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2025年3月8日
労働一般
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2025/07/19
残業代
週6勤務がしんどいと感じていませんか?
週に1日にしか休日がなければ疲れも取れませんよね。
週休1日制の会社は7.5パーセントにとどまっており、当たり前のことではありません。
週6勤務自体は直ちに違法となるわけではありません。
ただし、法定労働時間を超える場合、又は、1日も休日がない週がある場合には、36協定が必要となります。
また、これらの場合には、残業代の支払いが必要となりますので、残業代が支給されていなければ違法となります。
週6勤務がしんどい場合には、状況を改善するためには、労働者においていくつかの対処を試してみるといいでしょう。
実は、人手が少ない中小企業などの事案では、休日出勤が常態化している一方で、残業代がしっかりと支払われていないというケースをよく目にします。
この記事をとおして、週6勤務に苦しんでいる労働者の方々に、労働時間や休日についての知識をわかりやすくお伝えしていくことができれば幸いです。
今回は、週6勤務が当たり前ではないことを説明したうえで、違法性やしんどい場合の簡単な対処法4つを解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、週6勤務がしんどい場合にどうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次
週6勤務は、現代の日本の労働環境においては「おかしい」と感じるのが自然です。
とくに、「週1日しか休めない」状態が常態化している職場は、働き方の見直しが必要です。
なぜなら、現代社会では「週休2日制」が一般的であり、週6勤務はすでに少数派となっているからです。
厚生労働省の調査でも、週休1日制の会社は7.5パーセントにとどまっています。
例えば、中小企業や建設業、サービス業などでは、いまだに週6勤務が当たり前のように行われていることがあります。
しかし、こうした現場でも近年は労働時間の見直しが進み、週休2日制を導入する企業が増えてきています。
一方で、「今の仕事が好きだから苦にならない」と言って働き続ける人もいますが、健康を損ねてからでは手遅れです。
「働ける体」を維持することが、長く安定して働くためには何よりも重要です。
したがって、「週6勤務は当たり前」と受け入れる必要はありません。
週6勤務は少数派であり、しんどいと感じているあなたの感覚は正常です。「我慢するのが当然」ではなく、「働き方を見直すべきタイミングに来ている」と考えましょう。
週6勤務自体は直ちに違法となるわけではありません。
労働基準法では、週に1日の休日を与えなければいけないとしているにすぎず、週に2日以上の休日を与えなければいけないとはしていないためです。
例えば、ある工場において、週6日勤務でも、毎日6.5時間勤務・週39時間で、残業はゼロ。
毎週日曜日は確実に休みが取れているという体制をとっている場合、こちらは労働基準法の範囲内で合法的な週6勤務となります。
このように、「週6勤務がすべて悪」というわけではありません。
ただし、週6勤務の場合は、週の法定労働時間である40時間を超過しがちなので、このような場合は次章で説明するように36協定を締結しなければ違法となる可能性があります。
週6勤務で働く場合において、法定労働時間や法定休日に勤務することが必要となる場合には、36協定の締結が必要となります。
労働基準法では、労働時間や休日について一定の規制を行っているためです。
36協定とは、労働基準法36条に基づく労使間の協定で時間外労働や休日労働に関するルールを規定するものです。
具体的には、週6勤務で36協定が必要なケースとしては、以下の3つです。
それでは、これらのケースについて順番に説明していきます。
まず、1日8時間を超えて労働させるには、36協定が必要です。
労働基準法では、1日の労働時間は8時間までとされているためです。
例外的に1日8時間を超えて働くことができるようにするためには、36協定を締結しておく必要があるとされています。
例えば、朝9時から夜7時までの勤務(実働9時間)の職場で、週6勤務をしている場合、36協定がなければ毎日1時間ずつ違法な時間外労働をさせている可能性があります。
次に、週40時間を超える労働をさせる場合にも、36協定が必要です。
労働基準法では、週の労働時間は40時間までとされているためです。
例外的に週40時間を超えて働くことができるようにするためには、36協定を締結しておく必要があるとされています。
例えば、1日8時間勤務で週6日働いている人は、週48時間勤務となります。36協定がなければ8時間の違法な時間外労働をさせている可能性があります。
最後に1週間に1日も休みがない週がある場合には、36協定が必要です。
労働基準法では、週に1日の休日を与えなければならないとされているためです。
例えば、「月曜から日曜まで連続で働いた」というようなケースでは、週1回の休日が取れていないため、36協定がなければ違法となる可能性があります。
週6勤務で働く場合において、法定労働時間や法定休日に勤務することが必要となる場合には、残業代の支払いが必要となります。
これは36協定が締結されている場合でも同様です。
労働基準法では、以下の場合には残業代の支給をすることが義務付けられているためです。
例えば、以下のような勤務パターンを考えてみましょう。
この場合、週の労働時間は 8時間×6日=48時間となります。
週40時間の法定労働時間を8時間オーバーしており、8時間分は時間外労働として、25%増の割増賃金が必要です。
月給24万円の人が月に30時間残業した場合には、1ヶ月あたり、
24万円÷160時間×30時間×1.25倍=5万6250円の残業代となります。
※月平均所定労働時間を160時間としています。
ところが、現実には…、
といった理屈で違法に未払いが続いているケースが非常に多いのです。
仮に3年間このような状態が続いていたのであれば、未払い残業代は202万5000円となります。
週6勤務がしんどい場合には、状況を改善するためには、労働者においていくつかの対処を試してみるといいでしょう。
労働者が何も行動を起こさなければ、ブラックな職場環境はそのままとなってしまい改善しません。
例えば、週6勤務がしんどい場合の対処法は、以下のとおりです。
それでは、これらの対処法について順番に説明していきます。
週6勤務がしんどい場合の対処法の1つ目は、残業代を請求することです。
会社は労働者から残業代を請求されると、法的リスクを意識し、労働時間の見直しや勤務体制の調整に動く可能性があります。
これは、請求を受けたことで「このままではさらに残業代が発生してしまう」と警戒するためです。
また、残業代は3年の時効にかかっていない範囲で遡って請求することが可能です。
たとえ今まで支払われていなかったとしても、証拠があれば数十万円〜百万円以上が回収できることもあります。
週6勤務がしんどい場合の対処法の2つ目は、有給を使うことです。
週6勤務で疲労が蓄積しているとき、1日でも休めば気持ちに余裕が生まれます。
「忙しいから」「今はタイミングが悪いから」と遠慮してばかりでは、いつまで経っても休めません。
有給は労働者の権利であり使わないでいると時効により消滅してしまいますので、気軽に使いましょう。
例えば、有給を月に1~2回でも取得すれば、週6勤務が実質週5勤務に緩和されることもあります。
有給取得に理由を添える義務はありません。「病院に行きます」でも「リフレッシュです」でもOKです。
週6勤務がしんどい場合の対処法の3つ目は、労働条件を相談することです。
会社との話し合いにより、勤務体制や休日の取り方を改善できる可能性があるためです。
例えば、「週1日はきちんと休めるようにしたい」といった提案を、人事や上司に相談することで制度の見直しにつながる場合もあります。
また、会社によっては「シフトの調整」で対応してくれることもあります。
遠慮せず、自分の働き方を見直す話し合いを持ちましょう。それが働きやすさの第一歩です。
週6勤務がしんどい場合の対処法の4つ目は、退職することです。
すでに心身ともに限界なら、「退職」や「転職」も勇気ある選択です。
毎週6日勤務が慢性的に続く環境であれば、十分リフレッシュできず、心身共に疲弊してしまいます。
例えば、「うちの会社はどこも同じだから…」と諦めず、他の職場に目を向けてみると、もっとゆとりのある週休2日制の会社や、リモートワークの職場がたくさんあります。
また、体調を崩してからでは遅いので、退職代行を使ってでも辞める判断も時には必要です。
そのため、あなたが潰れてしまう前に「辞める自由」もあることを忘れずに。人生は一度きりです。
週6勤務についてよくある疑問としては、以下の3つがあります。
それでは、これらの疑問について順番に解消していきましょう。
A.バイトやパートであっても、週6勤務自体は違法とならないのは正社員の場合と同様です。
労働基準法は、休日について、バイトやパートと正社員を区別していないためです。
A.週6勤務の場合には、年間休日は52日になります。
1年間は約52週(365日÷7日)になるためです。
A.週6勤務でうつ病になった際にも、直ちに労災になるわけではありません。
週6勤務と言うだけでは心理的負荷が強となるエピソードとはされておらず、業務起因性が認められない可能性があるためです。
ただし、以下の場合には、心理的負荷が強となるエピソードとされています。
つまり、これらの場合には、業務とうつ病との関連性が強まることになります。
残業代に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください。
労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
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以上のとおり、今回は、週6勤務が当たり前ではないことを説明したうえで、違法性やしんどい場合の簡単な対処法4つを解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
この記事が、週6勤務がしんどいと感じている方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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