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2025年3月8日
労働一般
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2025/07/31
不当解雇
会社から重責解雇をされてしまい困っていませんか?
ハローワークで重責解雇なのですぐに失業保険を受給できないと言われてしまい驚いた方もいますよね。
重責解雇とは、労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇を言います。
重責解雇は、普通解雇や懲戒解雇と違い、雇用保険上の概念であり、失業保険の受給に関わるものです。
離職票の「重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)」にチェックされることになります。
重責解雇に該当するための条件としては認定基準が設けられており、犯罪行為や重大な就業規則違反などいくつかの例が挙げられています。
もし、あなたが重責解雇された場合には、焦らずに本当に会社の処分は正当なことなのかを検討したうえで、冷静に対処していく必要があります。
実は、日本の法律では解雇自体とても厳格に規制されていますが、重責解雇は解雇の中でもとくに悪質なものに限られています。会社は、誤った理解により解雇を行い、重責解雇として処理していることが多いのです。
この記事をとおして、重責解雇をされてしまった方々にあなた自身の身を守るために是非知っておいていただきたいことを誰でもわかりやすいように簡単に説明できれば幸いです。
今回は、重責解雇とは何かを説明したうえで、離職票や具体例、重責解雇された場合の対処法を解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、重責解雇をされた場合にどうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次
重責解雇とは、労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇を言います。
読み方は、「じゅうせきかいこ」です。
雇用保険上は、解雇は、「重責解雇」と「重責解雇以外の解雇」に分類されます。
つまり、重責解雇か否かは、ハローワークが失業保険をどう扱うかを判断するための区分です。
解雇について労働者側に大きな落ち度があるケースになるため、失業保険を受給する際には、労働者に不利に取り扱われてしまうことになります。
そのため、労働者にとっては、重責解雇か否かは、失業保険との関係で重要な関心事項となります。
ただし、会社の判断がすべて正しいとは限りません。中には、実際にはそこまで重大ではないのに、「重責解雇」として処理されてしまうこともあります。
まずは、「重責解雇」という言葉の意味を正しく知ることが大切です。
重責解雇と懲戒解雇は異なる概念です。
重責解雇は、雇用保険上の概念であり、失業保険の区分を判断するための概念です。
懲戒解雇は、会社が就業規則など定める解雇の名称で、解雇の条件や手続等に関わる一般的な区分における概念です。普通解雇や整理解雇と区別するために用いられます。
例えば、懲戒解雇をされた場合であっても、失業保険上は、必ずしも重責解雇に該当するわけではありません。
一方で、普通解雇とされた場合であっても、失業保険上は、重責解雇に該当する可能性があります。
ただし、一般的な実務慣行として、会社側は、懲戒解雇とした場合には離職票も重責解雇にチェックをしてくる傾向にあります。
重責解雇とされた場合には、自己都合退職として処理されることになります。
これに対して、重責解雇以外の解雇の場合には、会社都合退職として処理されることになります。
失業保険上、自己都合退職とされた場合には、会社都合の場合に比べて、不利な取り扱いをされることになります。
例えば、自己都合だと、待機期間が1か月ありますので、会社都合退職の場合よりも受給できるのが遅くなってしまいます。
また、自己都合だと、失業保険を受給するために必要な被保険者期間も半年ではなく1年となり、受給要件が厳しくなります。
更に、以下の通り、自己都合退職の場合には、会社都合退職の場合に比べて、失業保険の給付を受けること
ハローワークインターネットサービス – 基本手当の所定給付日数
解雇と失業保険については、以下の記事で詳しく解説しています。
重責解雇の場合には、離職票は、「重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)」にチェックされることになります。
これは、会社がチェックを入れるもので、ハローワークで失業保険の支給内容を判断する際に参考とされます。
重責解雇とする際の添付書類は、以下のとおりとされています。
例えば、離職票上は、以下のようにチェックされています。
解雇されて2週間くらいすると会社から離職票が送られてきますので、どこにチェックされているか離職理由欄を確認するようにしましょう。
ただし、会社の判断がそのまま通るとは限りません。労働者側が「事実と違う」「そこまで重大なことではない」と感じる場合には、ハローワークで異議を申し立てることができます。
重責解雇に該当するのは、労働者の責めに帰すべき重大な理由により解雇がされた場合です。
労働者の責めに帰すべき重大な理由に当たるかについては、認定基準が設けられています。
例えば、重責解雇に当たる例としては、以下の7つがあります。
それでは、順番に説明していきます。
重責解雇の例の1つ目は、犯罪行為です。
刑法の規定する犯罪又は行政罰の対象となる行為を行ったような場合がこれに該当します。
例えば、窃盗罪により有罪となり処罰を受けたことによって解雇された場合です。
執行猶予であっても刑は確定しているためこれに該当しますが、起訴猶予の場合には刑が確定していないのでこれに該当しません。
重責解雇の例の2つ目は、故意又は重過失による設備や器具の破壊です。
会社に損害を与え、しかもそれが故意又は重過失に基づくものである場合がこれに該当します。
例えば、感情的になってパソコンを破壊したようなケースが該当します。
重責解雇の例の3つ目は、故意又は重過失による事業所の信用失墜です。
労働者の言動によって会社に金銭その他物質的損害を与え、又は、信用の失墜あるいは顧客の減少等の無形の損害を与えた場合がこれに該当します。
例えば、顧客への暴言、SNS上での会社への中傷投稿、酒席でのトラブルなどが原因で、会社の信用が損なわれた場合です。
重責解雇の例の4つ目は、重大な就業規則違反です。
労働協約又は就業規則に定められた事項は被保険者が守るべきものであり、これに違反した場合がこれに該当します。
例えば、長期間正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合です。
例えば、出勤不良又は出勤常ならず、数回の注意を受けたが改めない場合です。
ただし、違反の程度が軽微な場合には、重責解雇には該当しないとされています。
重責解雇の例の5つ目は、会社の機密の漏洩です。
会社の機密は、従業員として当然守らなければならないものであり、これを他に漏らした場合がこれに該当します。
機密には、事業所の機械器具、製品、原料、技術等の機密、事業所の経営状態、資産等事業経営上の機密に関する事項等が含まれます。
例えば、社外の人間に取引先リストを渡したような場合です。
重責解雇の例の6つ目は、会社の名前を偽って利益を得る場合です。
会社の名を悪用し、自己の利益を得又は得ようとした場合がこれに該当します。
例えば、「会社の担当」と偽って自分の口座に報酬を振り込ませるような行為がこれに該当します。
重責解雇の例の7つ目は、経歴詐称です。
会社に雇用される際、就職条件を有利にするため他人の履歴を盗用し、あるいは技術、経験、学歴等について自己の就職に有利なように虚偽の陳述をして採用され、後に発覚した場合がこれに該当します。
例えば、大学を卒業していないのに卒業と申告したり、過去の職歴を水増ししてアピールしたりしいて、それが採用の決め手となっていたような場合です。
もし、あなたが重責解雇された場合には、焦らずに本当に会社の処分は正当なことなのかを検討したうえで、冷静に対処していく必要があります。
会社側が重責解雇にチェックしている場合であっても、必ずしもこれが正当とは限らないためです。
具体的には、重責解雇された場合には以下の手順で対処していきましょう。
それでは、これらの手順について順番に説明していきます。
重責解雇をされた場合の対処手順の1つ目は、弁護士に相談することです。
法的な見通しを確認したうえで、あなたの意向を踏まえて、事案に応じた方針を助言してもらうといいでしょう。
また、解雇への対応については、専門的とはなりますので、弁護士にサポートしてもらった方が良いでしょう。
ただし、弁護士であれば誰でもいいというわけではないため、労働問題に注力していて、解雇に実績のある弁護士を探すといいでしょう。
重責解雇をされた場合の対処手順の2つ目は、異議申し立てをすることです。
離職票の下部に異議申し立て欄がありますので、異議有りに丸をつけてハローワークに提出します。
これによりハローワークは、労働者と会社側で離職理由についての認識が異なることがわかりますので、調査をして正しい離職理由について判断することになります。
重責解雇をされた場合の対処手順の3つ目は、交渉することです。
解雇が不当である場合には、会社に対して解雇は濫用として無効となる旨を通知しておくといいでしょう、
解雇された後に、何もせずに放置していると解雇を認めていたなどと指摘されてしまうことがあるためです。
会社側から回答があったら話し合いにより折り合いをつけることが可能か同協議してみましょう。
話し合いにより解決することができれば、少ない負担と労力で、早期に良い解決をできる可能性があります。
重責解雇をされた場合の対処手順の4つ目は、労働審判・訴訟を提起することです。
話し合いにより解決することが難しい場合には、裁判所を用いた解決を検討することになります。
労働審判は、全三回の期日で調停による解決を目指す手続きです。調停が成立しない場合には、労働審判委員会が審判を下します。
審判には雇用主側も労働者側も異議を出すことができ、異議が出た場合には通常の訴訟に移行することになります。
早期に実態に即した解決をすることが期待できる手続きです。
労働審判とは何かについては、以下の記事で詳しく解説しています。
労働審判とは何かについては、以下の動画でも詳しく解説しています。
訴訟は、期日の回数の制限などはとくにありません。1か月に一回程度の頻度で、裁判所の指揮に応じながら、交互に主張を繰り返していきます。解決まで1年以上を要することもあります。
重責解雇でよくある疑問としては、以下の4つがあります。
それでは、これらの疑問について順番に解消していきましょう。
A:重責解雇でも転職や再就職できないということはありません。
ただし、採用面接などで前職の退職理由を確認された場合には、嘘をつくことができません。
そのため、転職や再就職への影響が気になる場合には、示談をして不当解雇を撤回してもらうか又は解雇の無効を確認するといいでしょう。
懲戒解雇と再就職について、以下の記事で詳しく解説しています。
A:重責解雇に該当するかを判断するのは、ハローワークです。
会社側が離職票の重責解雇にチェックをして、労働者側が異議有りにチェックしたら、ハローワークが調査、判断をすることになります。
A:重責解雇の場合には、解雇予告手当は支給されない傾向にありますが、必ず支給されないというわけではありません。
解雇するには30日前の予告が必要であり、予告を怠る場合には不足日数に相当する手当を支給する必要があります。
ただし、労働基準法では、労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合には、解雇予告手当の支払いは不要とされています。
重責解雇に該当する場合には、この解雇予告手当の支払いが不要なケースに該当することが多いため、解雇予告手当の支払いもされないことが多いのです。
A:重責解雇をしても、助成金は出る傾向にあります。
会社都合での退職を出していないことが助成金の支給条件とされていることがあります。
しかし、重責解雇の場合には自己都合との扱いになるため、重責解雇をした場合でも、助成金の支給対象からは外されないことが多いのです。
そのため、会社は、重責解雇に該当しないような場合でも、重責解雇にチェックをしてくることがあります。
なお、助成金の支給要件は、助成金ごとに異なりますので個別に確認する必要があります。
解雇に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください。
労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
労働弁護士コンパスでは、労働問題に注力している弁護士を探すことは勿論、地域や個別の相談内容から、あなたにマッチする最高の弁護士を探すことができます。
初回無料相談や電話・オンライン相談可能な弁護士であれば、少ない負担で気軽に相談をすることができます。
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以上のとおり、今回は、重責解雇とは何かを説明したうえで、離職票や具体例、重責解雇された場合の対処法を解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
この記事が会社から重責解雇をされてしまい困っている方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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