
2025年2月22日
不当解雇
休職は何ヶ月でクビになる?休職期間満了や繰り返しでの解雇と対処法
休職期間や手続をよく確認しないまま、長期にわたり休職を継続して、解雇を言い渡されてしまう事例が多くなっています。今回は、休職が解雇猶予の制度であることを説明したうえで、休職でクビになるケースや対処法を解説します。
2025/06/16
退職勧奨
退職勧奨で退職届を出すように言われてしまい困っていませんか?
自分から退職したいわけではないのに退職届の提出をすることに納得できない方も多いですよね。
退職勧奨をされた場合でも、安易に退職届を書かないようにしましょう。
もし退職に応じる場合でも、退職届ではなく退職同意書によるべきです。
万が一、退職勧奨の退職届を記載する場合であっても、その書き方については注意が必要です。
退職勧奨で退職届を求められた際には、焦らずに冷静に対処するようにしましょう。
実は、会社側から退職するように求められて退職届を提出してしまったという方が後を絶たず、もう少し早く相談していただきたかったと感じることが増えています。
この記事をとおして、退職勧奨をされている労働者の方々に安易に退職届を提出してしまうことの危険性について知っていただければ幸いです。
今回は、退職勧奨の退職届について、書き方や例文と同意書にすべき理由2つを解説していきます。
この記事でわかることは以下のとおりです。
この記事を読み終わったら、退職勧奨で退職届を提出するように求められたらどうすればいいのかよくわかるようになっているはずです。
目次
退職勧奨をされた場合でも、安易に退職届を書かないようにしましょう。
退職届を記載してしまうと、後から撤回することは容易ではないためです。
また、退職届を記載してしまった後は、退職条件の交渉を行うことなども難しくなってしまいます。
会社は労働者に退職届を記載してもらった時点で目的を達成することになるためです。
例えば、会社は、ひとまず退職には納得しているのであれば、退職届を出して、その後に話し合おうなどと言ってくることがあります。
このような会社の言葉を受けて、退職届を提出してしまうと、会社は退職手続きを進めてしまいます。
そして、後から、労働者が退職勧奨は不当だったので金銭的な補償をしてほしいなどと求めたとしても、会社はそのような請求に応じる理由はないとして対応してもらえないのです。
このように退職勧奨をされて「退職届を提出した後」と「退職届を提出する前」とでは、状況も交渉力も大きく変わってきます。
そのため、退職勧奨をされた場合に安易に退職届を記載してしまうことは非常に危険なのです。
退職勧奨をされた際に退職に応じる場合でも、退職届ではなく退職同意書によるべきです。
退職同意書によるべき理由としては、以下の2つがあります。
それでは、これらの理由について順番に説明していきます。
退職同意書にすべき理由の1つ目は、退職条件が明確になることです。
退職届には、「令和●年●月●日付けで退職します」という記載程度しかないことが多く、退職条件などは記載されていません。
これに対して、退職同意書については、特別退職金やガーデンリーブ、離職理由、就労支援サービス(アウトプレースメント)、有給買取等の条件が記載されています。
労働者は、本来、退職勧奨に応じる義務がありませんので、会社は労働者を説得するために生活やキャリアを補償するような条件を提示してくることが多いのです。
もし、口頭で一定の補償をするとの発言があったとしても書面に残らなければ、約束を反故にされてしまう危険があります。
そのため、退職同意書を作成することで、退職条件を明確に残しておくようにしましょう。
退職同意書にすべき理由の2つ目は、会社側の同意も証拠になることです。
退職届は、労働者の一方的な意思表示したものにすぎず、会社側の意思が記載されているものではありません。
退職同意書の場合には、労働者の署名押印だけではなく、会社側の署名押印もされることになります。
そのため、労働者と会社双方が合意していることの証拠となりますので、後から退職日や条件などについて紛争となるリスクは下がることになります。
万が一、退職勧奨の退職届を記載する場合であっても、その書き方については注意が必要です。
退職勧奨による退職する場合には、本来、会社都合退職となります。
しかし、労働者から退職届を提出する際によくあるテンプレートには、「一身上の都合により」との文言が入ってしまっています。
一身上の都合とは、自分の身の上や境遇に関する個人的な問題や事情のことです。
退職勧奨により退職するにもかかわらず、退職届に一身上の都合と記載してしまうと、自己都合退職として処理されてしまうリスクがあります。
例えば、退職勧奨により退職届の書き方の例文(テンプレート)は、以下のとおりです。
ただし、第1章と第2章でも説明したように、退職勧奨をされた際に本当に退職届を出すべきかどうかということについては、慎重に検討するようにしましょう。
退職勧奨で退職届を求められた際には、焦らずに冷静に対処するようにしましょう。
あなた自身の生活やキャリアを守る必要があるためです。
例えば、退職勧奨で退職届を求められた際の対処法は以下のとおりです。
それでは、これらの対処法について順番に説明していきます。
退職勧奨で退職届を求められた際の対処法の1つ目は、即答せず一度持ち帰ることです。
一度、退職届を提出してしまうこれを撤回することは容易ではありません。
また、退職届を提出しなくても、口頭によっても退職が成立してしまうことがありますし、態様から退職を認定されてしまうこともあります。
例えば、退職勧奨で退職届を求められたとしても、「弁護士に相談したいので一度持ち帰らせていただきます」とだけ回答するようにしましょう。
退職合意書の拒否については、以下の記事で詳しく解説しています。
退職勧奨で退職届を求められた際の対処法の2つ目は、弁護士に相談することです。
法的な見通しやリスクを十分に分析したうえで、慎重に方針を検討し、一貫した対応を行っていくべきだからです。
あなたの意向を踏まえ、具体的な事案に応じた助言とサポートをしてもらうようにしましょう。
ただし、弁護士であれば誰でもいいというわけではなく、専門性が高いため、労働問題に注力していて、退職勧奨対応に実績のある弁護士を探すようにしましょう。
退職勧奨で退職届を求められた際の対処法の3つ目は、交渉をすることです。
あなたが退職条件次第では退職に応じることも検討する余地もある場合には、退職条件の交渉を行うことになります。
例えば、特別退職金として、通常の退職金とは別に退職勧奨に応じる対価としての退職金を支払ってもらうことがよくあります。
また、ガーデンリーブとして、在籍期間を延長し、その期間の就労を免除してもらい、給与を支給してもらうことで、転職活動がしやすい環境を維持することもあります。
その他、交渉するべき退職条件については多岐にわたります。
特別退職金については、以下の記事で詳しく解説しています。
ガーデンリーブについては、以下の記事で詳しく解説しています。
退職勧奨で退職届を求められた際の対処法の4つ目は、退職合意書を作成することです。
交渉により納得できる退職条件を獲得できた場合には、退職合意書を作成しましょう。
退職合意書に労働者と会社の双方が押印をすることにより、合意内容を明確にして証拠化できますので、後々の紛争を防ぐことができます。
退職勧奨の退職届でよくある疑問としては、以下の3つがあります。
これらの疑問について順番に解消していきましょう。
A.退職勧奨で退職届を提出しなければいけない義務はありません。
まず、労働者は、退職勧奨に応じる義務自体がありませんので、退職勧奨を拒否することができます。
また、退職勧奨に応じる場合でも、退職届ではなく、退職同意書(退職合意書)とすることが多いです。
A.退職勧奨により退職した場合には、会社都合退職として処理することが通常です。
ハローワークインターネットの特定受給資格者の範囲にも、「事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者」と明記されています。
ハローワークインターネットサービス – 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
ただし、一身上の都合により退職する旨を記載した退職届を提出してしまうと、退職勧奨により退職したわけではないとして、自己都合退職として処理されてしまうリスクがあります。
A.退職勧奨で退職届の作成を会社が求める理由は、事務処理上の便宜と会社都合にすることを防ぐためです。
会社は、多くの労働者について統一した管理をするため同じフォーマットで退職届を作成し、保管しているということがよくあります。
このような事務処理上の便宜を理由として退職届の作成をお願いされることがあります。
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労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
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以上のとおり、今回は、退職勧奨の退職届について、書き方や例文と同意書にすべき理由2つを解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
この記事でお伝えしたことが、退職勧奨で退職届を出すように言われてしまい困っている方の役に立てばうれしいです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
弁護士に相談する
籾山善臣
リバティ・ベル法律事務所
神奈川県横浜市中区尾上町1丁目4番地1関内STビル11F
鈴木晶
横浜クレヨン法律事務所
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-21-1ダイヤビル303
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