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2025年2月7日
不当解雇
懲戒解雇理由ランキングTOP5|絶対気を付けてほしいケースを厳選
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2025/02/24
労働一般
ブラック企業の特徴を知りたいと悩んでいませんか?
ブラック企業は労働環境が劣悪なため、できることなら事前に回避したいですよね。
ブラック企業の特徴10個を整理すると以下のとおりです。
あてはまる特徴が多いほどブラック企業の可能性が高くなります。
ブラック企業か見極めるためにも、求人や経営状況などから、ブラック企業の特徴があるのか事前に確認しておくことが大切です。
実は、入社後にブラック企業であることに気づき後悔する方の多くは、事前の確認が十分でないというのが実情です。
しかし、万が一入社してしまった場合でも、焦らず適切に対処していくことで生活を守ることもできます。
この記事をとおして、ブラック企業を見分けるために必要な知識をお伝えすることができればと思います。
今回は、ブラック企業の特徴を説明したうえで、特徴を見極めるポイントと入社後に気付いた場合の対処法を解説していきます。
具体的には、以下の流れで解説していきます。
この記事を読めば、どんな企業がブラック企業にあたるのかよくわかるはずです。
目次
ブラック企業とは、コンプライアンス意識が低く、離職率が高い企業のことをいいます。
ブラック企業といわれる企業には特徴があり、あてはまる数が多いほどブラック企業の可能性が高まります。
具体的には、ブラック企業の特徴10個を簡単に整理すると以下のとおりです。
それでは、これらの特徴について順番に説明していきます。
ブラック企業の特徴1個目は、契約書や規則等の証拠は作らないことです。
雇用契約書や就業規則等は、労働条件が明らかとなり、会社が不利益を受けることもあるためです。
例えば、ブラック企業は法律に違反していることが多いため、契約書が証拠となって労働基準監督署に調査されたり、労働者が弁護士に相談しに行くのを避けたいのです。
このように、ブラック企業は劣悪な労働条件を隠すため、契約書や規則等を意図的に作らないようにしているのです。
ブラック企業の特徴2個目は、長時間の残業です。
ブラック企業では人の入れ替わりが激しく、業務量に対して人手不足なことが多いためです。
例えば、人手不足であるために、労働者の業務量が異常になり、月の残業時間が100時間を超える場合もあります。
残業時間の平均は25時間であるため、これを大きく超える場合には注意が必要です。
ブラック企業の特徴3個目は、やりがいを強調して低賃金なことです。
ブラック企業では、労働者の生活を軽視し、人件費を極限まで削ってしまうことがあるためです。
例えば、賃金が低いことを隠すため、過度にやりがいを強調して賃金の低さを隠すこともあります。
そのため、仕事の魅力だけでなく、給与条件が業務内容に見合っているかも確認しておくといいでしょう。
ブラック企業の特徴4個目は、有給休暇を使えないことです。
有給は労働者が自由に使えるのが原則であり、これを不当に制限することは許されないためです。
例えば、有給申請に際して、会社が理由もなく拒絶したり、執拗に申請理由を聞くことはできないのです。
ただし、有給の取得時期については「事業の正常な運営を妨げる場合」に時季を変更することができるため、注意が必要です。
ブラック企業の特徴5個目は、ハラスメントが横行していることです。
会社はハラスメントを防止する義務を負っていますが、ブラック企業では何ら措置を講じていないことが多いためです。
例えば、労働者からパワハラやセクハラの相談を受けたとしても、相談窓口は会社内の組織であるため、上司に逆らえないといった理由で放置されてしまうこともあります。
中小企業では、社長自身がハラスメント行っているケースもあるため、事前に調査しておくことが大切です。
パワハラの慰謝料については、以下の記事で詳しく解説しています。
セクハラの慰謝料については、以下の記事で詳しく解説しています。
ブラック企業の特徴6個目は、労働基準法を守らないことです。
ブラック企業はコンプライアンス意識が低く、労働基準法に違反していることが多いためです。
例えば、ブラック企業ではサービス残業が強要されることも少なくありません。たとえ労働基準法に違反しても、労働者から訴えられることはないと高を括っているのです。
そのため、ブラック企業では、労働基準法を守ろうという姿勢に欠けていることが多いのです。
ブラック企業の特徴7個目は、ワンマン経営で社長の言うことが絶対であることです。
社長が絶対的な発言力を有している場合、社長に逆らうことができないため、労働条件の改善が難しいためです。
例えば、社長自身がハラスメントを行っている場合、社員は逆らうことができないため、ハラスメントを止めることはできないでしょう。
ブラック企業の特徴8個目は、理不尽な精神論を語ることです。
ブラック企業では、劣悪な労働環境を精神論だけでどうにかしようとする傾向があります。
例えば、異常な業務量や長時間残業がある場合でも、「辛いのは当たり前」「成長のための試練」と称して、過剰な労働量を正当化しようとします。
また、新入社員は上司より先に帰っていけないといった謎ルールがある会社も、理不尽な精神論を押しつけるものにあたるでしょう。
ブラック企業の特徴9個目は、簡単に採用されることです。
ブラック企業は離職率が高く、恒常的な人材不足に悩んでいるためです。
そのため、ブラック企業に応募すると、簡単に採用されてしまうことが多いのです。
ブラック企業の特徴10個目は、退職させてもらえないことです。
契約内容にもよりますが、期間の定めがなければ、2週間前に退職する旨を会社に伝えることで、退職することができます。
しかし、ブラック企業では、会社の労働力の低下や離職率への悪影響を避けるため、労働者を不当に足止めしようとします。
例えば、退職したいと伝えても、「退職届は受け付けない」「違約金が発生する」と脅され、退職を思いとどまってしまう労働者も少なくありません。
そのため、ブラック企業では労働者が退職させてもらえないことが多いのです。
ブラック企業の特徴には、簡単に見極めるポイントがあります。
具体的には、ブラック企業の特徴を見極めるポイント10個を整理すると以下のとおりです。
それでは、これらのポイントについて順番に説明していきます。
ブラック企業の特徴を見極めるポイント1個目は、雇用契約書や労働条件通知書の有無です。
ブラック企業では、劣悪な労働条件を隠すため、証拠として残る雇用契約書などは作成しないことがあります。
例えば、入社時に口頭でモデル年収を伝えられ、詳細な金額を尋ねても明確な回答がない場合には注意が必要です。
ブラック企業の特徴を見極めるポイント2個目は、固定残業代の想定している残業時間です。
固定残業代とは、実際の残業時間を問わず、一定の残業代が支払われる制度をいいます。
固定残業代は会社が想定している残業時間であるため、毎月その程度の残業をさせる可能性があります。
固定残業時間の平均は20時間程度のため、これを超える場合、とくに45時間以上の場合には注意が必要です。
ブラック企業の特徴を見極めるポイント3個目は、賃金体系が明確かです。
ブラック企業では、契約内容が曖昧なことが多く、毎月の賃金額が変わったり、賃金の内訳を示さないことがよくあります。
これは、賃金の計算方法を曖昧にすることで、会社の都合がいいように一方的に賃金を決めているのです。
そのため、賃金の総額しかわからない、詳細を聞いてもはぐらかされるなど、賃金体系が不明確の場合には注意が必要です。
ブラック企業の特徴を見極めるポイント4個目は、ネットの評判や口コミです。
ブラック企業の場合、入社していた労働者が、その被害をネット上に投稿していることがあります。
例えば、「雇用条件が異なっていた」「長時間労働が当たり前」「ハラスメントが多い」といった書き込みがある場合には要注意です。
そのため、ネットの評判や口コミは企業の実態が把握しやすいため、見極める際のポイントとなるのです。
ブラック企業の特徴を見極めるポイント5個目は、社員の雰囲気です。
社員の表情や態度は、職場環境の良し悪しを反映していることが多いためです。
例えば、社員が疲れ切った表情をしている場合、長時間労働やハラスメントが横行するなど劣悪な労働環境が予想されます。
そのため、入社前に社員の雰囲気を確認しておくといいでしょう。
ブラック企業の特徴を見極めるポイント6個目は、年齢層に偏りがないかです。
年齢層に偏りがある場合、入社した社員が定着せずすぐに退職してしまい、中堅層が育たないためです。
例えば、「社長やベテラン従業員」と「新人」がほとんどあり、中堅層が少ない場合には注意が必要です。
そのため、事前に調査する場合には、幅広い年齢層が揃っているか、とくに中堅層の人数を確認しておくといいでしょう。
ブラック企業の特徴を見極めるポイント7個目は、採用人数が多すぎないかです。
ブラック企業は離職率が高く、抜けた穴を補うために新人を大量に採用していることがあるためです。
例えば、100人規模の企業が、毎年50人以上採用している場合には、労働者を使い捨てていることが疑われます。
そのため、採用規模が適切な企業か確認しておくといいでしょう。
ブラック企業の特徴を見極めるポイント8個目は、タイムカードの有無です。
会社は、労働時間を把握する義務があるため、タイムカード等の勤怠管理システムを導入していることが多いです。
しかし、ブラック企業では違法な長時間労働を隠すため、証拠として残るタイムカードを備えていないことがあります。
そのため、タイムカードのような勤怠管理システムが整っているか事前に確認しておくといいでしょう。
ブラック企業の特徴を見極めるポイント9個目は、就業規則の有無です。
就業規則は、労働条件や職場規律を示すことから、ブラック企業は作成していないことがあります。
しかし、とくに注意すべきは、就業規則を作成しているにもかかわらず、これを見せようとしない会社です。
就業規則には労働者に有利な条件も記載されているため、これを隠そうとしているためです。
そのため、就業規則あるのか又は就業規則を見せてもらえるのか、事前に確認しておくといいでしょう。
ブラック企業の特徴を見極めるポイント10個目は、深夜に電気がついていないかです。
深夜にも電気がついている場合、長時間労働が常態化し、終電まで働いていることが多いためです。
そのため、外から見て、深夜にも電気がついている会社には注意が必要です。
ブラック企業だけでなく、ホワイト企業にも特徴があるため、就職活動ではこれらを見分ける必要があります。
具体的には、ブラック企業の特徴とホワイト企業の特徴の見分け方4つを整理すると以下のとおりです。
それでは、これらの見分け方について順番に説明していきます。
ブラック企業の特徴とホワイト企業の特徴の見分け方1つ目は、労働条件が明確かです。
ホワイト企業は、適正な労働条件であることが多く、労働者に判断してもらうためにより多くの情報を知ってもらおうとします。
例えば、雇用契約書や労働条件通知書が交付されることに加え、賃金体系や休日も明確にされています。
ブラック企業の特徴とホワイト企業の特徴の見分け方2つ目は、基本給が高いかです。
ブラック企業では、基本給が低く、手当てや残業代に依存していることが多いです。
基本給が低いと、体調を崩した場合等に十分な給与を受け取ることができず、労働者の生活が不安定となります。
これに対し、ホワイト企業は基本給が高いため、労働者の生活が安定しやすくなっています。
ブラック企業の特徴とホワイト企業の特徴の見分け方3つ目は、福利厚生が充実しているかです。
ブラック企業の場合、福利厚生が不十分であり、労働環境が整備されていないことが多いです。
例えば、社会保険が未加入であったり、有給休暇を取得できないなど、社員への投資を軽視していることがあります。
これに対し、ホワイト企業では、産休・育休制度や資格取得支援に加え独自の休暇制度を採用するなど、福利厚生が充実していることが多いです。
ブラック企業の特徴とホワイト企業の特徴の見分け方4つ目は、各種相談窓口が整備されているかです。
ホワイト企業はコンプライアンス意識が強く、働きやすい職場作りのために各種相談窓口が整備されています。
そのため、ハラスメント被害を相談すれば、適切な措置を講じてもらえる可能性が高いのです。
入社後にブラック企業だと気づいた場合、焦らず、適切に行動していくことが大切です。
具体的には、ブラック企業の特徴に気付いた後の対処法4つを整理すると以下のとおりです。
それでは、これらの対処法について順番に説明していきます。
ブラック企業の特徴に気付いた後の対処法1つ目は、賃金等の差額を請求することです。
入社後に支払われている賃金が、雇用契約書等に明示されていた労働条件と異なる場合、その差額を請求できる可能性があります。
例えば、月給25万円で合意した場合に、実際には20万円しか支払われていなければ、差額の5万円を請求することができるのです。
そのため、賃金が少ないと感じたら、雇用契約書等に記載されている金額を確認してみるといいでしょう。
勝手に給料を下げられた場合については、以下の記事で詳しく解説しています。
ブラック企業の特徴に気付いた後の対処法2つ目は、雇用契約の即時解除です。
入社後の労働条件が、明示された労働条件と異なる場合、労働者は即時に労働契約を解除できます。
この場合、就業のために住居を変更していた労働者が、解除から14日以内に帰郷する場合には、会社は旅費を負担する必要があります。
ブラック企業の特徴に気付いた後の対処法3つ目は、説明義務違反を理由とする慰謝料請求です。
会社は、労働条件について、労働者の理解が得られるよう説明する義務を負っています。
会社が説明義務を怠った場合、説明義務違反を理由とする慰謝料を請求することができます。
裁判例では、中途採用者の初任給について、新卒採用者の下限とする内部基準を説明せず、給与について誤信させるような説明をした事案では、100万円の慰謝料を認めています(東京高判平成12年4月19日)。
ブラック企業の特徴に気付いた後の対処法4つ目は、辞職する旨の意思表示です。
期間の定めがない雇用契約の場合、2週間前に辞職する旨の意思表示をすることで退職することができます。
他方で、期間の定めがある場合でも、やむを得ない事由がある場合には、辞職の意思表示により退職することができます。
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以上のとおり、今回は、ブラック企業の特徴を説明したうえで、特徴を見極めるポイントと入社後に気付いた場合の対処法を解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
この記事が、ブラック企業の特徴を知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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籾山善臣
リバティ・ベル法律事務所
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