2025年3月8日
労働一般
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2025/10/22
不当解雇


会社から口頭で解雇予告をされてしまいどうすればいいのか悩んでいませんか?
解雇と言う重大な事項であるにもかかわらず口頭で言われることに不安を感じる方も多いですよね。
解雇予告は、法律上は口頭でも有効です。
ただし、そのような発言をしていないと言われたり、解雇予告の趣旨ではなかったと言われたりするリスクがあります。
そのため、口頭で解雇予告をされた場合には、まずはいくつかの確認をするようにしましょう。
解雇予告をされた場合には、口頭で行うこと自体は問題がないとしても、法律上、厳格な規制がありますので濫用として不当となることがあります。
もし、口頭で解雇予告をされた場合でも、あなた自身の生活や権利を守るためにも、焦らず、冷静に対処していくことが大切です。
実は、口頭での解雇予告はトラブルとなることが非常に多く、証拠がないまま会社側の口頭による発言を鵜呑みにして行動すると不利な立場となってしまうことがあります。
今回は、解雇予告は口頭でも有効であることを説明したうえで、2つのリスクや確認事項と簡単な対処法4つを解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば、解雇予告を口頭でされた場合にどうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次
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解雇予告は、口頭だけでも有効です。
法律上、必ずしも書面で行わなければならないとされているわけではないためです。
そのため、「紙を渡されていないから解雇ではない」と思い込んでしまうと、退職日を過ぎてから給料が出ないなどの問題に発展するおそれがあります。
例えば、「○月末で解雇するから」などと上司から言われた場合、それだけで解雇予告として成立する可能性があります。
このような一言が、法律上の重要な意味を持ってしまうこともあるのです。
つまり、解雇の話を口頭で言われたら、それだけで解雇が成立する可能性があるという点を、まずは正しく理解しておきましょう。
口頭での解雇予告は法律上有効ですが、トラブルにつながるリスクが高いのも事実です。
解雇の予告は口頭でも有効だからと、会社側の発言のみを信じて行動してしまうと思わぬ不利益を被るリスクがあります。
具体的には、口頭で解雇予告された場合のリスクとしては、以下の2つがあります。
それでは、これらのリスクについて順番に説明していきます。
口頭でのやりとりは記録に残りにくいため、後から会社が発言自体を否定する可能性があります。
「そんなことは言っていない」と言われてしまえば、労働者側が証明するのはとても難しくなります。
これは、書面や録音がない場合、解雇予告の事実自体がなかったことにされてしまうおそれがあるためです。
例えば、上司に「今月末で辞めてもらう」と言われたのに、後日「そんな話はしていない」と言い逃れされた場合、退職の扱いや補償の問題で不利益を受けるかもしれません。
つまり、口頭だけの解雇予告では、あとで言った言わないのトラブルになるリスクがあることを意識しておく必要があります。
もう1つのリスクは、会社側が「注意やアドバイスのつもりだった」などと主張するケースです。
たとえ解雇と受け取れるような発言であっても、「解雇を伝えたつもりはなかった」と言い換えられてしまう可能性があります。
これは、発言の趣旨が不明確なままだと、労働者が勝手に辞めたように扱われてしまい、解雇予告手当などの支払いを受けられなくなるリスクがあるからです。
無断欠勤として扱われたり、自己都合退職として扱われたりしてしまうリスクもあります。
例えば、「このままだと辞めてもらうことになるよ」と言われた場合、それが実際の解雇予告なのか、単なる警告なのか、はっきりしないままでは非常に危険です。
このように、発言の真意があいまいなままだと、あなたに不利な判断がされることもあるという点に注意しなければなりません。
口頭で解雇予告を受けた場合、すぐに受け入れるのではなく、まずは内容を冷静に確認することが大切です。
あなた自身の権利を守るためには法律関係を明確にすることで先決です。
例えば、口頭で解雇予告された場合の確認事項としては、以下の3つがあります。
それでは、順番に見ていきましょう。
まず確認すべきは、その発言が本当に「解雇予告」のつもりでされたものかどうかです。
「辞めてもらうことになるかも」といったあいまいな表現は、注意喚起や警告にすぎない場合もあります。
言い方が曖昧だと、会社が後から「まだ解雇はしていない」「話し合いのつもりだった」と言ってくることがあります。
例えば、「君とは一緒に働けないと思ってる」とだけ言われた場合、それが実際の解雇なのか、ただの感情的な発言なのか判断がつきにくいですよね。
このため、「今の発言は解雇予告と受け取ってよいのですか?」と確認することが重要です。
趣旨がはっきりしないまま動かないようにしましょう。
次に大事なのは、解雇日です。
つまり、いつ解雇の効力が発生するのか、何月何日に退職したものとして処理されるのかということです。
この日があいまいなままだと、出勤を続けていいのか、給料がいつまで出るのかも分からなくなってしまいます。
労働基準法では、原則として「解雇日の30日前」までに予告するか、または「解雇予告手当」を支払う必要があります。
例えば、「今日付けで解雇だ」と言われた場合、30日前の予告がなければ手当の支払いが必要になります。
解雇日がいつなのかは、よく確認しておくようにしましょう。
最後に確認すべきは、解雇される理由が何なのかです。
解雇には客観的に合理的な理由が必要であり、曖昧な説明や主観的な理由では、不当解雇とされる可能性があります。
会社が「業務に向いていないから」などと曖昧に言うだけでは、解雇の正当性を判断できません。
例えば、「仕事にミスが多かった」という理由でも、具体的な根拠が伴っていなかったり、改善指導がされていなかったりすれば、不当とされることがあります。
理由が明確でない場合は、「その理由は文書でいただけますか?」と伝えるのが有効です。
口頭で解雇予告されたとしても、すべてが法律上有効とは限りません。
労働者を解雇するには、客観的に合理的な理由があり、社会的に相当であることが必要なためです。
無効となれば、解雇日から解決日までの賃金を遡って請求できる可能性があります。
具体的には、口頭で解雇予告された場合に不当なるケースとしては、以下の3つがあります。
それでは、順番に見ていきましょう。
解雇には、客観的な理由が必要となります。
単なる感情や主観だけでは、解雇の正当性は認められません。
例えば、「あなたにはやる気が感じられない」と言われても、具体的な勤務状況や評価が示されなければ、それだけでは解雇の理由にはなりません。
つまり、会社側の主張があいまいで、事実に基づいていないときには、その解雇は無効となる可能性があるということです。
解雇理由が不合理であるである場合にも、不当解雇になる可能性があります。
労働者に非がない場合や理由が一方的または理不尽な場合などです。
例えば、達成不可能なノルマを課されて、それを達成できなかったことを理由に解雇するようなことは、不合理でしょう。
また、「上司に意見した」といったことだけを理由に解雇された場合、不当とされやすいでしょう。
雇用を継続できないほどの事情がない場合には、解雇は不当とされることになります。
解雇は最終手段とされており、たとえ勤務態度に問題があるとしても、いきなり解雇ではなく、まずは指導や配置転換などの対応をとるべきとされているためです。
例えば、接客態度に課題があるなら、注意指導を行い、それでも改善が見られない場合に限って処分を検討すべきです。
また、業務内容を変えることで対応できるのであれば、異動などの方法をとるべきです。
こうした努力を一切せず、いきなり解雇するような対応は、社会通念上相当とは言えず、不当とされる可能性が高いといえるでしょう。
口頭で解雇予告を受けたときは、不安や動揺で正しい判断ができなくなることもありますが、まずは冷静に行動することが大切です。
というのも、解雇に関するトラブルは証拠の有無や初動の対応によって結果が大きく変わるからです。
感情的に反応してしまうと、後から状況を覆すことが難しくなることもあります。
具体的には、口頭で解雇予告をされた場合の対処法としては、以下のとおりです。

それでは、順番に見ていきましょう。
口頭で解雇予告されたら、まずは弁護士に相談することがおすすめです。
解雇の有効性や手続きの妥当性、今後の対応についてアドバイスを受けることで、不安が軽減されるだけでなく、具体的な行動が明確になります。
法律の専門知識が必要となる場面では、独力では判断が難しいことが多くあります。
例えば、「これは不当解雇になるのか?」「証拠として何が必要か?」など、疑問がある場合でも、弁護士に聞けばすぐに方向性がわかります。
自分だけで悩まず、まずは専門家の意見を聞くことが、冷静な対応につながります。
次に重要なのが、「解雇理由証明書」の請求です。
これは労働者が求めた場合、会社が必ず書面で解雇理由を明示しなければならないものです(労働基準法22条)。
この書面は、解雇の理由が合理的かどうかを判断するための重要な材料になります。
例えば、「会社都合」と言っていたのに、後から「自己都合退職だった」と言われるようなトラブルを防ぐことができます。
言った言わないにならないよう、書面として証拠を残すことが非常に大切です。
解雇が不当である場合には、会社に対して解雇が不当である旨を通知したうえで、交渉しましょう。
解雇が不当であるとの通知書を送付すると、2週間程度で会社から回答があるのが通常です。
会社から回答があると争点が明らかになりますので、話し合いにより折り合いをつけることが可能かどうか協議しましょう。
示談により解決することができれば、少ない負担と労力で良い解決をすることができる可能性があります。
話し合いにより解決することが難しい場合には、裁判所を用いた解決を検討しましょう。
労働審判は、訴訟よりも迅速に解決することを期待できる手続きで、原則3回以内の期日で解決を目指します。平均審理期間は3か月程度です。
労働審判については、以下の記事で詳しく解説しています。
労働審判とは何かについては、以下の動画で詳しく解説しています。
一方、訴訟は時間がかかりますが、より正式な判断を得たいときに利用されます。解決まで1年以上を要することもあります。
不当解雇の訴訟については、以下の記事で詳しく解説しています。
不当解雇の裁判については、以下の動画でも詳しく解説しています。
口頭で解雇予告をされた場合には、いくつか注意してほしい点があります。
軽率な態様をしてしまうと不利になってしまうこともあるためです。
例えば、口頭で解雇予告された場合の注意点としては、以下の3つです。
それでは、順番に見ていきましょう。
口頭でのやり取りは証拠が残らないため、できる限り録音などで記録を残しておくことが大切です。
のちのち「そんなことは言っていない」と会社に言われた場合でも、音声があれば事実を証明できます。
録音はスマートフォンのアプリなどでも簡単に行えますし、発言の真意を確認するためにも役立ちます。
例えば、「この前の話ですが、○月○日付けの解雇ということで間違いないですか?」と聞き直す場面などで録音しておくと、あとから有力な証拠になります。
口頭でのやりとりはあいまいになりやすいため、記録を残しておくことが身を守る手段になります。
退職勧奨の録音について、以下の記事で詳しく解説しています。
会社から解雇のような発言があったとしても、その趣旨がはっきりしないうちは、出勤を継続するのが安全です。
なぜなら、出勤しなければ「自分から辞めた(自己都合退職)」とされてしまう可能性があるからです。
発言内容だけで判断せず、文書などで正式に解雇が通知されるまでは、基本的には出勤を続けましょう。
例えば、「もう来なくていいよ」とだけ言われたような場合でも、翌日以降も出勤の意思を示すことで、会社側に解雇の責任を明確にさせることができます。
自己判断で無断欠勤すると不利になることがありますので、出勤の姿勢は保ちましょう。
会社から解雇を告げられた場合でも、その場で「わかりました」「自分から辞めます」などと答えないように注意してください。
不用意にそうした発言をしてしまうと、「自己都合退職に同意した」などと指摘されることがあるためです。
解雇に納得していない場合は、退職を認めるような言動は避け、「後日確認します」「一度持ち帰って検討します」など、保留の姿勢を示すのが安全です。
例えば、「はい、わかりました」とだけ答えてしまったことで、会社側が「合意退職だった」と主張してくるケースもあります。
自分の意思をはっきりと伝えることが、解雇の無効を争う際にも大きな力になります。
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労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
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以上のとおり、今回は、解雇予告は口頭でも有効であることを説明したうえで、2つのリスクや確認事項と簡単な対処法4つを解説しました。
この記事の内容を簡単に整理すると以下のとおりです。

まとめ
・解雇予告は、口頭だけでも有効です。
・口頭で解雇予告された場合のリスクとしては、以下の2つがあります。
リスク1:そのような発言はしていないと言われる
リスク2:解雇予告の趣旨ではなかったと言われる
・口頭で解雇予告された場合の確認事項としては、以下の3つがあります。
確認事項1:解雇予告の趣旨かどうか
確認事項2:解雇日がいつか
確認事項3:解雇理由は何か
・口頭で解雇予告された場合に不当なるケースとしては、以下の3つがあります。
ケース1:解雇理由に客観的な根拠がない場合
ケース2:解雇理由が不合理である場合
ケース3:雇用を継続できないほど事情がない場合
・口頭で解雇予告をされた場合の対処法としては、以下のとおりです。
対処法1:弁護士に相談する
対処法2:解雇理由証明書を請求する
対処法3:交渉する
対処法4:労働審判・訴訟を提起する
・口頭で解雇予告された場合の注意点としては、以下の3つです。
注意点1:会社とのやり取りを録音する
注意点2:趣旨が不明確なうちは出勤する
注意点3:退職を認める発言や態様をしない
この記事が会社から口頭で解雇予告をされてしまいどうすればいいのか悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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