2025年12月29日
不倫の考え方
浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料相場はいくら?判例368個を独自調査
不倫慰謝料の相場は、50万~300万円程度です。別居や離婚の有無等の個別事情により金額は変わってきます。今回は、浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料相場はいくらかについて、判例368個を独自に調査、分析したうえで解説します。
2026/02/05
不倫慰謝料を請求された
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セックスレスであっても、浮気や不倫が仕方ないと正当化されるわけではありません。
慰謝料請求や離婚の原因となってしまうリスクもあります。ただし、慰謝料の減額要素としてセックスレスが考慮されることはあります。
セックスレスの状況にあると相手に責任があるとして、浮気や不倫を正当化して考えがちですが、法律上はそこまでシンプルではないのです。
今回は、セックスレスで浮気(不倫)は仕方ないかを説明したうえで、原因や慰謝料と簡単な対処法を解説していきます。

この記事の要点
・セックスレスであったとしても、不倫をした場合には慰謝料を請求されてしまう可能性があります。
・すでに夫婦関係が破綻していた場合には慰謝料が認められないことがありますが、冷え切っていただけであれば慰謝料の減額要素にとどまることになります。なお、不倫後のセックスレスは減額事由にはなりません。
この記事を読めば、セックスレスによる不倫についての考え方がよくわかるはずです。
目次
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セックスレスだからといって、不倫や浮気が正当化されるということにはなりません。
結婚している以上、配偶者以外と性的な関係を持たない義務があると考えられているからです。
夫婦関係がうまくいっていなかったり、長期間セックスレスが続いていたりしても、その事情だけで不倫が許されるわけではありません。
例えば、何度誘っても、相手から性交渉を拒まれてしまっていたという場合であっても、それだけで不倫をしても良いということにはならないのです。
ただし、判例も夫婦の性生活は婚姻の基本となる重要事項であるとしています。
(参考:最判昭和37年2月6日民集16巻2号206頁)
セックスレスについて、相手方に責任がないとは限りませんし、セックスレス自体を理由に慰謝料や離婚の請求をできることもあります。
もっとも、不倫や浮気をするという手段については、穏当ではありませんし、法的にも正当化されないリスクがありますので注意しましょう。
セックスレスであったとしても、不倫をした場合には慰謝料を請求されてしまう可能性があります。
平穏な夫婦生活を害する行為であり、これにより精神的苦痛が生じれば、民法上の不法行為となり得るためです。
セックスレスであったとしても、その時点ですでに婚姻関係が破綻しているとは限らず、不倫によって平穏な夫婦生活が害されてしまうことはあります。
例えば、セックスレスであっても、日常的な会話があったり、遊びに出かけていたり、良好な夫婦関係を維持している方は多くいます。
そのため、セックスレスであったとしても、不倫をすれば慰謝料請求が認められてしまうことが多いのです。
ただし、セックスレスというのは、夫婦関係が良好ではなかったと事情とはなり得ますので、不倫により害された夫婦関係が限定的と評価される余地があります。
つまり、セックスレスというのは、直ちに不倫慰謝料を否定する事情にはなりませんが、減額の事情にはなりやすいということになります。
セックスレスがある場合でも、不倫の評価は一律に決まるわけではなく、夫婦関係の状態によって影響が変わります。
不倫が夫婦関係にどのような影響を与えたかという点が見られるためです。
例えば、セックスレスと不倫の関係は、次のようなケースに分けて考えられます。

それでは、それぞれのケースについて順番に見ていきましょう。
不倫をする前から、夫婦関係がすでに破綻していた場合には、不倫の責任が軽く評価されることがあります。
セックスレスという事情にとどまらず、他の事情も合わさることにより、夫婦関係が既に破綻していたと判断される余地があります。
例えば、長期間別居していたり、夫婦としての話し合いや交流が完全に途絶えていたりする状況では、籍が入っていても、婚姻関係は破綻していると評価されることがあります。
夫婦関係が破綻していたとされる場合には、不倫慰謝料は認められないことになります。
ただし、裁判実務上は、夫婦関係の破綻については厳格に判断される傾向にあり、簡単には認められません。
セックスレスだったという事情だけで、夫婦関係が破綻していたというには足りないでしょう。
夫婦関係が完全に破綻していたとは言えないものの、関係が冷え切っていた場合には、不倫の評価が微妙になります。
不倫自体は違法とされやすいものの、慰謝料の金額に影響が出ることがあります。
例えば、セックスレスが長期間続いていたり、会話が最低限しかなかったり、夫婦としての関係が形だけになっていたりするケースでは、精神的苦痛が限定的と評価されやすいです。
その結果、慰謝料が減額される可能性があります。
ただし、関係が冷えていたとしても、日常的な会話を続けていたり、家族としての生活を維持していたりする場合には、「まだ平穏な夫婦生活は残っていた」と判断されることもあります。
この点を過小評価すると、想定より不利な結果になることもありますので注意が必要です。
不倫が原因でセックスレスになった場合には、不倫をした側の責任が重く評価されやすくなります。
この場合には、セックスレスは不倫による被害の結果ということになりますので、平穏な夫婦生活が破壊された事情の一つと位置付けられます。
例えば、不倫を始めたことで配偶者との関係が悪化したり、精神的な距離が広がったりして、その結果としてセックスレスになった場合には、不倫による被害と言えるでしょう。
このような場合には、セックスレスが慰謝料減額要素になるということにはなりません。
つまり、不倫が先にあり、その後にセックスレスが生じた場合には、「セックスレスだったから夫婦関係は元から良好ではなかった」という反論は成り立たないということです。
セックスレスや不倫は、離婚事由にもなり得ます。
いずれも婚姻関係を継続していくうえで深刻な影響を与える事項だからです。
セックスレスについて、「不倫した側」と「不倫された側」で主張する離婚事由を整理すると以下のとおりです。
それでは、それぞれの主張を順番に説明していきます。
セックスレスは、離婚事由になるとされています。
単にセックスレスというだけではなく、以下のような事情が重なると「婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法770条1項5号)として離婚事由となりやすいです。
ただし、不倫をしてしまうと、有責配偶者からの離婚請求となってしまい簡単には離婚が認められなくなってしまう可能性があります。
不倫をされた側は、不倫を理由として離婚を請求できる立場にあります。
「配偶者に不貞な行為があったとき」(民法770条1項1号)に当たるためです
セックスレスの状態にあったとしても、不倫された側が離婚を請求できなくなるというわけではありません。
セックスレスによる不倫について、実際に裁判所で争われたいがあります。
裁判例を見ることで、裁判所がセックスレスによる不倫についてどのように判断するかイメージを持ちやすくなるでしょう。
例えば、セックスレスと不倫の裁判例を整理すると以下のとおりです。

【事案】
原告は、配偶者である夫と約6年2か月以上もの間、性交渉を持っていませんでした。
夫が他の女性と不倫をし、原告は、夫と不倫女性に対して慰謝料を請求しました。
【結論】
慰謝料90万円
【理由】
長期間性交渉がなかったからと言って、夫と不倫相手方肉体関係を持った時点で婚姻関係が破綻していたとは言えないとされました。
【事案】
10年以上セックスレスだった夫婦の事案です。
妻が別の男性と不倫し、妊娠・出産しました。夫が妻と不倫相手に対し、損害賠償を求めた裁判です。
不倫の時点で、夫婦関係が破綻していたかが主な争点となりました。
【結論】
慰謝料250万円
【理由】
長期間、性交渉がないことは事実でした。
しかし、夫は妻の活動を支えていました。同居を続け、共に自宅建築も計画していました。
これらから、不倫開始時に婚姻関係が破綻していたとは認められませんでした。
不貞が破綻の主因です。一方で、性交渉がない実態も慰謝料額の算定において考慮されました。
セックスレスが不倫につながる背景には、男女で感じ方や悩み方の違いがあることが少なくありません。
セックスレスによって生じる不満や孤独感の現れ方が、男女で異なる傾向があるからです。
セックスレスと不倫の関係を冷静に考えるためには、男女それぞれの事情を知ることが大切です。
例えば、セックスレスによる不倫(浮気)の原因を男性側と女性側の視点で整理すると以下のとおりです。
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それでは、順番に見ていきましょう。
男性側では、セックスレスによって生じる性的欲求の不満が、不倫のきっかけになることがあります。
性的な関係を、欲求の解消だけでなく、夫婦関係の重要な要素と捉えている方が多いためです。
セックスレスが続くと、我慢することが当たり前になったり、欲求を口に出せなくなったりして、不満が少しずつ蓄積していきます。
例えば、家庭内では大きな問題がないものの、性的な関係だけが長期間なくなっているケースでは、強いストレスを感じやすくなります。
ただし、性的欲求の不満があったとしても、不倫が許されるわけではありません。
繰り返し拒否される経験が、男性側の自信を失ってしまうことがあります。
性的な拒否を、人格そのものの否定として受け止めてしまうことがあるためです。
誘っても応じてもらえなかったり、話題にすること自体を避けられたりすると、
「必要とされていないのではないか」
「異性として見られていないのではないか」
と感じやすくなります。
こうした自信の低下が続くと、外部からの承認を求める気持ちが強まり、不倫に至ることがあります。
性的欲求を受け止めてくれる相手が現れると、安心感から関係が深まりやすくなります。
長く抑え込んできた不満が、一気に解放されるためです。
例えば、欲求を否定されずに受け入れてもらえたり、共感する言葉をかけられたりする中で、「この人は分かってくれる」と感じ、不倫関係に傾いてしまうことがあります。
しかし、理解してくれる相手がいることと、不倫が正当化されることは別問題です。
女性側では、セックスレスが続くことで、自分はもう女性として見られていないのではないかと感じてしまうことがあります。
性行為が、女性にとって「求められている実感」と強く結びついていることが多いためです。
セックスレスになると、触れられなくなったり、求められなくなったりして、「私はもう異性として価値がないのではないか」という気持ちが生まれやすくなります。
例えば、日常生活は穏やかに続いていたり、家族としての役割は果たしていたりしても、「妻ではあっても、女性ではない」という感覚を持ってしまうことがあります。
この女性としての自己評価が下がる感覚が、不倫につながる最初の原因になることがあります。
女性側では、セックスレスについて不満があっても、「言い出して嫌われたくない」、「責めていると思われたくない」と考え、我慢を続けてしまうことがあります。
セックスレスの状態で、自分の気持ちを抑えたり、平気なふりをしたりすることが続くと、心の中に寂しさや虚しさが溜まっていきます。
例えば、本当はつらいと感じていても、家庭の空気を壊したくないと思い、何も言わずに時間だけが過ぎてしまうケースもあります。
このように、セックスレスを我慢し続けることで心がすり減っていく状態が、不倫に向かう背景になることがあります。
セックスレスが続く中で、自分を女性として扱ってくれる人や、自然に「きれいだ」「魅力的だ」と言ってくれる人が現れると、女性側の心は大きく揺れやすくなります。
これは、刺激を求めているというより、長く満たされていなかった女性としての存在を認められた感覚に救われるためです。
例えば、配偶者からは何も言われなくなっていた中で、異性として丁寧に接されたり、女性として意識されている言動を向けられたりすると、嬉しくと感じてしまうことがあります。
このように、セックスレスの状態で求めてくれる存在が現れることが、不倫に踏み出すきっかけになることがあります。
セックスレスが原因で不倫に至ってしまった場合、あるいは不倫に発展しそうな状況にある場合には適切に対処していきましょう。
感情のまま行動してしまうと、慰謝料請求や離婚といった大きな不利益につながるおそれがあります。
大切なのは、「セックスレス」と「不倫」を切り分け、冷静に状況を整理することです。
そのうえで、法的なリスクを理解しながら、現実的な対処を選ぶことが重要になります。
例えば、セックスレスが原因の不倫への対処法としては、次の3つが考えられます。
それでは、順番に見ていきましょう。
セックスレスに悩んでいる場合には、まず夫婦でよく話し合いましょう。
セックスレスは、自然に解決することが少なく、放置すると不満が蓄積しやすいからです。
話し合いでは、相手を責めたり、一方的に不満をぶつけたりするのではなく、「自分はどう感じているのか」を伝えることを意識します。
例えば、「寂しく感じている」、「距離ができたように思う」といった気持ちを落ち着いて伝えることで、相手も向き合いやすくなります。
セックスレスについて話し合うこと自体に抵抗がある方も多いですが、話さないまま時間が過ぎるほど、不倫に発展するリスクは高まります。
不倫という形で問題が表面化する前に、夫婦の中で整理する姿勢が大切です。
セックスレスの状態で、特定の異性に心が傾き始めた場合には、不倫に発展する前に距離を取りましょう。
一線を越えてしまうと、元に戻ることが難しくなるからです。
例えば、二人きりで会うのを避けたり、私的な連絡を控えたり、感情的な相談をしないようにしたりすることで、関係が深まるのを防ぐことができます。
「話を聞いてもらっているだけ」、「気持ちが楽になるだけ」と思っていても、その延長線上に不倫があることは少なくありません。
自分を守るためにも、「少しおかしいかもしれない」と感じた段階で距離を取るべきです。
すでに浮気や不倫をしてしまっている場合には、できるだけ早く関係を断ちましょう。
不倫は、続ければ続けるほど、慰謝料や離婚のリスクが大きくなるからです。
例えば、関係を長引かせたり、連絡を続けたり、事実を隠そうとしたりすると、後から不利に評価されることがあります。
「セックスレスが原因だった」、「仕方がなかった」と感じていたとしても、不倫をした事実そのものは消えません。
早い段階で関係を整理し、冷静に今後を考えることが、結果的に自分へのダメージを小さくすることにつながります。
セックスレスによる不倫や浮気についてよくある疑問としては、以下の4つがあります。
これらの疑問を順番に解消していきましょう。
A.セックスレスが原因で浮気・不倫をしたことがある人は、38.06%とされています。
ただし、男性のみだと45.45%、女性のみだと17.14%となっています。
つまり、男性の方がセックスレスによる浮気率が高いことが分かります。
(参考:【セックスレス】レスで浮気・不倫をした人は?──既婚男女3,000人にアンケート調査:第4報|ノマドマーケティング株式会社)
A.夫婦の間で、明確に浮気を認め合っていた場合には、不倫としての責任が否定される可能性があります。
ただし、「公認」と言えるかどうかは慎重に判断されます。
例えば、口頭で軽く許したつもりだったり、冗談のようなやり取りだったり、曖昧な合意しかなかった場合には、後から「公認だった」と主張しても認められにくいです。
また、配偶者だけでなく、不倫相手に対しても公認が及ぶかという点も問題になります。
この点が整理されていないと、トラブルになりやすいので注意が必要です。
A.セックスレス自体を理由に慰謝料を請求できることもあります。
ただし、性交渉を拒まれたから直ちに慰謝料を請求できるというわけではなく、不合理な態様で拒否されたような事情が必要です。
裁判例では、単に性交渉がないだけではなく、身体的な接触や言葉を交わすなどして夫婦間の精神的結合を深めるといった努力もなかった事案で、50万円の慰謝料を認めた事例があります。
(参考:東京地判平成29年8月18日)
A.セックスレスであっても、浮気や不倫が正当化されるとは限りません。
まずは夫婦で話し合い、どうしても浮気をしたいという場合には、他の異性と関係を持つ前に離婚するなど夫婦関係を清算することを検討しましょう。
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以上のとおり、今回は、セックスレスで浮気(不倫)は仕方ないかを説明したうえで、原因や慰謝料と簡単な対処法を解説しました。
この記事がセックスレスによる浮気や不倫に悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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籾山善臣
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