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2025年3月8日
労働一般
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2025/07/18
残業代
サービス残業しないと終わらないのは状況に不満を感じていませんか?
仕事量が多すぎて終わらない状況なのに、残業代も出ないと辛いですよね。
サービス残業しないと終わらないとは、残業せざるを得ない状況であるあるにもかかわらず、会社側が残業代を払おうとしないことをいいます。
サービス残業しないと終わらない原因は、労働者本人にあることもありますが、会社側の体制に問題があることも多いです。
いずれにせよ労働者が残業をした場合に残業代を支払わないことは違法であり、過大な業務量を指示すること自体もパワーハラスメントとして違法となることがあります。
サービス残業しないと終わらない場合でも、労働者だけがその責任を負う必要はありませんので、焦らずに冷静に対処していきましょう。
実は、労働者が残業しないと終わらないと感じている場合であっても、サービス残業をしなければいけないケースなど存在しません。
残業代を請求することは労働者の権利であり、サービスしてでも仕事を終わらせなければいけないという固定観念はなくすべきです。
この記事をとおして、サービス残業しないと終わらないという状況の異常性について、多くの労働者に知っていただければ幸いです。
今回は、サービス残業しないと終わらない状況について、仕事量が多すぎるなどの原因を説明したうえで、4つの対処法を解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、サービス残業しないと終わらないと感じた場合にどうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次
「サービス残業しないと終わらない」とは、残業せざるを得ない状況であるあるにもかかわらず、会社側が残業代を払おうとしないことをいいます。
労働者自身が「残業を申告するのは気が引ける」「自分の責任で仕事が遅れている」と感じてしまい、結果としてサービス残業を受け入れてしまうケースも少なくありません。
タイムカードは定時で打刻させられ、そこから業務が続く。日報には記載しないよう指示される。管理職だから残業代は出ないと言われる。こういった例は、すべてサービス残業の典型です。
しかし、このような働き方が常態化してしまうと、心身の健康に深刻な悪影響を及ぼすだけでなく、職場全体のモラルや効率性も低下します。
実際に、過労死等の労災認定事例には、「サービス残業が慢性化していた」「長時間労働の末にうつ病を発症した」といったケースが少なくありません。
つまり、サービス残業は、単に「お金が出ない働き方」という問題にとどまらず、命や人生そのものに関わる深刻なリスクを伴っているのです。
サービス残業が発生する原因には、職場環境や業務体制、企業文化など、複数の要因が複雑に絡み合っていることが多く見受けられます。
これは、特定の労働者個人の行動によって簡単に解消できる問題ではなく、組織全体に共通する構造的な課題として生じている場合も少なくありません。
そのような環境では、本人の意思とは関係なく、サービス残業が継続的に発生してしまう傾向があります。
例えば、サービス残業しないと終わらない原因としては、以下の3つがあります。
それでは、これらの原因について順番に説明していきます。
サービス残業しないと終わらない原因の1つ目は、仕事量が多すぎることです。
本来であればチームで分担すべき仕事が一人に集中していたり、納期や顧客対応などが無理のあるスケジュールで設定されていたりすると、業務時間内に収まらないことがあります。
例えば、営業担当者に毎週20件の新規アポイントの獲得と訪問、報告書の作成が課されているような場合などです。
上司や管理職が「このぐらいできるだろう」と無理な期待を押し付けている場合もありますし、業務設計そのものが非現実的であることもあります。
これは労働者個人の努力ではどうにもならない構造的な問題です。
サービス残業しないと終わらない原因の2つ目は、人手不足です。
慢性的な人手不足も大きな要因です。退職者の補充がなされていなかったり、新規採用が滞っていたりすると、既存の社員が不足分をカバーせざるを得なくなります。
例えば、コールセンターで複数名の退職者が出たにもかかわらず、新たな人材が採用されず、残ったスタッフが対応件数を倍増させられているような場合などです。
このような状況下で残業をせざるを得なくなっているにもかかわらず、残業代が支払われないとすれば、労務管理上の大きな問題といえるでしょう。
サービス残業しないと終わらない原因の3つ目は、能力不足です。
本人のスキルや経験が不足していることにより、与えられた業務に時間がかかってしまうというケースも存在します。
ただし、これも単純に「本人の責任」とするのではなく、会社が教育や指導を怠っていた場合には、その体制にも問題があります。
例えば、新入社員が適切な指導を受けないまま複雑な業務を任され、要領がつかめず作業が遅れてしまうといった場合です。
また、明らかに業務が複雑すぎる、量が多すぎるという場合には、能力の問題ではなく「適切な業務配分がなされていない」と考えるべきでしょう。
労働者が労働を提供したにもかかわらず、会社が残業代を支払わないのは違法です。
労働基準法では、労働者が1日8時間を超えて労働した場合や週に1日の法定休日に労働させた場合には、残業代を支払わなければいけないとされているためです。
例えば、残業をしないと終わらないようなケースであっても、サービス残業をさせることはできず、残業をさせる場合には残業代を支払わなければいけないのです。
また、長時間の残業をしないと終わらないような過大な業務を指示されている場合には、パワハラや安全配慮義務違反になることもあります。
例えば、毎月100時間を超えるような残業が恒常化しているような場合には、違法となる傾向にあります。
そのため、サービス残業が違法なのは勿論のこと、過大な仕事量を課すこと自体も違法となることがあるのです。
サービス残業しないと終わらない場合でも、労働者だけがその責任を負う必要はありませんので、焦らずに冷静に対処していきましょう。
職場環境に問題がある会社も多いので、労働者が何もしなければ状況は改善しません。
例えば、サービス残業しないと終わらない場合の対処法としては以下の4つです。
それでは、これらの対処法について順番に説明していきます。
サービス残業をしないと終わらない場合の対処法の1つ目は、仕事の効率を上げることです。
仕事の効率を上げることで、これまで終わらなかった仕事も所定労働時間内に終わる可能性もあるためです。
例えば、以下のようなことを試してみましょう。
サービス残業をしないと終わらない場合の対処法の2つ目は、上司に相談することです。
上司に相談することで仕事量を調整してもらったり、適切に人員を配置してもらえたりする可能性があります。
上司に相談する際には、単に忙しいと伝えるのではなく、以下のような事項を具体的に伝えてみるといいでしょう。
サービス残業をしないと終わらない場合の対処法の3つ目は、残業代を請求することです。
労働者は、3年の時効にかかっていない範囲で遡って残業代を請求することができます。
残業代を請求することで、残業をしたのに対価を払ってもらうことができないという事態を解消することができます。
また、会社は、残業代を払わなければいけないことを知れば、労働者に残業が発生しないように調整することが通常です。
残業代は通常の労働時間よりも割りました賃金を支払わなければいけないため、会社としても大きな負担となるためです。
会社は労働者が無償で働いてくれているという状況に甘えて残業代を払っていなかったにすぎないのです。
そのため、サービス残業をしないと終わらない状況を解消したいと考えた場合には、残業代を請求することがおすすめです。
サービス残業をしないと終わらない場合の対処法の4つ目は、退職することです。
職場環境の改善が難しい場合には、退職して残業の少ない企業を探すのも一つの方法です。
ブラック企業については劣悪な職場環境が体質化していて、労働者としての立場で職場環境の改善を目指すより転職してしまった方が早い場合があります。
退職した後も、これまで払われていなかった残業代を請求することは可能です。むしろ、働きながら残業代を請求するよりもストレスなく請求できます。
そのため、サービス残業をしないと仕事が終わらないような状況の場合には、早々に退職して残業代を請求することも検討しましょう。
残業代が出ない会社を辞めるべき理由については、以下の記事で詳しく解説しています。
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労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
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以上のとおり、今回は、サービス残業しないと終わらない状況について、仕事量が多すぎるなどの原因を説明したうえで、4つの対処法を解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
この記事がサービス残業しないと終わらないのは状況に不満を感じている方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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