
2025年2月22日
不当解雇
休職は何ヶ月でクビになる?休職期間満了や繰り返しでの解雇と対処法
休職期間や手続をよく確認しないまま、長期にわたり休職を継続して、解雇を言い渡されてしまう事例が多くなっています。今回は、休職が解雇猶予の制度であることを説明したうえで、休職でクビになるケースや対処法を解説します。
2025/06/24
労働災害
労災隠しを告発したいと悩んでいませんか?
業務が原因で怪我や病気をしたのに、会社がそれを隠そうとしていたら、不満に感じるのは当然のことですよね。
労災隠しの告発とは、会社が労災を隠していることを然るべき機関に知らせて対応を求めることをいいます。
会社側が労災を隠している場合には、労働者がこれを告発しない限り、労災の事実が明らかにならずに終わってしまう可能性が高いです。
労災隠しを告発すべき事例としては、ハラスメント事例や長時間残業事例、業務中の事故の事例などが多いです。
自浄作用がある会社であれば内部告発とすることが考えられますが、コンプライアンスに問題あれば、直接労基署に告発したり、弁護士に相談したりすることがおすすめです。
犯罪としての労災隠しの時効は3年です。
労災隠しを告発する際には、十分に準備を整えたうえで、適切な手続きを選択していくことになります。
実は、労災とされるべきであるにもかかわらず、労災の申請がされておらず、十分な補償を受けることができていない労働者が多く存在しています。
この記事をとおして、労災隠しを告発するために必要な知識とノウハウをわかりやすく伝えていくことができれば幸いです。
今回は、労災隠しを告発すべき理由2つを説明したうえで、3つの事例や時効と簡単な告発の手順を解説しています。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、労災隠しを告発したいと考えた場合にどうすればいいかがよくわかるはずです。
目次
労災隠しの告発とは、会社が労災を隠していることを然るべき機関に知らせて対応を求めることをいいます。
本来、会社は労働安全衛生法に基づき、労働災害が発生した場合に労基署へ報告する義務があります。
しかし、企業イメージの低下や労災保険料の上昇を避けるため、労災を隠そうとするケースがあります。
例えば、労災であるにもかかわらず、何らの手続きを行おうとしなかったり、傷病手当として処理しようとしたりする場合です。
労災隠しを放置すると、適正な補償が受けられず、同じような事故が繰り返される可能性があります。
そのため、労働者が自ら告発し、労災を適正に認定させることが重要です。
会社側が労災を隠している場合には、労働者が告発をすべきです。
労働者がこれを告発しない限り、労災の事実が明らかにならずに終わってしまう可能性が高いためです。
具体的には、労災隠しを告発すべき理由としては、以下の2つです。
それでは、これらの理由について順番に説明していきます。
労災隠しを告発すべき理由の1つ目は、適正な補償を受けられることです。
労災保険には療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付、遺族補償給付など、労働者やその家族を守るための給付制度が整っています。
しかし、労災隠しが行われると、労働者は本来受けるべき補償を受けることができず、不利益を被ることになります。
傷病手当と労災では補償される金額も期間も大きく異なってきます。
労災隠しを告発すべき理由の2つ目は、罰則が科される可能性があることです。
労働基準法や労働安全衛生法では、労災隠しを行った企業には罰則が科される可能性があります。
例えば、労働安全衛生法第120条により、労災を報告しなかった場合、50万円以下の罰金が科せられることがあります。
会社が罰則を受けることで、労働環境の改善が促され、同様の違法行為が再発することを防ぐ効果もあります。
労災隠しは、さまざまな職場で起こり得る問題ですが、特に特定のパターンが多く見られます。
ここでは、特に労災隠しとして問題になりやすい事例を紹介していきます。
例えば、労災隠しを告発すべき事例を3つ挙げると以下のとおりです。
それでは、これらの事例について順番に説明していきます。
労災隠しを告発すべき事例の1つ目は、ハラスメント事例です。
ハラスメントが原因でうつ病や適応障害を発症してしまう事例が増えています。
しかし、ハラスメントに該当するかどうかは法的評価も伴うため、業務指導の範囲内であったなどとして、ハラスメントを認めない会社が多くなっています。
このような場合には、労働者自身が労災を告発しなければ、私傷病として処理されてしまうことが多いのです。
労災隠しを告発すべき事例の2つ目は、長時間残業事例です。
長時間残業により、脳・心臓疾患、うつ病や適応障害等の精神疾患等を発症することがあります。
例えば、過労死ラインとして、残業時間月100時間が挙げられることがあります。
会社は、勤怠管理をせずに労働時間の証拠を残さないようにしたり、勤怠記録を改ざんして長時間残業の証拠を隠滅したりすることがあります。
そのため、長時間残業によりこれらの疾患を発症した場合には、労働者自身が労災を告発していくことが大切です。
労災隠しを告発すべき事例の3つ目は、業務中の事故の事例です。
中小企業だと、コンプライアンスが不十分なことがあり、工場や建設現場などでの事故について、自己責任として処理することがあります。
例えば、病院に行くように勧めはするが、健康保険を使わせて労災として扱わないと言ったことがよくあります。
このような場合、労働者として、労災隠しを告発していく必要があります。
労災隠しの告発を考える場合には、選択肢はいくつかあります。
状況や事案に応じて適切な告発先を検討するようにしましょう。
例えば、労災隠しの告発先を3つ挙げると以下のとおりです。
それでは、これらの告発先を順番に説明していきます。
労災隠しの告発先の1つ目は、内部告発(社内通報窓口)です。
会社に一定のコンプライアンス意識がある場合は、社内の通報窓口を活用することも一つの選択肢です。
大企業では、労働問題を扱う内部通報制度が設けられていることが多く、労災隠しの問題を社内で解決できる場合もあります。
例えば、一部の部門や上司のみが不適切な対応をしているだけの場合には、社内通報窓口への通報をきっかけに、適切な処理をされる可能性があります。
ただし、会社が不正を認めず、逆に通報者を圧力で黙らせようとするケースもあるため、慎重に進める必要があります。
労災隠しの告発先の2つ目は、労基署です。
労基署は労働基準法や労働安全衛生法の執行機関であり、企業の労働環境を監督する役割を担っています。
労基署は強制力を持った行政機関なので、労災隠しを公正に判断し、会社に対する指導や処分を行うことが期待できます。
ただし、申告の手続きが煩雑であり、適切な判断をしてもらうためには、ポイントを理解したうえで被害状況を説得的に説明していくことが必要となります。
労災隠しの告発先の3つ目は、弁護士です。
労災隠しの問題が複雑で、個人での対応が難しい場合は、弁護士に相談することがおすすめです。
弁護士は法律の専門家であり、効果的な手段をアドバイスしてくれるため、会社との交渉や訴訟にも対応できます。
労災隠しの証拠を集め、労基署への申告や損害賠償請求などの手続きを進める場合は、弁護士のサポートが非常に役立ちます。
ただし、弁護士にサポートをお願いする場合には、有料となりますので、見通しや費用にいても確認しておくようにしましょう。
犯罪としての労災隠しの時効は3年です。
労災隠しについては、3年が過ぎてしまうと罪に問うことが難しくなっています。
そのため、労災隠しの疑いがある場合は、できるだけ早く告発を行うことが重要です。
なお、例えば、労災の休業補償等給付の請求については、賃金を受けない日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年で時効になってしまいます。
つまり、犯罪としての時効は完成する前であっても、労災の請求が出来なくなってしまうこともありますので注意しましょう。
労災隠しを告発する際には、十分に準備を整えたうえで、適切な手続きを選択していくことになります。
労働者が何も行動を起こさなければ労災隠しは明らかにならないことも多く、また、告発の方法や内容次第で結果も大きくわかってくるためです。
具体的には、労災隠しを告発する際には以下の手順によるといいでしょう。
それでは、これらの手順について順番に説明していきます。
労災隠しを告発する手順の1つ目は、弁護士に相談することです。
先ほど説明したとおり、適切な判断をしてもらうためには、ポイントを理解したうえで被害状況を説得的に説明していくことが必要です。
弁護士に相談することで、適切な認定をしてもらう上で説明していくべき事実関係、集めるべき証拠などについて、助言してもらうことができます。
また、労災を申請した場合の見通しや手続の流れなどについても丁寧に教えてもらうことができるでしょう。
ただし、専門性が高いため、弁護士であれば誰でもいいというわけではなく、労働事件に注力していて、労災事案について実績のある弁護士を探すといいでしょう。
労災隠しを告発する手順の2つ目は、証拠を集めることです。
労災について適切な認定をしてもらうためには、証拠が重要となります。
とくに、ハラスメントや長時間残業などの事例ですと、証拠がないと労災と認定してもらえないことも少なくありません。
日頃から、メールやチャット、録音、メモなど証拠を残すようにしておきましょう。
証拠を十分に集めてこなかった場合でも、事実関係を時系列で整理し直して、一つ一つ証拠がないか見て行けば、色々な証拠が出てくることがあります。
労災隠しを告発する手順の3つ目は、労基署に相談することです。
労災の申請や認定、調査を行うのは、労基署であるためです。
事前に管轄の労基署を調べたうえで電話をして、日時の調整を行ったうえで相談に行くとスムーズです。
書式等を交付され記入したうえで提出するよう求められることが多いです。
労災隠しを告発する手順の4つ目は、労基署の調査に協力することです。
労基署は労災の調査を行う際、関係各所や専門家に対してヒアリングや資料の提出を求めるなどして調査を行います。
労働者に対しても事実関係の確認が行われることになります。
労基署の調査については1年以上の長期にわたることも珍しくありません。
労災に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください。
労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
労働弁護士コンパスでは、労働問題に注力している弁護士を探すことは勿論、地域や個別の相談内容から、あなたにマッチする最高の弁護士を探すことができます。
初回無料相談や電話・オンライン相談可能な弁護士であれば、少ない負担で気軽に相談をすることができます。
どのようにして弁護士を探せばいいか分からないという場合には、まずは試しにこの労働問題弁護士コンパスを使ってみてください。
以上のとおり、今回は、労災隠しを告発すべき理由2つを説明したうえで、3つの事例や時効と簡単な告発の手順を解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
この記事でお伝えしたことが、労災隠しを告発したいと悩んでいる方の役に立てばうれしいです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
弁護士に相談する
籾山善臣
リバティ・ベル法律事務所
神奈川県横浜市中区尾上町1丁目4番地1関内STビル11F
鈴木晶
横浜クレヨン法律事務所
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-21-1ダイヤビル303
人気記事
2025年2月22日
不当解雇
休職期間や手続をよく確認しないまま、長期にわたり休職を継続して、解雇を言い渡されてしまう事例が多くなっています。今回は、休職が解雇猶予の制度であることを説明したうえで、休職でクビになるケースや対処法を解説します。
2025年3月8日
労働一般
ブラック企業リスト掲載の事案は、労働安全衛生法違反が多く、実際のイメージとは異なる部分があります。今回は、ブラック企業リストとその内容について説明したうえで、ブラック企業を見極めるための簡単なチェックリストについて解説していきます。
2025年4月13日
ハラスメント
逆パワハラとは、部下から上司に対して行われるパワーハラスメントのことを言います。今回は、逆パワハラとは何かを説明したうえで、6つの事例や判例と簡単な対処法5つを解説します。