
2025年2月22日
不当解雇
休職は何ヶ月でクビになる?休職期間満了や繰り返しでの解雇と対処法
休職期間や手続をよく確認しないまま、長期にわたり休職を継続して、解雇を言い渡されてしまう事例が多くなっています。今回は、休職が解雇猶予の制度であることを説明したうえで、休職でクビになるケースや対処法を解説します。
2025/04/09
不当解雇
会社から解雇されてしまい失業保険をもらえないか悩んでいませんか?
解雇されると給料を支給してもらえなくなってしまいますので、生活を維持するためにも、失業保険がどうなるのか不安になりますよね。
解雇された場合には、失業保険上、重責解雇と言われる場合を除き、原則として、会社都合退職として扱われることになります。
通常、解雇されてから1.5か月程度で失業保険の給付を受けることができますが、重責解雇の場合には1か月の給付制限がありますので、受給まで更に期間が必要となります。
懲戒解雇や諭旨解雇の場合には重責解雇にチェックされていることが多い傾向にあり、普通解雇や整理解雇では解雇(重責解雇を除く)にチェックされる傾向にあります。
試用期間の解雇でも条件さえ満たせば失業保険を受給することはできますが、勤続期間が短いと条件を満たさず受給できないこともあります。前職と通算できるか等を確認しましょう。
派遣社員やパート・アルバイト、契約社員の解雇でも、条件を満たせば失業保険は受給することができます。
不当解雇の際には、通常どおり失業保険を受給してしまうと離職したと認めていたと指摘されることもありますので、仮給付の手続きとする必要がありますので注意しましょう。
もし、あなたが解雇された場合に失業保険の受給を考えている場合には、離職票の請求を行う前に見通しや方針を慎重に検討するようにしましょう。
実は、解雇は厳格な規制がされており不当とされることも多いのですが、労働者が安易に会社都合の離職票をください等の発言をしてしまうことで、労働者自身退職を認めていたと指摘されることが少なくありません。
この記事をとおして、解雇された場合の失業保険について、知っておいていただきたいことを誰でもわかりやすく説明していくことができれば幸いです。
今回は、解雇(クビ)になった場合の失業保険について、いつからもらえるかを説明したうえで、条件や手続きを解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、解雇された際に失業保険についてどうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次
解雇された場合には、失業保険上、重責解雇と言われる場合を除き、原則として、会社都合退職として扱われることになります。
あなたが会社から解雇された場合には、離職票は、「解雇(重責解雇を除く)」又は「重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)」にチェックされます。
以下では、
それぞれの場合に分けて説明していきます。
まず、解雇(重責解雇を除く)にチェックされている場合には、会社都合退職とされることになります。
解雇の場合には、原則として、この「解雇(重責解雇を除く)」にチェックされることになります。
会社都合退職の場合には、退職前の1年間のうち6か月以上雇用保険に加入していれば、失業保険を受給できるとされています。
会社都合退職の場合には、自己都合に比べて、失業保険を受給できる日数が長くなる傾向にあります。
ハローワークインターネットサービス - 基本手当の所定給付日数
次に、重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)にチェックされている場合には、自己都合退職とされることになります。
例外的に、以下のようなケースでは重責解雇と扱われることになります。
自己都合退職の場合には、退職前の2年間のうち1年以上雇用保険に加入していれば、失業保険を受給できるとされています。
自己都合退職の場合には、会社都合に比べて、失業保険を受給できる日数が長くなる傾向にあります。
ハローワークインターネットサービス - 基本手当の所定給付日数
解雇になった場合には、失業保険を受給できるまでに、おおよそ1.5か月程度かかります。
まず、解雇されてから、離職票が届くまでに7日~14日程度かかります。
次に、ハローワークで失業保険の申請を行ってから、7日の待機期間があります。
待機期間が終わると、初回認定日を3週間後に設定され、待機期間終了の翌日から初回認定日の前日までの求職実績を確認されます。
初回認定日の1週間後に失業手当が振り込まれることになります。
ただし、例外的に、重責解雇の場合には自己都合となるため、7日の待機期間の後に1か月の給付制限がありますので、受給できるまでに更に期間を要することになります。
解雇の種類ごとに失業保険の取り扱いにつき、一定の傾向があります。
解雇の種類により失業保険の取り扱いが直ちに決まるわけではありませんが、ポイントを知るうえで、解雇の種類ごとに特徴を理解しておくといいでしょう。
以下では、解雇の種類と失業保険の取り扱いについて、次の順序で整理していきます。
懲戒解雇と諭旨解雇の場合には、会社は離職票の重責解雇にチェックをしてくることが多くなっています。
つまり、懲戒解雇とされる際には、自己都合退職として処理されることがあることになります。
懲戒解雇は、労働者が非違行為により会社の規律や秩序を乱した際に行われるため、労働者の責めに帰すべき重大な理由に当たることも多いためです。
ただし、懲戒解雇と重責解雇は必ずしもイコールではないため、納得できない場合には離職票について異議ありに〇をつけておくといいでしょう。
試用期間解雇の場合には、離職票上、「その他」にチェックされて、具体的な理由として「本採用拒否」と記載されます。
原則として会社都合となりますが、労働者の責めに帰すべき重大な理由による本採用拒否の場合には自己都合となるのは、通常の解雇の場合と同様です。
試用期間が3か月程度の場合には、勤続年数が短く雇用保険の加入期間が足りず失業保険受給の条件を満たしていないことがあります。
ただし、前職を通算することで、失業保険の受給条件を満たしている場合もあるため、ハローワークに確認してみるといいでしょう。
整理解雇の場合には、離職票上、解雇(重責解雇を除く)にチェックされますので、会社都合となります。
整理解雇は、労働者に落ち度がないような場合に、会社側の原因で人員を削減する必要性がある際に行われるものなので、会社都合となるのは当然となります。
不当解雇の際には、失業保険については、仮給付として受けるように注意しましょう。
不当解雇の際には、解雇の効力が発生しておらず、本来は離職していない可能性があるためです。
本給付を受けると離職を認めていたことになり、不当解雇であるとの主張を行うことと矛盾してしまいます。
これについては第5章で詳しく説明します。
正社員以外であっても、条件さえ満たせば、失業保険を受給することができます。
雇用保険はその受給条件について、雇用類型で区別しているわけではないためです。
以下では、雇用類型ごとの失業保険の取り扱いについて、次の順序で整理していきます。
派遣社員がクビになった場合であっても、失業保険を受給することができます。
もっとも、派遣社員の方の雇用主は、派遣元になります。
派遣先からクビと言われたとしても、正式に派遣元から解雇を言い渡されて、離職手続きが行われないと、失業保険は受給できません。
派遣先は派遣社員を解雇する権限を有していないためです。
パート・アルバイトがクビになった場合でも、雇用保険に加入していて、加入期間等の条件を満たしていれば、失業保険を受給することができます。
もっとも、パートやアルバイトの場合には、雇用保険の被保険者となるのは、以下のいずれにも該当する場合です。
そのため、いずれかを満たしていない場合には、雇用保険に加入していないことにより、失業保険を受給することができない可能性があります。
アルバイトのクビについては、以下の記事で詳しく解説しています。
契約社員がクビになった場合であっても、失業保険を受給することができます。
もっとも、契約期間中の解雇ではなく、契約期間満了時の更新拒絶の際には、離職事由について解雇は区別して取り扱われることになります。
契約期間満了による更新拒絶については、原則として、自己都合として処理されることになります。
ただし、例外的に、以下の2つのケースについては会社都合となります。
なお、更新または延長があることは明示されているが更新または延長することの確約まではない場合には、自己都合ですが、特定理由離職者として有利に扱ってもらえます。
契約社員のクビについては、以下の記事で詳しく解説しています。
不当解雇の際には、通常どおり失業保険を受給してしまうと離職したと認めていたと指摘されることもありますので、仮給付の手続きとする必要がありますので注意しましょう。
失業保険の仮給付とは、不当な解雇を争う期間の生活を維持するために失業手当を仮に受給するものとなります。
本来は、解雇が不当な場合には、解雇の効力が生じず離職していないことになりますので、失業したことを前提に失業手当を受け取ることは矛盾した行動になります。
しかし、会社は、解雇が不当な場合であったとしても、解雇が有効であることを前提に手続きを進めてきますので、解雇日以降の給料を払ってくれなくなります。
労働者は、生活を維持するためには、一時的に失業保険の受給を受ける必要性が高いのです。
そのため、ハローワークは、失業保険の仮給付という運用をしております。
ただし、仮給付なので、解雇が不当であることが認められた場合には、遡って仮に給付を受けた失業保険を返還する必要があります。
もっとも、実務上は、解雇を撤回したうえで解雇日付けで会社都合により合意退職したという和解が成立することが圧倒的に多いです。
離職日に変更がなく、離職理由も会社都合と言う範囲で変更がない場合には、解雇が撤回された場合でも失業手当を返還する必要はないのが通常です。
あなたが解雇された場合に失業保険の受給を考えている場合には、離職票の請求を行う前に見通しや方針を慎重に検討するようにしましょう。
法律では、解雇については厳格な規制されており、解雇が不当なこともよくあります。
しかし、労働者が安易に会社都合の離職票をください等の発言をしてしまうことで、労働者自身退職を認めていたと指摘されてしまうことがあります。
具体的には、解雇された方が失業保険を受給する際には、以下の手続きにより行いましょう。
それでは、これらの手続きについて順番に説明していきます。
解雇になった場合の失業保険の受給手続きの1つ目は、弁護士に相談することです。
まずは、解雇が不当かどうか見通しを確認したうえで、方針を決めるべきだからです。
解雇が不当である場合には、会社に対して、解雇日以降の給料を請求できる可能性があります。早期に和解により解決する場合でも一定の解決金が払われることがあります。
もし、解雇が不当である場合には、離職票の請求や失業保険の受給も、解雇が不当であるとの主張と矛盾しないように注意しながら行う必要があります。
ただし、不当解雇問題については、専門性が高い分野となるため、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
労働問題に注力していて、解雇について実績のある弁護士を探すといいでしょう。
解雇になった場合の失業保険の受給手続きの2つ目は、離職票を請求することです。
解雇された方が離職票の交付を希望していない場合には、離職票が交付されないこともあるためです。
また、小規模な会社では、離職手続きについて適当なことがあり、労働者において指摘しないと動かないことがあります。
ただし、不当解雇の場合には、生活を維持するために失業保険の仮給付を受けることを検討しているもので、解雇を認める趣旨は含まないことを指摘しておきましょう。
解雇になった場合の失業保険の受給手続きの3つ目は、ハローワークで手続きをすることです。
失業保険を受給する際にはハローワークで申請することが必要であるためです。
ただし、仮給付とする際には、労働審判申立書や訴状等、解雇を争っている証拠を持参するように言われますので注意が必要です。
不当解雇に強い弁護士を探したい場合には、是非、労働弁護士コンパスを活用ください。
労働問題は非常に専門的な分野であり、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
労働弁護士コンパスでは、労働問題に注力している弁護士を探すことは勿論、地域や個別の相談内容から、あなたにマッチする最高の弁護士を探すことができます。
初回無料相談や電話・オンライン相談可能な弁護士であれば、少ない負担で気軽に相談をすることができます。
どのようにして弁護士を探せばいいか分からないという場合には、まずは試しにこの労働問題弁護士コンパスを使ってみてください。
以上のとおり、今回は、解雇(クビ)になった場合の失業保険について、いつからもらえるかを説明したうえで、条件や手続きを解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
この記事が、会社から解雇されてしまい失業保険をもらえないか悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
弁護士に相談する
鈴木晶
横浜クレヨン法律事務所
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-21-1ダイヤビル303
籾山善臣
リバティ・ベル法律事務所
神奈川県横浜市中区尾上町1丁目4番地1関内STビル11F
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