毎日3時間残業はしんどい!違法性や給料と簡単な対処法5つ【工場勤務の方も必見】

毎日3時間残業はしんどい!違法性や給料と簡単な対処法5つ【工場勤務の方も必見】

著者情報

籾山 善臣

籾山 善臣 弁護士

リバティ・ベル法律事務所

神奈川県弁護士会所属
不当解雇や残業代、退職勧奨対応等の労働問題を数多く担当している。
【著書】長時間残業・不当解雇・パワハラに立ち向かう!ブラック企業に負けない3つの方法

毎日3時間の残業をしていると、プライベートの時間はほとんどなくなりしんどいです

工場勤務の方など業種や職種によっては、このような3時間以上の残業が常態化してしまっているケースを目にすることが少なくありません。

今回は、毎日3時間残業はしんどいことを説明したうえで、違法性や給料と簡単な対処法5つを解説します。

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<この記事の要点>

・毎日3時間の残業は、普通のことではなく異常です。

・毎日3時間の残業は、36協定がない場合や上限を超える場合には違法となります。当然、残業代が支払われていない場合も違法の可能性があります。

・基本給20万円の方ですと毎日3時間残業した場合の給料は、基本給20万円+残業代10万3125円の30万3125円程度となります。

この記事を読めば、毎日3時間の残業の日々から抜け出す方法が分かるはずです。

1章 毎日残業3時間はしんどい|一日の生活(月60~66時間残業)

毎日3時間の残業がある生活は、心身ともに非常にしんどいものです

なぜなら、仕事に費やす時間が長くなりすぎて、人間らしい生活を送るための休息や自由な時間が奪われてしまうからです。

例えば、毎日3時間の残業(月60〜66時間程度)がある場合の一日のスケジュールは以下のようになります。

毎日3時間の残業(月60〜66時間程度)がある場合の一日のスケジュール
朝7時00分に起きて、夜22時00分に帰宅するような生活では、家族とゆっくり会話をしたり趣味を楽しんだりする余裕はほとんどありません。

食事の時間が遅くなることで健康を害したり、寝るためだけに家に帰るような感覚になったりして、精神的にも追い詰められてしまいます。

毎日3時間の残業は「当たり前」ではなく、生活の質を著しく下げてしまう異常な状態であることを知っておきましょう

2章 毎日3時間残業が違法となるケース

毎日3時間の残業が続いている場合、その働き方は法律に違反している可能性が高いといえます

日本の法律では労働時間には厳しい制限があり、それを超えて働かせるには厳格なルールを守る必要があるからです。

例えば、残業が違法となるケースとしては、以下の4つが代表的です。

ケース1:36協定がない場合
ケース2:特別の事情がない場合
ケース3:年間を通して常態化している場合
ケース4:残業代が支払われていない場合

それでは、それぞれのケースについて順番に見ていきましょう。

2-1 ケース1:36協定がない場合

会社が従業員に1分でも残業をさせるには、まず「36(さぶろく)協定」を締結し、労働基準監督署に届け出なければなりません。

この手続きがないまま法定の労働時間を超えて残業を命じることは、法律で固く禁じられているからです。

例えば、会社が労働者代表と書面で約束を交わしていないにもかかわらず、毎日3時間の残業をさせている場合には、法律違反となります。

自分の職場に36協定があるかどうか、一度確認してみることをおすすめします。

2-2 ケース2:特別の事情がない場合

36協定があったとしても、残業時間には「原則として月45時間」という上限が設けられています。

毎日3時間の残業を月20日続けると60時間になりますが、この45時間を超える残業は、特別な事情がなければ認められないからです。

例えば、単に「いつも忙しいから」「人手が足りないから」といった理由だけでは、月45時間を超えて働かせる正当な理由にはなりません。

「特別条項」という仕組みを使っていても、それが一時的なものでなければ違法と判断される可能性があるのです。

2-3 ケース3:年間を通して常態化している場合

毎日3時間の残業が1年を通してずっと続いている場合も、違法となる可能性が非常に高いです。

なぜなら、特別条項を利用して月45時間を超えて働かせることができるのは、1年のうち半分(6ヶ月)までと決められているかです。

例えば、1月分から7月分まで毎月60時間の残業が続いていたとしたら、その時点で法律違反となります。

うちは年中忙しいから仕方ない」という言い訳は、法律の世界では通用しません。

2-4 ケース4:残業代が支払われていない場合

働いた時間に対して、正しく残業代が支払われていないケースも当然ながら違法です。

労働基準法では、法定労働時間を超えて働いた分については、必ず割増賃金を支払わなければならないと定められているからです。

例えば、毎日3時間残業をしているのに給料が固定給のままだったり、「手当」という名目で実際の残業時間より少ない金額しか支給されていなかったりする場合は注意が必要です。

サービス残業は、労働者の大切な権利を奪う許されない行為です。

3章 毎日3時間残業をした場合のリスク

毎日3時間の残業を続けることは、人生において取り返しのつかない大きなリスクを背負うことにつながります

過度な長時間労働は、人間の心と体の限界を簡単に超えてしまうからです。

例えば、蓄積された疲労によって引き起こされるリスクとしては、以下の3つがあります。

リスク1:脳・心臓疾患のリスク
リスク2:適応障害やうつ病のリスク
リスク3:生活のリスク

毎日3時間残業した場合のリスク

それでは、これらのリスクについて詳しく見ていきましょう。

3-1 リスク1:脳・心臓疾患のリスク

毎日3時間の残業(月60〜66時間)は、脳や心臓の病気を発症させる危険を高めます

厚生労働省の基準では、月の残業が45時間を超えると、健康障害との関連性が強まるとされているためです。

例えば、極度の睡眠不足やストレスから、ある日突然脳出血や心筋梗塞を起こしてしまうケースも考えられます。

命に関わる事態になる前に、体が発している疲れのサインを見逃さないようにしましょう。

3-2 リスク2:適応障害やうつ病のリスク

肉体的な病気だけでなく、メンタルヘルスを崩してしまうリスクも出てきます

毎日仕事に追われ、休む暇もない生活を続けていると、脳が正常な判断ができなくなり、心が折れてしまうからです。

例えば、朝起きると涙が出てきたり、何に対しても興味が持てなくなったりしたら、それは心身に大きな負担が出ている兆候となります。

一度精神を病んでしまうと、回復までに長い年月を要することもあるため、無理は禁物です。

3-3 リスク3:生活のリスク

長時間労働は、あなたの大切な人間関係や私生活をも壊してしまうリスクがあります

家に帰っても寝るだけ、休日は泥のように眠るだけという生活では、家族や友人と過ごす時間が物理的に消えてしまうからです。

例えば、子どもの成長を見守る機会を逃してしまったり、パートナーとのすれ違いから家庭崩壊につながったりします。

仕事のために生きているのではなく、幸せに生きるために仕事があるということを忘れないでください。

4章 毎日3時間残業をした場合の給料

毎日3時間という過酷な残業をこなしている場合、本来は相応の大きな報酬を受け取っているはずです

なぜなら、残業代は通常の時給に対して1.25倍という高い率で計算されるため、基本給に加算される額も大きくなるからです。

例えば、月22日出勤で毎日3時間(月66時間)残業した場合の、基本給別の残業代目安は以下のとおりです。 ※1ヶ月の所定労働時間を160時間として計算しています。

4-1 基本給20万円の方|残業代10万3125円

基本給が20万円の方の場合、毎日3時間の残業を続けると、月々の給料は大きく増えます。

基本の時給が1,250円ですので、残業代の単価は1,563円(全角での端数処理は含まず)となるからです。

例えば、月66時間の残業をすると、残業代だけで約103,125円が加算されます。 (200,000円 ÷ 160時間 × 1.25 × 66時間)

つまり、総支給額は約30万円程度になる計算です。これより大幅に少ない場合は、未払いを疑う必要があります。

4-2 基本給30万円の方|残業代15万4688円

基本給が30万円の方の場合、毎日3時間の残業代による上乗せはさらに高額になります。

1時間あたりの単価が2,344円程度まで跳ね上がるためです。

例えば、月66時間の残業を行った場合、残業代は約154,688円となります。 (300,000円 ÷ 160時間 × 1.25 × 66時間)

基本給と合わせると、月給は45万円を超えてきます。

4-3 基本給40万円の方|残業代20万6250円

基本給が40万円という高い水準の方であっても、毎日3時間の残業は非常に大きな負担であり、それに見合う額が支払われるべきです。

残業単価は3,125円となり、わずか1時間の残業でも大きな重みがあるからです。

例えば、月66時間の残業代を合計すると、約206,250円にも達します。 (400,000円 ÷ 160時間 × 1.25 × 66時間)

総額で60万円を超える給料になりますが、この金額で健康や時間を失っているのだということを冷静に考える必要があるでしょう。

5章 工場勤務は毎日残業3時間以上になりやすい?

工場勤務などの製造現場では、他の職種に比べて毎日3時間以上の残業が発生しやすい傾向にあります

それは、工場の稼働スケジュールが納期や生産目標に強く縛られており、個人の裁量で仕事を切り上げることが難しいからです。

例えば、ライン作業で前後の工程とつながっている場合、自分だけ定時で帰ることができず、全員で残業を強いられるケースもあります。

また、人手不足を長時間労働で補おうとする古い体質の現場も少なくありません。

しかし、どのような理由があっても、労働者の健康を犠牲にして良いわけではありません。工場勤務だからといって、過度な残業を諦めて受け入れる必要はないのです。

6章 毎日3時間の残業をしている場合の対処法

今の苦しい状況から抜け出し、自分らしい生活を取り戻すためには、勇気を持って行動を起こすことが必要です

我慢を続けても会社が自然に変わることは少なく、放置すればあなたの心身が壊れてしまう恐れがあるからです。

具体的には、毎日3時間の残業がつらいと感じた場合の対処法として、以下の5つがあります。

対処法1:証拠を確保する
対処法2:職場環境の改善を求める
対処法3:労働基準監督署に告発する
対処法4:弁護士に相談する
対処法5:転職する

毎日3時間の残業がつらいと感じた場合の対処法

それでは、これらの具体的な方法を順番に説明していきます。

6-1 対処法1:証拠を確保する

まずは、自分がどれだけ働いているかを示す「証拠」をしっかりと集めましょう

将来、会社に改善を求めたり残業代を請求したりする際に、客観的な証拠がなければ太刀打ちできないからです。

例えば、タイムカードのコピーをとっておくのが一番ですが、それが難しい場合は出退勤時間をメモしたり、業務メールの送信履歴を保存したりすることも有効です。

「いつ、何時から何時まで働いたか」を毎日記録しておくことが、あなたを守る強力な武器になります。

6-2 対処法2:職場環境の改善を求める

可能であれば、会社に対して直接「残業を減らしてほしい」と声を届けてみましょう

現場の負担に上層部が気づいていないだけで、相談することで業務の振り分けや増員が検討される場合もあるからです。

例えば、上司に対して「毎日3時間の残業が続いて体調に不安がある」と正直に伝えてみてください。

一人で言うのが不安な場合は、同じ悩みを持つ同僚と一緒に相談に行くという方法もあります。

6-3 対処法3:労働基準監督署に告発する

会社が改善の訴えに応じない場合や、明らかに違法な働かせ方をしている場合は、労働基準監督署に相談しましょう

労働基準監督署は、法律違反をしている企業に対して指導や勧告を行う権限を持っている公的な機関だからです。

例えば、「36協定の上限を超えて残業させられている」といった具体的な事実を伝えることで、監督署が調査に動いてくれることがあります。

相談は無料で、秘密も守られるため、安心して利用することができます。

労働基準監督署への通報については、以下の記事で詳しく解説しています。

6-4 対処法4:弁護士に相談する

未払いの残業代をしっかり取り戻したい場合や、会社と法的に争いたい場合は、弁護士へ相談するのがおすすめです

弁護士は法律の専門家として、あなたに代わって会社と交渉し、正当な権利を守るために動いてくれるからです。

例えば、複雑な残業代の計算を正確に行い、証拠に基づいて会社に支払いを求めることができます。

最近では無料相談を行っている法律事務所も多いため、まずは一度プロのアドバイスを受けてみることを検討してください。

6-5 対処法5:転職する

どうしても今の会社で状況が良くならないのであれば、環境そのものを変える「転職」を考えましょう。

世の中には残業を最小限に抑え、従業員の健康を大切にしているホワイト企業もたくさん存在するからです。

例えば、転職サイトに登録して他の求人を眺めるだけでも、今の会社がすべてではないということが分かり心が軽くなるはずです。

あなたの健康や人生よりも大切な仕事はありません。より良い環境へ移ることは、決して逃げではなく、幸せになるための前向きな選択です。

7章 残業代請求に強い弁護士を探すなら労働弁護士コンパス

残業代請求に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください

労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。

労働弁護士コンパスでは、労働問題に注力している弁護士を探すことは勿論、地域や個別の相談内容から、あなたにマッチする最高の弁護士を探すことができます

初回無料相談や電話・オンライン相談可能な弁護士であれば、少ない負担で気軽に相談をすることができます。

どのようにして弁護士を探せばいいか分からないという場合には、まずは試しにこの労働問題弁護士コンパスを使ってみてください。

8章 まとめ

以上のとおり、今回は、毎日3時間残業はしんどいことを説明したうえで、違法性や給料と簡単な対処法5つを解説しました。

この記事が3時間の残業が続く毎日に悩んでいる方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

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神奈川県弁護士会所属
不当解雇や残業代、退職勧奨対応等の労働問題を数多く担当している。
労働問題に関する問い合わせは月間100件以上あり(令和3年10月現在)。
【著書】長時間残業・不当解雇・パワハラに立ち向かう!ブラック企業に負けない3つの方法
【連載】幻冬舎ゴールドオンライン:不当解雇、残業未払い、労働災害…弁護士が教える「身近な法律」、ちょこ弁|ちょこっと弁護士Q&A他
【取材実績】東京新聞2022年6月5日朝刊、毎日新聞 2023年8月1日朝刊、週刊女性2024年9月10日号、区民ニュース2023年8月21日

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