2025年3月8日
労働一般
厚生労働省のブラック企業リスト(2024)!地域と掲載企業の傾向
カントリーマネージャーでも、クビを言い渡されることはよくあります。もっとも、日本の法律で権利が守られることも少なくありません。今回は、カントリーマネージャーなのにクビになった場合について、4つの解雇理由や法律と対処法を解説します。
2026/02/04
不当解雇

カントリーマネージャーでも、クビを言い渡されることはよくあります。
むしろ、カントリーマネージャーだからこそ、本社の評価もかなりドライに行われますし、社内政治の影響を受けやすいです。
今回は、カントリーマネージャーなのにクビになった場合について、4つの解雇理由や法律と対処法を解説します。

この記事の要点
・カントリーマネージャーがクビにされる主な理由としては、以下の4つがあります。
理由1:パフォーマンス不足
理由2:ポジションクローズ
理由3:ハラスメント
理由4:日本からの撤退
・カントリーマネージャーのクビとポイントを整理すると以下のとおりです。
ポイント1:契約の実態をよく確認する
ポイント2:KPIの達成状況と反論の証拠を集めておく
ポイント3:日本で争う実効性を検討しておく
ポイント4:実績や専門性のある弁護士を探す
この記事を読めば、カントリーマネージャーがクビになったらどうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次
労働弁護士コンパスで
労働問題に強い弁護士を探す

カントリーマネージャーとは、外資系企業が日本市場へ展開する際に、日本拠点の最高責任者として任命される役職のことです。
日本国内におけるビジネス全般を統括し、海外本社の意向を汲み取りながら、日本での売上拡大や組織運営を行う重要な役割を担っています。
非常に高い専門性とリーダーシップが求められるポジションですが、一方で本国からの期待も大きく、経営成績や社内政治の影響をダイレクトに受けやすい立場でもあります。
例えば、日本法人をゼロから立ち上げたり、現地スタッフの採用やマネジメントを一手に引き受けたりといった幅広い業務を遂行します。
このように、日本の現場と海外の本社を繋ぐ架け橋として、大きな権限と責任を背負って活動するのがカントリーマネージャーという職種です。
カントリーマネージャーがクビになる背景には、個人の能力の問題だけでなく、外資系企業特有の経営判断が深く関わっています。
ときに理不尽な理由に解雇を言い渡されることも少なくありません。あくまでもこれらの解雇理由は表面上のもので、実際の理由は別にあることもあります。
例えば、カントリーマネージャーがクビにされる主な理由としては、以下の4つがあります。

それでは、カントリーマネージャーがクビになる具体的な理由について順番に見ていきましょう。
カントリーマネージャーが解雇される最も代表的な理由は、会社側が期待していた成果を出せなかったというパフォーマンス不足です。
外資系企業は数値目標に対して非常にシビアであり、あらかじめ設定したKPI(重要業績評価指標)が達成できないと、すぐに適性がないと判断される傾向があるからです。
例えば、売上目標に届かなかったり、計画していた時期までに組織を拡大できなかったりする場合に、解雇の対象となるケースがあります。
ただし、一度や二度の目標未達だけでクビにすることは日本の法律では難しく、本当にカントリーマネージャーに落ち度があったのかも重要なポイントとなります。
能力不足による解雇については、以下の記事で詳しく解説しています。
会社の組織改編によってその役職自体がなくなる「ポジションクローズ」を理由に、クビを言い渡されることもあります。
これは、会社全体でコストを削減したり、管理体制をスリム化させたりするために、特定の拠点や部署を縮小する経営判断が行われるためです。
例えば、これまで日本に拠点を置いていたけれど、アジア全体の管理をシンガポールに集約することになり、日本のトップという役職が不要になるケースが考えられます。
このような場合でも、会社は解雇を避けるための努力を尽くす義務があるため、簡単に「役職がなくなったから明日から来なくていい」とすることはできません。
ポジションクローズについては、以下の記事で詳しく解説しています。
部下に対するパワハラやセクハラといった、職場での不適切な行為を理由に解雇されるケースも増えています。
外資系企業はコンプライアンス(法令遵守)の意識が非常に高く、組織のトップであるカントリーマネージャーが倫理に反する行動をとった場合、厳しい対応します。
例えば、部下に対して大声で叱責したり、無理なノルマを強要して精神的に追い詰めたりといった行為が、社内の内部通報によって発覚するケースがあります。
一度ハラスメントと認定されると、これまでの実績にかかわらず厳しい処分を下されたり、即時の解雇を求められたりする可能性があります。
ハラスメントによる解雇については、以下の記事で詳しく解説しています。
会社が日本市場から完全に引き上げる「日本撤退」に伴い、カントリーマネージャーも解雇されることがあります。
ビジネス上の戦略ミスや世界情勢の変化によって、日本での事業継続が困難であると本国が判断するためです。
例えば、思ったように利益が上がらなかったり、本国が特定の事業領域から手を引くことを決定したりした場合に、日本法人そのものを閉鎖する手続きがとられます。
事業自体がなくなるため、解雇の回避は現実的に難しくなりますが、その際にも退職金の加算(パッケージ)の提示があることもあります。
カントリーマネージャーであっても、日本国内で働く以上は日本の法律が優先的に適用されます。
外資系企業は本国のルールで解雇を強行しようとすることがありますが、日本の法規制を知っておくことで、不当なクビに対して対処することができるでしょう。
自分の身を守るための法的根拠を理解しておくことは、会社側と対等に交渉を進めるために欠かせません。
例えば、カントリーマネージャーのクビと日本の法律として、知っていただきたいことは以下の3つです。
それでは、カントリーマネージャーを守る日本の法律について順番に見ていきましょう。
たとえ海外に本社がある外資系企業であっても、日本で働く労働者には日本の労働法が適用されます。
なぜなら、法的には「労務を提供すべき地」の法律に従うという原則があるため、本国の契約書に「本国の法律に従う」と書かれていても、日本の労働者保護のルールを無視することはできないからです。
例えば、アメリカの企業が「当社のルールでは即日解雇が可能だ」と主張しても、日本国内での勤務であればその主張は通りません。
このように、どこの国の会社であっても、日本で働いている以上は日本の法律によって手厚く守られることになります。
契約の実態が「労働者」であると判断されれば、日本の非常に厳しい解雇規制である「解雇権濫用法理」が適用されます。
これは、客観的に合理的な理由があり、かつ社会通念上相当であると認められない限り、会社は従業員を解雇できないというルールです。
例えば、カントリーマネージャーという立場であっても、思ったより業績が伸びていないと言ったような主観的な理由では解雇は難しいです。
会社側に原因があって業績目標を達成できなかったような場合に解雇することも不合理とされることになります。
もし「労働者」ではなく、登記された「役員」として委任契約を結んでいたとしても、不当な解雇に対して損害賠償を請求できる場合があります。
会社側が正当な理由なく役員を任期途中で解任した場合には、残りの任期期間中に得られたはずの報酬相当額などを支払う義務が生じるからです。
例えば、本国の経営陣との意見の相違だけで突然クビにされたり、理由を説明されないまま解任されたりといったケースでは、会社に金銭的な補償を請求できることがあります。
労働法による保護が受けられない場合であっても、会社側の勝手な都合による解任に対しては、法的に責任を追及できる道が残されています。
カントリーマネージャーが突然の解雇を言い渡されたときには、焦らずに冷静に対応していきましょう。
正しい対処法を知っておくことで、会社側と有利に交渉を進めたり、納得のいく解決を導き出したりすることが可能になります。
例えば、カントリーマネージャーがクビになった場合の対処手順としては、以下のとおりです。
それでは、カントリーマネージャーがクビになった際の対処法について順番に見ていきましょう。
解雇や退職勧奨を受けた際、その場で安易に退職合意書などの書類にサインをしてはいけません。
一度サインをしてしまうと「自分の意思で納得して辞めた」とされてしまい、後から解雇の不当性を訴えたり、会社に補償を求めたりすることが非常に難しくなるからです。
また、書類にサインをしなくても、発言や態様でも退職は成立しますし、不利になることはありますので、まずは聞きに徹しましょう。
「弁護士に相談したので一度持ち帰らせていただきます」とだけ伝えて、持ち帰ってくるのがおすすめです。
会社側からクビを宣告されたら、できるだけ早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。
法的な見通しを分析したうえで、あなたの意向や事案に応じて適切な方針を立て、一貫した対応していくことが成功の秘訣です。
とくにカントリーマネージャーのクビについては、通常の従業員に比べて法的な争点も多岐にわたります。
そのため、早い段階で一度弁護士に相談したうえで対応していくべきなのです。
弁護士のアドバイスを受けながら、まずは会社側と話し合い(交渉)による解決を目指します。
話し合いにより解決することができれば、少ない負担と労力で良い解決をすることができる可能性があります。
また、柔軟な解決をしやすいので、今後のキャリアを傷つけないよう形で解決できることも多いです。
そのため、お互い歩み寄って落としどころを見つけることが可能か模索してみるといいでしょう。
話し合いでの解決が難しい場合には、労働審判や訴訟で争う方法があります。
労働審判は原則3回以内の期日で結論を出すことを目指し、平均で3か月程度と比較的短期間で解決できます。
労働審判については、以下の記事で詳しく解説しています。
労働審判とは何かについては、以下の動画で詳しく解説しています。
一方、訴訟は解決まで1年以上かかることもありますが、最終的な判決によって法的拘束力のある判断が得られます。
不当解雇の訴訟については、以下の記事で詳しく解説しています。
不当解雇の訴訟については、以下の動画で詳しく解説しています
カントリーマネージャーが不当なクビに対抗するためには、事前の準備と戦略的な視点が欠かせません。
外資系企業とのトラブルでは、客観的な証拠の有無や契約の実態が解決の成否を大きく左右するからです。
あらかじめ押さえるべきポイントを理解しておくことで、会社側からの無理な要求を退けたり、自分にとって有利な条件で解決したりできる可能性が格段に高まります。
例えば、カントリーマネージャーのクビとポイントを整理すると以下のとおりです。
それでは、具体的なポイントについて順番に見ていきましょう。
最初に行うべきは、自分と会社との契約がどのような実態になっているかを詳しく確認することです。
形式上の役職名だけではなく、実際にどのような扱いを受けていたかによって、労働法で守られる「労働者」に該当するかどうかが決まります。
登記簿上で取締役になっているか、雇用保険には入っているか、どのような名目で対価を支給されているか、指揮監督を受けているかと言ったことを見ていきます。
会社との契約関係を把握することが方針を決めるうえでの第一歩となります。
会社側から「成績不振」を理由にされた場合に備えて、目標(KPI)の達成状況や業務のプロセスを示す証拠を揃えておきましょう。
KPIを達成できなかったことから直ちに解雇が有効となるわけではなく、客観性や合理性、相当性といった点が議論されるためです。
例えば、本国が決めた目標設定が市場の状況を無視してあまりに過大であったり、必要な予算や人員を会社側が提供しなかったりしたことを示すメールなどを保存しておきましょう。
解雇された後だと証拠を集めることも難しくなることもありますので、早い段階で証拠を確保することが大切です。
トラブルが発生した際に、日本の裁判所で争うことの実効性(実際に解決できる見込み)を検討しておきましょう。
日本に財産がなかったり、日本に会社の実態がなかったりと言った場合には、仮に勝訴判決を受けても、あまり意味がないことがあります。
例えば、日本に登記されていない外国法人と直接契約をして立ち上げ作業をやっていたという場合などでは、日本で実効性のある解決が困難なことがあります。
また、日本から撤退してしまう場合には、勝訴したところで、すでに日本には差し押さえるべき財産もなくなってしまうということがあります。
そのため、時間とコストをかけて争っていくことで、実効性のある解決をできるのかと言うことを弁護士に相談しましょう。
カントリーマネージャーの解雇問題に対処するには、外資系企業の特有の労働慣行に詳しく、実績のある弁護士を見つけることが極めて重要です。
この種の問題は、カントリーマネージャーの業務内容への理解が必要となり、「パッケージ」と呼ばれる一般的な解雇事案とは異なる専門的なノウハウも求められるからです。
外資系企業の労働問題やカントリーマネージャーの解雇問題などに強い弁護士を探すことがおすすめです。
カントリーマネージャーのクビについてよくある疑問を整理すると以下の4つがあります。
これらの疑問を順番に解消していきましょう。
A.日本のトップという責任ある立場であっても、本社の期待に応えられなければクビを言い渡されることは珍しくありません。
グローバルでレポートラインが構成されていることが多く、日本のトップであってもグローバルで見れば中間管理職に過ぎません。
本国がカントリーマネージャーをクビにするという判断をすれば、解雇を言い渡されることがあるのです。
A.年収の高さそのものが解雇の正当性を決めるわけではありませんが、高額な報酬を得ている場合は、裁判などで求められる能力のハードルが通常より高くなる傾向があります。
会社側は「高い給料を支払っているのだから、相応の成果を出すのは当然だ」と主張し、期待された役割を果たせていないことを解雇の理由に挙げやすくなるからです。
例えば、OTEで年俸5000万円程度もらっているカントリーマネージャーであれば、年俸1000万円程度の他の従業員に比べ厳しく判断されることもなるでしょう。
即戦力となることを期待して採用したのであり、PIPなどの改善の機会を与えることは前提としていなかったなどと主張されることもあります。
ただし、年収が高い場合でも、客観的に合理的な理由がなく社会通念上相当と言えない解雇が無効になることは変わりません。
A.社長と言われていても、取締役になっているのは外国本社の人間で、労働者として雇用されているという場合には、不当解雇として争える可能性があります。
一方で、代表取締役として登記されていて、雇用されているという実態もない場合には、正当な理由のない解任などとして損害賠償の請求を検討することになります。
(参照:東京地判平成25年7月26日)
A.勤務している会社が日本に法人登記をしていない場合でも、日本国内で働いているのであれば日本の法律に基づいて争うことができる可能性はあります。
ただし、実効性がない場合がありますので、弁護士に見通しを確認しましょう。
解雇に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください。
労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
労働弁護士コンパスでは、労働問題に注力している弁護士を探すことは勿論、地域や個別の相談内容から、あなたにマッチする最高の弁護士を探すことができます。
初回無料相談や電話・オンライン相談可能な弁護士であれば、少ない負担で気軽に相談をすることができます。
どのようにして弁護士を探せばいいか分からないという場合には、まずは試しにこの労働問題弁護士コンパスを使ってみてください。
労働弁護士コンパスで
労働問題に強い弁護士を探す
以上のとおり、今回は、カントリーマネージャーなのにクビになった場合について、4つの解雇理由や法律と対処法を解説しました。
この記事がカントリーマネージャーとして働いたらクビを言い渡されてしまい悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
弁護士に相談する
人気記事
2025年3月8日
労働一般
カントリーマネージャーでも、クビを言い渡されることはよくあります。もっとも、日本の法律で権利が守られることも少なくありません。今回は、カントリーマネージャーなのにクビになった場合について、4つの解雇理由や法律と対処法を解説します。
2025年2月22日
不当解雇
カントリーマネージャーでも、クビを言い渡されることはよくあります。もっとも、日本の法律で権利が守られることも少なくありません。今回は、カントリーマネージャーなのにクビになった場合について、4つの解雇理由や法律と対処法を解説します。
2025年4月13日
ハラスメント
カントリーマネージャーでも、クビを言い渡されることはよくあります。もっとも、日本の法律で権利が守られることも少なくありません。今回は、カントリーマネージャーなのにクビになった場合について、4つの解雇理由や法律と対処法を解説します。