2025年3月8日
労働一般
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2025/11/28
残業代


残業代を計算する際に時給をどのように算出すればいいのか分からずに悩んでいませんか?
法的に正しい計算を理解するのは簡単ではありませんし、細かい計算も複雑でよく分からないと感じている方も多いですよね。
残業代計算の時給とは、残業代を算出する際の1時間あたりの賃金単価のことです。
残業代計算の時給を算出するには、基礎賃金を算出したうえで、月平均所定労働時間で除して、割増率を乗じすることになります(基礎賃金÷月平均所定労働時間×割増率)。
ただし、残業代計算の時給を算出する際には注意点があり、計算方法次第で大きく金額が変わることがあります。
もし、自分で残業代を計算することが難しい場合には、弁護士に任せてしまうことがおすすめです。
実は、適正な残業代を請求するためには、どのように時給を計算していくかどいうことは非常に重要であり、訴訟でも大きな争点の一つとなっていきます。
この記事をとおして、残業代計算の時給を算出する際に是非知っておいていただきたい知識やノウハウを分かりやすくお伝えしていくことができれば幸いです。
今回は、残業代計算の時給算出方法を説明したうえで、注意点3つと簡単な対処法を解説していきます。

この記事を読めば、残業代計算の時給を算出する方法がよくわかるはずです。
目次
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残業代計算の時給とは、残業代を計算するための1時間あたりの賃金単価のことです。
残業代の金額は、1時間当たりの賃金単価に残業時間数を乗じて計算していきます(残業代計算の時給×残業時間数)。
そこで、残業代を計算するにあたっては、まず残業代計算の時給を算出する必要があるのです。
このように、残業代計算の時給は、法的に決められたルールに基づいて算出される残業代計算の1時間あたりの単価のことをいいます。
正しく計算できるように、次章ではその具体的な方法を4つのステップで説明していきます。
残業代計算の時給は、月給制の方は、基礎賃金÷月平均所定労働時間×割増率により算出します。
具体的には、残業代計算の時給の算出方法は、以下の4つのステップにより行います。

それでは、これらのステップについて順番に見ていきましょう。
残業代計算の時給を算出するには、まずは基礎賃金を出す必要があります。
基礎賃金とは、残業代の計算に使ってよい部分の賃金を意味します。
お給料の全てが残業代を計算する際の基礎となるわけではなく、残業代計算の際に含めない手当などもあります。
労働基準法において残業代の計算の基礎に含めないとされている代表的な手当ては以下のとおりです。
例えば、月給30万円のうち、基本給が25万円、役職手当が2万円、通勤手当が2万円、家族手当が1万円だった場合は、通勤手当と家族手当を除いた27万円が基礎賃金になります。
残業代の時給を出すには、基礎賃金を「月平均の所定労働時間」で割る必要があります。
月平均所定労働時間とは、雇用契約上で1か月に働くことになっている労働時間の平均のことです。
年間の所定労働時間÷12か月によって月平均所定労働時間を算出するのが通常です。
年間の所定労働時間は、(365日[閏年は366日]-年間休日日数)×1日の所定労働時間により算出します。
なので、月平均所定労働時間の計算式を整理すると以下のとおりです。
残業代の時給を出すには、割増率をかける必要があります。
この割増率をかけることで、通常の時給より多く支払われるべき「残業代の単価」が求められます。
なぜ割増率が必要なのかというと、残業とは本来の勤務時間を超えて働く時間であり、法律上、通常の賃金よりも高い支払いをしなければならないと決められているからです。
労働基準法等では割増率は、以下のとおりとされています。
例えば、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて働いた時間の割増率は「125%以上」となります。
さらに、深夜(午後10時〜午前5時)に働いた時間には追加で「25%」が加算されます。
したがって、深夜に残業すれば「125%+25%=150%」の割増率になることもあります。
残業代計算の時給は、ステップ1~3で出した「基礎賃金」「月平均所定労働時間」「割増率」を使って、最終的に計算することができます。
冒頭で述べたとおり計算式は、以下のとおりシンプルです。
例えば、基礎賃金が27万円、月平均所定労働時間が163.33時間、割増率が125%(1.25倍)の場合、
270,000円 ÷ 163.33時間 × 1.25 = 2066円(残業時給)
となります。
このように、通常の時給が1653円だったとしても、割増によって残業時給は2066円となります。
この時給に、実際に残業した時間をかければ、受け取るべき残業代の総額がわかります。
例えば、20時間残業していれば、2065円 × 20時間 = 4万1300円 となります。

【コラム】日給制・時給制の場合の時給の算出手順
月給制では、基礎賃金を月平均所定労働時間で割って残業代の時給を出す必要がありますが、日給制や時給制の方の場合は、少し計算方法が異なります。
なぜなら、もともとの支払い単位が「日」や「時間」で決まっているため、計算の起点となる要素が月給制と違うからです。
それぞれのケースに応じた方法で、残業代の時給を求める必要があります。
■ 日給制の場合の時給計算
日給制の場合、まずは1日あたりの賃金を「所定労働時間」で割って時給を算出します。
時給 = 日給 ÷ 1日の所定労働時間
例えば、日給が1万2000円、1日の所定労働時間が8時間の場合、
1万2000円 ÷ 8時間 = 1500円(通常時給)
1500円 × 1.25 = 1875円(残業時給)
となります。
このようにして、割増率をかければ残業代の時給が求められます。
■ 時給制の場合の時給計算
時給制の方は、もともと1時間あたりの賃金が決まっているため、残業代の計算は最もシンプルです。
すでに分かっている通常の時給に、割増率をかけるだけで残業時給が算出できます。
残業時給 = 通常時給 × 割増率
例えば、通常時給が1200円の場合、
1200円 × 1.25 = 1500円(残業時給)
となります。
残業代の時給は、使う計算方法や前提となる情報によって、金額が大きく変わることがあります。
そのため、正しい手順を知っていても、細かい部分で有利な数字を見落としてしまうと、損をしてしまうおそれがあるのです。
例えば、残業代計算の時給を算出する際の注意点としては、以下の3つがあります。
それでは、これらの注意点について順番に説明していきます。
残業代の計算で使う基礎賃金は、手当の名称ではなく、実際の支給の目的や実態に基づいて判断しましょう。
名前だけで判断してしまうと、本当は含めるべき手当を除いてしまい、残業代が少なくなってしまうことがあります。
例えば、住宅の有無に関係なく全員に一律で支給されている「住宅手当」がある場合、それは住宅手当の実態がないため、基礎賃金に含める必要があります。
このように、残業代の時給を正しく計算するには、手当の名前ではなく中身を見て判断することが大切です。
残業代の時給を計算するには、基礎賃金を「月平均の所定労働時間」で割る必要がありますが、この労働時間は就業規則の数字をそのまま使えばよいとは限りません。
実際に働いている日数や時間に合わせて、きちんと計算することが大切です。
なぜなら、就業規則に記載されている所定労働日数や時間が、実際の勤務状況とずれていることがあるからです。
夏季休暇や年末年始の日数、祝日の日数次第で年間の休日日数は変わりますし、所定労働時間が7時間30分なのに8時間前提で所定労働時間が書かれていることもあります。
例えば、就業規則に「年間休日105日」と書かれていても、実際には120日の休日があると言ったこともあります。
このようなときは、実際の休日数と1日の所定労働時間から、正確な「年間労働時間」を出し、12か月で割って月平均を出す必要があります。
また、賃金規程に月平均所定労働時間は173時間と記載されていても、実際に計算してみると160時間しかないと言ったこともあります。
このように、残業代の時給を正しく出すには、就業規則に頼りきるのではなく、実態に即して所定労働時間を再計算することが重要です。
割増率については、賃金規程も確認するようにしましょう。
残業代を計算するときの割増率は、会社の賃金規程によって法律よりも高く設定されていることがあるためです。
法律で定められた割増率は最低基準に過ぎず、これ以上の割増率を定めることは自由です。
例えば、法律上は残業の割増率が125%でも、賃金規程で130%と書かれていれば、130%で計算することになります。
このように、正しい残業代を受け取るためには、法律だけでなく、会社の賃金規程もあわせて確認することが大切です
残業代の時給は、自分だけで正確に出すのは難しいと感じる方も多いでしょう。
計算方法自体はそこまで複雑ではありません、労働者に有利に計算しようとすると一定の経験や専門的な知識も必要となってきます。
例えば、残業代計算の時給が難しいと感じた場合の対処手順は、以下のとおりです。

それでは、それぞれの手順について順番に見ていきましょう。
残業代の時給計算が難しいと感じたら、まずは弁護士に相談するのが一番の近道です。
法律の知識がなくても、専門家に聞けば正しい方向が見えてきます。
自分で調べたり計算したりすると、知らないうちに間違ってしまうこともあります。
また、会社に直接聞くのは気まずいという方も少なくありません。
弁護士なら、事情を整理しながら、どう動けばよいかアドバイスしてくれます。
まずは見通しや計算方法、手続きについて弁護士に相談してみるといいでしょう。
弁護士に依頼すれば、実際に残業代を計算してもらうことができます。
給与明細や勤怠記録、賃金規程などの資料をもとに、正しい時給や残業代を算出してくれます。
3年分請求する場合には1000日以上の残業時間を計算する必要も出てきますので専門家に任せてしまうことがおすすめです。
自分で計算するよりも正確ですし、見落としや損を防ぐことができます。
正確な残業代金額が出たら、弁護士に会社と交渉をしてくれることもあります。
自分で会社に請求するのが不安な方には、とても心強い方法です。
感情的なトラブルを避けつつ、冷静に話し合いを進めてもらえます。
話し合いにより解決で着た場合には示談書を作成することになります。
話し合いにより解決することが難しい場合には、裁判所を用いた解決を検討しましょう。
労働審判は、訴訟よりも迅速に解決することを期待できる手続きで、原則3回以内の期日で解決を目指します。平均審理期間は3か月程度です。
労働審判については、以下の記事で詳しく解説しています。
労働審判とは何かについては、以下の動画で詳しく解説しています。
一方、訴訟は時間がかかりますが、より正式な判断を得たいときに利用されます。解決まで1年以上を要することもあります。
残業代請求の訴訟については、以下の記事で詳しく解説しています。
残業代計算の時給についてよくある疑問としては、以下の3つがあります。
これらの疑問を順番に解消していきましょう。
A.残業代の計算方法については、労働基準法等で規定されています。
A.残業代の計算は、基本的に1分単位で行うのが法律のルールです。
切り捨てたり、ざっくりまとめてしまったりするのは違法になることがあります。
例えば、18時終業の人が18時15分まで働いた場合、その15分もちゃんと残業時間として扱う必要があります。
A.変形労働時間制やフレックスタイム制でも、残業代を計算する時給は変わりません。
月給制であれば、他の人と同じように「基礎賃金 ÷ 月平均所定労働時間」で出します。
違うのは、どこからが残業になるかという基準です。
変形労働時間制では、月や年の決められた労働時間を超えた場合に残業になります。
フレックスタイム制でも、一定期間の合計時間が基準を超えた分だけが残業です。
このように、制度によって残業の判定は変わっても、時給の出し方は同じです。
変形労働時間制の残業代については、以下の記事で詳しく解説しています。
残業代請求に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください。
労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
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以上のとおり、今回は、残業代計算の時給算出方法を説明したうえで、注意点3つと簡単な対処法を解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。

まとめ
・残業代計算の時給とは、残業代を計算するための1時間あたりの賃金単価のことです。
・残業代計算の時給の算出方法は、以下の4つのステップにより行います。
ステップ1:基礎賃金の算出
ステップ2:月平均所定労働時間の算出
ステップ3:割増率の算出
ステップ4:ステップ1・2・3を踏まえ計算する
・残業代計算の時給を算出する際の注意点としては、以下の3つがあります。
注意点1:基礎賃金は名称に捉われずに検討する
注意点2:所定労働時間は就業規則のみに捉われず計算する
注意点3:割増率は賃金規程も確認する
・残業代計算の時給が難しいと感じた場合の対処手順は、以下のとおりです。
手順1:弁護士に相談する
手順2:残業代を計算してもらう
手順3:代わりに交渉してもらう
手順4:労働審判や訴訟を進めてもらう
この記事が残業代を計算する際に時給をどのように算出すればいいのか分からずに悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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