
2025年2月22日
不当解雇
休職は何ヶ月でクビになる?休職期間満了や繰り返しでの解雇と対処法
休職期間や手続をよく確認しないまま、長期にわたり休職を継続して、解雇を言い渡されてしまう事例が多くなっています。今回は、休職が解雇猶予の制度であることを説明したうえで、休職でクビになるケースや対処法を解説します。
2025/06/04
不当解雇
懲戒解雇をされてしまい失業保険をもらうことができないか悩んでいませんか?
懲戒解雇をされてしまうと、転職先を探すのも簡単ではありませんので、生活を維持していくためにも失業保険をもらえるかは大切な事項です。
結論としては、懲戒解雇をされた場合でも、加入期間等の条件を満たしていれば失業保険をもらうことができます。
懲戒解雇とされた場合には、重責解雇として自己都合退職として処理される傾向にあります。
懲戒解雇は、自己都合退職として処理されることが多い関係で、給付日数が会社都合よりも減り、受給できる合計金額も少なくなってしまいがちです。
また、待機期間の後に1か月の給付制限期間が設けられているため、会社都合での退職に比べて、受給開始時期も遅くなります。
懲戒解雇をされた場合に失業保険を受給するには、離職票等をもってハローワークで手続をする必要があります。
万が一、懲戒解雇をされてしまった場合には、失業保険以外にも様々な法的な権利がある可能性があります。
実は、懲戒解雇を言い渡された場合であっても、法律上は、懲戒解雇が不当とされたり、退職金の請求が認められたりするケースが多いのです。
この記事では、懲戒解雇をされてしまった方に失業保険の知識や生活やキャリアを守るために是非知っておいていただきたいことをお伝えしていきたいと思います。
今回は、懲戒解雇の失業保険について、いくら・いつからもらえるかを説明したうえで、自己都合や待機期間についても解説していきます。
具体的には、この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事を読み終わったら、懲戒解雇をされた際の失業保険についてバッチリ理解できているはずです。
目次
懲戒解雇をされた場合でも、加入期間等の条件を満たしていれば失業保険をもらうことができます。
懲戒解雇だと失業保険を受給できないというルールにはなっていないためです。悪質な社内犯罪等で懲戒解雇された場合も同様です。
これまで被保険者として雇用保険料を負担してきている以上、離職することになった場合には、その事由が懲戒解雇であっても失業保険を受給する権利はあるのです。
例えば、社内で1億円の横領を行い懲戒解雇された場合であっても、加入条件等の条件を満たしていれば失業保険はもらえます。
そのため、懲戒解雇をされてからと言って、失業保険をもらえないということにはなりません。
懲戒解雇とされた場合には、重責解雇として自己都合退職として処理される傾向にあります。
解雇による離職の際の離職票上の離職事由には、「解雇(重責解雇を除く)」と「重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)」があります。
「解雇(重責解雇を除く)」だと会社都合、「重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)」だと自己都合として処理されることになります。
重責解雇とは、刑法の規定違反や重大な就業規則違反等による労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇のことです。
懲戒解雇が直ちにすべて重責解雇となるわけではありませんが、会社側は懲戒解雇とする際にこの重責解雇にチェックしてくることが多くなっています。
そのため、懲戒解雇の際には、失業保険の受給条件や給付までの期間、給付日数について、普通解雇よりも不利になりがちなのです。
懲戒解雇をされると失業保険を受給できる金額が少なくなってしまいがちです。
自己都合退職として処理されることが多い関係で、給付日数が会社都合よりも減ってしまう傾向にあるためです。
会社都合退職の場合と自己都合退職の場合の失業保険の給付日数は、それぞれ以下のとおりとなっています。
ハローワークインターネットサービス – 基本手当の所定給付日数
例えば、被保険者期間が2年の35歳の方ですと、会社都合であれば給付日数は150日ですが、自己都合になると給付日数は90日になってしまい60日少なくなります。
このように懲戒解雇とされ重責解雇尾にチェックされてしまうと、最終的にもらえる失業保険金額の合計は少なくなってしまうことが多いのです。
懲戒解雇になった場合には、失業保険を受給できるまでに、おおよそ2.5か月程度かかります。
懲戒解雇されてから、離職票が届くまで7日~14日程度です。
ハローワークで失業保険の申請を行ってから7日の待機期間があります。
待機期間が終わると、初回認定日を3週間後に設定され、待機期間終了の翌日から初回認定日の前日までの求職実績を確認されます。
ただし、懲戒解雇の場合には、重責解雇にチェックされることが多い関係で、待機期間の後に1か月の給付制限があります。この期間は、失業保険を受給できません。
給付制限期間が明けた後の認定日の1週間後に失業手当が振り込まれることになります。
懲戒解雇をされた場合に失業保険を受給するには、手続が必要となります。
何も手続きをしなければ失業保険を受給することができませんし、手続きの開始が遅ければそれだけ受給を開始できる時期も遅くなってしまいます。
具体的には、懲戒解雇をされた際に失業保険をもらう手続は以下のとおりです。
それでは、これらの手続について順番に説明していきます。
懲戒解雇で失業保険をもらう手続の1つ目は、離職票を取得することです。
失業保険の受給手続を行うには、ハローワークに離職票を持っていく必要があるためです。
会社によっては、労働者が請求しないと離職票をくれないことがあります。
そのため、会社に対して、離職票の交付を請求することになります。
懲戒解雇で失業保険をもらう手続の2つ目は、ハローワークで求職の申し込みをすることです。
求職の申し込みとは、希望する仕事や年収などの所定事項を記入して求職登録を行うことです。
ハローワークに直接行って行うこともできますし、オンラインで行うこともできます。
求職申込手続については、ハローワークインターネットサービスの以下のリンクが参考になります。
ハローワークインターネットサービス – 求職申込み手続きのご案内
懲戒解雇で失業保険をもらう手続の3つ目は、雇用保険説明会に参加することです。
雇用保険受給者説明会では、雇用保険の受給について重要な事項が説明されることになります。
同説明会には「必ず出席してください」とされており、雇用保険受給の制度を十分理解する必要があります。
ハローワークインターネットサービスの以下のリンクが参考になります。
ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
懲戒解雇で失業保険をもらう手続の4つ目は、失業保険の認定を受けることです。
失業保険を受給するにあたっては、原則として4週間に1度、失業状態にあることの確認を受けることになります。
指定された日に管轄のハローワークに行き、失業認定申告書に求職活動の状況等を記入し、雇用保険受給資格者証とともに提出します。
失業の認定を受けると1週間程度(通常5営業日)で、指定した金融機関の預金口座に失業保険が振り込まれます。
懲戒解雇をされてしまった場合には、失業保険以外にも様々な法的な権利がある可能性があります。
例えば、懲戒解雇をされた労働者が請求できる可能性のある権利としては、主に以下の2つがあります。
それでは、順番に説明します。
懲戒解雇をされた場合でも、解雇後の賃金を請求できる可能性があります。
なぜなら、懲戒解雇には厳格な法的条件があり、これを満たしていない場合には、解雇日以降出勤できなかった原因は会社側にあることになるためです。
とくに、懲戒解雇については、懲戒処分の極刑であり、労働者への不利益が著しいため、これが許されるケースは限定されているのです。
例えば、2025年4月30日付けで懲戒解雇をされた方が2026年4月30日に懲戒解雇が無効であると認められれば、1年分の給料を遡って請求できる可能性があります。
懲戒解雇をされた場合でも、退職金を請求できる可能性があります。
退職金を全額不支給とすることができるのは、労働者の永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信行為がある場合に限定されています。
会社の退職金規程では、懲戒解雇の場合には退職金を支給しないとされていても、実際に全額不支給とすることが許されないことが多いのです。
例えば、小田急電鉄事件では、職員が電車内で痴漢行為を行い刑事処罰を受けて懲戒解雇された事案でも、3割の退職金の支給を認めています。
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労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
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以上のとおり、今回は、懲戒解雇の失業保険について、いくら・いつからもらえるかを説明したうえで、自己都合や待機期間についても解説しました。
この記事で説明したことを簡単にまとめると以下のとおりです。
この記事が懲戒解雇をされてしまい失業保険をもらうことができないか悩んでいる労働者の方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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