
2025年5月2日
法律一般
法律の条・項・号の読み方や書き方、見分け方|条文に1項は書かない?
法律については、条を細分化したものが項、更に項を細分化したものが号となります。読み方は、「じょう、こう、ごう」です。今回は、法律の条・項・号の読み方や書き方、見分け方を解説していきます。
2026/03/10
法律手続

民事裁判は判決が出れば終わりというわけではありません。
控訴されたら引き続き対応する必要がありますし、判決が確定すれば判決内容を実現するために動かなければなりません。

この記事の要点
・民事裁判の判決後は、判決が送達されることになり、2週間の控訴期間内に控訴するかどうかを決めます。原告と被告いずれからも控訴が出なければ判決が確定することになります。
・民事裁判で控訴されたら、控訴理由書が提出された後、控訴答弁書を提出し、控訴審の期日に出頭し対応していくことになります。
・民事裁判の判決が確定したら、まずは任意の支払いを促し、支払いがされない場合には民事執行を行います。判決後に支払方法について和解することもあります。
この記事を読めば、民事裁判の判決後の流れがよくわかるはずです。
目次

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民事裁判の判決が出た後は、その内容が書かれた書類が手元に届き、内容を確定させるための期間が始まります。
判決は言い渡されてすぐに効力が発生するわけではなく、相手方が内容に納得がいかない場合に不服を申し立てる機会が保障されているからです。
具体的には、民事裁判の判決後の流れは、以下の3つのステップにわけられます。
それでは、判決言い渡し後の具体的な手続きについて順番に見ていきましょう。
民事裁判の判決が出ると、まずは裁判所から「判決書」という書類が自宅や弁護士事務所に届けられます。これを法律用語で「送達」と呼びます。
判決は言い渡された瞬間にすべてが完了するわけではなく、当事者がその内容を正式に確認しなければならないからです。
民事裁判の判決期日当日については、原告と被告は欠席することが多く、電話で判決の主文だけ書記官から確認します。
判決の正確な内容や理由については、判決書の送達を受けて知ることができるのです。
判決書を受け取った日の翌日から数えて、2週間という期間が設定されています。これを「控訴期間」と言います。
この期間は、判決の内容に不服がある場合に、上の裁判所でもう一度審理し直してほしいと申し立てるために用意されています。
例えば、2026年4月1日に判決書を受け取った場合、その翌日の4月2日から数え始めて、4月15日が期間の満了日となります。
期間を1日でも過ぎてしまうと、後から「やはり納得がいかない」と思っても原則として争えなくなります。
そのため、この2週間のうちに自分の考えをまとめたり、弁護士と相談したりして、次の行動を決めましょう。
控訴期間である2週間が経過した時点で、その後の道筋が「確定」か「控訴」かに分かれます。
自分と相手方の双方が控訴をしなければ判決の内容が最終的な結論として固定されますが、どちらか一方が控訴をすれば、舞台は第2審である控訴審へと移ります。
裁判の結果を法的に動かせないものにするか、さらに争い続けるかを決める分岐点となるのです。
いずれかが「この判決は受け入れられない」として期間内に控訴状を出した場合は、裁判は終わらずに続くことになります。控訴後の流れは第2章で説明しています。
一方で、「今回の判決に従おう」と考えて2週間何もしなければ、判決は確定します。判決確定後については第3章で説明しています。
民事裁判の第1審で判決が出た後、相手方がその内容に納得せず控訴を申し立てる場合があります。
控訴されると、舞台は高等裁判所へと移り、再び審理が行われることになります。
具体的には、民事裁判で控訴された場合の流れは、以下のとおりです。
それでは、控訴された後の具体的な流れについて順番に見ていきましょう。

控訴状テンプレート


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控訴状|書式
相手方が第1審の判決に不服がある場合、まずは裁判所に対して「控訴状」という書類を提出します。
これは、上の裁判所でもう一度審理し直してほしいという意思を表示するための手続きです。第1審の判決書を受け取った翌日から2週間以内という短い期限があるため、相手方は迅速にこの書面を提出することになります。
例えば、相手方が「自分たちの主張が認められなかったのはおかしい」と考えた場合、期限内に第1審の裁判所へ控訴状を出します。
この段階ではまだ具体的な反論の内容までは書かれていないことが多いですが、裁判が継続することを知らせる合図となります。
控訴状については、以下の記事で詳しく解説しています。
控訴状が出された後、控訴をした側(控訴人)は、判決のどこが間違っているのかを詳しく書いた「控訴理由書」を提出します。
第1審の判決を覆すためには、具体的な証拠や法律の解釈を示して、説得力のある反論をしなければならないからです。
通常、控訴状を出してから50日以内に提出されるのがルールとなっています。
相手が何を不満に思っているのか、どの部分を争おうとしているのかを把握するための重要な書類です。
相手方から控訴理由書が届いたら、今度はそれに対する反論をまとめた「控訴答弁書」を作成して提出します。
相手の主張に対して適切に反論をしなければ、第1審で勝ち取った有利な判決が覆されてしまう恐れがあるためです。
控訴の趣旨に対する答弁と控訴の理由に対する反論を書いていきます。
控訴答弁書の提出時期については、控訴審の裁判所から指定されますので、これに従いましょう。
書類のやり取りが終わると、控訴審期日が開かれます。第1審が地裁であれば、控訴審は高裁で行われます。
第1審とは異なり、控訴審は1回で審理が終わることが多く、非常にスピーディーに進むのが特徴です。
裁判官は提出された書類を事前に読み込んでいるため、当日は追加の確認や和解の話し合いが行われることが中心となります。
裁判官から、和解の余地はありませんかと尋ねられたり、追加で確認したい点について質問されたりすることがあります。
控訴審での審理が終わると、裁判所から控訴審の判決が言い渡されます。
これは、第1審の判決を維持するのか、あるいは内容を変更するのかを判断するものです。
高等裁判所の判断が出ることにより、紛争の決着がほぼ見えてくることになります。
控訴を棄却する(第1審の判決を変えない)」という判決が出れば、自分の勝訴が維持されたことになります。
この判決に対しても不服がある場合は最高裁判所へ申し立てることもできますが、認められるケースは限られているため、この控訴審判決が事実上の最終決定となることが多いです。

コラム:仮執行宣言が付されていた場合
第1審の判決文の中に「この判決は、仮に執行することができる」という言葉が入っていることがあります。これを「仮執行宣言」と言います。
通常、判決が確定するまではお金の回収などはできませんが、この宣言があれば、相手が控訴して裁判が続いていても、強制執行の手続きを進められるようになります。
未払いの給料を支払えという判決にこの宣言が付いていれば、控訴審の最中であっても相手の財産を差し押さえる準備ができるのです。
ただし、後で判決が覆った場合には返金しなければならないリスクもあるため、実行には慎重な判断が求められます。
民事裁判の判決が確定すると、その内容は法的に動かせないものとなり、いよいよ判決内容を実現する段階に入ります。
勝訴判決を得たからといって、相手方が自動的にお金を振り込んでくれるとは限らないため、自分から適切なアクションを起こす必要があります。
スムーズに支払いを受けるための手順を知っておくことは、裁判に費やした時間や労力を無駄にしないために大切です。
民事裁判の判決が確定したら以下のような手順で進めていきましょう。
それでは、判決確定後の具体的な手続きについて順番に見ていきましょう。

民事裁判の判決後の通知

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民事裁判の判決後の通知
判決が確定したら、まずは相手方(債務者)に対して、お金を振り込んでもらうための銀行口座を伝えます。
判決文には「いくら支払え」とは書かれていますが、具体的な振込先までは指定されていないことが一般的だからです。まずは自主的な支払いを促すために、書面などでこちらの口座情報を正式に通知する必要があります。
例えば、判決で認められた金額とあわせて、振込先の銀行名、支店名、口座番号を記載した通知書を相手方に送付します。
相手方が「判決に従って支払おう」と考えている場合には、この通知を送るだけでスムーズに解決へと向かうことができます。
ただし、相手方が財産を隠す可能性がある場合には、通知を送らずにすぐ差し押さえることもありますし、期限や手続きを進める旨は記載しないでおくこともあります。
もし口座を伝えても相手方が支払いに応じない場合は、裁判所に対して民事執行の申し立てを行います。
これは、国家の力を使って相手方の財産を強制的に差し押さえ、そこから支払いを受けるための手続きです。
判決には強制力があるため、相手方が拒否していても法的に回収を進めることが可能になります。
例えば、相手方の銀行預金を差し押さえたり、毎月の給与の一部を差し押さえたりすることで、未払いの金額を回収していきます。
このように、任意の支払いが期待できないケースでは、民事執行の手続きが最終的な手段となります。

コラム:訴訟費用確定処分の申し立て
裁判に勝つと、印紙代や切手代などの「訴訟費用」を相手方に負担させることができる場合があります。
この金額を具体的に確定させる手続きが「訴訟費用確定処分の申し立て」です。
判決文に「訴訟費用は被告の負担とする」といった記載があっても、具体的な金額までは決まっていないため、別途裁判所に計算してもらう必要があるのです。
例えば、裁判を起こす際にかかった数万円の印紙代などを相手から回収したい場合に、この申し立てを行います。
ただし、弁護士費用については、この訴訟費用には含まれないことが一般的ですので、その点は注意が必要です。
民事裁判の判決後の流れについてよくある疑問としては、以下の10個があります。
これらの疑問を順番に解消していきましょう。
A.はい、判決が出た後でも、お互いが合意すれば話し合いで解決(和解)できます。
例えば、判決では「一括払い」となっていても、相手の支払い能力に合わせて「月々の分割払い」に変更するといった柔軟な取り決めが可能です。
和解したとおりに任意に支払いが履行される限りにおいては、強制執行を猶予することを基本とし、分割方法や支払いを怠った場合の措置などを合意することが一般的です。
ただし、判決後に和解する際には、せっかく獲得した債務名義が無駄になってしまわないよう条項の記載方法には細心の注意が必要です。
A.債権者が指定した銀行口座への振り込みによる方法が多いです。
判決文には具体的な振込先は書かれていないため、勝訴した側が自分の口座情報を相手に通知する必要があります。
A.通常、判決が確定した時点で弁護士の仕事は一度終了となります。
ただし、判決確定後に任意の支払いを促したり、事務連絡をしたりといったことまでは、事実上行うことも多いです。
相手が任意に支払いをせず強制執行を行う際には、あらためて別の契約を結ぶことが一般的です。
A.控訴されたタイミングで別の弁護士に依頼し直すことは自由です。
ただし、第一審で依頼していた弁護士に対する委任契約書の範囲に控訴審も含まれている場合には、解任の手続きが必要となる可能性があります。
また、控訴審を別の弁護士に依頼する場合には、第一審の報酬金の取り扱いについては、第一審の弁護士と協議する必要があるでしょう。
A.支払いを無視し続けると、最終的には強制執行を受け、財産を差し押さえられます。
例えば、勤務先の給料や銀行預金が強制的に回収され、生活や仕事に大きな影響が出るリスクがあります。
A.裁判を依頼した弁護士にそのまま依頼することが多いです。
弁護士を変える場合には、差押えや請求異議などの民事執行手続きを扱っている弁護士の先生を探すといいでしょう。
A.弁護士コンパスで、「企業法務」を取り扱っている先生や差し押さえによる解決実績を掲載している先生を探すことがおすすめです。
また初回無料相談などを利用して、強制執行の取り扱いの可否や注力の有無を確認するといいでしょう。
A.判決後の支払いをオンラインで行う公的なサービスがあるわけではありません。
民事裁判判決後の、任意の支払いについては、当事者間で行われることになります。
債権者の銀行口座が分かれば、ネットバンキングにより支払いをすることも可能です。
A.弁護士に依頼し、「弁護士会照会(23条照会)」や「財産開示手続」、「第三者からの情報取得手続」をしてもらいましょう。
これらを使えば、相手がどこに口座を持っているか、不動産があるかなどを法的に調べることが可能です。
A.弁護士が差し押さえなどの民事執行手続きを代理することができます。
債権回収や民事執行を取り扱っている先生を探すといいでしょう。
弁護士コンパスでは、分野別に注力している弁護士を探すことは勿論、地域や個別の相談内容から、あなたにマッチする弁護士を探すことができます。
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以上のとおり、今回は、民事裁判の判決後の流れについて、控訴された場合と判決が確定した場合について解説しました。
この記事が民事裁判の判決後の流れについて悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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