
2025年2月22日
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2025/06/30
労働災害
労災の申請をいつまでにしなければいけないのか不安に感じていませんか?
怪我や病気になってしまうと申請の準備も中々進みませんので、時間が経って申請できなくなってしまわないか心配になりますよね。
労災には、申請の期限があります。
労災の種類ごとに申請期限は異なっており、整理すると以下のとおりです。
労災申請をしてから認定されるまでの期間は、3ヶ月程度と言われていますが、精神疾患については1年以上かかる場合もあります。
労災申請は、怪我や病気になったらすぐに申請を行うことがおすすめです。
労災の期限を徒過しないためには、労災申請に向けてあなた自身が積極的に動いていくことが大切です。
実は、労災申請をするべき案件であるにもかかわらず、会社から私傷病と扱われてしまい、申請しないまま期間が過ぎてしまうことが少なくありません。
この記事をとおして、仕事で病気や怪我をしてしまった多くの方に労災の申請期限を知っていただければ幸いです。
今回は、労災の申請期限を説明したうえで、申請のタイミングや認定までの期間と徒過しないための手順を解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、いつまでの労災を申請すればいいのかがよくわかるはずです。
目次
労災には、申請期限があります。
労災保険給付の請求には、時効が定められているためです。
申請期限を過ぎてしまうと、労災保険の申請を行うことができなくなってしまいます。
そのため、労災については、期限を守って申請をするよう十分に注意しましょう
労災の申請期限については、労災の種類ごとに異なっています。
一般の債権よりも時効期間が短くなっていますので、注意が必要です。
具体的には、労災の種類ごとに申請期限を整理すると以下のとおりです。
療養(補償)等給付の申請期限は、療養の費用を支出した日の翌日から2年です。
療養(補償)等給付とは、業務上の怪我や病気の治療を受けることについての補償であり、治療費や入院費、薬代、通院の交通費の費用などに係る給付を受けることができます。
休業(補償)等給付の申請期限は、賃金を受けない日の翌日から2年です。
休業(補償)等給付とは、業務上の怪我や病気によって休業したときに受けられる給付のことです。
遺族(補償)等年金の申請期限は、被災労働者が亡くなった日の翌日から5年です。
遺族(補償)等年金とは、労災でなくなった労働者の方の遺族に対して支払われる年金です。
遺族(補償)等一時金の申請期限は、被災労働者が亡くなった日の翌日から5年です。
遺族(補償)等一時金とは、労災でなくなった労働者の方の遺族に対して支払われる一時金であり、年金を受給できる資格の遺族がない場合の補償です。
葬祭料等(葬祭給付)の申請期限は、被災労働者が亡くなった日の翌日から2年です。
葬祭料等(葬祭給付)とは、労災によって労働者が死亡した場合にその葬祭を行った者に対して支払われる補償のことです。
傷病(補償)等年金の申請期限は、ありません。
傷病(補償)等年金とは、療養開始後1年6か月が経過しても治っていない場合において、その傷病による障害の程度等級表に定める傷病等級に該当し、その状態が継続している場合に支給されるものです。
障害(補償)等給付の申請期限は、傷病が治癒した日の翌日から5年です。
障害(補償)等給付とは、業務上の傷病が治癒した後、一定の障害が残った場合に支給される補償です。
介護(補償)等給付の申請期限は、介護を受けた月の翌月の1日から2年です。
介護(補償)等給付とは、障害(補償)年金又は傷病(補償)年金の第1級の方すべてと2級の精神神経、胸腹部臓器の障害を有している方が現に介護を受けている場合に支給される補償です。
二次健康診断等給付金の申請期限は、一次健康診断の受診日から3ヶ月以内です。
二次健康診断等給付金とは、職場の定期健康診断等で異常の所見が認められた場合に、脳血管・心臓の状態を把握するための二次健康診断及び脳・心臓疾患の発症の予防を図るための特定保健指導を1年度内に1回、無料で受診することができる制度です。
労災申請をしてから認定されるまでの期間は、3ヶ月程度と言われています。
労災を申請すると労基署は調査を行うことになりますので、認定に期間を要するのです。
例えば、会社の関係者に対して資料の提出を求めたり、申請者を含む関係者に対してヒアリングを行ったり、必要に応じて専門家に意見を聞いたりすることになります。
ただし、精神疾患については、1年以上かかる場合も珍しくありません。
労災申請は、怪我や病気になったらすぐに申請を行うことがおすすめです。
先ほど見たように、労災の認定までに一定の期間が必要となりますし、申請を後回しにする理由もないためです。
また、労災の認定がされた場合には、その調査資料などに基づいて会社に対して、損害賠償の請求なども行いやすくなりますが、会社への損害賠償にも時効があります。
例えば、怪我や病気の診断がされた場合には、すぐに労災の申請を検討するようにしましょう。
労災の期限を徒過しないためには、労災申請に向けてあなた自身が積極的に動いていくことが大切です。
会社側が中々申請に協力してくれない場合でも、労災の申請期限を過ぎてしまえば、不利益を行けるのは労働者自身です。
具体的には、労災の期限を徒過しないためには、以下の手順で申請を進めていきましょう。
それでは、これらの手順について順番に説明していきます。
まず、手順の1つ目は、弁護士に相談することです。
労災申請は専門的な手続きとなりますので、適切な認定をしてもらうためには有利な事実について丁寧に説明をしていく必要があります。
手続きの流れやポイントについて弁護士から助言を受けたうえで、サポートをしてもらうといいでしょう。
ただし、弁護士であれば誰でもいいというわけではなく、労働問題に注力していて、労災についての実績のある弁護士を探すといいでしょう。
次に、手順の2つ目は、必要書類を作成準備することです。
労災の申請をする際には、その種類に応じた申請書の様式があり、これを記入する必要があります。
申請書の様式については、労基署でもらうこともできますし、インターネットからダウンロードすることもできます。
また、適切な認定をしてもらうためには、労働者に有利な事情や証拠についても整理しておくといいでしょう。
次に、手順の3つ目は、会社や医療機関に証明をお願いすることです。
労災の申請をする様式には、会社や医療機関が証明を行う欄があります。
会社から証明に協力してもらうことができない場合でも、証明を断られた経緯等を労基署に説明する必要があります。
最後に、手順の4つ目は、労基署に提出することです。
必要な書類等の準備できたら、労基署に提出しましょう。
その後は、必要に応じて、労基署の調査に協力することになります。
労災の申請期限についてよくある疑問としては、以下の5つがあります。
それでは、これらの疑問について順番に解消していきましょう。
A.退職した後も労災申請をすることは、可能です。
労災にあった時点で給付を受ける権利は発生していて、退職した場合でもこれは失われないためです。
A.様式第8号の労災申請期限は、賃金を受けない日の翌日から2年です。
様式第8号は、休業(補償)等給付に関する申請書のフォーマットだからです。
A.労災の後遺障害の申請期限は、傷病が治癒した日の翌日から5年です。
障害(補償)等給付の申請を行うことになるためです。
A.会社が労災隠しをしていた場合でも、労災の申請期限は変わりません。
労災を申請するのは、労働者本人であり、会社ではありません。
会社は、労働者が労災の申請をする際、証明に協力する義務があり、一定の場合には助力をしなければいけません。
ただし、会社がこれらに協力しない場合でも、申請期限が伸びるわけではないので注意が必要です。
労災隠しについては、以下の記事で詳しく解説しています。
A.労災の申請期限を徒過してしまった場合でも、会社に対して、損害賠償を請求できる可能性があります。
雇用主は労働者の安全に配慮する義務があり、業務上の災害によって労働者が怪我や病気になった場合には、会社は損害賠償責任を負う可能性があるためです。
安全配慮義務違反の時効は、権利を行使することができることを知った時から5年、権利を行使することができる時から20年です(※2020年4月1日以後に発生したもの)。
つまり、労災の申請期限よりも、損害賠償請求の時効の方が長くなっています。
そのため、労災の申請期限を徒過してしまっている場合でも、会社に対して損害賠償を請求できる可能性はありますので、あきらめる必要はありません。
安全配慮義務違反を理由とする訴えについては、以下の記事で詳しく解説しています。
労災に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください。
労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
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以上のとおり、今回は、労災の申請期限を説明したうえで、申請のタイミングや認定までの期間と徒過しないための手順を解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
以上のとおり、労災の申請をいつまでにしなければいけないのか不安に感じている方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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籾山善臣
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鈴木晶
横浜クレヨン法律事務所
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