!.png)
2025年3月8日
労働一般
厚生労働省のブラック企業リスト(2024)!地域と掲載企業の傾向
ブラック企業リスト掲載の事案は、労働安全衛生法違反が多く、実際のイメージとは異なる部分があります。今回は、ブラック企業リストとその内容について説明したうえで、ブラック企業を見極めるための簡単なチェックリストについて解説していきます。
2025/07/16
労働災害
仕事で労災にあってしまい見舞金をもらうことができないか悩んでいませんか?
医療費や生活費など色々とお金がかかってしまいますので、少しでも金銭的な補償があると安心ですよね。
労災見舞金とは、労働災害の被害にあった労働者や遺族に対して、会社が支払う金銭のことです。
労災見舞金は、法律で定められた義務ではありませんので、就業規則や慶弔金規程などで定められていない場合には、貰えないとしても違法ではありません。
労災見舞金は、仕事中の怪我や会社設備での負傷のほか、通勤中の事故などでも支給されることがあります。
労災見舞金の相場は、死亡事故では300万円~500万円程度、重度の後遺障害が残る場合は100万円~300万円程度、その他の怪我や病気では数万円~数十万円程度です。
労災見舞金は、早い段階で支払われますが、支給時期は会社ごとの規定によることになり、労災と認定されてから1ヶ月前後とされていることが多いでしょう。
労災の見舞金について、相当の範囲内であれば、原則として所得税は課税されません。
労災の見舞金の給付を受けた場合であっても、これとは別に会社に対して損害賠償を請求できる可能性があります。
実は、労働災害にあった場合には、見舞金だけではなく、慰謝料や休業損害、後遺症による逸失利益、病院代・薬品費などの多くの費用に関する賠償を請求できる可能性があります。
この記事をとおして、労災の被害にあった多くの方に見舞金をはじめとした労災の補償について知っていただければ幸いす。
今回は、労災見舞金とは何かを説明したうえで、貰えないことの違法性やいつもらえるか、相場がいくらかと課税処理について解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば労災の見舞金についてよくわかるはずです。
目次
労災見舞金とは、労働災害の被害にあった労働者や遺族に対して、会社が支払う金銭のことです。
福利厚生や労働者への配慮の一環として、就業規則や慶弔見舞金規程などに見舞金の支給に関する定めを設けている企業があります。
その目的は、単なる金銭的補償というよりも、「会社としての誠意」や「従業員を大切にする姿勢」を示すことにもあります。
例えば、ある企業では、長年勤務していた社員が勤務中に体調を崩して入院した際、会社が本人に10万円の見舞金とお見舞いの手紙を送付するといった場合です。
労働差は、見舞金をもらえば、当面の生活への不安などを解消することができますし、会社との信頼関係もより強固なものとなります。
このように、労災見舞金は金額以上に企業と労働者との信頼関係や思いやりの表現としての側面を持っていることが多いのです。
労災見舞金が支給されない場合でも、それ自体が直ちに違法になるわけではありません。
労災見舞金は、法律上の義務に基づいて支給されるものではなく、企業が自主的な配慮として支給する任意の金銭にすぎないためです。
つまり、原則として、労災見舞金を支給するかどうかは、会社の自由なのです。
ただし、就業規則や社内規程に見舞金の支給について明記されているにもかかわらず、それに反して支給しない場合には、例外的に違法となることがあります。
就業規則や社内規定に規定されている場合には、その内容が労働契約の一部となり、見舞金を支給しないことは債務の不履行となり得るためです。
要するに、労災見舞金は支給されないからといって必ずしも問題があるわけではありませんが、社内で制度が明文化されている場合には、会社には一定の履行義務が生じる可能性があるということです。
労災見舞金が支給されないことに感情的に納得がいかない方も多いかもしれませんが、まずは会社に労災見舞金の支給義務があるかを確認するようにしましょう。
なお、見舞金が請求できない場合でも、損害賠償を請求できる可能性はありますので、弁護士に相談してみるといいでしょう。
労災見舞金が支給されるのは、就業規則や社内規程で定められた条件を満たした場合です。
会社ごとに支給されるケースは異なることになります。
ここでは、労災見舞金が実際に支給されることが多い典型的な以下の3つのケースをご紹介します。
これらの事例を通じて、どのような場合に会社が見舞金を支給するかをイメージしていただければと思います。
それでは、これらのケースについて順番に説明していきます。
もっとも典型的なのが、仕事中の作業で怪我をした場合です。
会社としても「職場で起きた事故」であることを重く受け止め、早期のケアと復帰支援の一環として労災見舞金を支給する例が多く見られます。
例えば、工場で機械の整備をしていた従業員が、作業中に誤って機械に指を挟まれ、骨折してしまったケースです。
仕事中の作業で怪我をした場合については、以下の記事で詳しく解説しています。
業務そのものに直接関係していない場合でも、会社の設備や施設の不備によって負傷した場合にも、労災見舞金が支給されることがあります。
会社は直接の業務中ではないものの、労働環境に起因する負傷であることから、見舞金を支給して社員の不安を和らげようとすることがあります。
例えば、社内の階段で滑り転倒し、腰を強く打って通院が必要になったというようなケースです。
業務中の災害ではなく、通勤災害の場合にも、会社が独自に見舞金を支給するケースもあります。
業務時間外であっても「会社の業務に向かう過程で起こった事故」であることから、制度として通勤災害を見舞金の対象とする企業もあります。
とくに、大企業や労働組合のある企業では、見舞金規程に通勤災害も含めていることが多いです。
例えば、毎朝自転車で通勤していた社員が、交差点で車と接触し、骨折して入院を余儀なくされた場合などです。
たとえ事故の責任が相手側にあったとしても、通勤中の事故であり、会社としても一定の配慮を示すために見舞金を支給することがあります。
労災見舞金は、支給金額について明確な基準や決まりはありません。
法律で定められた制度ではなく、会社ごとが任意で支給することになるため、支給金額も就業規則や社内規程によることになります。
労災見舞金の相場について、被害の内容ごとに整理すると以下のとおりです。
この金額はあくまで参考例であり、実際には会社の規模や社内規程の有無、経営者の考え方によって大きく異なります。
大企業や労働組合のある企業では、見舞金規程が整っていて高額になる傾向があります。
一方で、中小企業や見舞金の制度がない会社では、そもそも支給されなかったり、あっても少額にとどまったりする場合があります。
また、長年勤務している社員や、会社への貢献が大きいと評価されるケースでは、配慮として金額が上乗せされることもあります。
事故が大きく報道されるなど社会的に注目される場合にも、会社が対外的な対応として高額な見舞金を支払うことがあります。
通常、見舞金は一度だけ支給されるのが一般的ですが、状況に応じて追加で支給されることもあります。例えば、最初は5万円、後日さらに10万円というように、段階的に支払われるケースもあります。
労災見舞金の金額に納得できない場合や支給されなかった場合には、まずは自分の会社の就業規則や社内規程を確認し、不明な点があれば弁護士などの専門家に相談してみましょう。
労災見舞金は、労災と認定されてから1ヶ月前後とされていることが多いでしょう。
ただし、支給時期は法律で定められているわけではなく、会社の規程や運用によって前後するため、正確なタイミングは「会社ごとに異なる」のが現実です。
同じような労災でも、ある会社では1週間以内に支給される一方で、別の会社では1か月以上かかるということもあります。
例えば、A社では就業規則に「仕事中に負傷し入院した場合には、入院した日から15日以内に一律5万円を支給する」と明記されていたとしましょう。このような場合には、入院日から15日以内に見舞金が支給されることになるでしょう。
一方、B社では見舞金に関して、「仕事中に負傷し入院した場合には、会社の裁量により一定の見舞金を支給することがある」との規定しかなかった場合には、労災発生から数ヶ月以上経っても支給の話が出ないケースもあるでしょう。
また、見舞金が支給されるまでには、上司からの報告、人事・労務担当者の確認、社内稟議など、複数の社内手続きを経る必要があるのが通常です。
そのため、支給のタイミングはそれぞれの企業体制によっても大きく左右されます。
労災の見舞金について、相当の範囲内であれば、原則として所得税は課税されません。
所得税法や所得税施行令、基本通達では、以下のように規定されています。
つまり、労災見舞金がその性質上、本当に見舞金であり、かつ社会的に妥当な金額である限り、所得税はかかりません。
例えば、入院や手術を伴う業務中のケガに対して10万円、死亡事故に対して300万円を遺族に支給するなど、企業慣行や他社の事例と照らして妥当な金額であれば、非課税とされる可能性が高いでしょう。
これらはあくまで慰労や補償の意味合いを持つ支出であり、給与や報酬とは異なるためです。
ただし、形式上は見舞金であっても、実態としては役務の対価であると判断される場合には、課税対象となる可能性があります。
また、見舞金として支給された金額が極端に高額である場合にも、その一部または全部が課税されることがあります。
労災見舞金を会社から受け取った場合でも、それによって損害賠償の請求が制限されるわけではありません。
損害賠償請求が認められるのは、会社に「安全配慮義務違反」や「使用者責任(民法715条)」が認められる場合です。
例えば、労災にあった場合には、被害者や遺族に精神的苦痛が生じることになりますので、この慰謝料を会社に請求できる可能性があります。
また、仕事休むことになった場合には、休業損害の賠償を請求できる可能性があります。
更に、後遺障害が残ったり、亡くなったりした場合には、逸失利益を請求できる可能性があります。
加えて、医療費や薬品費などの請求をできる可能性があります。
なお、既に受け取った労災見舞金について損害賠償とは異なる性質のものであり、見舞金が損害賠償の前払いであるとは認められないのが原則です。
ただし、例外的に損害賠償の前払いとして見舞金を支給したことが明らかである場合には、損害賠償請求できる金額から見舞金相当額が差し引かれる可能性があります。
安全配慮義務違反を理由とする損害賠償については、以下の記事で詳しく解説しています。
医療費については、以下の記事で詳しく解説しています。
労災に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください。
労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
労働弁護士コンパスでは、労働問題に注力している弁護士を探すことは勿論、地域や個別の相談内容から、あなたにマッチする最高の弁護士を探すことができます。
初回無料相談や電話・オンライン相談可能な弁護士であれば、少ない負担で気軽に相談をすることができます。
どのようにして弁護士を探せばいいか分からないという場合には、まずは試しにこの労働問題弁護士コンパスを使ってみてください。
以上のとおり、今回は、労災見舞金とは何かを説明したうえで、貰えないことの違法性やいつもらえるか、相場がいくらかと課税処理について解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
この記事が仕事で労災にあってしまい見舞金をもらうことができないか悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
弁護士に相談する
鴨下香苗
Utops法律事務所
神奈川県横浜市中区尾上町1丁目6番地 ICON関内8階
小藤貴幸
小藤法律事務所
東京都北区滝野川7-8-9日原ビル7階
森江悠斗
森江法律事務所
東京都港区芝浦3-14-15 タチバナビル3階
鈴木晶
横浜クレヨン法律事務所
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-21-1ダイヤビル303
三部達也
Utops法律事務所
神奈川県横浜市中区尾上町1-6 ICON関内8階
籾山善臣
リバティ・ベル法律事務所
神奈川県横浜市中区尾上町1丁目4番地1関内STビル11F
人気記事
2025年3月8日
労働一般
ブラック企業リスト掲載の事案は、労働安全衛生法違反が多く、実際のイメージとは異なる部分があります。今回は、ブラック企業リストとその内容について説明したうえで、ブラック企業を見極めるための簡単なチェックリストについて解説していきます。
2025年2月22日
不当解雇
休職期間や手続をよく確認しないまま、長期にわたり休職を継続して、解雇を言い渡されてしまう事例が多くなっています。今回は、休職が解雇猶予の制度であることを説明したうえで、休職でクビになるケースや対処法を解説します。
2025年4月13日
ハラスメント
逆パワハラとは、部下から上司に対して行われるパワーハラスメントのことを言います。今回は、逆パワハラとは何かを説明したうえで、6つの事例や判例と簡単な対処法5つを解説します。