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2025年3月8日
労働一般
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2025/07/06
労働災害
自分の不注意で怪我をしてしまい労災の補償を受けることができるのか悩んでいませんか?
自分にも落ち度があるので労災により補償してもらえないのではないか心配になってしまいますよね。
結論としては、自分の不注意で怪我した場合でも、労災になります。
ただし、わざとけがをした場合など一定の場合には例外的に労災の補償を受けられない例外もありますので注意が必要です。
自分の不注意で怪我した場合に労働者が労災の補償を受けないことは自由ですが、労災による怪我には健康保険による補助も受けることもできませんので、積極的に労災を活用した方が良いでしょう。
会社側自分の不注意で怪我したことを理由に労災の申請に協力してくれない場合には、あなた自身が適切な補償を受けるために行動をしていく必要があります。
労災の補償では不十分な部分については、会社に対して損害賠償を請求できる可能性がありますが、自分の不注意で怪我をした場合には、過失相殺により損害賠償請求の一部が認められないこともあります。
実は、労災の申請に協力的な会社ばかりではなく、「自分の不注意なのだから労災の申請はしない」などの誤った言い分で協力を拒否されてしまうことがあります。
この記事をとおして、自分の不注意で怪我をしてしまった労働者の方々に労災についての知識をわかりやすく説明していくことができれば幸いです。
今回は、自分の不注意で怪我した場合も労災になることを説明したうえで、例外4つと簡単な申請手順を解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、自分の不注意で怪我をしてしまった場合の労災について考え方がよくわかるはずです。
目次
結論としては、自分の不注意で怪我した場合でも、労災になります。
労災保険制度は、労働者が業務中や通勤途中に被った怪我や病気に対して補償する制度です。
重要なのは、事故の原因が「誰にあるか」ではなく、「労働が原因で怪我をしたかどうか」です。
例えば、作業中にうっかり足を滑らせて転倒し怪我をした場合でも、労災が適用されます。
重い荷物を運んでいて自分の判断で無理をして腰を痛めた場合でも、業務に起因していれば労災となります。
また、会社に対して損害賠償請求をする場合と異なり、民法上の過失相殺の規定(過失の程度により補償が減額されてしまう制度)は適用されません。
そのため、自分の不注意(過失)による怪我であっても、業務に関連していれば労災の対象になります。
自分の不注意で怪我をした場合に労災にならない例外が存在します。
労災と認められるためにはいくつかの条件があり、また、労災の補償を制限する場合が規定されているためです。
例えば、自分の不注意で怪我をした場合に労災の補償を受けられない例外としては、以下の4つがあります。
それでは、これらの例外について順番に説明していきます。
自分の不注意で怪我をした場合に労災の補償を受けられない例外の1つ目は、労働者ではないケースです。
労災保険制度は、原則として、雇用契約に基づいて働く労働者を対象としています。業務委託契約などで働くフリーランスや個人事業主には適用されません。
例えば、企業から業務委託を受けて作業をしているフリーランスが、その作業中に怪我をした場合、労災ではなく自ら加入している任意の保険などで対応する必要があります。
ただし、一定の条件のもとで特別加入制度を利用すれば、労働者以外であっても、労災保険に加入することができます。
このような場合には労働者でなくても、労災による補償を受けることができる可能性があります。
自分の不注意で怪我をした場合に労災の補償を受けられない例外の2つ目は、わざと怪我をしたケースです。
労災制度は、予期せぬ事故に対して補償を行うものであり、労働者自身が意図的に起こした怪我について補償する制度ではありません。
制度の公平性を維持するためにも、故意の行為は除外されます。
たとえば、仕事をしたくないという理由で自ら手を切るなどの自傷行為をした場合などは労災の対象外です。
自分の不注意で怪我をした場合に労災の補償を受けられない例外の3つ目は、重大な不注意により怪我をしたケースです。
通常の不注意とは異なり、極めて危険な行為や明らかにリスクを無視した行動がある場合、補償額が減額されることがあります。
例えば、高所作業中に安全帯を装着しなかった結果転落した場合などに重大な過失と判断されれば、労災の補償が一部減額される可能性があります。
ただし、重大な過失とまで言えるか否かについては、事案に応じて異なってきますので、弁護士に相談しましょう。
自分の不注意で怪我をした場合に労災の補償を受けられない例外の4つ目は、指揮監督下になく会社の設備が原因でもないケースです。
労災保険は、業務の指揮命令下で生じた事故を対象としています。そのため、会社の業務とは無関係な行為中の怪我や、私的な時間・空間での事故は対象外となります。
例えば、昼休みに会社の敷地外で私的にジョギングをしていて怪我をした場合や、就業時間後に居酒屋で同僚と飲酒中に怪我をしたケースなどが該当します。
自分の不注意で怪我した場合に労働者が労災の補償を受けないことは自由です。
労働者が労災の申請を行う義務まではないためです。
例えば、仕事中に自分の不注意で骨折した場合において、労災を使わずに自費で治療を受けることも可能です。
ただし、労災事故として認定された怪我については、健康保険が使えません。
つまり、労災を使わなければ、治療費や入院費などが全額自己負担となる上、仕事を休んだ期間の賃金補償も受けられず、経済的に大きな打撃を受けます。さらに、後遺障害が残った場合の補償や障害補償年金なども受け取れなくなります。
例えば、通院にかかった費用が10万円、1か月の休業中に支払われなかった給与が20万円だったとすると、労災を使わなかったために合計30万円の自己負担が発生します。これに加え、長期にわたる治療が必要となれば、さらに負担が増えます。労災を利用していれば、医療費は全額補償され、休業補償給付として平均賃金の約80%が支給されるため、経済的負担は大きく軽減されます。
労災を使わなかった場合、「会社に迷惑をかけたくない」といった気持ちが背景にあることもありますが、会社側には労働者の安全を確保し、労災発生時に適切に対応する責任があります。労働者が自ら不利益を受ける必要はありません。
そのため、労災を使わない選択は、想像以上にリスクが高く不利益を被る可能性があるため、補償をしっかり受けるためにも労災を正しく活用しましょう。
会社側が自分の不注意で怪我したことを理由に労災の申請に協力してくれない場合には、あなた自身が適切な補償を受けるために行動をしていく必要があります。
労災の申請は労働者自身で行うものですし、労災の申請をしなければ補償を受けることはできないためです。
具体的には、自分の不注意で怪我をした場合には、以下の手順で労災の申請を行うことがおすすめです。
それでは、これらの手順について順番に説明していきます。
まず、手順の1つ目は、弁護士に相談することです。
どのような補償を受けることができるのか、どのように手続きを進めていくべきか助言してもらうといいでしょう。
また、適切な補償を受けるためには、有利な事実についてポイントを押さえて丁寧に説明をしていく必要がありますので、弁護士のサポートを受けることがおすすめです。
ただし、弁護士であれば誰でもいいというわけではなく、労働問題に注力していて、労災について実績のある弁護士を探すといいでしょう。
次に、手順の2つ目は、申請書類の作成・準備をすることです。
労災の補償を受けるためには、補償の内容に応じた請求書の様式がありますので、これを記入することになります。
厚生労働省のホームページなどでダウンロードすることができます。
主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係主要様式) |厚生労働省
必要な事項を記入したら、事業主と医師に証明をもらう必要があります。
会社側が自分の不注意で怪我をしたことを理由に証明を拒む場合には、不注意があるか否かは労災の証明を拒む理由にはならないことを説明しましょう。
それでも、会社側が証明を拒む場合には、証明を拒否された経緯を残しておくことになります。
次に、手順の3つ目は、労基署に提出することです。
労災の請求書は労基署に提出することになります。管轄の労基署を調べて請求書を提出しましょう。
提出に訪れる前に事前に電話でアポイントをとっておくとスムーズです。
最後に、手順の4つ目は、労基署の調査に協力することです。
労基署は労災の請求を受けた場合には、労災の認定をすることができるか否か調査を行うことになります。
関係者に対するヒアリング、会社への資料提供の依頼、専門家からの意見聴取などが行われます。
労働者自身に対してヒアリングが行われることもありますので協力するようにしましょう。
労災の補償では不十分な部分については、会社に対して損害賠償を請求できる可能性があります。
会社側は、労働者が仕事で怪我をした場合には、安全配慮義務違反などの責任を負うことがあるためです。
たとえば、労災の補償対象外の慰謝料や労災では補填しきれない休業損害などについて、会社に対して賠償を請求できます。
ただし、自分の不注意で怪我をした場合には、過失相殺により損害賠償請求の一部が認められないこともあります。
損害賠償請求には専門知識が必要なので、弁護士への相談をおすすめします。
安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求については、以下の記事で詳しく解説しています。
労災に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください。
労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
労働弁護士コンパスでは、労働問題に注力している弁護士を探すことは勿論、地域や個別の相談内容から、あなたにマッチする最高の弁護士を探すことができます。
初回無料相談や電話・オンライン相談可能な弁護士であれば、少ない負担で気軽に相談をすることができます。
どのようにして弁護士を探せばいいか分からないという場合には、まずは試しにこの労働問題弁護士コンパスを使ってみてください。
以上のとおり、今回は、自分の不注意で怪我した場合も労災になることを説明したうえで、例外4つと簡単な申請手順を解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
この記事が自分の不注意で怪我をしてしまい労災の補償を受けることができるのか悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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籾山善臣
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鈴木晶
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