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2025年3月8日
労働一般
厚生労働省のブラック企業リスト(2024)!地域と掲載企業の傾向
ブラック企業リスト掲載の事案は、労働安全衛生法違反が多く、実際のイメージとは異なる部分があります。今回は、ブラック企業リストとその内容について説明したうえで、ブラック企業を見極めるための簡単なチェックリストについて解説していきます。
投稿日:2026/10/07
退職勧奨

退職勧奨を受けると、突然会社から退職を求められたり、何度も面談を求められたりして、精神的につらい状態になることがあります。
もっとも、退職勧奨によって精神的苦痛を受けたからといって、直ちに違法となり慰謝料を請求できるわけではなく、退職を迫った方法や発言の内容、面談の回数などから判断することになります。

この記事の要点
・退職勧奨は会社が労働者に退職を勧めるものであり、方法が社会通念上許される範囲を超えた場合には、違法となり慰謝料を請求できることがあります。
・退職勧奨で精神的につらい場合には、その場で退職に同意せず、録音やメールなどの証拠を残したうえで、退職勧奨の中止を求めたり、弁護士へ相談したりすることが考えられます。
この記事を読めば、精神的苦痛を伴う退職勧奨が違法になるケースや慰謝料を請求する条件、退職勧奨を受けたときの対処法がよくわかるはずです。
目次

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退職勧奨で精神的な負担を感じても、それだけで会社の行為が違法になるわけではありません。
ただし、常に許されるというわけではなく、違法となることもあります。
退職勧奨とは、会社が労働者に対して、自ら退職するよう勧める行為です。
会社が一方的に雇用契約を終了させる解雇とは異なり、退職勧奨を受けただけで雇用契約が終了するわけではありません。
例えば、上司から「退職を検討してほしい」と言われたり、退職条件を提示されたりする場面が退職勧奨に当たることがあります。
この場合でも、労働者が退職に同意しなければ、退職勧奨そのものによって退職が成立するものではありません。
そのため、会社から退職を求められた場合には、まず解雇を通知されているのか、退職を勧められているだけなのかを確認しましょう。
退職勧奨を受けた後にどう対応すればいいのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
労働者は、会社から退職勧奨を受けても、それに応じて退職する義務はありません
退職勧奨は、あくまでも労働者の意思による退職を会社が求めるものであり、最終的に退職するかどうかは労働者が決めることになるためです。
そのため、会社から退職を勧められても、退職する意思がなければ断ることができます。
会社が設定した回答期限までに必ず退職へ同意しなければならないというものでもありません。
退職勧奨によって精神的につらい思いをしたとしても、そのことだけで退職勧奨が違法になるとは限りません。
会社から退職を求められること自体が労働者にとって大きな負担となることはありますが、退職勧奨そのものが法律上禁止されているわけではないためです。
違法かどうかは、面談の回数や時間、発言の内容、労働者が退職を断った後の対応などを踏まえ、労働者の意思を不当に押さえつける方法であったかなどから判断されます。
例えば、会社が退職の理由や条件を説明し、労働者に検討する機会を与えながら退職を勧める場合には、精神的な負担を感じたという事情だけで直ちに違法になるわけではありません。
一方で、退職を拒否しているのに執拗に迫るなど、自由に退職するかどうかを決めることが難しくなる方法が取られた場合には、違法性が問題となります。
精神的苦痛の有無だけではなく、会社がどのような方法で退職を求めたのかを踏まえて、検討されることになります。
退職勧奨は認められる場合がありますが、労働者が自由に退職するかどうかを決められないような方法まで許されるわけではありません。
退職を迫る回数や時間、発言の内容、面談の状況、退職を断った後の対応などによっては、許される範囲を超えた退職勧奨として違法になることがあります。
精神的苦痛を伴う退職勧奨が違法になり得るケースとしては、以下の6つがあります。

それでは、精神的苦痛を伴う退職勧奨が違法になり得るケースについて順番に見ていきましょう。
退職する意思がないと伝えた後も、何度も長時間の面談を続ける場合には、違法な退職勧奨となることがあります。
労働者には退職勧奨を拒否する自由があり、会社がその意思を無視して執拗に退職を迫ると、自由に判断することが難しくなるためです。
もっとも、退職を断られた後に再度退職勧奨をしただけで、直ちに違法になるわけではありません。
違法かどうかは、退職を拒否する意思をどの程度明確に伝えていたか、面談が何回行われたか、1回の面談がどの程度続いたかなどを踏まえて判断されます。
短期間に何度も呼び出され、長時間にわたって退職するよう説得され続けている場合には、退職勧奨の回数や時間を確認してみましょう。
上司や人事担当者など複数人で労働者を囲み、威圧的な状況で退職を迫る場合にも、違法な退職勧奨となることがあります。
退職するかどうかは労働者が自由に決めるべきであり、人数や面談の方法によって強い圧力を加えると、その自由な判断を妨げることがあるためです。
ただし、会社側から複数人が面談に参加したという事情だけで、直ちに違法になるわけではありません。
例えば、閉鎖された部屋で複数の上司から長時間にわたって一方的に責められたり、大声で退職を迫られたりした場合には、面談全体の方法が問題となります。
参加人数だけではなく、座席の配置や面談時間、口調、退室することができたかなども含めて判断されます。
退職を勧めるために人格を否定する発言や侮辱を繰り返した場合には、違法となることがあります。
退職勧奨では勤務成績や会社が退職を求める理由を説明することはありますが、労働者自身の人格を攻撃する必要はないためです。
例えば、仕事上の問題点を具体的に説明するのではなく、「人間として問題がある」「会社にいる価値がない」などと侮辱して退職を迫るケースが考えられます。
このような発言は、退職するかどうかの判断に必要な説明とは異なり、労働者の名誉や人格を傷つけるものです。
退職勧奨の際に何を言われたのかは、違法性を判断する際の一つの事情となります。
退職勧奨の際に言われた言葉がパワハラにあたるかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
退職を断れば解雇や降格などになると告げ、不当に圧力をかける場合にも、違法な退職勧奨となることがあります。
労働者に不利益を恐れさせて退職へ追い込むと、退職するかどうかを自由に判断できなくなることがあるためです。
もっとも、会社が今後取り得る人事上の対応について、その根拠とともに説明することまで当然に禁止されるわけではありません。
例えば、解雇できるだけの事情がないのに「退職しなければ必ず懲戒解雇になる」などと告げたり、退職勧奨を断ったこと自体を理由に不利益を与えると告げたりする場合には問題となります。
会社から解雇や降格などを示された場合には、根拠となる事実があるのか、法的に正しい説明なのかをよく確認しましょう
退職させる目的で仕事を外したり、職場から隔離したりする場合には、退職勧奨とは別に嫌がらせ自体が違法となることがあります。
退職に応じない労働者へ不利益な職場環境を作り、自ら辞めざるを得ない状態へ追い込むことは、単に退職を勧める行為とは異なるためです。
例えば、合理的な理由がないのに仕事をほとんど与えなくなったり、一人だけ別の場所で勤務させたり、会議や業務上必要な連絡から外したりするケースがあります。
配置転換や担当業務の変更には業務上の理由がある場合もあるため、仕事を外されたという事実だけで違法と決まるわけではありません。
退職勧奨を拒否した時期と業務上の扱いが変わった時期、その理由などを確認することで、退職へ追い込む目的があったのかを判断しやすくなります。
精神疾患があるという事情だけを取り上げ、現在の症状や仕事への影響を確認せずに退職を迫った場合には、違法となることがあります。
精神疾患の種類や程度、仕事への影響は人によって異なるため、病名があるというだけで働けないと判断することはできません。
本人の勤務状況や症状を確認し、必要に応じて医師などの専門家の意見も踏まえたうえで、仕事を続けられるのかを検討しましょう。
例えば、問題なく勤務している労働者について、精神疾患があることを会社が知った直後に、業務への影響を確認しないまま退職を求めるようなケースです。
このような退職勧奨では、退職を迫った方法だけではなく、会社がどのような事情を確認したうえで退職を求めたのかも問題となります。
精神疾患などを理由に休職しようとした際に退職を求められた場合については、以下の記事で詳しく解説しています。
退職勧奨によって精神的苦痛を受けた場合でも、精神的につらかったという事情だけで慰謝料を請求できるわけではありません。
慰謝料を請求するには、退職勧奨の方法が許される範囲を超えていることに加えて、その行為によって精神的な損害が生じたことなどが必要です。
退職勧奨による精神的苦痛について慰謝料を請求する条件としては、以下の4つがあります。

それでは、退職勧奨による精神的苦痛について慰謝料を請求する条件を順番に見ていきましょう。
慰謝料を請求するには、まず退職勧奨の方法が社会通念上許される範囲を超えていることが必要です。
退職勧奨そのものは禁止されておらず、会社が労働者に退職を提案したというだけでは、通常は違法な権利侵害とはいえないためです。
一方で、労働者の自由な意思決定を妨げるほど執拗に退職を迫った場合や、名誉感情を傷つける言動をした場合には、違法な退職勧奨となることがあります。
例えば、退職しない意思を明確に伝えているのに長時間の面談を何度も続け、人格を否定する発言までして退職を迫るような場合です。
違法性を判断する際には、一つの発言だけではなく、面談の回数や時間、発言内容、退職を断った後の対応なども見られます。
慰謝料を請求するには、違法な退職勧奨によって精神的な損害を受けたことも必要です。
慰謝料は、違法な行為によって受けた精神的苦痛を金銭で補うための損害賠償だからです。
例えば、長期間にわたって退職を強く迫られた結果、強い不安や不眠などが生じた場合には、その精神的苦痛が慰謝料の対象となるかが問題になります。
精神疾患を発症していなければ慰謝料を請求できないというものではありませんが、精神的苦痛の内容や程度は具体的に示す必要があります。
また、通院が必要となった場合には、慰謝料とは別に治療費などが損害として問題となることもあります。
どのような精神的・金銭的な不利益が生じたのかによって、請求する損害の内容も変わります。
精神的苦痛などの損害があっても、それが退職勧奨によって生じたことを示す必要があります。
会社に損害賠償を求めるには、違法な退職勧奨と発生した損害との間につながりがなければならないためです。
例えば、退職勧奨が始まった後から不眠や体調不良が生じ、医療機関を受診するようになった場合には、その前後の経過が判断材料になります。
反対に、退職勧奨とは関係のない事情によって同じ症状が生じていた場合には、退職勧奨による損害であることを示すことが難しくなることがあります。
退職勧奨が行われた時期や内容と、体調や生活に変化が生じた時期が矛盾しないことも重要となります。
不法行為を理由に慰謝料を請求する場合には、退職勧奨を行った者に故意又は過失があることも必要です。
民法では、故意又は過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害し、損害を生じさせた場合に損害賠償責任を負うとされています。
例えば、労働者が退職を明確に拒否していることを知りながら、自由な判断を妨げるほど退職勧奨を繰り返した場合には、その対応について故意又は過失が問題になります。
また、上司や人事担当者が業務として違法な退職勧奨を行った場合には、行為をした本人だけではなく、会社が使用者として損害賠償責任を負うこともあります。
そのため、慰謝料を請求する際には、誰がどのような方法で退職勧奨を行ったのかも確認することになります。
退職勧奨による精神的苦痛の慰謝料には、一律に決まった相場はありません。
退職勧奨の回数や時間、発言内容、労働者の心身の状態、退職勧奨によって生じた影響などが事案ごとに異なるためです。
慰謝料が認められた裁判例としては、以下の4つがあります。
それでは、退職勧奨による精神的苦痛について慰謝料が認められた裁判例を順番に見ていきましょう。
下関商業高校事件では、退職を拒否していた教員に対する多数回・長期間の退職勧奨が、許される範囲を超えると判断されました。
教員らは退職しない意思を示していたにもかかわらず、教育委員会への出頭を繰り返し命じられ、1回につき20分から長いときには1時間半程度の退職勧奨を受けていました。
また、退職するまで勧奨を続ける旨を告げられるなど、退職しなければ働きかけが終わらないと思わせる状況となっていました。
裁判所は、退職勧奨の回数や期間、心理的な圧力などを踏まえ、労働者が自由に退職するかどうかを決められる範囲を超えたものと判断しました。
その結果、教員2名について、それぞれ4万円と5万円の慰謝料が認められています。
退職しない意思を明確に示した後も勧奨が続いている場合には、その回数や時間だけではなく、退職を迫る方法全体が違法性の判断材料となります。
全日本空輸(退職強要)事件では、約4か月の間に30数回の面談を行うなどした退職勧奨が違法と判断されました。
労働者は長期間の休職後に復職しましたが、会社との面談の中で退職を求められ、中には約8時間に及ぶ面談もありました。
その際には、客室乗務員としての能力を否定するだけではなく、侮辱的な言葉を使ったり、大声を出したり、机をたたいたりする行為もありました。
さらに、本人が断っているにもかかわらず寮まで赴き、家族にも退職するよう説得してほしいと求めていました。
大阪地裁は、面談の頻度や時間、発言などが社会通念上許される範囲を超えているとして、違法な退職強要に当たると判断しました。
その結果、精神的苦痛に対する慰謝料として50万円が認められています。
面談の回数だけではなく、侮辱的な発言や私生活への働きかけまで含めて退職を迫っていた点が判断に影響しています。
エム・シー・アンド・ピー事件では、うつ病を抱える労働者に対して繰り返された退職勧奨が違法と判断され、慰謝料30万円が認められました。
会社は9日間に5回の面談を行い、第2回は約1時間、第3回は約2時間、第5回も約1時間に及んでいました。
労働者が退職する意思はないと伝えていたにもかかわらず、会社は退職勧奨に応じなければ解雇することもあり得る旨を示して退職を求めていました。
また、労働者が業務量を調整してもらえれば働けると申し出ても、その方向での対応は行われませんでした。
裁判所は、これらの事情から、労働者が退職するかどうかを自由に決めることを難しくする退職勧奨であったと判断しました。
さらに、この退職勧奨によってうつ病が自然な経過を超えて悪化したと認め、休職期間満了による退職扱いについても認めませんでした。
既に精神疾患がある労働者への退職勧奨では、面談の方法だけではなく、症状への影響も問題となった裁判例です。
中倉陸運事件では、精神障害があることを理由とした退職勧奨について、慰謝料80万円が認められました。
労働者は運送会社で働き始めた直後、精神障害等級3級であることが分かる書類を会社へ提出し、その後、会社から雇用の継続は難しいとして退職を求められました。
しかし、会社は病状の具体的な内容や程度を確認せず、主治医や産業医などの意見を踏まえて仕事への影響を検討することもしないまま退職勧奨を行っていました。
裁判所は、このような対応について、精神障害のある労働者への配慮を欠き、人格的な利益を侵害するものとして不法行為を認めました。
京都地裁が慰謝料80万円を認め、大阪高裁もこの判断を維持しています。
この裁判例では、退職勧奨を何度も繰り返したことではなく、精神障害が仕事にどのような影響を与えるのかを具体的に確認せず、退職を求めた点が問題とされています。
退職勧奨による精神的苦痛について慰謝料を請求する場合には、会社から何をされたのかを確認できる証拠を残しておく必要があります。
特に、面談の内容や回数、退職を断った後の対応、体調への影響が分かる資料が役立ちます。
退職勧奨を受けたときに残しておきたい証拠としては、以下の5つがあります。
それでは、退職勧奨による精神的苦痛を証明するために残しておきたい証拠を順番に見ていきましょう。
退職勧奨の面談では、可能であれば会話を録音しておくとよいでしょう。
録音があれば、退職をどの程度強く迫られたのか、人格を否定する発言や解雇を示唆する発言があったのかを確認できます。
また、長時間の面談が続いていた場合には、録音時間から面談の長さを確認することもできます。
退職勧奨の違法性を判断するうえで、実際の発言を確認できる録音は有力な証拠になります。
面談の日時や回数、発言内容については、その都度メモを残しておきましょう。
退職勧奨では、短期間に何度も呼び出されていたかなど、継続的な経過が問題になることがあるためです。
メモには、日時、参加者、面談時間、会社から言われた内容、自分がどのように回答したかを記録します。
特に、退職する意思がないと伝えた日を残しておけば、その後も勧奨が続いていたことを説明しやすくなります。
会社から送られたメールやチャット、退職条件が記載された書面も保存しておきましょう。
これらの資料から、会社がいつから退職を求めていたのか、どのような理由や条件を示していたのかを確認できます。
また、退職を拒否したことをメールなどで伝えた場合には、その記録も残しておくとよいでしょう。
会社のアカウントは退職後に閲覧できなくなることもあるため、必要な資料は確認できる状態で保存しておくことを検討します。
退職勧奨によって体調に異変が生じた場合には、診断書や通院記録も証拠になります。
診断書や診療記録から、症状の内容や受診時期を確認でき、退職勧奨との時間的な関係を説明しやすくなるためです。
診断書がなければ慰謝料を請求できないわけではありませんが、精神的苦痛の程度を示す資料の一つになります。
診療明細や領収書、服薬の記録などもあわせて保管しておくとよいでしょう。
退職勧奨を断った後に仕事を外されたり、配置を変えられたりした場合には、その経過が分かる資料も残しておきましょう。
例えば、担当業務を外されたことが分かるメール、異動通知、業務分担表などが考えられます。
これらの資料があれば、退職勧奨の前後で会社の対応がどのように変わったのかを確認できます。
退職勧奨を断った時期と業務上の扱いが変わった時期を対応させて残しておくと、経過を説明しやすくなります。
退職勧奨とあわせてパワハラを受けている場合の証拠については、以下の記事で詳しく解説しています。
退職勧奨で精神的につらいときには、焦って退職を決めず、会社からの働きかけと体調の両方に対応していきましょう。
退職に同意すると後から元に戻すことが難しくなることがあるため、まずは退職するかどうかを慎重に判断する必要があります。
退職勧奨で精神的につらいときの対処法としては、以下の5つがあります。
それでは、退職勧奨で精神的につらいときの対処法を順番に見ていきましょう。
退職勧奨を受けても、その場で退職届や退職合意書に署名するのは避けましょう。
退職勧奨は解雇とは異なり、労働者がその場で退職に同意する必要はありません。
一度退職に同意すると、後から「本当は退職したくなかった」と考えても、退職の効力を争うことが難しくなる場合があります。
会社から回答を求められた場合には、「弁護士に相談したいので、一度持ち帰って検討します」などと伝え、書面の内容や退職条件を確認してから判断するとよいでしょう。
退職勧奨を受けた際の退職届や退職合意書の扱いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
会社を辞める意思がない場合には、退職勧奨に応じないことを明確に伝えましょう。
退職勧奨に応じるかどうかは労働者が自由に決めることができ、会社から勧められたというだけで退職する義務はありません。
例えば、「退職する意思はありませんので、退職勧奨には応じません」と伝えましょう。
退職を拒否した後も退職勧奨が繰り返されている場合には、いつ拒否したのかが分かる記録も残しておくとよいでしょう。
退職勧奨を断る場合の具体的な答え方や避けた方がよい発言については、以下の記事で詳しく解説しています。
退職を断っても繰り返し退職を迫られる場合には、退職勧奨をやめるよう文書で求めることを検討しましょう。
退職しない意思と中止を求めた事実を書面やメールで残しておけば、その後も退職勧奨が続いた経過を確認しやすくなります。
退職勧奨は、労働者の自由な意思決定を妨げるほど執拗な方法で行われると、違法な権利侵害となる可能性があります。
文書には、退職する意思がないことと、今後の退職勧奨を中止してほしいことを簡潔に記載するとよいでしょう。
不眠や食欲不振、強い不安など体調に異変が出ている場合には、無理をせず医療機関を受診しましょう。
症状が続いているにもかかわらず放置すると、仕事や日常生活への影響が大きくなることがあります。
受診記録や診断書は、いつからどのような症状が生じていたのかを後から確認する資料にもなります。
ただし、診断書を提出したことにより、会社から休職を命じられたり、心身の状況が業務に耐えられないとして解雇の理由とされたりすることもあります。
診断書を提出する前に法的な見通しやリスクについて、弁護士にも十分に確認しておいた方がいいでしょう。
会社へ診断書を提出する義務や提出する際の注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
退職勧奨が続いている場合や退職条件を提示されている場合には、退職勧奨に詳しい弁護士へ相談することも考えられます。
弁護士に相談すれば、退職勧奨の方法が違法といえるのか、慰謝料を請求できるのか、提示された退職条件に応じるべきかなどを個別の事情に応じて確認できます。
また、退職する場合には退職条件の交渉を依頼でき、会社に残りたい場合には退職勧奨の中止を求める対応を依頼することもできます。
必ずしも退職勧奨に対し慰謝料を請求するという方針が最善とは限らず、別の方針とした方がご意向に沿うことも多いです。

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違法な退職勧奨によって精神的苦痛を受けた場合には、会社との話し合いから裁判まで、状況に応じた方法で慰謝料を請求できます。
どの方法を選ぶかによって、費用や期間、会社との話し合いで解決できる余地などが異なります。
退職勧奨の精神的苦痛について慰謝料を請求する方法としては、以下の4つがあります。
それでは、慰謝料を請求する方法を順番に見ていきましょう。
まずは、会社との交渉によって慰謝料の支払いを求める方法があります。
録音やメールなどの証拠をもとに、どのような退職勧奨が行われ、どのような精神的苦痛を受けたのかを伝えたうえで、慰謝料の金額などを話し合います。
退職する場合には、慰謝料だけではなく、退職日や解決金などの条件をあわせて交渉することもあります。
合意できた場合には、支払金額や支払期限などを合意書に残しておくと、その後の認識の食い違いを防ぎやすくなります。
会社との話し合いで解決できない場合には、都道府県労働局の助言・指導やあっせんを利用する方法があります。
労働局では、いじめ・嫌がらせなどを含む個別の労働トラブルについて、無料で解決を支援する制度を設けています。
あっせんでは、労働問題の専門家が間に入り、会社と労働者双方の主張を確認しながら、金銭の支払いを含めた話し合いによる解決を目指します。
ただし、会社にあっせんへの参加や提案の受入れを強制することはできないため、会社が応じなければ別の方法を検討することになります。
労働局のあっせんによる解決金や手続の流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
会社との交渉やあっせんで解決しない場合には、地方裁判所へ労働審判を申し立てる方法があります。
労働審判では、裁判官1名と労働問題の専門家である労働審判員2名が、双方の主張や証拠を確認し、まず話し合いによる解決を試みます。
原則として3回以内の期日で審理されるため、通常の訴訟よりも短い期間で解決を目指す制度です。
調停が成立せず労働審判が出された場合でも、当事者から適法な異議が出されると訴訟へ移行します。
労働審判とは何かについては、以下の記事と動画で詳しく解説しています。
話し合いによる解決が難しい場合には、訴訟を提起して慰謝料を請求する方法があります。
訴訟では、退職勧奨が許される範囲を超えていたことや、それによって精神的苦痛が生じたことなどについて、双方が主張や証拠を提出します。
裁判所は、面談の回数や時間、発言内容、退職を拒否した後の対応、心身への影響などを踏まえて、会社に損害賠償責任があるかを判断します。
会社との主張の違いが大きい場合には、録音やメール、診断書などの証拠がどの程度そろっているかも見通しに影響します。
退職勧奨と精神的苦痛に関しては、慰謝料請求や診断書、労災などについて疑問が生じることがあります。
よくある疑問としては、以下の5つがあります。
それでは、これらの疑問を解消していきましょう。
A.精神疾患を発症していなくても、違法な退職勧奨によって精神的苦痛を受けた場合には、慰謝料を請求できることがあります。
ただし、退職勧奨によって精神的につらかったというだけでは足りず、退職勧奨の方法が許される範囲を超えていたことなどを示す必要があります。
A.診断書がなくても、慰謝料を請求すること自体はできます。
もっとも、精神的苦痛の程度や退職勧奨とのつながりが争われる場合には、診断書や通院記録がある方が説明しやすくなります。
A.退職届を出した後でも、違法な退職勧奨について慰謝料を請求することは考えられます。
また、強迫や詐欺、錯誤などがあった場合には、退職の意思表示そのものを取り消せることもありますが、具体的な経緯によって判断が異なります。
A.退職勧奨を原因として精神疾患を発症・悪化した場合には、労災と認められることがあります。
精神障害の労災認定では、対象となる精神障害を発症していることや、発症前おおむね6か月の間に業務による強い心理的負荷があったことなどが確認されます。
職場での強い心理的負荷によってうつ病になった場合の労災認定や慰謝料については、以下の記事で詳しく解説しています。
A.退職勧奨そのものについて、労働基準監督署が会社に中止を命じてくれるとは限りません。
退職勧奨や嫌がらせなどの労働トラブルについては、総合労働相談コーナーで相談でき、必要に応じて労働局の助言・指導やあっせんを案内してもらえます。
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労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
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以上のとおり、今回は、退職勧奨で精神的苦痛を受けたら違法かについて、慰謝料請求と対処法5つを解説しました。
この記事が退職勧奨に精神的苦痛を受けて悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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