2025年3月8日
労働一般
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2025/12/24
不当解雇


会社からセクハラを理由にクビと言われてしまい悩んでいませんか?
性的な意図で行った言動ではないのに被害者からセクハラの報告があったと言われて戸惑っている方も多いですよね。
最近、セクハラを理由にクビにされてしまったというトラブルが少なくありません。
法的には、犯罪に該当するような場は別ですが、セクハラ行為があったとしても改善指導や配置転換を検討せず直ちにクビにすることは許されない傾向にあります。
また、そもそもセクハラをした事実がないケースや性的な意図がないケースも少なからず存在しており、このような場合にも解雇は不当となりやすいです。
実際、裁判でセクハラによるクビが争われた事例は多数蓄積されていますが、解雇が不当と判断されることが少なくありません。
もし、あなたが会社からセクハラを理由にクビを言い渡されてしまったとしても、焦らず冷静に対処していくようにしましょう。
とくに、セクハラでクビと言われてしまった場合には、後悔しないためにいくつか気を付けておいていただきたいで注意点があります。
実は、悪質な会社だと労働者を解雇するための口実として後付けでセクハラだとこじつけたり、発言や行動の一部のみを切り取ってセクハラだと主張してきたりすることがあります。
この記事をとおして、セクハラでクビにすると言われてしまった場合にあなた自身の身を守るために是非知っておいていただきたいことを分かりやすくお伝えできれば幸いです。
今回は、セクハラを理由とするクビについて、解雇が不当なケース4つと裁判事例や簡単な対処法を解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば、セクハラでクビと言われてしまった場合にどうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次
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セクハラを理由にクビ(解雇)になることはあります。
なぜなら、セクハラは職場の秩序を乱し、被害者の心身に深刻な影響を与える行為だからです。
多くの会社では、就業規則や社内規定で禁止し、重大な懲戒事由として扱っています。
特に、性的な発言や行動が繰り返されたり、業務上の地位を利用して行われたりした場合、会社は懲戒解雇を含む厳しい処分を下すことがあります。
例えば、飲み会の場での不適切な身体接触や、業務連絡に見せかけた性的なメッセージ送信などは、会社が重く受け止めやすい行為です。
このように、セクハラは場合によっては一度でもクビに直結する重大な問題です。
まずは、どのような場合にセクハラでクビになるのか、その基本的な考え方を理解しておきましょう。
セクハラを理由にクビにできるかどうかは、法律で定められた解雇権の濫用禁止の基準に沿って判断されます。
解雇は労働者の生活に大きく影響するため、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当といえる場合でなければ無効とされます。
この基準はセクハラの場合も同じです。行為の事実や内容、程度、職場への影響、改善の可能性などを総合的に見て判断します。
法的には、犯罪に該当するような場は別ですが、セクハラ行為があったとしても改善指導や配置転換を検討せず直ちにクビにすることは許されない傾向にあります。
例えば、行為が一度だけで悪質性が低い場合や、改善指導で再発防止が見込める場合は、直ちにクビとするのは相当でないことがあります。
一方で行為が繰り返されていたり、犯罪に該当したりするような場合には、懲戒解雇が有効とされる可能性も高くなります。
セクハラを理由にクビにされても、状況によっては解雇が不当と判断されることが多くなっています。
どのような場合に解雇が不当になるかを知ることで冷静に対処していくことができるでしょう。
例えば、セクハラによるクビ(解雇)が不当になるケースとしては、以下の4つがあります。

それでは、これらのケースについて順番に見ていきましょう。
セクハラの事実がない場合、解雇は不当となる可能性が高いです。
なぜなら、解雇は事実に基づいて行われなければならず、根拠のない指摘や誤解による処分は「合理的な理由」が欠けるからです。
例えば、第三者からの伝聞だけで事実確認をせずに解雇したり、本人の被害申告のみを信じて解雇したりするケースです。
このように、事実の有無が解雇の有効性を左右しますので、根拠が曖昧なままの解雇は不当とされやすくなります。
行為に性的な意図がなく、一般的にセクハラと評価できない場合は、解雇は不当と判断されやすいです。
なぜなら、セクハラは性的言動によって相手に不快感や不利益を与えることが前提であり、行為の文脈や目的も判断要素となるからです。
例えば、業務上の用件で呼び止める際に軽く肩に触れたり、混雑した通路で安全に通すために一時的に腕を支えたりする行為です。
これらは業務上必要な動作であり、通常は性的な目的とは評価されません。
このように、行為の背景や目的を無視して形式的にセクハラと決めつける解雇は、不当とされる可能性が高いです。
初めての行為や軽度な行為について、改善指導もなくいきなり解雇した場合は、不当とされやすいです。
なぜなら、解雇は最も重い処分であり、まずは注意や再発防止の機会を与えることが社会通念上求められるからです。
例えば、一度だけ不適切な発言をしてしまったものの、その後の改善が見込めるにもかかわらず、即日解雇とするケースです。
このように、改善の機会を経ずに行われた解雇は、濫用として無効になる可能性があります。
セクハラが事実であっても、配置転換や業務の変更など、解雇以外の方法で解決できる場合には、解雇は不当とされることがあります。
なぜなら、会社には可能な限り解雇を回避する努力が求められており、代替手段があるのに解雇するのは相当性を欠くとされるからです。
例えば、被害者と加害者を別部署に異動させる、業務の接点をなくすなどの対応です。
このように、他の方法で職場環境を保てるにもかかわらず、直ちにクビとすることは不当と判断されやすいです。
セクハラによるクビの事例については、裁判上も多く蓄積されています。
これらの裁判例を見ていくことで、どのような場合にセクハラによってクビになってしまうのかがよく分かるはずです。
例えば、セクハラによるクビの裁判例を厳選して4つ紹介すると以下のとおりです。

それでは、これらの判例について順番に説明していきます。
【事案】
電気機器販売業の取締役兼支店長が、会社の慰安旅行の宴会や日常業務において、複数の女性従業員に対しセクハラ行為を行い、会社から懲戒解雇された事案です。
【結論】
懲戒解雇は無効と判断され、労働契約上の地位確認が認められました。
【理由】
原告のセクハラは、職務・職位を悪用した悪質な行為であり、就業規則の懲戒解雇事由に該当しました。
会社はコンプライアンスを重視し倫理綱領を定めるなど、セクハラに厳しく対処する姿勢でしたが、これまで原告に対し何らの指導や処分を行ってきていませんでした。
そのため、労働者にとって極刑である懲戒解雇を直ちに選択することは、やはり重きに失すると判断され、懲戒権の濫用として無効とされました。
【事案】
高等学校の教諭が同僚女性教員への暴行・わいせつ行為で懲戒解雇されました。解雇無効と女性教員からの虚偽申告による損害賠償を求めました。
【結論】
懲戒解雇は無効。虚偽申告は不法行為とされ慰謝料が認められました。
【理由】
学校側は教諭が女性教員に暴行を加えた事実を十分に立証できていないとして、解雇は無効とされました。
また、女性教員が虚偽の事実を含む被害申告を行ったことが、教諭の名誉を著しく毀損する不法行為に当たるとして、慰謝料が認められました。
【事案】
証券会社の営業職の労働者が、同僚へのセクハラ行為、不適切な社外活動の準備、虚偽の電子メール記録提出などを理由に、諭旨退職の通知と懲戒解雇を受けた事案です。
【結論】
懲戒解雇は無効と判断されました。
【理由】
従業員の行為は懲戒事由に該当したものの、事前の注意や指導がなく、降職などより軽い処分も可能であったため、懲戒解雇は社会通念上相当ではないと判断されました。
不法行為と賞与請求は認められませんでした。
【事案】
大学の准教授であった教員が、女子学生へのハラスメント行為により降格処分を受けました。
その後、学生への性的接触と、大学や学生を非難する文書を送付したことを理由に懲戒解雇され、その地位確認等を求めた事案です。
【結論】
教員の懲戒解雇処分は有効と判断され、請求は棄却されました。
【理由】
性的接触行為は以前の降格処分で実質的に考慮されておらず、一事不再理に反しませんでした。
教員が送付した文書は学生の名誉を傷つけ、教員の品位を欠き大学の秩序を乱す行為でした。
学生への極めて悪質な性的行為と合わせて、大学の信用と秩序を大きく乱したため、懲戒解雇は社会通念上相当であると判断されました。
セクハラを理由にクビを言い渡された場合には、焦らず冷静に対処していくことが大切です。
あなた自身の生活やキャリアを守るためには、感情的にならず法的に正しい手順を踏む必要があります。
何もせず放置してしまうと、不当な解雇であっても会社側がそのまま手続きを進め、復職や補償の機会を失ってしまいます。
具体的には、セクハラでクビになった場合には、以下の手順で対応していきましょう。

それでは順番に見ていきましょう。
まずは労働問題に詳しい弁護士に相談しましょう。
セクハラ解雇が有効かどうかは、行為の事実や内容、会社の対応状況などを総合的に見て判断する必要があります。
自分では「誤解されただけ」と思っていても、法的には不当解雇として争えるケースも多くあります。
会社の説明だけを鵜呑みにせず、第三者の視点から意見をもらうことが重要です。
早い段階で相談すれば、証拠の集め方や会社への対応方法について的確な助言を受けられ、後々の手続きが有利に進みやすくなります。
解雇に異議がある場合は、会社に対して「解雇は不当である」との通知書を送付しましょう。
通知をしないままでいると、解雇を認めていたと指摘されたり、働く意思を失っていたと反論されたりするおそれがあります。
併せて、解雇理由証明書の交付も請求しておくとよいでしょう。
証明書を確認することで、会社がどのような事実を根拠に解雇したのかが明確になり、今後の主張や証拠準備の方向性がはっきりします。
ただし、通知書については有利にも不利にも証拠となりますので、弁護士に代理して送ってもらった方がいいでしょう。
会社からの回答を踏まえて、解決できる可能性があれば交渉を行います。
交渉で合意できれば、裁判などよりも短期間・少ない負担で解決できる可能性があります。
合意に至った場合には、後日のトラブル防止のため示談書を作成しておきましょう。
示談内容には、再就職への影響を最小限にする文言や、金銭面での取り決めを明確にしておくことが大切です。
交渉での解決が難しい場合は、裁判所を通じた解決を検討します。
労働審判は、原則3回以内の期日で解決を目指す迅速な手続きで、平均3か月ほどで結論が出ます。
労働審判については、以下の記事で詳しく解説しています。
労働審判とは何かについては、以下の動画で詳しく解説しています。
一方、訴訟は時間がかかりますが、より正式な判断を得たいときに利用されます。
不当解雇の訴訟については、以下の記事で詳しく解説しています。
セクハラ解雇の場合、事実認定や証拠評価が重要となるため、手続きの選択は弁護士と相談しながら慎重に決めることが大切です。
セクハラを理由にクビを言い渡された場合、対処法とあわせて注意点も押さえておくことが重要です。
セクハラの嫌疑をかけられた後の労働者自身の対応によって必要以上に状況が悪化してしまうことが非常に多いのです。
例えば、セクハラによるクビの注意点としては、以下の3つがあります。
それでは、これらの注意点について順番に見ていきましょう。
セクハラをしていない場合でも、感情的になって安易に謝罪すると、事実を認めたと解釈されるおそれがあります。
実際には、被害者の発言に事実と異なる部分があっても、労働者自身が認めてしまっていると、その発言が正しいことを前提にセクハラが認定されてしまうことがあるためです。
例えば、「確かにセクハラをしました」、「そのように受け取られても仕方ない発言をした」などと述べるような場合です。
謝罪をすれば許してもらえると思ったから、事実と違う部分があっても認めた方がいいと思ってしまう方も多いですが、実際には解雇する際の証拠とされてしまうことになります。
どのように対応するかは、被害者から申告されている被害事実を具体的に特定したうえで、事実関係や証拠関係を丁寧に整理したうえで判断すべき事項です。
安易な発言や態様は避け、「一度、弁護士に相談させてください」とだけ伝えて持ち帰り、弁護士への相談を経てから対応するようにした方がいいでしょう。
LINEやメール、チャット、写真、スケジュールなどの証拠は削除せず、早めに証拠として保全しましょう。
これらの証拠によって、被害者の申告している事実関係が整合していなかったり、その態様が解雇されるほど悪質ではなかったりすることが明らかになることが多いためです。
会社からやり取りの一部のみを切り取って証拠として出されてしまうことも多いので、前後の文脈ややり取りの日時もわかるように保全しておくのがポイントです。
例えば、会社によっては、その場で証拠をすべて削除するように求めてきたり、証拠を会社にすべて渡すように求めてきたりすることがあります。
あなた自身の身を守るためにも証拠は非常に重要な意味を持ちますので、安易に削除せずに証拠として提出できるようにしておきましょう。
会社からセクハラを理由に退職するように迫られても、その場では退職合意書にサインせず持ち帰るようにしましょう。
一度、退職合意書にサインをしてしまうと後から撤回することが容易ではありませんし、その場で内容を正確に理解することは難しいためです。
とくに、会社側から交付される退職合意書は、労働者に一方的に不利な内容とされていることがよくあります。
例えば、会社は、「この退職合意書にサインをしないと懲戒解雇にする。懲戒解雇になると経歴に傷がつく。」などと言ってサインを待ってくることがよくあります。
もし、退職合意書へのサインを迫られても、「弁護士に相談したいので一度持ち帰ります」とだけ答えて、一度持ち帰るようにしましょう。
退職合意書の拒否については、以下の記事で詳しく解説しています。
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労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
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以上のとおり、今回は、セクハラを理由とするクビについて、解雇が不当なケース4つと裁判事例や簡単な対処法を解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。

まとめ
・昨今セクハラを理由にクビにされてしまうことが多くなっています。
・法的には、犯罪に該当するような場は別ですが、セクハラ行為があったとしても改善指導や配置転換を検討せず直ちにクビにすることは許されない傾向にあります。
・セクハラによるクビ(解雇)が不当になるケースとしては、以下の4つがあります。
ケース1:セクハラをした事実がない場合
ケース2:性的な意図がない場合
ケース3:改善指導がされていない場合
ケース4:配置転換などで対応可能な場合
・セクハラによるクビの裁判例を厳選して4つ紹介すると以下のとおりです。

・セクハラでクビになった場合には、以下の手順で対応していきましょう。
手順1:弁護士に相談する
手順2:通知書を送付する
手順3:交渉する
手順4:労働審判・訴訟を提起する
・セクハラによるクビの注意点としては、以下の3つがあります。
注意点1:安易な謝罪や発言に気を付ける
注意点2:証拠は削除せず早めに保全する
注意点3:退職合意書や示談書は一度持ち帰る
この記事が会社からセクハラを理由にクビと言われてしまい悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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