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2025/08/09
不当解雇
会社から勤務態度が悪いとして解雇を言い渡されてしまい困っていませんか?
勤務態度が良いとは言えないまでも、解雇されるほど勤務態度が悪かったわけではないと感じている方も多いのではないでしょうか。
勤務態度が悪いことは、解雇の理由として挙げられることがよくあります。
一言で勤務態度不良と言っても、実際に解雇理由として指摘されるようなエピソードは様々です。
勤務態度不良を理由とする解雇は正当とは限らず、不当解雇とされることも少なくありません。
もし、勤務態度不良を理由とする解雇をされた場合には、あなた自身の権利を守るためにも、焦らずに冷静に対処していくようにしましょう。
勤務態度不良を理由とする解雇も、失業保険上は、原則として会社都合と扱われることになります。
実は、勤務態度が悪いという会社の主張は主観的なものにすぎないことが多く、仮に勤務態度不良と言えるような出来事があったとしても直ちに解雇することは許されない傾向にあります。
この記事をとおして、勤務態度が悪いことを理由に解雇された方に知っておいていただきたい知識やノウハウをわかりやすくお伝えしていくことができれば幸いです。
今回は、勤務態度が悪いことは解雇理由になるかを説明したうえで、勤務態度不良の例5つとクビへの対処法を解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、勤務態度が悪いことを理由に解雇されたらどうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次
勤務態度が悪いことは、解雇の理由として挙げられることがよくあります。
労働者の勤務態度が悪いと業務に支障が生じ、雇用を継続することが難しいとされる場合があるためです。
ただし、それが法的に有効とされるかは別問題です。
解雇が有効であるためには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる必要があるためです(労働契約法第16条)。
そのため、単に上司の印象が悪い、評価が低いといった理由だけでは正当な解雇とは言えません。
明確な問題行動や改善指導の経緯、会社に与えた具体的な影響などが問われることになります。
勤務態度が悪いからといってすぐにクビになるわけではなく、個別の状況に応じて判断されるのです。
一言で勤務態度不良と言っても、実際に解雇理由として指摘されるようなエピソードは様々です。
その内容によって法的な見通しや準備すべき反論も変わってきます。
例えば、解雇理由とされる勤務態度不良の例としては、以下の5つがあります。
それでは、これらの例について順番に説明していきます。
解雇理由とされる勤務態度不良の例の1つ目は、他の従業員への発言や態様です。
これは、チームワークを損ね、職場全体の雰囲気を悪化させる可能性があるためです。
例えば、上司や同僚に対して日常的に暴言を吐く、命令口調で話すなどの言動が見られた場合、周囲との信頼関係が崩れ、業務にも支障をきたします。
こうした振る舞いが常態化していると、会社は勤務態度不良を理由に解雇を判断する場合があります。
解雇理由とされる勤務態度不良の例の2つ目は、業務への積極性・向上心の欠如です。
意欲が見られない状態が続くと、業務効率の低下だけでなく、周囲の士気にも悪影響を与えるおそれがあります。
例えば、指示がないと何もしない、知識やスキルの習得に消極的、他人任せな態度ばかり取るといったケースです。
このような勤務態度が継続して見られる場合、会社としては問題行動と判断せざるを得ず、最終的に解雇に至ることもあります。
解雇理由とされる勤務態度不良の例の3つ目は、遅刻や欠勤です。
勤務時間を守ることは労働者としての基本的な義務であり、それが守られない場合、業務に支障をきたします。
例えば、始業時間に間に合わない日が続いたり、無断で欠勤を繰り返したりする場合、信頼関係が破綻する要因になります。
注意指導の後も改善が見られないと、会社は解雇という手段を検討することになります。
解雇理由とされる勤務態度不良の例の4つ目は、仕事中の私的行為です。
就業中は業務に専念する義務があるため、私用を繰り返すことは職務専念義務違反とされます。
例えば、私用のスマホを頻繁に操作したり、インターネットで私的な検索や動画視聴を行ったりすることが挙げられます。
このような行動は業務効率を著しく低下させるものであり、改善が見られなければ懲戒処分や解雇の対象になる可能性があります。
解雇理由とされる勤務態度不良の例の5つ目は、反抗的な態度です。
組織においては、上司の指示に従って業務を遂行することが基本であり、それに反する態度は秩序を乱す原因になります。
例えば、上司の指示に対して「やりたくない」と強く拒否したり、自分勝手な判断で行動したりする場合などです。
このような反抗的な態度が常態化していると、会社は協調性が欠如していると判断し、解雇に踏み切ることがあります。
勤務態度不良を理由とする解雇は正当とは限らず、不当解雇とされることも少なくありません。
解雇は労働者の同意なく一方的に生活の糧を奪うものであり、とても厳格に考えられているためです。
例えば、勤務態度が悪いことを理由としたクビが不当なケースとしては、以下の4つがあります。
それでは、これらのケースについて順番に説明していきます。
勤務態度が悪いことを理由としたクビが不当なケースの1つ目は、主観的な評価に過ぎない場合です。
解雇は「客観的に」合理的であることが必要なので、上司や会社側の印象評価だけで構成されていると、客観性を欠くため不当解雇と判断されやすくなります。
例えば、具体的な業務ミスがないにもかかわらず「覇気が感じられない」といった曖昧な理由だけで解雇された場合などです。
勤務態度が悪いことを理由としたクビが不当なケースの2つ目は、改善指導がされていない場合です。
勤務態度に何らかの問題があったとしても、それを理由に解雇するには、まずは注意や指導を行い、改善の機会を与えることが前提とされています。
解雇は労働者の不利益が大きいため、最終手段とされており、将来にわたり改善の見通しがないような場合に認められるものだからです。
例えば、初めて注意を受けた直後に即解雇されたようなケースでは、「段階的な是正措置」がなされていないため、解雇が重すぎる処分とされることが多いのです。
勤務態度が悪いことを理由としたクビが不当なケースの3つ目は、会社の指摘する事実に誤りがある場合です。
解雇理由が事実誤認に基づいている場合、その解雇は無効とされる可能性が高くなります。
例えば、「無断欠勤があった」と主張された日が、実際には事前に申請済みの有給休暇だったようなケースです。
このような事実関係の間違いがあると、会社の主張は信用されにくくなります。
勤務態度が悪いことを理由としたクビが不当なケースの4つ目は、会社に重大な支障が生じていない場合です。
勤務態度に問題があったとしても、それが業務や職場全体に深刻な影響を及ぼしていない場合は、解雇の相当性が否定されることがあります。
例えば、報連相が不十分といった場合において、それにより具体的かつ重大な支障が生じていると言えないような場合には、解雇は相当ではないとされる傾向にあります。
勤務態度不良を理由とする解雇の裁判例は、たくさんあります。
例えば、勤務態度不良を理由とする解雇の裁判例を厳選して3つ紹介すると以下のとおりです。
それでは、これらの判例について順番に説明していきます。
【事案】
システムエンジニアとして働いていた方が就業時間中にIPメッセンジャーの機能を利用して頻繁に私的なやり取りをしていた事案です。
【結論】
解雇無効
【裁判所の判断】
コンピューターなどの情報機器を一定の限度において指摘に利用することは通常黙認されており、また、当該労働者の行為は本訴提起前には何ら問題とされていなかったとしました。
【事案】
警備会社の従業員が配置転換を拒否し、配置や勤務数減少に係る言動を理由に解雇されました。
【結論】
解雇無効
【裁判所の判断】
会社は配転を提案したことはあるものの、配置転換を命令したことはないとされました。
また、繰り返し勤務日数ないし勤務時間数について苦情等の訴えや改善要求をしていた一方で、与えられた勤務自体は継続し、その際当該勤務上の指示にも従っていたとされました。
【事案】
私立中学校を運営する学校法人で勤務していた教諭が、協調性の欠如などを理由に解雇された。
【結論】
解雇有効
【裁判所の判断】
教諭は上司や同僚との協調を欠き、独善的かつ反抗的な態度を長期間にわたって繰り返していたとしました。
学校側は繰り返し注意・指導を行っていましたが、改善は見られなかったとしました。また、教師と言う職種上事務職への配置転換も現実的ではないとしました。
もし、勤務態度不良を理由とする解雇をされた場合には、焦らずに冷静に対処していくようにしましょう。
会社は、解雇が有効であることを前提に手続きを進めてきますので、あなた自身の権利を守るためには、自分で行動を起こしていく必要があるためです。
具体的には、勤務態度不良でクビにされた場合の対処手順としては、以下のとおりです。
それでは、これらの対処手順について順番に説明していきます。
勤務態度不良で解雇された場合の対処法の1つ目は、弁護士に相談することです。
勤務態度不良による解雇を受けたら、まずは労働問題に詳しい弁護士に相談するのが有効です。
法律的な見通しを整理し、自分の置かれている状況が不当解雇に当たるのかを判断するためにも、早めに専門家の意見を聞くことが大切です。
労働問題に注力している実績ある弁護士を選び、解雇の有効性や今後の対応についてアドバイスを受けましょう。
勤務態度不良で解雇された場合の対処法の2つ目は、通知書を送付することです。
不当な解雇だと感じた場合には、会社に対して「解雇は無効である」という内容の通知書を送付しましょう。
自分が解雇を受け入れていないことを明確にしておくべきだからです。解雇に同意したと誤解されないためにも、なるべく早期に通知するようにしましょう。
ただし、この通知書は証拠としての意味も大きいため、弁護士を通じて送ることをおすすめします。
勤務態度不良で解雇された場合の対処法の3つ目は、交渉することです。
会社と解雇の内容について協議を行い、示談や合意による解決を目指すこともひとつの手段です。
会社側と話し合うことで、復職や解決金の支払いといった形で合意できることもあります。
円満に話をまとめたい場合や、訴訟などの手続きを避けたい場合には、交渉による解決を検討しましょう。
勤務態度不良で解雇された場合の対処法の4つ目は、労働審判や訴訟を提起することです。
話し合いにより解決することが難しい場合には、裁判所を用いた解決を検討することになります。
労働審判は、全三回の期日で調停による解決を目指す手続きです。調停が成立しない場合には、労働審判委員会が審判を下します。
審判には雇用主側も労働者側も異議を出すことができ、異議が出た場合には通常の訴訟に移行することになります。
早期に実態に即した解決をすることが期待できる手続きです。
労働審判とは何かについては、以下の記事で詳しく解説しています。
労働審判とは何かについては、以下の動画でも詳しく解説しています。
訴訟は、期日の回数の制限などはとくにありません。1か月に一回程度の頻度で、裁判所の指揮に応じながら、交互に主張を繰り返していきます。解決まで1年以上を要することもあります。
不当解雇の訴訟については、以下の記事で詳しく解説しています。
勤務態度を理由とした解雇であっても、失業保険の上では「会社都合」として扱われるのが原則です。
解雇については、重責解雇を除き、会社都合退職として処理されることになっているためです。
重責解雇とは、労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇のことです。
重責解雇に該当するとされているのは、例えば、犯罪行為や重大な就業規則違反などです。
会社都合退職の場合には、自己都合退職に比べて、失業保険の受給要件や給付日数について有利に取り扱ってもらうことができます。
例えば、会社都合退職と自己都合退職場合の失業保険の給付日数は、それぞれ以下のとおりです。
ハローワークインターネットサービス – 基本手当の所定給付日数
解雇と失業保険については、以下の記事で詳しく解説しています。
解雇に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください。
労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
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以上のとおり、今回は、勤務態度が悪いことは解雇理由になるかを説明したうえで、勤務態度不良の例5つとクビへの対処法を解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
この記事が会社から勤務態度が悪いとして解雇を言い渡されてしまい困っている方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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