
2025年1月31日
不当解雇
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2025/02/26
労働一般
ブラック企業の多い業界を知りたいと悩んでいませんか?
ブラック企業で働くと疲れてしまいますし、事前に見分ける方法を知っておきたいですよね。
ブラック企業の多い業界を、ランキング形式で簡単に整理すると以下のとおりです。
※出典:厚生労働省‐令和2年3月卒 新規大学卒業就職者の産業別離職状況
ただし、これらはブラック企業が多い業界にすぎず、中にはホワイト企業も存在します。
そのため、就職・転職活動をする場合には、ブラック企業の見分け方を押さえ、優良企業を見つけられるようにしておくことが大切です。
しかし、ブラック企業に勤めてしまった場合でも、冷静に対処していくことが重要となります。
実は、ブラック企業の退職後に後悔してしまう方の多くは、焦って退職したことで、ブラック企業に対して持っていた権利の行使が難しくなってしまうというのが実情です。
とくに証拠を集めていなかったケースでは、十分な残業代を支払ってもらえないなど、生活に重大な影響を与えることも少なくありません。
この記事をとおして、安定した生活を守るためにも、ブラック企業を見分けるために必要な知識をお伝えすることができればと思います。
今回は、ブラック企業の多い業界をランキング形式で紹介したうえで、その見分け方と退職前のポイントを解説していきます。
具体的には、以下の流れで解説していきます。
この記事を読めば、ブラック企業とホワイト企業の見分け方がよくわかるはずです。
目次
ブラック企業の多い業界ランキングのTOP10は以下のとおりです。
それでは、これらの業界について順番に説明していきます。
ブラック企業の多い業界ランキング1位は、飲食業界です。
飲食業界は、職歴・学歴を問わないことが多いですが、働く時間が長く激務である反面、給料は低く設定されていることがあります。
また、飲食業界は古い決まり事が残っていることも多く、下準備や調理作業などを修行の一環として扱い、残業代が支払われていないことも少なくありません。
これらの理由から、飲食業界の離職率は51.4%とされており、3年間で半数以上の従業員が転職を決意する状況となっています。
ブラック企業の多い業界ランキング2位は、生活関連サービス業界です。
生活関連サービス業界とは、美容・理容・冠婚葬祭・家事代行などの、日常生活を支援するための事業をいいます。
生活関連サービス業界は、体力的に厳しい作業が中心となるため、長続きしないことも少なくありません。
また、サービス価格も低く設定されていることが多く、賃金もサービス価格に見合ったものとなることがほとんどです。
これらの理由から、生活関連サービス業界の離職率は48.0%とされており、3年間で半数近くが転職を決意する状況となっています。
ブラック企業の多い業界ランキング3位は、教育・学習支援業界です。
学習塾などの教育・学習支援業界では、授業だけでなく、授業準備や保護者対応に追われ、長時間労働となっていることが多いです。
しかし、実際には時間外の労働は家に持ち帰っていることもあるため、残業代が支払われていないことが多いのです。
これらの理由から、教育・学習支援業界の離職率は45.9%とされており、3年間で半数近くが転職を決意する状況となっています。
ブラック企業の多い業界ランキング4位は、医療・福祉業界です。
医療・福祉業界は、医師・看護師・介護士など、医療行為に携わる事業をいいます。
医療・福祉業界は、肉体労働であるだけでなく、夜勤や急患に対応する必要があることに加え、いわゆる「感情労働」の負担が大きいとされています。
また、仕事上のミスが人の健康状態に与えることも、精神的負担を大きくしている要因といえるでしょう。
こうした理由から、医療・福祉業界の離職率は38.8%と、比較的高い離職率になっているのです。
ブラック企業の多い業界ランキング5位は、小売業界です。
小売業界は、食料品や建築材などの卸売りを行う事業をいいます。
小売業界は、勤務環境によってその負担を異なるものの、基本的に肉体労働で体力を多く使う反面、賃金水準が低い傾向にあります。
また、クレーム対応などのカスタマーハラスメントが多いことも、従業員の精神的負担を大きくする要因となっています。
こうした理由から、小売業界の離職率は38.4%とされており、比較的高い離職率となっています。
ブラック企業の多い業界ランキング6位は、不動産業界です。
不動産業界は、土地や建物などの不動産を扱うビジネス全般を行う事業をいいます。
不動産業界では、ノルマを厳しく設定されていることが多く、未達成の場合には賃金も低くなる傾向があります。
また、ノルマを達成するため長時間労働になりやすく、土日出勤が要求されるなど激務であることも少なくありません。
こうした理由から、不動産業界の離職率は35.9%とされており、比較的高い離職率となっています。
ブラック企業の多い業界ランキング7位は、学術研究・専門技術サービス業です。
学術研究・専門技術サービス業界は、法律事務所や研究機関、広告業などの専門技術を提供する事業をいいます。
この業界では、納期が短く設定されていることが多く、納期に対応するために長時間労働となることも少なくありません。
また、高度な専門知識が必要となるので、常にスキルアップしていくための向上心が要求されますが、これは多大な負担となりやすいです。
とくに広告業ではクライアントの無茶な対応に振り回されることもあるため、要求スキルはかなり高いものとなります。
こうした理由から、学術研究・専門技術サービス業界の離職率は31.8%とされており、比較的高い離職率となっています。
ブラック企業の多い業界ランキング8位は、建設業界です。
建設業界は、ビルや道路などの建設に携わる事業をいいます。
建設業界では、命にかかわるような危険な作業を行うことが多く、作業上の精神的負担は大きなものとなります。
また、工期のスケジュールが厳しいため長時間労働になりやすく、サービス残業が常態化している事業所も少なくありません。
最近では、若手の減少による業務量の増加なども、労働時間の長さに影響しているとされています。
こうした理由から、建設業界の離職率は30.0%とされており、比較的高い離職率となっています。
ブラック企業の多い業界ランキング9位は、運輸業界です。
運輸業界は、食品や大型貨物などの物品を運ぶサービスを行う事業をいいます。
運輸業界では、長時間労働が当たり前となっており、労働時間の平均が月210時間程度とされています。
また、荷運びなど重い荷物を持ち運ぶこともあるため、体にかかる負担は非常に大きなものとなります。
こうした理由から、運輸業界の離職率は28.2%とされており、比較的高い離職率となっています。
ブラック企業の多い業界ランキング10位は、情報通信業界です。
情報通信業界は、IT業界などの情報の通信に関係する情報サービス業をいいます。
情報通信業界では、ゼネコン構造が基本であるため、下請けや二次受けが多く利益率が低くなりやすいです。
また、納期が短いため休日出勤や長時間残業が必要となることが多いとされています。
こうした理由から、情報通信業界の離職率は27.8%とされており、比較的高い離職率となっています。
ブラック企業の多い業界がある反面で、ホワイト企業が多くなりやすい業界も存在します。
例えば、ホワイト企業の多い業界4つを挙げると以下のとおりです。
それでは、これらのホワイト業界について順番に説明していきます。
ホワイトな優良企業の多い業界1つ目は、インフラ業界です。
インフラ業界は、ガスや水道などの日常生活を支える基盤となるサービスを提供する事業をいいます。
経営状況が景気に左右されることがないため、労働時間は短く、安定し収入が見込めるのです。
そのため、インフラ業界の離職率は10.5%とされています。
ホワイトな優良企業の多い業界2つ目は、メーカー業界です。
メーカー業界は、自動車メーカーなどの製品の製造・販売サービスを提供する事業をいいます。
メーカー業界は、企業間で取引することが多く、厳しい納期や営業ノルマを課されることがほとんどありません。
ユーザーからの無茶な要望に応える必要がなく、適度に働くことができるため、その負担は比較的少なくなるのです。
そのため、メーカー業界の離職率は19.0%とされています。
ホワイトな優良企業の多い業界3つ目は、航空・海運業界です。
航空・海運業界は、飛行機や船などの輸送サービスを提供する事業をいいます。
この業界は、数社が市場を独占しているため、競争が生じにくい状況となっています。
また、新しく参入するには許認可が必要となるなど、その参入障壁は非常に高いものとなっています。
そのため、航空・海運業界は労働環境が安定しやすく、ホワイト企業の多い業界といえます。
ホワイトな優良企業の多い業界4つ目は、地方公務員です。
地方公務員は、競争がなく十分な収入があるだけでなく、基本的には定年まで働き続けられるなどその地位も安定しています。
そのため、地方公務員はホワイト企業と同等に安定した職業といえます。
ブラック企業とホワイト企業には、簡単に見分けられるポイントがあります。
具体的には、ブラック企業とホワイト企業の見分け方4つを整理すると以下のとおりです。
それでは、これらの見分け方について順番に説明していきます。
ブラック企業とホワイト企業の見分け方1つ目は、求人の頻度です。
ブラック企業では離職率が高いため、人員補充の必要性が高く、その頻度も高くなりやすいです。
また、求人の頻度だけでなく、会社の状況にかかわる以下の3つについても注意が必要です。
ブラック企業とホワイト企業の見分け方2つ目は、雇用契約書・労働条件通知書の有無です。
ブラック企業では、劣悪な労働条件が知られないよう、雇用契約書や労働条件通知書を作成していないことがあります。
これらが作成されていない場合、契約内容が不明確となり、賃金の計算方法や固定残業代の想定する労働時間等がわからなくなってしまいます。
とくに固定残業代の想定する労働時間が45時間を超える場合には、法律違反のおそれが高くなるため、契約時点で確認することが重要です。
そのため、契約したにもかかわらず雇用契約書や労働条件通知書が作成されていない場合、ブラック企業の可能性があります。
ブラック企業とホワイト企業の見分け方3つ目は、就業規則の有無です。
就業規則は、労働者に労働条件や職場規律を示すものであるため、これがない場合にはブラック企業の可能性があります。
とくに注意が必要なのは、就業規則を作成しているにもかかわらず、これを労働者に見せない会社です。
就業規則には、労働者に有利なルールも記載されていることがあり、これを隠そうとしているためです。
そのため、就業規則がない又はこれを見せてくれない会社は、ブラック企業の可能性があります。
ブラック企業とホワイト企業の見分け方4つ目は、タイムカードの有無です。
賃金は労働時間と対応しているため、会社は労働時間を把握しなければいけません。
しかし、タイムカードは労働時間の証拠となるため、ブラック企業はタイムカードを採用していないことが多いです。
そのため、事前にタイムカードの有無を確認しておくといいでしょう。
ブラック企業の退職で後悔しないためにも、事前に準備しておくべき事項があります。
具体的には、ブラック企業を退職する前のポイント3つを整理すると以下のとおりです。
それでは、これらのポイントについて順番に説明していきます。
ブラック企業を退職する前のポイント1つ目は、請求内容を明確にしておくことです。
ブラック企業を訴える場合、証拠が重要となりますが、請求内容によって有用な証拠は異なります。
そのため、効率的に証拠を集めるためにも、どのような請求がしたいのか、その請求は可能なのか、ブラック企業を退職する前に確認しておくといいでしょう。
ブラック企業を退職する前のポイント2つ目は、事実関係を整理することです。
ブラック企業に未払い賃金や残業代等を請求する場合、事実関係を説得的に主張しなければいけません。
そのため、「いつ」「どこで」「誰が」「どのような言動があったのか」具体的に整理しておくといいでしょう。
ブラック企業を退職する前のポイント3つ目は、証拠を集めることです。
ブラック企業に対する請求が認められるには、証拠に基づいた説得的な主張が重要となります。
しかし、退職後は証拠収集が困難となるため、退職前から証拠を集めるようにしましょう。
具体的には、以下の証拠を集めておくことが望ましいです。
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以上のとおり、今回は、ブラック企業の多い業界をランキング形式で紹介したうえで、その見分け方と退職前のポイントを解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
この記事が、ブラック企業の多い業界を知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
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