嫁にGPSをつけられた!慰謝料請求できる?警察や簡単な対処法4つ

嫁にGPSをつけられた!慰謝料請求できる?警察や簡単な対処法4つ

著者情報

籾山 善臣

籾山 善臣 弁護士

リバティ・ベル法律事務所

神奈川県弁護士会所属
取扱分野は、浮気・不倫問題、離婚問題、労働問題等。
【連載・取材】幻冬舎ゴールドオンライン、ちょこっと弁護士Q&A、東京新聞、毎日新聞、週刊女性他

嫁にGPSをつけられてしまったというトラブルが出てきています

浮気調査は情報戦であり時代の流れとともに調査方法も変わってきているのです。

今回は、嫁にGPSをつけられた場合について、慰謝料請求できるかと警察への相談や簡単な対処法4つを解説します。

ホウペン

この記事の要点

・勝手にGPSをつけられた場合には、違法となる可能性が高いです。

・GPSをつけられたら、証拠を確保したうえで、取り外すか、放置するか検討しましょう。悪質な場合には警察に相談します。

・GPSをつけられたら、慰謝料を請求できることもありますが、20万円程度など低廉となりやすいでしょう。

1章 嫁にGPSをつけられたら違法

嫁に無断でGPSをつけられた場合、その行為は違法である可能性が高いです

以下のように旦那の権利を侵害したり、法律に違反したりすることになるためです。

・プライバシー侵害
・ストーカー規制法違反
・不正指令電磁的記録に関する罪

1-1 プライバシー侵害

無断でGPSを設置して相手の居場所を特定する行為は、プライバシーの侵害にあたることがあります

私たちは誰でも、自分の私生活を他人にのぞかれず、平穏に過ごす権利を持っているからです。

例えば、仕事中の移動ルートや、休日に立ち寄った場所などをすべて把握されることは、この平穏な生活を壊すことにつながります。

たとえ夫婦であっても、相手が嫌がることを無理に行い、私生活を監視し続けることは法律上の不法行為となり得ます。

民法第709条(不法行為による損害賠償)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

1-2 ストーカー規制法違反

相手の同意なくGPSを取り付けて位置情報を取得する行為は、ストーカー規制法に違反する場合もあります

近年、法律が改正されたことにより、電子機器を使った見守りや監視のルールがより厳しくなったからです。

例えば、相手の車に密かに装置を貼り付けたり、カバンの中に忍ばせたりして居場所を追いかける行為は、この法律によって禁止されています。

拒否しているにもかかわらず繰り返し監視を続けるようなケースでは、警察が介入する対象にもなり得ます。

ストーカー行為等の規制等に関する法律第3条(つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして不安を覚えさせることの禁止)
何人も、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならない。

1-3 不正指令電磁的記録に関する罪

配偶者のスマホに、無断で位置情報追跡アプリをインストールする行為も、違法となり得ます

このような行為は、不正指令電磁的記録に関する罪(いわゆるウイルス罪)にあたる可能性があります。

刑法168条の2(不正指令電磁的記録作成等)
1「正当な理由がないのに、人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」
一「人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録」
二「前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録」
刑法 | e-Gov 法令検索

2章 嫁にGPSをつけられた場合の対処法

もしGPSを見つけたら、まずは落ち着いて対応しましょう

慌ててその場で壊したり、十分に検討せず感情的に問い詰めたりすることは、得策ではありません。

例えば、嫁にGPSをつけられた場合の対処法としては、以下のとおりです。

対処法1:GPSをつけられた証拠を確保する
対処法2:GPSを外す
対処法3:GPSを放置する
対処法4:警察へ相談する

嫁にGPSをつけられた場合の対処法

それでは、それぞれの対処法の内容について順番に見ていきましょう。

2-1 対処法1:GPSをつけられた証拠を確保する

まずは、GPSが取り付けられている状態を客観的に証明できる形にすることが必要です

後から「そんなものはつけていない」としらを切られたり、勝手に外したと疑われたりするのを防ぐためです。

例えば、装置が車の下やカバンの中に隠されている様子をスマホのカメラで写真に撮ったり、動画で記録したりしてください。

設置されていた日付や場所がわかるように記録を残しておくことで、その後の話し合いや手続きの際に役立てることができます。

2-2 対処法2:GPSを外す

自分のプライバシーを守るために、見つけた装置を取り外すことも一つの選択肢です

知らないうちに監視され続ける不安から解放され、心の平穏を取り戻すことができるからです。

例えば、見つけた装置をカバンから取り出したり、車の磁石式のケースを外したりして、安全な場所に保管します。

ただし、外したことをきっかけに相手が激昂したり、さらに別の方法で監視を強めたりする可能性もあるため、周囲の状況をよく確認してから行うのが良いでしょう。

2-3 対処法3:GPSを放置する

あえて装置を外さずに、そのままにしておくという方法もあります

相手が監視していることを逆手に取って、自分の身の潔白を証明したり、相手の出方を探ったりすることができるからです。

例えば、あえて普段通りに生活を続けて、相手がいつどのタイミングで問い詰めてくるかを確認します。

こうすることで、相手がどのような証拠を掴もうとしているのかを把握し、冷静に対策を練る時間を稼ぐことができます。

2-4 対処法4:警察へ相談する

もし相手の行為が過激で身の危険を感じる場合は、迷わず警察に相談してください

法に触れるような監視行為は、警察から注意を受けたり、警告を出してもらったりすることで止められる場合があるからです。

例えば、何度も待ち伏せをされたり、行動を細かく制限されたりして生活に支障が出ているケースが考えられます。

警察に現状を話して相談の記録を作ってもらうことで、相手への抑止力になり、トラブルが大きくなるのを防ぐことにつながります。

3章 嫁にGPSをつけられた場合の慰謝料

嫁に無断でGPSをつけられた場合、精神的な苦痛に対する慰謝料を請求できる可能性があります

配偶者であっても個人のプライバシーを勝手に暴く行為は、法律上の不法行為に該当することがあるからです。

例えば、長期間にわたって執拗に行動を監視されたり、その恐怖から体調を崩してしまったりしたケースなどが考えられます。

ただし、裁判などで認められる金額は、一般的に20万円程度など低廉となりやすい傾向にあります。

そのため、慰謝料請求する手続きの負担やコストに比べたら、到底割にあわないでしょう。

4章 嫁にGPSをつけられた場合の離婚

嫁に無断でGPSをつけられたことは、婚姻関係が破綻している事情の一つとなる可能性はあります

夫婦にはお互いに協力し合い、平穏に暮らす義務がありますが、過度な監視によってその信頼関係が修復できないほど壊れてしまったと判断されることがあるからです。

例えば、注意してもgpsでの監視をやめなかったり、異常な束縛によって日常生活に大きな支障が出たりするケースが考えられます。

ただし、旦那側が不貞行為をしていたということであれば、旦那から離婚を求めることは有責配偶者からの離婚請求とされる可能性もあります。

そのため、GPSをつけられたという事情は、婚姻関係が破綻しているかを議論する際の事情の一つとなりますが、離婚が認められるとは限りません。

5章 嫁にGPSをつけられた場合の裁判例[旭川地裁令和6年3月22日]

【事案】
原告X1の妻Bは、探偵業者である被告に夫の浮気調査を依頼しました。

被告は、原告X1と浮気相手X2が使用する車両に、無断でGPS機器を取り付けました

約20日間にわたり、位置情報や移動履歴を継続的に取得しました。被告は、得られた情報を基に、ホテル敷地内で原告らの姿を写真撮影しました。

原告らは、これらの行為がプライバシー権を違法に侵害したと主張しました。被告に対し、損害賠償を求めて提訴した事案です。

【結論】
被告からX1とX2のそれぞれに各20万円の慰謝料の支払いを命じました
※上記に加えて弁護士費用各2万円の支払いも命じられています。

【理由】
個人の位置情報や移動履歴は、他人に知られたくないプライバシー情報です。地方都市では、自家用車が主な移動手段となっています。

そのため、車両の位置を把握することは、個人の行動を把握することと同義です。被告は、原告らの承諾を得ることなく、頻繁に位置情報を取得しました。

たとえ依頼者が配偶者であっても、本人の承諾がない追跡は違法です。不貞調査という目的自体は正当なものといえます。

しかし、GPSを無断で取り付ける手法は、相当性を欠いています。探偵業務としての正当な範囲を超えていると判断されました。

以下の事情から慰謝料は各20万にとどまるとされています。

・設置されたのは車両であり直接的に得られるには位置情報及び移動履歴で大部分は公道上からも確認できること、
・所持品に設置するより侵襲性が高くないこと
・設置期間は23日で長期ではないこと
・正当な目的のもと行われたこと
・取得した情報が特定少数に開示されたにとどまること

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7章 まとめ

以上のとおり、今回は、嫁にGPSをつけられた場合について、慰謝料請求できるかと警察への相談や簡単な対処法4つを解説しました。

この記事が嫁にGPSをつけられて悩んでいる方の助けになれば幸いです。

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籾山 善臣

籾山 善臣 弁護士

リバティ・ベル法律事務所

神奈川県弁護士会所属。
取扱分野は、浮気・不倫問題、離婚問題、労働問題等。
【連載・執筆等】幻冬舎ゴールドオンライン、ちょこ弁|ちょこっと弁護士Q&A他
【取材実績】東京新聞2022年6月5日朝刊、毎日新聞 2023年8月1日朝刊、週刊女性2024年9月10日号、区民ニュース2023年8月21日

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