
2025年2月22日
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2025/05/29
残業代
サービス残業せざるを得ない状況に悩んでいませんか?
サービス残業なんてしたくないのにやらざるを得ない状況に追い込まれるとストレスもたまりますよね。
サービス残業せざるを得ない人は多く、私が残業代の相談を受ける中でもこのような話を聞くことはよくあります。
その職場で働きにくくなってしまうことが不安であったり、残業時間が管理されていなかったりと言ったことが主な理由です。
もし、残業せざるを得ないような状況に追い込まれた場合であっても、サービスしないようにしましょう。
サービス残業せざるを得ない状況にある場合には、あなた自身が残業代を取り戻すために行動を起こしていくことが大切です。
これまで行ってきたサービス残業については、3年の時効にかかっていない範囲で遡って請求することができます。
この記事では、サービス残業せざるを得ない状況に困っている方々に是非知っておいていただきたいと感じることについて、分かりやすく説明していきたいと思います。
今回は、サービス残業せざるを得ない状況について、よくあるケース3つと簡単な対処法を解説していきます。
この記事でわかることは、以下のとおりです。
この記事を読み終わった後は、サービス残業せざるを得ない状況から抜け出す方法がきっとわかるはずです。
目次
サービス残業せざるを得ない人は多く、私が残業代の相談を受ける中でもこのような話を聞くことはよくあります。
サービス残業は依然として深刻な問題であり、多くの労働者がそれを強いられているのが現状です。
例えば、1000名の回答者にサービス残業をすることがあるか聞いたところ、「ある」は28.4%、「ない」は71.6%になったとされています。
また、サービス残業せざるを得ない時間は1か月で平均的にどの程度あるかとの質問に対する回答の平均は16.9時間になったとされています。
出典:日本労働組合総連合会|『働き方改革』(労働時間関係)の定着状況に関する調査2024
このように働き方改革により職場環境は改善してきていますが、まだまだサービス残業をせざるを得ない人が多いのです。
サービス残業せざるを得ない方については、いくつかのケースがあります。
自分の考えてとしてサービス残業をしている方もいますが、その職場で働きにくくなってしまうことが不安で、残業代が出なくても定時に帰りにくいという方が多いです。
会社によっては、そもそも残業時間の管理をしていないということもあります。
とくに、悪質なケースですと、上司から直接サービス残業をするように指示されることもあります。
例えば、サービス残業せざるを得ないケースを4つ整理すると以下のとおりです。
それでは、これらのケースについて順番に説明していきます。
サービス残業せざるを得ないケースの1つ目は、残業申請を行いにくい雰囲気である場合です。
会社によっては、サービス残業の申請を行いにくい雰囲気であることがあります。
例えば、他の従業員が誰も申請をせずに、残業を行っているような場合には、自分だけ残業の申請を行いにくいと感じる方もいるでしょう。
また、残業の申請をしようとすると、上司から他の従業員は何も言わずに残業をしているではないかなどと言われるようなこともあります。
このように残業の申請を行いにくい雰囲気があるとサービス残業せざるを得ないことがあります。
サービス残業せざるを得ないケースの2つ目は、残業すると成績を下げられる場合です。
残業が多いと人事評価などで指摘されて、成績を下げられてしまうことがあります。
例えば、成果をあげていても、労働時間が長ければ、業務効率が悪いと言われてしまうことがあります。
人事評価が良くないと賞与の金額も少なくなってしまうこともあるでしょう。
このように残業すると成績を下げられてしまう場合には、サービス残業をせざるを得ないことがあります。
サービス残業せざるを得ないケースの3つ目は、タイムカードや勤怠記録がない場合です。
そもそも、会社がタイムカードや勤怠記録により、労働者の残業時間を把握していないと残業代を支払うことはできません。
例えば、1日10時間働いたとしても、タイムカードや勤怠記録にその履歴が残っていなければ、会社はあなたが所定労働時間しか働いていないものとして扱うでしょう。
このようにタイムカードや勤怠記録により労働時間が管理されていない、サービス残業をせざるを得ないことがあります。
サービス残業せざるを得ないケースの4つ目は、サービス残業を指示される場合です。
悪質な会社だと直接労働者に対して、サービス残業をするように指示することがあります。
例えば、定時になったら一度タイムカードを打刻して、仕事が残っている人は家に持ち帰ってやるようにと指示されるような場合です。
残念ながらこのようなサービス残業を指示するような会社も少なからず存在しているというのが現状です。
もし、残業せざるを得ないような状況に追い込まれた場合であっても、サービスしないようにしましょう。
あなたがサービス残業をしてしまうと、それが常態化してしまいますし、あなたの同僚もサービス残業せざるを得ない状況に追い込まれて行ってしまいます。
会社は、労働基準法上、労働者が残業をした場合には、残業代を支払う義務を負っています。
タイムカードや勤怠記録については、残業をした時間を正確につけておくようにしましょう。
もし、残業代を支払ってもらえず、会社に対しても残業代を支払うように言いにくいという場合には、退職後に請求するという方法もあります。
残業代については、退職した後でも、3年の時効にかかっていない範囲で遡って請求することができるためです。
そのため、もし残業を行う場合には、しっかりと働いた時間を記録しておく、会社に対して残業代を支払ってもらうようにしましょう。
サービス残業せざるを得ない状況にある場合には、あなた自身が残業代を取り戻すために行動を起こしていくことが大切です。
会社は、あなたが何も言わなければ、あなた自身が勝手にサービス残業をしているなどとして、いつまで経っても残業代を支払おうとはしません。
具体的には、サービス残業せざるを得ない場合には、以下の手順で対処していきましょう。
それでは、これらの手順について順番に説明していきます。
サービス残業せざるを得ない場合の対処法の1つ目は、弁護士に相談することです。
あなた自身が本来残業代を払ってもらえるかどうか、未払いの残業代があるかなどについて丁寧に教えてもらうことができるでしょう。
また、今後どのように行動していくべきか、どうすれば残業代を取り戻すことができるのか等についても助言してもらうことができます。
ただし、労働問題については専門性が高いため、残業代請求について実績のある弁護士を探すといいでしょう。
サービス残業せざるを得ない場合の対処法の2つ目は、証拠を集めることです。
労働者と会社側の主張が食い違う場合には、裁判所は証拠に基づいて審理することになります。
まずは、あなたが残業をしたことを証明する必要があります。
タイムカードや勤怠記録、労働時間のメモ、一日の最初や最後に送った業務メール、帰宅時に家族に送ったLINEなどを集めておきましょう。
また、会社側は、勝手にあなたがサービス残業をしていただけで、会社は知らなかったなどと言ってくることも多いです。
会社側から残業を指示されているメールやチャット、録音、残業していることを会社側が認識していることが分かるメールやチャット、録音などを集めておきましょう。
サービス残業せざるを得ない場合の対処法の3つ目は、通知書を送付することです。
残業代には3年の時効があり、給料日から3年が経過した部分から消滅時効が完成していってしまいます。
残業代を請求する旨の通知書を送付することで6か月間時間の完成が猶予されることになりますので、この間に正確な残業代を計算したり、交渉したりすることになります。
また、手元にない証拠などがあれば、併せて開示を求めていくことが多いです。
サービス残業せざるを得ない場合の対処法の4つ目は、労働審判・訴訟を提起することです。
話し合いにより解決することが難しい場合には、裁判所を用いた解決を検討することになります。
労働審判は、全三回の期日で調停による解決を目指す手続きです。調停が成立しない場合には、労働審判委員会が審判を下します。
審判には雇用主側も労働者側も異議を出すことができ、異議が出た場合には通常の訴訟に移行することになります。
早期に実態に即した解決をすることが期待できる手続きです。
訴訟は、期日の回数の制限などはとくにありません。1か月に一回程度の頻度で、裁判所の指揮に応じながら、交互に主張を繰り返していきます。解決まで1年以上を要することもあります。
サービス残業問題に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください。
労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
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以上のとおり、今回は、サービス残業せざるを得ない状況について、よくあるケース3つと簡単な対処法を解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
この記事がサービス残業せざるを得ない状況に悩んでいる労働者の方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください
弁護士に相談する
籾山善臣
リバティ・ベル法律事務所
神奈川県横浜市中区尾上町1丁目4番地1関内STビル11F
鈴木晶
横浜クレヨン法律事務所
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-21-1ダイヤビル303
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