2025年3月8日
労働一般
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2025/12/14
労働一般


労働審判で会社から答弁書が提出されたものの嘘だらけで悩んでいませんか?
労働審判で嘘を繰り返す会社の不誠実な態度に憤りを覚えている方も少なくないですよね。
労働審判で会社から出された答弁書が嘘だらけであると感じるのは、労働者としてはよくあることです。
労働審判で嘘だらけの答弁書を提出したとしても、会社は不利になってしまうだけのことが多いです。
もし、会社側の答弁書が嘘だらけであったとしても、労働者としては客観的な事実に基づいて冷静に反論をしていきましょう。
会社側の答弁書が嘘だらけであったとしても、会社が偽証罪に問われることはありません。
実は、労働者と会社と間で認識に齟齬があるというのは珍しいことではなく、多くの事案では、法律論よりも、どちらの主張している事実関係が正しいのかということによって勝敗が左右されます。
この記事をとおして、労働審判において正しい事実関係を裁判所に伝えるにあたり是非知っておいていただきたい考え方やノウハウを分かりやすくお伝えしていくことができれば幸いです。
今回は、労働審判の答弁書は嘘だらけなのかを説明したうえで、会社側の嘘に反論したい場合の対処法4つを解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば、労働審判で会社から嘘だらけの答弁書が出されたらどうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次
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労働審判で会社から出された答弁書が嘘だらけだと感じるのは、よくあることです。
会社は自己に有利になるような主張を展開するため、労働者の主張を否定したり、都合の悪い事実を歪めたりすることもあります。
必ずしも会社側に悪意があるわけではなく、同じ事実関係でも、労働者と会社で認識に齟齬があるということも珍しくありません。
労働審判では、第1回期日において、「お互いの言い分と証拠」をもとに事実を見極めていきます。
どちらか一方が主張していることが必ず正しいというわけではなく、裁判所が中立の立場で、どちらの言い分がより信頼できるかを判断していく流れになります。
例えば、会社側が「指導を繰り返したが改善が見られなかった」と主張しているのに、実際には注意されたことすらないというケースもあります。
他にも、タイムカードの改ざんや、人間関係のトラブルの責任をすべて労働者に押しつけるような書き方をしてくる場合もあります。
ただし、会社が一方的に嘘の内容を述べていたとしても、すぐに焦る必要はありません。
労働審判では、こうした主張の食い違いがあったうえで、客観的な証拠や供述の信頼性をもとに事実を確定していくため、冷静に対応することが大切です。
嘘だらけと感じても、感情的にならず、落ち着いて事実に基づいて反論していくことで、あなたの主張が認められる可能性は十分にあります。
会社が嘘だらけの答弁書を提出しても、必ずしも得をするわけではなく、むしろ会社にとって不利に働くことが多いです。
この点を理解しておけば、感情的になることなく、落ち着いて対応することができるはずです。
例えば、労働審判の答弁書が嘘だらけだと会社に不利になる理由としては、以下の3つがあります。

それでは、それぞれの理由について順番に見ていきましょう。
会社が嘘の主張をしても、他の主張や証拠と矛盾してしまえば信用されません。
労働審判では、主張と証拠のつじつまが合っているかが重要だからです。
例えば、会社が「始業前に業務は命じていない」と言っているのに、始業前に送られた業務指示のメールやLINEが証拠として出されれば、その主張は嘘であるとわかります。
また、「問題行動が多かった」としながら、評価表や業務日報には特に問題が記録されていない場合も、整合性が取れていないと判断されやすいでしょう。
嘘の主張については、他の主張や証拠と何かしら整合しない部分が出てきやすいものです。
裁判所も、答弁書の主張に矛盾が生じてしまえば、会社側の主張は採用できず、労働者の主張の方が説得的だと判断するでしょう。
嘘をつく会社は、裁判所の心証(印象)を悪くしてしまうことがあります。
答弁書の主張に嘘が含まれている、他の部分についても信用できないのではないかという目で見られてしまいがちです。
例えば、会社が一貫性のない主張を繰り返したり、明らかに事実と異なる話をしていたりすると、この会社の話は全体的に信用できないなと思われてしまうでしょう。
一方で、労働者側が落ち着いて事実を整理し、矛盾なく説明できていれば、そちらの信頼性が高まります。
裁判所に悪い印象を与えてしまうと、会社の主張は通りにくくなる可能性があります。
会社の答弁書が嘘だらけだと和解が難しくなります。
話し合いの前提となる共通認識を構築することができないためです。
また、労働者としても、このような嘘をついている会社と和解はしたくないと感じ、感情的な対立も深まります。
例えば、残業代請求において、会社側が始業時刻の30分前に朝礼をやっていたにもかかわらず、朝礼を行っていた事実はないと会社が嘘をついたとしましょう。
労働者としては、朝礼が行われていたという事実がある以上、朝礼が行われていないことを前提した和解には応じたくないと考えるのが通常です。
このような状態では、双方が納得できる妥協点を見つけることが困難になります。嘘を重ねることによって、会社自身が和解のチャンスを逃す結果になってしまうのです。
会社の答弁書が嘘だらけだと感じたときでも、冷静に対応することで裁判所に事実をしっかり伝えることができます。
なぜなら、労働審判では感情ではなく「証拠と合理的な説明」によって事実が認定されるからです。
あまりに腹立たしい主張が書かれていたとしても、焦って感情的に反論してしまうと、かえって不利になることもあります。
例えば、労働審判の答弁書が嘘だらけの場合の対処法としては、以下の4つがあります。
それでは、それぞれの対処法について順番に見ていきましょう。
会社側の答弁書が嘘だらけで適切に反論したい場合には、弁護士に相談することがおすすめです。
事実関係や立証構造を丁寧に整理したうえで、裁判所にあなたの主張している事実が正しいことを説明していく必要があるためです。
事実認定については、専門的な経験やノウハウが必要となる部分です。
弁護士に相談することで、あなたの言い分を事実に基づいて説得力を持って裁判所に伝えることができるのです。
会社の答弁書の嘘に対しては、補充書面を使って反論することができます。
労働審判では、口頭による反論だけではなく、口頭での主張を補充する書面を提出することができるとされているためです。
書面にまとめておけば、審判官も正確に内容を把握しやすく、主張の一貫性や客観性も伝わりやすくなります。
会社の嘘を覆すには、客観的な証拠の提出が効果的です。
労働審判では、証拠によってどちらの言い分が正しいかを判断するからです。
証拠には、メール、LINE、録音データ、日報、シフト表など多岐にわたります。
例えば、会社が「シフト変更の希望は受け入れていた」と主張していても、実際には断られたLINEの履歴が残っていれば、それが反論の証拠になります。
また、残業をしていないと主張された場合でも、打刻記録やパソコンのログイン履歴などがあれば、それが残業の証明になります。
証拠は嘘に対する最も強力な武器となります。可能なかぎり客観的な証拠を集めておくことが重要です。
労働者自身が嘘をつかないことも大切です。
なぜなら、相手が不誠実であっても、自分まで同じ土俵に立ってしまえば信用を失ってしまうからです。
裁判所は、どちらの主張が一貫していて信頼できるかを見ています。
労働者側が事実と異なることを主張してしまうと、結果的に自分の信頼性を損ね、裁判所の心証を悪くしてしまうリスクがあります。
例えば、「会社から暴力を受けた」と実際にはなかったことを強く主張してしまえば、他の主張にも疑いが向けられます。
相手が嘘をついていたとしても、自分はあくまで冷静に、事実に基づいて誠実に対応することが、結果として有利に働くことになるのです。
労働審判で会社が嘘の答弁書を提出したとしても、基本的に「偽証罪」にはなりません。
なぜなら、労働審判における書面や当事者の発言は、刑事罰の対象となる「宣誓の上での証言」には当たらないからです。
偽証罪とは、証人尋問などで、証人が宣誓をしたうえで嘘の証言をした場合に成立する犯罪です。
しかし、労働審判の場面では、宣誓をすることはありませんし、主張書面である答弁書を提出したとしても直ちに陳述にあたるわけでもありません。
例えば、会社が「退職届は本人の自由意思で提出された」と嘘の主張をしていて、それがたとえ明らかな虚偽であっても、偽証罪には該当しません。
あくまで民事上の主張の食い違いとして、裁判所がどちらの主張を採用するかを判断していくことになります。
したがって、会社の嘘を「偽証罪で訴える」といった対応を取ることはできません。
その代わりに、証拠を提出して主張の信用性を高め、裁判所に正しい事実を伝えることが重要です。
労働審判の答弁書について、よくある疑問としては以下の3つがあります。
これらの疑問を順番に解消していきましょう。
A.答弁書の提出のスケジュールが非常にタイトであるためです。
労働審判の申し立てから第1回期日までは40日以内とされており、答弁書は第1回期日の1週間程度前が提出日とされます。
30日程度で関係者に事実関係を確認し、証拠を整理し、反論の書面を作成することが間に合わない会社も多いのです。
A.裁判所から提出を催促してもらい、必要に応じて期日の延期の上申、第1回期日後の補充書面の提出を検討するといった方法があります。
裁判所が催促をしてくれることで、直ぐに出してくる会社もあります。
答弁書が届いておらず第1回期日において充実した審理を行うことが困難であると感じた場合には、裁判所に延期を求めると言ったことも考えられます。
また、第1回期日の後に補充書面を提出する機会をもらい、労働審判委員会での心証の形成や調停の話し合いは第2回期日以降にしてもらうことも考えられます。
A.補充書面を提出することを検討しましょう。
口頭で反論することもできますが、正確に理解してもらうには書面によるべきです。
また、裁判所は第1回期日が始まる前の事前評議で提出された書面によりおおよその心証や審理の方針を決めてしまうこともあります。
そのため、答弁書に反論したい場合には補充書面を提出するようにしましょう。
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以上のとおり、今回は、労働審判の答弁書は嘘だらけなのかを説明したうえで、会社側の嘘に反論したい場合の対処法4つを解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。

まとめ
・労働審判で会社から出された答弁書が嘘だらけだと感じるのは、よくあることです。
・労働審判の答弁書が嘘だらけだと会社に不利になる理由としては、以下の3つがあります。
理由1:主張や証拠と矛盾が生じる
理由2:裁判所の心証が悪い
理由3:和解を難しくする
・労働審判の答弁書が嘘だらけの場合の対処法としては、以下の4つがあります。
対処法1:弁護士に相談する
対処法2:補充書面を提出する
対処法3:証拠を提出する
対処法4:嘘をつかない
・労働審判で会社が嘘の答弁書を提出したとしても、偽証罪は成立しません。
この記事が労働審判で会社から答弁書が提出されたものの嘘だらけで悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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