口外禁止条項とは?例文や正当な理由!意味ない?違反の違約金や相場

口外禁止条項とは?例文や正当な理由!意味ない?違反の違約金や相場

著者情報

籾山 善臣

籾山 善臣 弁護士

リバティ・ベル法律事務所

神奈川県弁護士会所属
取扱分野は、浮気・不倫問題、離婚問題、労働問題等。
【連載・取材】幻冬舎ゴールドオンライン、ちょこっと弁護士Q&A、東京新聞、毎日新聞、週刊女性他

口外禁止条項とは、紛争の内容や示談に至る経緯、内容を口外しないことを約束する条項です

(口外禁止条項)
「甲と乙は、相互に、インターネットへの書き込み・書面掲載・口頭による情報の流布・架電・電子メール等その他方法の如何を問わず、本件に関する情報をみだりに口外、公開しないことを約束する。」

ホウペン

この記事の要点

・口外禁止条項の範囲は、紛争の内容だけではなく、示談の経緯や内容まで含まれることが一般的です。当事者以外の第三者に口外することが対象とされます。

・口外禁止条項の正当な理由とは、税理士や弁護士などの専門家への相談、行政機関への手続、法律に基づいて開示を求められる場合などを指すのが一般的です。

・口外禁止条項に違反した場合の違約金の相場は、30万円~100万円程度とすることが多いでしょう。ただし、解決金の金額によっても異なり、解決金を返還するとの記載とすることもあります。

この記事を読めば、上手に口外禁止条項を活用できるようになるはずです。

目次

1章 口外禁止条項とは

口外禁止条項とは?

口外禁止条項とは、紛争の内容や示談に至る経緯、内容を口外しないことを約束する条項です

解決した後にその内容が周囲に広まってしまうと、お互いのプライバシーが守られず、社会生活に支障をきたす恐れがあります。

そのため、示談や和解の際には、慰謝料の支払いの条項とは別に、口外禁止の条項を入れることがあります。

とくに不倫慰謝料の問題では、その内容について他人に知られたくないと考える人がほとんどであり、通常、口外禁止条項を入れることになります

例えば、慰謝料として支払った金額や不倫の具体的な期間、さらには示談書を交わした事実そのものを他人に話さないようにするケースもあります。

判決では口外禁止はつきませんので、口外禁止条項は、示談や和解だからこそ入れることのできる条項となります。

2章 口外禁止条項の例文・サンプル

口外禁止条項の例文をいくつか紹介します。

2-1 サンプル1:口外禁止条項|網羅的に口外を禁止する例文

(口外禁止条項)
「甲と乙は、相互に、インターネットへの書き込み・書面掲載・口頭による情報の流布・架電・電子メール等その他方法の如何を問わず、本件に関する情報をみだりに口外、公開しないことを約束する。」

不倫慰謝料のトラブルでは、口外を必要とする場面があまり想定されない場合も多く、一方でSNSやブログなどへの書き込みへの懸念があります

このことから「本件に関する情報」と禁止の対象を広く記載して、禁止する態様を例示する記載の仕方も多いです。

「みだりに」との記載をすることで、正当な理由がある場合には口外禁止違反とならない余地があることになります。

2-2 サンプル2:口外禁止|紛争の内容や和解に至る経緯・内容の口外を禁止する例文

(口外禁止条項)
「甲と乙は、本紛争の内容並びに本和解に至る経緯及び内容を正当な理由がある場合を除き第三者に口外しないことを相互に約束する。」

裁判所などから提示されることのある、一般的な口外禁止条項です

「本紛争の内容並びに本和解に至る経緯及び内容」との口外禁止の範囲については、事案に応じて、当事者の意向を確認しながら微調整することになります。

正当な理由がある場合には、口外しても、口外禁止条項には違反しないことになります。

2-3 サンプル3:口外禁止+違約金(金額を記載するパターン)

(口外禁止条項)
1「甲と乙は、相互に、インターネットへの書き込み・書面掲載・口頭による情報の流布・架電・電子メール等その他方法の如何を問わず、本件に関する情報をみだりに口外、公開しないことを約束する。」
2「甲又は乙は、前項に違反した場合には、相手方に対して、違約金として、50万円を支払う。ただし、これは賠償額の予定ではなく、相手方に損害が生じた場合には、別に損害を賠償しなければならない。」

口外禁止条項について、第2項を作り、前項に違反した場合には、違約金として50万円を支払うことを記載しています

このままだと損害賠償額の予定とされてしまい、50万円を超える損害が発生していたとしても、50万円しか請求できないリスクがあります。

そのため、但書で賠償額の予定ではなく、別途損害賠償を請求できることを記載しています。

2-4 サンプル4:口外禁止+違約金(解決金相当額を返還するパターン)

(口外禁止条項)
1「甲と乙は、相互に、インターネットへの書き込み・書面掲載・口頭による情報の流布・架電・電子メール等その他方法の如何を問わず、本件に関する情報をみだりに口外、公開しないことを約束する。」
2「甲は、乙に対し、前項に違反したときは、第●項の金員のうち、上記義務違反が明らかになったときまでに未払の金員の支払義務を免除し、既に受領済みの金員を返還する。ただし、これは賠償額の予定ではなく、乙に損害が生じた場合には、別に損害を賠償しなければならない。」
3「乙は、甲に対し、第1項に違反したことによって、甲に損害が生じた場合には、損害を賠償する。」

口外禁止条項について、第2項と第3項を作り、口外禁止違反の場合の効力を書いています

第2項では、口外禁止違反があった場合には、解決金を支払わないこと又は返還を求めることを記載しています。別途損害賠償をすることも記載しています。

不倫慰謝料の相場は50万円~300万円であり、違約金として50万円を請求すると記載するよりも、解決金の返還を求めるとした方が口外への抑止力となることもあります。

不倫の慰謝料相場については、以下の記事で詳しく解説しています。

3章 口外禁止条項の範囲

口外禁止条項を正しく守るためには、「どのような内容を」「誰に対して」「どのような方法で」話してはいけないのかという3つの範囲を正しく理解しておく必要があります。

自分では「これくらいの内容なら大丈夫」「この方法ならバレないだろう」という思い込みが、結果として約束違反を招き、大きなトラブルに発展するケースが多いからです

例えば、口外禁止の範囲としては以下の3点があります。

・秘密にすべき情報の範囲(内容面)
・口外が禁止される人の範囲(人的面)
・口外が禁止される態様の範囲(方法面)

それでは、口外禁止の具体的な範囲について順番に見ていきましょう。

3-1 秘密にすべき情報の範囲(内容面)

口外禁止の対象となる情報の範囲は、不倫の事実そのものだけでなく、示談に至るまでのプロセスや合意した条件のすべてを含みます

一部の情報だけでも外に漏れてしまうと、そこから芋づる式にプライバシーが特定され、相手の名誉を傷つけるリスクがあるからです。

単に「不倫をした」という事実を伏せるだけでなく、解決に向けた一切のやり取りを秘密にすることが求められます。

慰謝料として支払った具体的な金額や支払い回数、さらには話し合いが行われた場所や日時といった細かい経緯も含まれるケースもあります。

なお、事案によっては、示談の存在自体の口外を禁止するかが議論されることがあります。

ただし、示談の存在自体を言えないことになると、すでに紛争の存在を知っている人から聞かれた際に、「示談で成立した」ことも言えなくなり、回答に窮することもあります

そのため、とくに示談の存在をまでを入れるべき積極的な理由がないのであれば、示談に至る経緯及び内容で十分でしょう。

3-2 口外が禁止される人の範囲(人的面)

口外が禁止される相手は、原則として当事者以外の「第三者」すべてを指します

「信頼できる親友だから」「自分の家族だから」という個人的な事情は、法的な契約である口外禁止条項の前では例外として認められないからです。

例えば、親友や家族から第三者に情報が漏れてしまう可能性もあります。

もし、示談の内容等を伝えたい人がいるのであれば、口外禁止条項に明記しておくといいでしょう。

例えば、以下のように人的範囲の例外を記載します。

例1
「甲と乙は、本紛争の内容並びに本和解に至る経緯及び内容を正当な理由がある場合を除き第三者(●●●●を除く)に口外しないことを相互に約束する。」
例2
「甲と乙は、本紛争の内容並びに本和解に至る経緯及び内容を正当な理由がある場合を除き第三者に口外しないことを相互に約束する。ただし、甲が●●●●に本件を報告する場合には、この限りではない。」

3―3 口外が禁止される態様の範囲(方法面)

口外が禁止される態様(方法)は、直接会って話すことだけでなく、電話や手紙、インターネットを通じた発信など、あらゆる手段が含まれます

現代ではスマートフォン一つで簡単に情報を広められてしまうため、どのような形であっても「外に情報を出すこと」自体を厳しく制限する必要があるからです。

例えば、SNSへの投稿やネット掲示板への書き込み、さらにはメールやラインで誰かに情報を送ることも禁止されるケースがあります。

念のため、口外禁止条項の中にこれらの一切の態様を含む旨を明記しておくこともあります。

4章 口外禁止条項の正当な理由とは?口外できる例外

口外禁止条項を結んだとしても、どのような場合でも絶対に誰にも話してはいけないというわけではありません

法律の手続きや専門家への相談など、社会生活を送る上でどうしても内容を伝える必要がある「正当な理由」が認められるからです。

例えば、口外禁止条項の正当な理由に該当することが多い例としては、以下の3つがあります。

例外1:弁護士や税理士などの専門家へ相談する場合
例外2:行政機関への届出や裁判所の手続きで必要な場合
例外3:法律の定めに従って情報の開示を求められた場合

それでは、どのような例外があるのか順番に見ていきましょう。

4-1 例外1:弁護士や税理士などの専門家へ相談する場合

示談の内容について、守秘義務のある専門家に相談することは正当な理由として認められるのが一般的です

弁護士や税理士といった専門家は、法律によって職務上知った秘密を漏らしてはならないと定められているため、情報の拡散につながるリスクが極めて低いからです。

解決金の税金処理や、その後の法的なアドバイスを受けるために内容を伝えることは、円滑な解決のために欠かせません。

例えば、受け取った解決金の申告について税理士に相談したり、別の法律問題で弁護士に示談書を見せたりするケースもあります。

このように、守秘義務を持つプロへの相談は「口外」には当たらないと解釈されるのが通常です。

4-2 例外2:行政機関への届出や裁判所の手続きで必要な場合

役所への手続きや、公的な機関に対して示談の事実を証明する必要がある場合も例外となります

行政上の給付金申請や求償権の行使を行う場合には、正当な理由に当たりやすいでしょう。

例えば、離婚に伴う公的な手当の申請のために示談の経緯を説明したり、裁判所から書類の提出を促されたりするケースもあります。

4-3 例外3:法律の定めに従って情報の開示を求められた場合

自分の意思に関わらず、法律に基づいて情報の公開を強制された場合、それを拒むことはできません

警察の捜査や国税庁の調査など、法令に基づく適正な照会があった場合には、事実をありのままに伝える義務が生じたりします。

例えば、税務調査が入った際に解決金の支払い根拠を示すために書類を提示したり、警察の捜査に協力して事情を話したりするケースもあります。

5章 口外禁止条項違反の違約金相場

口外禁止条項に違反した場合について、違約金を設けていくことが多いです

違反した場合の損害金額を立証することが難しく、違約金額を定めておくことで心理的な抑止力にもなるためです。

違約金額には相場があり、相場を大きく乖離する部分については、公序良俗に反し無効となる可能性があります。

5-1 一般的な違約金の相場金額

口外禁止条項に違反した場合の違約金は、30万円から100万円程度に設定されることが多くあります。

不倫の慰謝料そのものの相場を踏まえたうえで、約束を破ったことへのペナルティーとして心理的な抑止力になる程度の重みを持たせようとするためです。

慰謝料が200万円のケースで、違約金を50万円と定めたりするケースもあります。

常識的な金額の範囲で、相手が「この金額を払いたくないので話さないでおこう」と思えるような金額とする必要があります。

5-2 解決金の金額とのバランス

違約金の額は、示談で合意した解決金の総額によっても変動します

受け取った(または支払った)金額に対して、違約金だけが極端に高いと、契約としてのバランスを欠いているとみなされる恐れがあるからです。

基本的には、解決金の額を超えない範囲で設定されるのが一般的と言えます。

例えば、解決金が50万円と少額な場合に、違約金を100万円に設定することは避けたりするケースもあります。

お互いの負担が不公平にならないよう、全体の金額を見ながら調整を行います。

5-3 解決金を返還するというルール設定

違約金を特定の金額で決めるのではなく、「受け取った解決金を全額返す」という形式にする場合もあります

「秘密を守るからこそお金を支払う」という前提があるため、約束を破ったのであればその前提が崩れたとして、支払ったお金を元に戻すという考え方に基づいています

この方法は、支払う側において口外されたくないという気持ちがとくに強く、現実的にも口外される可能性があるような場合に用いられます。

例えば、口外が発覚した時点で、既にもらった解決金をすべて返却したり、残りの分割払いを停止したりするケースもあります。

どのような形式をとるにせよ、後から大きな金銭的負担が生じないよう、慎重に内容を確認することが求められます。

6章 口外禁止条項を入れる場合の注意点

口外禁止条項を示談書に盛り込む際には、事案に応じて検討をする必要があります

安易にテンプレートを入れるだけでは、実効的な解決はできませんし、状況が悪化してしまうリスクもあります。

例えば、口外禁止条項を入れる際の注意点としては以下の5つがあります。

注意点1:口外禁止違反の立証や損害賠償は簡単ではない
注意点2:想定される正当な理由は例示しておく
注意点3:双方の義務になっていることを確認する
注意点4:違約金にこだわると決裂のリスクもある
注意点5:違約金を定める場合には低廉すぎる金額にしない

それでは、それぞれの注意点について順番に見ていきましょう。

6-1 注意点1:口外禁止違反の立証や損害賠償は簡単ではない

口外禁止の条項を設ける最大の目的は、実際に裁判でお金を請求することよりも、相手に「約束を破ってはいけない」と思わせる心理的な抑止力にあります

なぜなら、誰がいつ内容を漏らしたのかを証明して損害賠償を勝ち取るのは、法的には決して簡単ではないからです。

しかし、書面に残しておくことで、相手方の弁護士からも「約束を守るように」と強く指導が入るため、結果として情報の流出を防ぐ大きな力となります。

まずはこのような口外禁止の実態や目的を理解する必要があります。

6-2 注意点2:想定される正当な理由は例示しておく

どのような場合に口外が許されるのか、あらかじめ想定される「正当な理由」は例示しておくといいでしょう

例外をあいまいにしたままだと、必要な相談や手続きをしただけで「約束を破った」と相手から責められる火種になりかねないからです。

6-3 注意点3:双方の義務になっていることを確認する

口外禁止の約束は、自分だけでなく相手も同じように守る「相互の義務」になっているかを確認しましょう

不倫ついては、不倫した側も、不倫された側も、口外されたくないと感じるのが通常であり、本来当事者双方にとって利益がある条項です。

しかし、相手方から提示された示談書を見てみると、一方の義務として記載されていて、不公平な条項になっているケースがあります

条項の主語が「甲および乙は」となっていることをよく確認しましょう。

6-4 注意点4:違約金にこだわると決裂のリスクもある

違約金を設定することにこだわりすぎると、示談がまとまらなくなることもあります

口外するつもりがない場合でも、誤解などにより新たなトラブルの火種になってしまうのではないかと懸念することもあるためです。

とくに示談をする時点で、すでに不倫の事実を知っている人が他にもいるような場合には、違約金を入れることに抵抗感を示すこともあるでしょう。

口外する具体的なリスクが想定されない場合には、違約金までは入れない場合もあります。

6-5 注意点5:違約金を定める場合には低廉すぎる金額にしない

違約金を定める場合には、あまり安すぎる金額に設定しない方が良いでしょう

金額が低すぎると、相手にとって「お金を払えば話してもいい」という甘い考えを持たせてしまい、口外禁止のブレーキとして機能しなくなる恐れがあるからです。

例えば、150万円の解決金を支払った事案で、口外禁止の違約金額を5万円とか10万円としても、あまり抑止力にはならない可能性があります。

ただし、1000万円などの明らかに高額な金額は、過大な部分は公序良俗違反として無効となりますので、必要以上に過大な金額とする意味はあまりありません

支払った解決金額との均衡なども加味しながら適正な金額としましょう。

7章 口外禁止条項違反が発覚した場合の対処法

せっかく口外禁止の約束を交わしても、相手がそれを破って周囲に言いふらしたり、ネットに書き込んだりしてしまうことがあります

そのような場合には、パニックにならずに正しい手順を踏んで対応することが、被害の拡大を防ぐためにも必要です。

あらかじめ対処の流れを知っておくことで、いざというときも落ち着いて行動できるようになります。

例えば、口外禁止違反が発覚した場合の手順としては以下のとおりです。

手順1:証拠を確保する
手順2:弁護士に相談する
手順3:警告の通知をする
手順4:損害賠償請求を検討する

それでは、違反が起きてしまったときの動きについて順番に見ていきましょう。

7-1 手順1:証拠を確保する

相手の違反に気づいたら、まずは「いつ・どこで・誰が・何を言ったか」という証拠を確保しましょう

証拠がない状態で相手を問い詰めても、「そんなことは言っていない」としらを切られたり、投稿を削除されたりして、後から証明することが難しくなるからです。

客観的な記録を残しておくことが、その後の話し合いや手続きを有利に進める鍵となります。

ネット上の書き込みであれば画面を写真(スクリーンショット)で保存したり、第三者から聞いた話であればその内容をメモに残したりするケースもあります。

7-2 手順2:弁護士に相談する

証拠が集まったら、あるいは集める段階であっても、早めに弁護士などの専門家に相談しましょう

その違反が本当に示談書のルールに触れるものなのか、どのような対抗策が取れるのかを、法律の視点から正確に判断してもらう必要があるからです。

自分で直接相手に連絡をしてしまうと、感情的なぶつかり合いになり、かえって事態が悪化する恐れもあります。

手元にある証拠を見せて「これは口外禁止にあたるか」を確認したり、今後の見通しについてアドバイスを受けたりしましょう。

7-3 手順3:警告の通知をする

パスロー

通知書

通知書|口外禁止条項違反

違反が明らかな場合は、相手に対して「約束違反をやめるように」と警告の通知を送ります

内容証明郵便を使って「これ以上口外するなら法的措置をとる」と伝えたりするケースもあります。

弁護士に代わりに通知してもらうことがおすすめです。

多くの場合、弁護士名の入った通知が届くことで相手も冷静になり、違反行為が収まることが期待できます

7-4 手順4:損害賠償請求を検討する

警告をしても収まらない場合や、既に大きな被害が出ている場合には、違約金や損害賠償の請求を検討します

相手に実害を賠償させることは、将来の再発を防ぐための最終的な手段となります。

ただし、回収できる金額よりもコストの方がかかってしまうこともあるので、あくまでもこれ以上の口外禁止を予防することを目的として行うことが多いです

8章 口外禁止条項でよくある疑問

不倫の慰謝料問題で口外禁止条項を結ぶ際、多くの方が抱く不安や疑問にシンプルにお答えします。あらかじめ疑問を解消しておくことで、迷いなく示談の手続きを進められるようになります。

それでは、よくある疑問について順番に見ていきましょう。

8-1 Q1:口外禁止条項は意味ない?

A.口外禁止条項には、大きな意味があります

口外禁止を自ら約束することで、相手には口外への心理的な抑止力が生じます。

また、相手方の弁護士からも「口外しないように」と厳しく指導が入るため、情報の流出を防ぐ実質的な抑止力として機能します。

8-2 Q2:口外禁止条項は拒否できる?

A.可能ですが、示談が決裂するリスクがあります

慰謝料を支払う側にとって、この条項は「解決後の平穏」を得るための必須条件であることがほとんどです。

拒否し続けると、相手が「後で言いふらすつもりか」と疑念を抱き、話し合い自体がまとまらなくなる恐れがあります。

8-3 Q3:SNSに投稿するのも口外禁止違反?

A.SNSへの投稿も、口外禁止違反となる可能性が高いです

たとえ匿名や鍵付きのアカウントであっても、内容から個人が特定できるような書き込みは「口外」したと判断される可能性があります。

8-4 Q4:示談や和解前に口外したら?

A.別の法的リスクが生じます

示談書を交わす前であれば「条項違反」にはなりませんが、相手への名誉毀損で訴えられたり、慰謝料の金額交渉で不利になったりするケースもあります。

8-5 Q5:口外禁止を約束したら家族に伝えるのもダメ?

A.原則として、話すべきではありません

法律上は自分の親や兄弟であっても「第三者」に含まれるため、勝手に話すと約束違反になる恐れがあります。

どうしても家族に伝える必要がある場合は、あらかじめ「正当な理由」として示談書の中に明記しておく工夫が必要です。

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10章 まとめ

以上のとおり、口外禁止条項とは何かを説明したうえで、例文や正当な理由、違約金の相場を解説しました。

この記事が、どのような口外禁止条項を入れればいいのか悩んでいる方の助けになれば幸いです。

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