしまった場合でも、通常、着手金は返金してもらうことが出来ません。見通しについて十分に確認した後に依頼するといいでしょう。
報酬金とは、成功の程度に応じて支払うことになるお金です。委任契約が終了する際に支払うことになります。
給料を下げられた事案では、差額の給料を回収できた場合や減額が無効であることが九人出来た場合に支払うことになります。
その他、相談料として0円~2万円程度がかかります。
勝手に給料を下げられた場合には、適切に対処したうえで、会社に対して差額を請求していくことになります。
労働者が何も言わないでいると、会社側は一方的に減額した給料を支払い続けることになり、これが不当であったとしても自分の権利を守ることはできなくなってしまいます。
具体的には、勝手に給料下げられた場合の対処法としては、以下の4つがあります。

それでは、これらの対処法について順番に説明していきます。
勝手に給料を下げられた場合には、会社が何を根拠に給料を下げたのかを確認しましょう。
給料の減額には、労働者との合意、就業規則の変更、査定、降格、懲戒処分など、さまざまな理由が考えられるためです。
会社に対して、いつから、いくら給料を下げたのか、どの規程や評価に基づくものなのかを確認してください。
また、会社が本人の同意を根拠としている場合には、いつ、どのような方法で同意したと考えているのかも確認します。
労働条件通知書や雇用契約書、就業規則、賃金規程、減額前後の給与明細、減額を知らせるメールや書面なども確認しておきましょう。
減額の根拠や理由については、後から説明が変わらないよう、できる限りメールや書面など記録に残る方法で確認しておくとよいでしょう。
給料の減額に納得できない場合には、減額に同意していないことを会社へ伝えましょう。
何も伝えないまま減額後の給料を受け取り続けると、後から会社が「本人も減額を受け入れていた」と主張することがあります。
そのため、減額の根拠を確認したうえで納得できない場合には、メールや書面などで異議を伝えておくとよいでしょう。
例えば、「給与の減額については同意しておりませんので、減額の根拠をご説明ください」などと伝える方法があります。
減額された給料を受け取ったことだけで、直ちに減額へ同意したことになるわけではありませんが、自分の考えを記録に残しておくことで、その後の話し合いや差額請求でも経緯を説明しやすくなります。
根拠がなくあなたが同意していないにもかかわらず、会社が給料を下げたままにする場合には、交渉をすることになります。
双方の主張が明らかになれば、争点や見通しも見えてきますので、話し合いで折り合いをつけることが可能か協議をすることになります。
労働審判や訴訟となると時間もコストも必要となるため、早期に話し合いで解決できるということであれば、労働者としてもメリットがあるためです。
勝手に給料下げられた場合の対処法の4つ目は、労働審判・訴訟を提起することです。
話し合いにより解決することが難しい場合には、裁判所を用いた解決を検討することになります。
労働審判とは、全3回の期日の中で調停による解決を目指す手続きであり、調停が成立しない場合には裁判所が審判を下します。早期に実態に即した解決をすることが期待できます。
ただし、審判には労働者も会社も異議を出すことができ、いずれかが異議を出したら通常の訴訟に移行します。
労働審判とは何かについては、以下の記事で詳しく解説しています。
労働審判とは何かについては、以下の動画で詳しく解説しています。
訴訟については、期日の回数の制限などはとくになく、月1回程度の頻度で期日が入り、交互に主張を繰り返していくことが多いです。解決まで1年以上要する傾向にあります。
給料未払いの裁判で負けるケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。
勝手に給料下げられたのが手当の場合は、給料が下がった理由次第で不当か否か異なります。
手当に関しては、支給条件を満たした際に支給されるのが通常であるためです。
これまでより支給金額が少なくなったとしても、給料が減額されたわけではなく、条件を満たさなくなっただけということもあります。
例えば、扶養している家族の人数が減ったため家族手当の金額が少なくなったような場合には、条件を満たさなくなったため手当が少なくなっただけ、給料を減額されたとはいえないでしょう。
これに対して、就業規則の改定によってこれまでどおり支給条件を満たしているにもかかわらず手当が減った場合には給料が減額されたといえるでしょう。
このような場合には、就業規則の改定に合理的な理由があるかどうか、就業規則が周知されているかといった観点から、手当の減額の有効性が判断されることになります。
給料の減額に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください。
労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
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以上のとおり、今回は、勝手に給料下げられた場合について、違法となるケース3つを説明したうえで、労基以外でどこに相談すべきかを解説しました。
この記事が勝手に給料を下げられて困っている労働者の方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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