独身と信じて9年交際した相手が既婚者だった事案
- 請求する側
- 請求された側
相談前
ご相談者様は、29歳のときに知り合った男性と、38歳になるまで約9年間交際していました。
相手男性からは「独身である」と聞かされており、結婚を考えているという話もされていました。
ご相談者様は「35歳までには結婚したい」と伝えていましたが、相手男性からは「資格試験に合格して転職するまで待ってほしい」と言われ続け、気付けば38歳になっていました。
ある日突然、相手男性の奥様と名乗る人物から、「不倫をしているので慰謝料300万円を支払え」という内容証明郵便が届きました。
ご相談者様としては、相手が既婚者だとは知らず、むしろ結婚を信じて大切な時間を費やしてきた立場でした。
「なぜ自分が慰謝料を請求されなければならないのか」と、大きなショックを受けてご相談に来られました。
相談後
相手男性と知り合った当初から現在に至るまでの経緯について、時間をかけて細かく確認しました。
相手男性が独身であると信じていたこと、結婚を前提に交際していたこと、既婚者であると疑うような事情がなかったことについて、具体的なエピソードをできる限り多くお聞きしました。
単に「既婚者だとは知りませんでした」と主張するだけではなく、ご相談者様がなぜ独身だと信じたのか、どのようなやり取りがあったのか、相手男性がどのような説明をしていたのかを、第三者にも伝わる形で説得的に主張しました。
その結果、奥様にもご相談者様の事情を理解していただくことができ、300万円の慰謝料請求を阻止することができました。
また、既婚者であることを隠して長期間交際を続けていた相手男性に対して慰謝料を請求しました。
法律上の「婚約」とまでは評価しにくい事案でしたが、交渉の結果、相当額の慰謝料と謝罪文を得ることができました。
弁護士のコメント
不倫慰謝料の事案では、交際相手が既婚者であると知らなかった場合、原則として慰謝料を支払う必要がないと考えられています。
もっとも、実際の交渉や裁判では、「本当は既婚者だと知っていたのではないか」「少なくとも、既婚者かもしれないと気付く機会があったのではないか」と疑われることも少なくありません。
「知らなかった」と主張するだけでは十分ではないのです。
交際のきっかけ、相手の説明、結婚に関する会話、普段の生活状況から、具体的なエピソードとして積み重ねていくことが必要です。
本件では、ご相談者様から事情をお聞きし、第三者が読んでも当時の状況をイメージできるように、具体的な事実関係を整理して主張しました。
相手を説得するには、法律論だけではなく、「本当に独身だと信じていたのかもしれない」と感じてもらえるだけの具体性が必要です。
本件は、その積み重ねによって、300万円の慰謝料請求を阻止し、さらに相手男性から慰謝料と謝罪文を得ることができた事例です。
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