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2025年3月8日
労働一般
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投稿日:2026/10/22
残業代

1日9時間労働が続くと、帰宅後に食事や家事を済ませるだけで一日が終わり、自分の時間を中々持てないこともあります。
周囲も同じように働いている職場では、疲れていても「これくらいは普通」と考えてしまい、休憩時間や残業代に疑問があっても言い出しにくいものです。
今回は、1日9時間労働が違法になるケースを説明したうえで、休憩時間や残業代のルールについて解説します。

この記事の要点
・1日9時間労働は、36協定がない場合や上限を超えている場合のほか、必要な残業代が支払われていない場合には違法となります。
・休憩を除いて9時間働く場合は、1時間以上の休憩が必要であり、通常の勤務形態であれば原則として1時間分の残業代が発生することになります。
・1日9時間労働がきつい場合は、弁護士や労働基準監督署に相談したり、未払い残業代請求のほか、転職も検討していくことになります。
この記事を読めば、1日9時間労働の休憩や残業代の扱いと、きついと感じた場合の対処法がよくわかるはずです。
目次

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1日9時間労働は、働かせ方や残業代の支払い状況によっては違法になる場合があります。
例えば、1日9時間労働が違法になるケースとしては、以下の3つがあります。

それでは、1日9時間労働が違法になるケースについて順番に説明していきます。
36協定が締結されていない状況で、1日9時間働かせることは違法になります。
労働基準法では、休憩を除く労働時間は1日8時間・週40時間までと定められています。
これを超えて働かせるには、過半数労働組合、なければ労働者の過半数代表者と36協定を結び、労働基準監督署へ届け出る必要があります。
本人が同意している場合や、雇用契約書で1日9時間勤務と定められている場合でも、36協定の締結は必要です。
また、残業代を支払っていても、必要な36協定の締結・届出をせずに1日9時間働かせれば違法となります。
36協定を締結していても、上限を超えて働かせれば違法になります。
法律では、残業時間の上限は原則として月45時間・年360時間とされています。
臨時的な特別の事情があり、特別条項付きの36協定を締結している場合でも、残業は年720時間以内、月45時間を超えられるのは年6か月までです。
さらに、休日労働を含めて月100時間未満、2~6か月のいずれの平均も1か月当たり80時間以内という制限があります。
また、法律上の上限に達していなくても、会社が36協定で定めた時間を超えて残業させることはできません。
例えば、協定で月15時間までと定めているのに、実働9時間の勤務を月20日続けさせると月20時間の残業となり、協定の上限を超えます。
毎日1時間の残業であっても、36協定や法律で認められた範囲を超えていれば違法となるのです。
残業時間の上限や割増賃金のルールについては、以下の記事で詳しく解説しています。
1日9時間働いているのに、法律上必要な残業代が支払われていない場合は違法になります。
法律では、原則として1日8時間を超えて働いた時間について、通常の賃金に25%以上を上乗せした残業代を支払う義務があると定められているためです。
例えば、時給1,200円で実働9時間の場合、8時間を超える1時間分には、1,500円の残業代が発生します。
この働き方を月20日続ければ、1か月の残業代は3万円にも及びます。
月給制であっても、会社が「9時間までは定時だから残業代は出ない」と決めていても、支払い義務がなくなるわけではありません。
また、固定残業代が支払われていても、実際の残業時間に対して金額が不足している場合は、その差額を支払わなければ違法となります。
基本給に固定残業代が含まれる場合の条件や計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
1日9時間働く場合、法律上は1時間以上の休憩が必要とされています。
ただし、「9時間勤務」に休憩時間が含まれている場合は、実働時間とは分けて考える必要があります。
ここでは、1日9時間労働の休憩時間について、以下の3つに分けて説明します。

それでは、1日9時間労働の休憩時間について順番に説明していきます。
実働9時間の場合、会社は勤務の途中に合計1時間以上の休憩を与える必要があります。
労働時間が8時間を超える場合、少なくとも1時間の休憩を与えるよう法律で定められているためです。
休憩は1時間まとめて与える場合や、昼休みの45分に加えて別の時間帯に15分与えることもできます。
ただし、分けて取る場合も、休憩時間は仕事から離れて自由に過ごせることが必要になります。
電話番や来客対応を義務づけられている時間は、労働時間に該当する場合があります。
裁判例では、マンション管理員の待機時間が争われた事案で、住民の呼出しなどに対応する義務がある状況では、実際に作業をしていない時間も労働時間に当たると判断しています(最高裁平成19年10月19日判決)。
例えば、休憩時間該当性は以下のような要素から判断されることになります。
そのため、実際に電話対応がなかったとしても休憩時間に該当するとは限らないのです。
休憩時間を取れていないことを示す証拠や、証明する際のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
休憩を含めて9時間勤務する場合、実働時間によって休憩時間や残業代の有無が決まります。
例えば、所定労働時間が8時間であり、9時間のうち1時間が休憩であれば実働は8時間となり、その日の勤務を理由とする時間外割増賃金は発生しません。
他方で、休憩が45分であれば、実働は8時間15分となり休憩が不足していることに加え、15分の部分について残業代も発生します。
「9時間勤務」と記載されていても、休憩を含む時間なのか、休憩を除いた実働時間なのかによって扱いは異なってくるのです。
休憩が1時間半や2時間あっても、休憩時間の長さが違法になるわけではありません。
休憩時間の規定は下限を示すものであり、規定よりも長い休憩を設けることもできます。
もっとも、実働9時間に長い休憩が加わると、それだけ退勤が遅くなり、私生活に使える時間は少なくなります。
また、休憩を長く取っていても、実働が9時間であれば、原則として1時間分の残業代は発生します。
休憩中に電話番などを義務づけられている場合は、その時間も労働時間にあたる場合があります。
さらに、会社が一方的に休憩を延ばして退勤時刻を遅くする場合は、労働条件の不利益変更として認められないこともあります。
1日9時間働いていても、勤務形態によっては残業にならない場合があります。
例えば、1日9時間労働でも残業にならない可能性がある勤務形態として、以下の3つがあります。

それでは、1日9時間労働でも残業にならない可能性がある勤務形態について順番に説明していきます。
変形労働時間制とは、一定期間の労働時間を平均して原則週40時間以内に収めることで、特定の日に8時間を超える勤務を認める制度です。
業務の繁閑に合わせて、忙しい日は長く働き、余裕がある日は勤務時間を短くするなど調整することができるのです。
適法に制度が導入され、あらかじめ9時間勤務と定められた日であれば、9時間働いても残業代は発生しないことがあります。
ただし、9時間勤務と定められた日に10時間働けば、超過した1時間は残業となります。
また、1日ごとの時間だけでなく、週や対象期間全体の労働時間によっては残業代が発生する場合もあります。
そのため、変形労働時間制であっても、会社が自由に勤務時間を延ばし、残業代を支払わずに済ませられるわけではないのです。
変形労働時間制で残業代が発生する条件や計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
フレックスタイム制とは、3か月以内の一定期間で働く時間の合計をあらかじめ定め、その範囲内で労働者が始業・終業時刻を決められる制度です。
労働時間を集計する期間を「清算期間」といい、忙しい日は9時間働き、別の日は早く帰るなど調整することができます。
適法に制度が導入されていれば、1日9時間働いていたとしても残業になるとは限りません。
ただし、清算期間全体で法律上認められる労働時間の総枠を超えた場合、超過分について残業代が発生します。
また、清算期間が1か月を超える場合は、1か月ごとに週平均50時間を超えた分も残業となります。
そのため、出退勤の時刻を自分で決められる場合でも、働いた時間に応じて残業代が発生することはあるのです。
フレックスタイム制など、残業代が出ないと誤解されやすい勤務形態については、以下の記事で詳しく解説しています。
裁量労働制とは、仕事の進め方や時間配分を労働者に大幅に任せ、実際に働いた時間にかかわらず、あらかじめ定めた時間を働いたものとみなす制度です。
例えば、適法に制度が適用され、みなし労働時間が1日8時間であれば、実際には9時間働いても、その差の1時間について残業代は発生しません。
他方で、みなし労働時間が1日9時間であれば、原則として8時間を超える1時間分の残業代が発生します。
ただし、対象となる業務は限定されており、本人の同意を得るなど、法律上の要件を満たさなければなりません。
例えば、裁量労働制の対象となる業務には以下のものがあります。
会社が裁量労働制と呼んでいても、適用要件を満たしていなければ、実際の労働時間に基づいて残業代が発生することがあります。
休憩を除いて1日9時間働く場合、原則として8時間を超える1時間の部分について、通常の時給の1.25倍以上の残業代が発生します。
月給制の場合、残業代は以下の計算式で求めます。
例えば、基本給が月30万円で手当はなく、1か月の平均所定労働時間が160時間の場合、1時間あたりの賃金は以下のとおりです。
所定労働時間が1日8時間・週5日勤務で、月20日、それぞれ1時間残業した場合、月の残業時間は20時間となり、残業代は以下のように計算できます。
次に、総支給額と手取り給料は、以下の計算式で求めます。
上記の例では手当がないため、総支給額は以下のとおりです。
仮に税金や社会保険料などの控除額を総支給額の20%とすると、手取り給料は以下のようになります。
ただし、実際の控除額は、年齢や扶養家族の有無、前年の所得などによって異なるため注意が必要です。
残業代の計算に使う時給の求め方や、計算に含める手当については、以下の記事で詳しく解説しています。
1日9時間労働は、仕事内容や生活環境によってはきついと感じることがあります。
例えば、1日9時間労働がきついと感じる理由として、以下の3つがあります。

それでは、1日9時間労働がきついと感じる理由について順番に説明していきます。
1日9時間労働は、休憩や通勤を含めると仕事に使う時間が長くなり、きついと感じることがあります。
実際に働く時間が9時間でも、家を出てから帰宅するまでの時間はそれ以上になることが多いためです。
例えば、実働9時間に休憩1時間、往復の通勤2時間が加わると、合計12時間も使うことになります。
休憩中は自由に過ごせても、自宅から離れた職場の周辺では、できることが限られやすいものです。
また、満員電車での移動や長距離の運転が毎日続けば、通勤自体を負担に感じることもあります。
1日9時間という労働時間だけでは見えない負担も、働きづらさに繋がることがあるのです。
1日9時間の労働が続くと、帰宅後に好きなことを楽しむ余裕がなく、きついと感じることがあります。
翌朝の出勤に備えて睡眠時間を確保しようとすると、家事や育児の後に残る自由時間は少ないためです。
例えば、夕食を作って片づけをし、洗濯や翌日の準備をしているうちに、寝る時間になってしまうこともあります。
子どもがいる家庭では、お風呂に入れたり寝かしつけなどで自分の時間を取りにくい日もあります。
趣味を楽しむ時間やくつろげる時間が取れないと、仕事中心の生活に窮屈さを感じやすくなります。
毎日の残業が1時間でも、自分に使える時間の少なさを負担に感じることがあるのです。
毎日の残業でストレスや疲れを感じる場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
1日9時間の労働でも、立ち仕事や忙しい業務が多いと疲労が溜まりやすく、きついと感じることがあります。
体を動かし続けたり、仕事に追われる業務内容だと、勤務中に一息つく余裕がないためです。
例えば、接客業で長時間立ち続ける場合や、倉庫での荷運び業務の場合、勤務の終盤になるほど疲労を自覚しやすくなります。
デスクワークでも、電話対応や急ぎの依頼が重なり、常に気を張っていると、仕事を終えたときにぐったりしてしまうこともあります。
こうした日が続けば、翌日まで疲れが残ったまま出勤することもあり、毎日の勤務がつらく感じやすくなります。
同じ9時間労働でも、作業の内容や忙しさによって感じる負担は大きく変わってくるのです。
1日9時間労働がきつい場合は、負担の原因に応じて、働き方や職場環境を見直していくことが大切です。
例えば、1日9時間労働がきつい場合の対処法として、以下の4つがあります。

それでは、1日9時間労働がきつい場合の対処法について順番に説明していきます。
1日9時間労働がきつい場合は、労働問題に詳しい弁護士への相談がおすすめです。
弁護士に相談すれば、勤務形態や休憩の実態を踏まえ、会社の対応に違法な点がないか、残業代の未払いがないかを確認しやすくなります。
例えば、会社から「1日9時間が所定労働時間であり残業代は出ない」と説明されていても、その扱いが正しいとは限りません。
相談時には、雇用契約書や給与明細、勤務時間の記録などを用意すると、具体的な助言を受けやすくなります。
また、必要に応じて会社との交渉を依頼することもできるため、交渉に不安がある場合にも相談してみるとよいでしょう。
残業代が支払われない場合の相談先や、相談前に確認しておきたい事項については、以下の記事で詳しく解説しています。
1日9時間労働が続き、休憩の不足や残業代の未払いがある場合は、労働基準監督署に申告することが考えられます。
労働基準監督署は、会社の労働基準法違反について調査・是正する権限を有する機関です。
例えば、実働9時間なのに休憩が45分しかない場合や、36協定の締結・届出がないまま残業をさせられている場合などが対象になります。
申告する際は、勤務時間や休憩の実態を整理し、タイムカードや給与明細などの資料を持参すると、状況を伝えやすくなります。
未払い残業代を労働基準監督署に相談する際の注意点や、対応の限界については、以下の記事で詳しく解説しています。
1日9時間働いているのに残業代が適切に支払われていない場合は、未払い分を請求することが考えられます。
毎日の残業が1時間でも、未払いの状態が長く続けば、まとまった金額にまでなっていることがあります。
また、会社が残業にかかる人件費を認識することで、業務量や人員配置を見直すきっかけになる場合もあります。
請求に向けて、タイムカードや業務メールなどの労働時間が分かる証拠を集め、給与明細と照らし合わせながら残業代を計算することになります。
残業代の請求権は、各支払期日から3年で時効にかかるため、未払いに気づいたら早めに対応していくことが大切です。
タイムカードなどの証拠が手元にない場合の残業代請求については、以下の記事で詳しく解説しています。
時効や証拠不足など、残業代請求で失敗しやすいケースと対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
1日9時間労働がきつく、今の職場での改善も期待できない場合は、転職を検討しましょう。
人手不足や残業を前提とした業務量が原因であれば、個人の努力で改善できる範囲にも限界があるためです。
例えば、残業が少ない職場や自宅に近い職場を選ぶことで、帰宅後に使える時間を増やせる可能性があります。
転職先を探す際は、所定労働時間だけでなく、実際の残業時間や休憩の長さ、通勤時間も確認しておくことが大切です。
また、残業が減ると収入も減少する場合があるため、給与や生活費とのバランスも踏まえて、自分に合った働き方を考えていきましょう。
残業が多い職場を退職する際の進め方や、転職先を選ぶポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
1日9時間労働についてよくある疑問として、以下の4つがあります。

それでは、これらの疑問を解消していきましょう。
A.休憩を除いて1日9時間働いている場合は、週の合計が36時間でも、原則として残業代が発生します。
法律上の労働時間の上限は1日8時間・週40時間であり、週40時間以内でも、1日8時間を超えた部分は時間外労働になるためです。
そのため、週4日それぞれ9時間働く場合は、1日1時間ずつ、週に合計4時間分の残業代が発生します。
ただし、変形労働時間制やフレックスタイム制などが適法
に適用されている場合は、1日8時間を超えても残業代が発生しないことがあります。
A.休憩を除いて1日9時間働く場合、通常の労働時間制では、週5日勤務なら週5時間、週6日勤務なら週14時間の残業が発生します。
週5日では実働45時間となり、毎日1時間ずつ残業することになります。
週6日では、最初の5日間で1時間ずつ、合計5時間の残業が発生します。
6日目の9時間はすべて残業となり、週の残業時間は合計14時間になります。
ただし、これは週40時間の原則が適用され、法定休日の労働を含まない場合の計算であり、変形労働時間制などでは扱いが異なります。
また、週6日勤務で毎日9時間働く状態が続くと、原則月45時間の残業上限を超えやすいため、36協定の内容や実際の残業時間にも注意が必要です。
A.パートやアルバイトでも、休憩を除いて1日9時間働くことは可能です。
ただし、正社員と同様に労働基準法が適用されるため、原則として36協定の締結が必要であり、協定の上限も遵守する必要があります。
また、実働9時間の場合は、勤務途中に1時間以上の休憩を設け、原則として8時間を超える1時間分には割増賃金を支払わなければなりません。
時給制であっても、9時間すべてを通常の時給で計算してよいわけではないのです。
なお、18歳未満には36協定に基づく残業をさせることはできず、1日9時間働かせるには以下のような条件を満たす必要があります。
アルバイトで残業代が発生する条件や計算方法、未払い分の請求手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
A.複数の勤務先に雇用されている場合は、原則として労働時間を合算するため、実働が合計1日9時間になれば、8時間を超える1時間分に割増賃金が発生します。
残業代をどちらの会社が負担するかは、雇用契約を結んだ順番や、契約で定めた時間を超えて働いた順番によって決まります。
例えば、先に契約した会社で1日6時間、後から契約した会社で1日3時間働く契約であれば、原則として後から契約した会社が1時間分の割増賃金を支払うことになります。
ただし、厚生労働省は、労働者からの申告などがなく、会社が掛け持ち先の勤務時間を把握していない場合には、労働時間の通算は不要としています。
そのため、各勤務先に掛け持ち先での勤務時間を伝えておくことが大切です。
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以上のとおり、今回は、1日9時間労働が違法になるケースを説明したうえで、休憩時間や残業代・手取り給料の目安のほか、きついと感じる理由と対処法4つを解説しました。
この記事が、1日9時間労働の休憩や残業代の扱いと、きついと感じた場合の対処法について知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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