
2025年2月22日
不当解雇
休職は何ヶ月でクビになる?休職期間満了や繰り返しでの解雇と対処法
休職期間や手続をよく確認しないまま、長期にわたり休職を継続して、解雇を言い渡されてしまう事例が多くなっています。今回は、休職が解雇猶予の制度であることを説明したうえで、休職でクビになるケースや対処法を解説します。
2025/04/07
労働一般
退職後に名前を使われてしまい困っていませんか?
会社を辞めたのに、名前を使われ続けるのは不快ですよね。
退職後も会社が名前を使用することは、違法となる可能性があります。
名前は、個人の特定を可能にするものとして「個人情報」に該当するためです。
しかし、個人情報の利用は一定の範囲で許されており、常に違法となるわけではありません。
実は、「当初の利用目的の範囲内である」場合や「個人を特定することができない」場合等には、名前の使用が違法とならないことがあるのです。
そのため、どのような場合に名前の使用が違法となるのか押さえておくことが大切です。
この記事をとおして、退職後も会社に名前を使われている労働者の方に、必要な知識をお伝えすることができれば幸いです。
今回は、退職後に会社に名前を使われる場合について、使用することの違法性を説明したうえで、4つの具体的な対処法について解説していきます。
具体的には、以下の流れで解説していきます。
この記事を読めば、名前の無断使用への対処法がよくわかるはずです。
目次
退職後も名前を使われている場合、違法となる可能性があります。
個人の名前は、個人の特定が可能な情報のため、個人情報保護法の保護が与えられているためです。
例えば、会社のホームページ上に社員紹介として退職後も名前が掲載され続けている場合、名前の使用は在籍する社員を紹介する目的と考えられます。
このようなケースでは、既に退職した社員の名前を使い続ける理由はないのです。
そのため、この場合には退職後に名前を使用することは違法となる可能性があります。
退職後の名前使用が違法にはならない場合もあります。
例えば、退職後に名前を使われても違法ではないケース3つを整理すると以下のとおりです。
それでは、これらのケースについて順番に説明していきます。
退職後に名前を使われても違法ではないケース1つ目は、退職後の使用に同意した場合です。
個人情報保護法が制限しているのは、同意のない目的外使用であるため、本人の同意がある場合には違法となりません。
そのため、本人の同意がある場合には、退職後も名前を使用することができるのです。
例えば、ホームページから名前を削除するための期間において、名前の使用について同意した場合には違法とならないことがあります。
退職後に名前を使われても違法ではないケース2つ目は、利用目的の範囲内である場合です。
個人情報を取得する場合、会社はできる限り利用目的を特定しなければいけません。
個人情報保護法が制限するのは、同意のない目的外使用であるため、利用目的の範囲内であれば退職後も使用できることがあります。
例えば、会社のプロジェクト成功事例で、「プロジェクトをリードした●●さん」として在籍時から紹介していたものであれば、目的内の使用と判断される可能性があります。
退職後に名前を使われても違法ではないケース3つ目は、個人を特定できない場合です。
個人情報保護法により保護されるのは、個人を特定できるものに限られます。
そのため、名前をフルネームで使用された場合には、個人の特定が可能であり、違法となる可能性があります。
しかし、名前を抽象的に使用した場合、例えば「Yさん」とイニシャルで記載された場合や、「元営業部長」と役職名で記載された場合には、個人を特定することが難しい場合もあります。
こうした場合は、退職後の名前使用が違法とならない可能性があります。
退職後に名前を使われている場合、労働者側が行動を起こさなければ、そのまま名前を使われ続ける可能性があります。
そのため、名前の使用に気付いたら労働者が積極的に行動していく必要があるのです。
具体的には、退職後に名前を使われている場合の対処法4つを整理すると以下のとおりです。
それでは、これらの対処法について順番に説明していきます。
退職後に名前使われている場合の対処法1つ目は、弁護士に相談することです。
退職後の名前使用が許されるかは法的判断であり、事案により異なるため、具体的な事情を基に方針を検討していく必要があります。
そのため、退職後も名前を使われている場合には、個人情報の問題に精通した弁護士に相談してみるといいでしょう。
退職後に名前使われている場合の対処法2つ目は、名前の利用停止を請求することです。
個人情報が利用目的を超えて使用されている場合、その利用の停止を請求できる場合があります。
利用停止請求に理由があると判断された場合、会社は名前の使用を停止しなければいけません。
しかし、名前の使用停止が困難な場合には、代替措置を講じることで足りると判断される可能性があります。
退職後に名前使われている場合の対処法3つ目は、個人情報保護委員会に相談することです。
個人情報保護委員会とは、個人の権利利益を保護するため、個人情報の適正な取り扱いの確保を図る機関です。
個人情報保護委員会は、名前の目的外使用に対して勧告することができます。
会社がこの勧告に従わない場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることになります。
そのため、利用停止請求に応じてもらえない場合には、個人情報保護委員会に相談してみるといいでしょう。
(参考:個人情報保護委員会‐個人情報保護法相談ダイヤル)
退職後に名前使われている場合の対処法4つ目は、慰謝料を請求することです。
名前が使われ続けることによって精神的苦痛を受けた場合、人格権の侵害として慰謝料請求できる場合があります。
ただし、侵害の程度は事案によって大きく異なるため、慰謝料の金額は高額にならないことがあります。
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以上のとおり、今回は、退職後に会社に名前を使われる場合について、使用することの違法性を説明したうえで、4つの具体的な対処法について解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
この記事が、退職後に名前を使われている場合の対処法を知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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鈴木晶
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籾山善臣
リバティ・ベル法律事務所
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