10年前の浮気慰謝料を相手に請求!いくら?時効や注意点4つを解説

10年前の浮気慰謝料を相手に請求!いくら?時効や注意点4つを解説

著者情報

籾山 善臣

籾山 善臣 弁護士

リバティ・ベル法律事務所

神奈川県弁護士会所属
取扱分野は、浮気・不倫問題、離婚問題、労働問題等。
【連載・取材】幻冬舎ゴールドオンライン、ちょこっと弁護士Q&A、東京新聞、毎日新聞、週刊女性他

10年前の浮気であっても相手に慰謝料を請求できる可能性があります

ただし、早めに内容証明郵便を送るなど時効完成猶予の措置を講じるべきであり、証拠についてもなくならないよう保全しておくべきです。

ホウペン

この記事の要点

・浮気の慰謝料には時効がありますが、不貞の事実や相手を知った時から3年以内ならまだ時効は完成していません。また、時効が完成しても、相手が援用しない場合や債務を承認した場合は、慰謝料を請求できます。

・10年前の浮気慰謝料の相場は50万円~300万円程度です。10年前の浮気でも直接慰謝料金額に影響するわけではありません。

この記事を読めば、10年前の浮気慰謝料を請求するにはどうすればいいのかがよくわかるはずです。

1章 10年前の浮気慰謝料を相手に請求できる可能性がある

1章 10年前の浮気慰謝料を相手に請求できる可能性がある
10年前の浮気であっても、相手に対して慰謝料を請求できる可能性があります

浮気の時効には、不貞行為があった時から20年不貞の事実と相手を知ってから3年の時効があります。

浮気があったのが10年前ということであれば、不貞行為の事実と相手を知ってから3年が経過していなければ、時効は完成していないことになります。

例えば、当時の夫や妻が隠し持っていた古い手紙を最近見つけたり、最近になって浮気相手から突然連絡があったりして初めて事実を知ったというケースでは、今からでも請求の手続きを進めることができます。

また時効が完成していても、必ず慰謝料債務が消滅するとは限りませんので、事実と相手を知って3年が経過していても、浮気慰謝料を請求できることはあります

このように、10年前というと昔の出来事だと感じてしまうかもしれませんが、すぐに諦めてしまう必要はないのです。

不倫慰謝料の時効については、以下の記事で詳しく解説しています。

2章 10年前の浮気慰謝料を相手に請求できるケース4つ

10年前の浮気であっても、特定の条件を満たしていれば相手に慰謝料を請求できるケースがあります

例えば、10年前の浮気慰謝料を相手に請求できるケースとしては、以下の4つがあります。

ケース1:不貞の事実や相手を知ってから3年以内の場合
ケース2:判決や訴訟上の和解から10年以内の場合
ケース3:相手が時効を援用しない場合
ケース4:相手方慰謝料債務を承認した場合

2章 10年前の浮気慰謝料を相手に請求できるケース4つ
それでは、10年前の浮気慰謝料を相手に請求できるケースについて順番に見ていきましょう。

2-1 ケース1:不貞の事実や相手を知ってから3年以内の場合

不貞の事実と浮気相手の両方を知ってから3年が経過していなければ、慰謝料を請求できる可能性が高いといえます

慰謝料請求権の時効は、損害(不貞)および加害者(相手)を知った時からカウントが始まるからです。

たとえ浮気そのものが10年前に行われていたとしても、それを知ったのが最近であれば、法律上はまだ請求する権利が認められます。

このように、事実を知ってから3年以内であれば、相手に対して支払いを求めていくことが可能です。

2-2 ケース2:判決や訴訟上の和解から10年以内の場合

過去に裁判で判決が出たり、訴訟の中で和解が成立したりしている場合は、そこから10年以内であれば支払いを請求できます

一度裁判所の手続きを経て確定した権利は、通常の3年という期間ではなく、10年という長い時効期間が設定されるためです。

たとえ相手が支払いを滞らせたまま10年近く経っていたとしても、期限内であれば改めて請求を行うことができます。

例えば、10年前に裁判で「毎月いくら支払う」と約束したものの途中で支払いが止まっていたり、一括で支払うはずの約束が守られていなかったりするケースがよくあります。

裁判所での手続きが済んでいるのであれば、あきらめずに再度請求を検討してみるのがよいでしょう。

不倫の裁判については、以下の記事で詳しく解説しています。

2-3 ケース3:相手が時効を援用しない場合

たとえ時効の期間が過ぎていたとしても、相手が「時効なので支払いません」という意思表示をしなければ、慰謝料を請求することは可能です

時効は時間が経てば自動的に成立するものではなく、加害者がそれを利用することを伝える「援用」という手続きをして初めて効果を発揮するためです。

例えば、相手に対して慰謝料を請求したり、慰謝料訴訟を提起したりした場合において、相手が時効を援用しないのであれば、時効期間が経過していても関係ありません。

相手が時効を援用するかどうかは本人の自由であるため、まずは働きかけをしてみる価値はあるといえるでしょう。

そのため、最初から時効だと決めつけず、相手の反応を見ながら慎重に交渉を進めていくことが一つの選択肢となります。

2-4 ケース4:相手方が慰謝料債務を承認した場合

相手が慰謝料を支払う義務があると認めた場合には、その時点で時効のカウントがリセットされるため、請求が可能になります

これを「承認」と呼び、たとえ時効期間が経過した後であっても、一度支払いを認めたり一部を支払ったりすれば、それ以降は時効を主張できなくなります。

例えば、相手に連絡をした際に「少しずつなら払える」と回答を得たり、実際に少額でも振込があったりしたケースがこれにあたります。

相手とのやり取りを記録に残したり、書面を交わしたりして、相手が義務を認めた証拠を確保しておくといいでしょう。

3章 10年前の浮気慰謝料はいくら

3章 10年前の浮気慰謝料はいくら
10年前の浮気であっても、慰謝料の相場は概ね50万円から300万円程度となります。

浮気が行われたのが10年前であるという事実そのものが、受け取る金額を大きく減らしたり増やしたりする直接的な原因にはならないからです。

慰謝料の金額は、当時の浮気の期間や回数、その結果として夫婦関係がどうなったかという事情を総合的に見て判断されます。

例えば、浮気により離婚に至った場合には200万円前後、別居に至った場合には150万円前後、別居や離婚に至っていない場合には100万円前後となることが多いです。

ただし、浮気があって長期間が経過した後に離婚や別居に至った場合、浮気発覚後も長期間平穏な夫婦生活を継続していた場合などには、慰謝料が低廉になる可能性があります

浮気によって夫婦関係が破綻したとの説明が難しいためです。

浮気慰謝料の相場については、以下の記事で詳しく解説しています。

4章 10年前の浮気慰謝料を相手に請求する際の注意点

10年前の浮気について慰謝料を請求する場合、通常のケースよりも慎重に準備を進める必要があります

時間が経過している分、時効が完成しそうになっていたり、当時の記憶や記録が曖昧になっていたりするリスクがあるためです。

例えば、10年前の浮気慰謝料を相手に請求する際の注意点としては、以下の4つがあります。

注意点1:早めに内容証明郵便を送付する
注意点2:弁護士に相談する
注意点3:証拠を保全しておく
注意点4:不貞や相手を知った時期を明確にする

4章 10年前の浮気慰謝料を相手に請求する際の注意点
それでは、10年前の浮気慰謝料を相手に請求する際の注意点について順番に見ていきましょう。

4-1 注意点1:早めに内容証明郵便を送付する

時効が迫っていると感じたら、できるだけ早く「内容証明郵便」を相手に送付することが望ましいでしょう

内容証明郵便で請求を行うことで、時効の完成を6ヶ月間遅らせる効果が得られるためです。

10年前の出来事となると、いつ時効が成立してもおかしくない状況であるケースも多いため、時間を確保することが優先です。

時効まであと1ヶ月しかないという状況でも、内容証明郵便を送ることで、その間にじっくりと話し合いをしたり、裁判の準備をしたりする余裕ができます。

慰謝料請求書の書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。

4-2 注意点2:弁護士に相談する

10年前の事案であれば、自分だけで判断せずに弁護士へ相談することをおすすめします

時間が経ったケースでは、法律上の時効の判断が複雑であったり、相手との交渉が難航したりすることが多いためです。

専門的な視点からアドバイスを受けることで、法的な見通しを立てたり、相手との直接的な接触によるストレスを減らしたりしやすくなります。

例えば、相手が「もう時効だ」と主張してきた際に、法律に基づいて正当な反論を行ったり、有利な条件を引き出すための交渉を代行してもらったりするといいでしょう。

自分一人で抱え込まず、専門家の力を借りることで、より有利な解決を目指せるようになるでしょう。

4-3 注意点3:証拠を保全しておく

手元にある当時の証拠が無くならないよう、しっかりと保管・保全しておくことが欠かせません

時間が経つと、データの破損や紛失が起きやすかったり、関係者の記憶が薄れていったりするためです。

客観的な証拠を整えておくことは、相手に浮気を認めさせたり、適正な慰謝料額を算定したりするために必要となります。

例えば、当時のやり取りが残ったスマートフォンのバックアップを取ったり、手書きのメモや写真をコピーして別の場所に保管したりしておきましょう。

いつまでも当時のままの状態で証拠が残っているとは限らないため、早めに整理して安全な場所にまとめておくことが大切です。

浮気の証拠については、以下の記事で詳しく解説しています。

4-4 注意点4:不貞や相手を知った時期を明確にする

「いつ浮気の事実と相手を知ったのか」という時期を、客観的な事情とともに明確にしておく必要があります

時効のカウントが始まる基準となるのは「事実と相手を知った時」であるため、この時期の特定が請求の可否を左右するためです。

相手からも時効の反論が出てくることが多いため、これに備えて自分がいつ、どのようなきっかけで知ったのかを整理しておきましょう。

例えば、特定の日に届いた手紙を読んだり、知人からメールで知らされたりした際の日付を記録しておくといいでしょう。

5章 10年前の浮気についてよくある疑問

10年前の浮気についてよくある疑問としては、以下の3つがあります。

Q1:10年前の浮気が発覚した場合に離婚はできる?
Q2:配偶者が死亡している場合でも慰謝料を請求できる?
Q3:浮気相手の住所が分からなくても慰謝料を請求できる?

5章 10年前の浮気についてよくある疑問
それでは、これらの疑問について順番に説明していきます。

5-1 Q1:10年前の浮気が発覚した場合に離婚はできる?

A.10年前の浮気が原因で夫婦仲が修復できないほど壊れているなら、離婚できる可能性があります

法律では、夫婦関係がやり直せない状態(婚姻を継続しがたい重大な事由)にあれば、離婚が認められるためです。

例えば、過去の浮気への不信感から別居に至ったり、会話が全くなくなったりしているケースでは、離婚の理由として認められやすくなります。

10年前のことだからと諦めず、現在の夫婦の状態をふまえて判断することが大切です。

ただし、浮気の事実が発覚してから長期間放置していた場合には、すでに浮気の問題は解決したものとして、離婚が認められない可能性もありますので、早めに対応しましょう。

5-2 Q2:配偶者が死亡している場合でも慰謝料を請求できる?

A.浮気をしていた配偶者が亡くなっていても、浮気相手に対して慰謝料を請求することは可能です

慰謝料を支払う義務は浮気相手にも独立して存在しており、配偶者が死亡したからといって相手の責任までなくなるわけではないからです。

例えば、遺品整理で当時の証拠を見つけ、時効が完成していないのであれば、相手方へ支払いを求めることができます。

ただし、浮気の発覚が配偶者が亡くなった後の場合には、配偶者が亡くなるまでの間、平穏な夫婦生活を維持できていたとして、慰謝料が減額される可能性もあります。

また配偶者から求償債務を相続してしまう結果、求償権放棄を前提とした水準と同程度の解決金額となることが多く、低くなりがちです。

5-3 Q3:浮気相手の住所が分からなくても慰謝料を請求できる?

A.相手の住所が分からなくても、弁護士へ依頼することで請求できる可能性があります

過去の住所が分かっていれば、職務上請求という制度を使って、住民票を辿っていくことで現在の住所を調査できます。

また、弁護照会という制度があり、電話番号や車のナンバーなどの情報から相手の住所を調査できる仕組みがあります。

住所が不明という理由だけで諦めず、まずは手元にある情報を整理したり弁護士に相談したりすることをおすすめします。

6章 不倫慰謝料に強い弁護士を探すなら弁護士コンパス

不倫慰謝料に強い弁護士を探したい場合には、是非、不倫慰謝料弁護士コンパスを活用ください

不倫慰謝料は交渉力の格差が金額に影響を与えやすく、弁護士の経験や知識次第で結果も変わってきますので、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。

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7章 まとめ

以上のとおり、今回は、10年前の浮気慰謝料を相手に請求できる可能性があることを説明したうえで、相場金額がいくらとなるか、及び、時効や注意点4つを解説しました。

この記事が10年前の浮気慰謝料を相手に請求したいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

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籾山 善臣

籾山 善臣 弁護士

リバティ・ベル法律事務所

神奈川県弁護士会所属。
取扱分野は、浮気・不倫問題、離婚問題、労働問題等。
【連載・執筆等】幻冬舎ゴールドオンライン、ちょこ弁|ちょこっと弁護士Q&A他
【取材実績】東京新聞2022年6月5日朝刊、毎日新聞 2023年8月1日朝刊、週刊女性2024年9月10日号、区民ニュース2023年8月21日

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