2025年5月2日
法律一般
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2025/11/25
法律手続


証拠説明書をどのように作成すればいいのか悩んでいませんか?
裁判が初めてだと証拠説明書を見たことがないという方もいるでしょう。見たことがあっても、この証拠については書き方が分からないという方もいるかもしれません。
証拠説明書とは、裁判所に対し、提出した証拠を一覧として、その内容を説明する書面のことです。
証拠説明書には、証拠の作成者や作成日、提出方法、立証趣旨等を書いていくことになります。
証拠ごとに記載例を見てみるとイメージを掴みやすいでしょう。
証拠説明書は、A4により「正本:1部」と「副本:相手方当事者の数」印刷して、正本は裁判所、副本は相手方当事者に直送します。ただし、訴状の添付書類とする際は、裁判所から相手方に送達されます。
証拠説明書を作成する際には、その記載内容について注意していただきたい点がいくつかあります。
実は、訴状や答弁書、準備書面に比べて、証拠説明書を軽視する方が多いですが、訴訟で重要なのは証拠であり、証拠説明書の影響はとても大きなものです。
この記事をとおして、証拠説明書の実務上の取り扱いや弁護士としての経験から気を付けていただきたいことを誰でも分かりやすくお伝えしていくことができれば幸いです。
今回は、証拠説明書とは何かを説明したうえで、書式や書き方と簡単な記載例11個を解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば、誰でも上手に証拠説明書を作れるようになっているはずです。
目次
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証拠説明書とは、裁判所に対し、提出した証拠を一覧として、その内容を説明する書面のことです。
当事者が裁判所に証拠を出す際には、証拠説明書を作成して提出しなければなりません。
例えば、訴状を出す際には、添付書類として、証拠説明書と甲号証の写しを提出します。
その後も、準備書面を出す際に併せて証拠と証拠説明書を出すこともあります。準備書面を出さずに、証拠と証拠説明書だけ出すこともあります。
裁判官の中には、証拠説明書をインデックス代わりに利用しているという方もいますので、立証構造の全体像を示すうえでも大切となります。
証拠説明書だけ見れば、準備書面や証拠を見なくても、おおよその立証内容が理解できるようにするのが理想でしょう。
証拠説明書のテンプレート書式は、以下のとおりです。

証拠説明書テンプレート
(2頁目以降略[ダウンロードデータをご覧ください])
wordダウンロードはコチラ 証拠説明書
証拠説明書を提出する際には、どの事件についての証拠説明書かが分かるように、左上に事件番号と当事者名を記載しておきましょう。
ただし、訴訟を提起する際に訴状の添付書類として出す場合には、事件番号はまだ明らかになっていないので、以下のように事件番号は省略して構いません。
証拠説明書の作成日を記載しておきましょう。
とくに決まりはないので、提出日を記載しておくといいでしょう。
証拠説明書のタイトルを記載しましょう。
「証拠説明書1」、「証拠説明書2」などの記載をするのが一般的です。
最近では、1頁目を見ればどの証拠にいての説明が記載されているか分かるように工夫してタイトルの下に(甲●乃至甲●)などの記載をする方もいます。
証拠説明書の宛先を記載しましょう。
事件が係属している「裁判所」と「担当部」などを記載します。
訴訟提起時には、担当部が分かっていないこともありますので、以下のように担当部を省略して記載して構いません。
証拠説明書の作成者を記載しましょう。
「原告」「被告」などの立場を記載したうえで、その右横に名前を記載し、押印をします。
証拠番号を記載しましょう。
原告は「甲号証」、被告は「乙号証」として、証拠ごとに番号を振っていきます。
証拠ごとに簡単なタイトルを付けていきましょう。
「履歴事項全部証明書」、「雇用契約書」など文書名を記載します。
同一の標目の証拠が複数ある場合には、何らかの特定要素を追加することが望ましいとされます。
例えば、札幌家庭裁判所の証拠説明書の記載例では、「総合口座通帳」という標目が被る場合に「口座番号」を追記することで、特定されています。
(出典:札幌家庭裁判所|証拠説明書記載例)
証拠の作成者名を記載します。
作成者の意味が曖昧な場合には、()書などで補足を加えると良いでしょう。
例えば、「原告(印刷者)」、「原告(撮影者)」などの補足をすると丁寧です。
部分ごとに作成者が異なる場合には、どの部分を誰が作成したか特定しましましょう。
例えば、「原告(右側吹出部分)」などの記載をします。
証拠ごとの作成年月日を記載します。
例えば、「R7.10.1」などの記載をします。
作成日の意味が不明確な場合には、「R7.10.1(印刷日)」、「R7.10.1(撮影日)」などの補足をしましょう。
証拠について、原本を出すのか、写しを出すのかを記載しましょう。
原本と記載すると、期日当日に原本を持参して、裁判官と相手方が確認することになります。
もっとも、WEB期日が普及したことにより、あえて原本で提出する必要がない証拠は、写しで提出するとの運用が定着しつつあります。
例えば、その文書の形状や状況などが具体的に問題となる書類、その書類が偽造されたものであるかが争いとなる書類など以外は、写しで提出していいでしょう。
立証趣旨として、証明すべき事実と証拠との関係を記載しましょう。
すべての証拠でこれらを網羅する必要はないでしょうが、とくに重要な証拠ではこれらを意識して詳細に記載する必要があります。
とくに、証明すべき事実を具体的に記載することで、裁判所がどの部分を見ればいいか明らかになりますので、この部分は常に意識した方が良いでしょう。
証拠説明書の記載については証拠ごとに異なります。
証拠別に典型的な記載方法を知っておくと、証拠説明書を書きやすくなるでしょう。
例えば、典型的な証拠としてよくあるのは、以下の11個です。
それでは、これらについて順番に説明していきます。

履歴事項全部証明書

当事者のいずれかが法人である場合には、履歴事項全部証明書を証拠で出すことが多いです。
訴状の添付書類としても提出しますので、併せて、甲号証として写しを出します。
作成者と作成日は、履歴事項全部証明書の最終頁の一番下に記載されていますので、書き写すと良いでしょう。

契約書

契約書については、締結当事者を作成者として記載することが多いでしょう。
通常は、契約締結日が作成日となります。

ホームページ(WEBページ)

WEBページを印刷して提出する際には、標目は、「WEBページ」などとすることが多いです。
裁判所などの記載例では、「『○○』と題するウェブページを印刷した書面」などの書き方が示されていますので、丁寧に書く場合にはこのように記載します。
(出典:準文書及び証拠説明書の記載について)
作成者名は、WEBサイトの運営者情報を確認して、運営者名を記載することが多いでしょう。
作成日は、ブログ記事などであれば公開日などが記載されていることがありますので、これを記載することがあります。
公開日などが分からない場合には、「R7.10.31(印刷日)」など印刷日を記載しておく方法もあります。

写真

写真を証拠として提出する際には、「撮影の対象」と「その日時及び場所」を記載する必要があります。
裁判所などの記載例では、標目の欄に撮影場所と撮影対象、作成年月日の欄に撮影年月日を記載する書き方が示されています。
(出典:札幌家庭裁判所|証拠説明書記載例)
ただし、撮影場所や撮影対象について、証拠説明書に記載されていないことも多いです。
とくに撮影場所や撮影対象が問題とならなかったり、明らかであったりする場合には、裁判官も、何も指摘しない傾向にあります。

LINE(ライン)

LINEの標目については、「LINE」、「トーク履歴」などの記載がされることが多いです。
裁判所などの記載例では、「〇〇と〇〇の間のメッセージを印刷した書面」などの書き方が示されています。
(出典:準文書及び証拠説明書の記載について)
作成者については、どの部分を誰が発言しているかが分かるように記載するといいでしょう。
とくに、アカウント名が本名ではない場合などには、具体的な箇所を特定したうえで、誰が発言しているかを記載しないと混乱しがちです。
例えば、LINEの作成者については、以下のような記載をすることが考えられます。

録音

録音を証拠として提出する際には、「録音の対象」と「その日時及び場所」を記載する必要があります。
裁判所などの記載例では、標目の欄に録音対象、録音日時、録音場所を記載する書き方が示されています。
(出典:和歌山地方裁判所 2-7-3 証拠説明書別紙2.pdf)
また、録音を証拠として提出する際には、裁判所又は相手方の求めがあるときは、反訳書を併せて提出する必要があります。
反訳書がないと裁判所に提出を促されるので、裁判所又は相手方に求められる前に、録音データを出す際に反訳書を出すことが多いです。

陳述書

陳述書については、作成者は陳述者、作成日は署名押印した日などを記載するのが通常でしょう。
陳述書は、裁判所によっては原本で出すよう言ってくることもあり、陳述書を出す際には尋問で法廷に出頭することが前提であることも多いので、「原本」としてもいいでしょう。
尋問では、陳述書の署名押印を示しながら、「この署名押印は、あなた自身が行ったもので間違いないですか」などの質問をすることも多いです。
陳述書については、以下の記事で詳しく解説しています。

書籍

書籍を証拠とする際は、裁判所などの記載例では、「書籍(○○(←書籍名))の抜粋(○ページから○ページまで)」などの書き方が示されています。
(出典:準文書及び証拠説明書の記載について)
ちなみに、ページ数までは標目に記載されていない例もあるようです。
(出典:和歌山地方裁判所 2-7-3 証拠説明書別紙2.pdf)

裁判例

裁判例を証拠とする際には、タイトルは「裁判例」又は「東京地判令和●年●月●日」等とすることが多いです。
作成者は、「●●裁判官」「●●地方裁判所」「原告(印刷者)」など、弁護士によっても記載が異なります。
作成日は、判決日を記載することが多いです。

マスキング済みの証拠

マスキング済みの証拠を出す際には、マスキング済みであることを明記したうえで、作成者などの欄にマスキングした人の名前も書いておくといいでしょう。
元々黒塗りされていたのか、それとも裁判所に提出するにあたってマスキングしたのかを明確にし、証拠を偽造したなどと言われるリスクをなくすためです。

通知書

通知書を証拠として出す際には、上記のように記載することが多いです。
立証趣旨は、「交渉経緯等」などとすることもありますが、とくに裁判官に見てほしい部分があれば具体的な記載をしておくといいでしょう。
証拠説明書を作成したら、裁判所と相手方に提出する必要があります。
証拠説明書の提出部数は、裁判所宛の正本を1部、相手方宛の副本を相手方の人数分です。
例えば、あなたが原告であり、被告が1名であれば、裁判所に正本1部、被告に副本1部を提出することになります。
証拠説明書については、郵送、FAX、持参、いずれでも可能です。
相手方当事者には、裁判所を介さず、直接送達することになります。
ただし、訴訟提起時において、訴状の添付書類として提出する際には、正本と副本のいずれも郵送又は持参により裁判所に提出し、裁判所から被告に送達されます。
証拠説明書は、A4白黒で印刷します。
証拠説明書は、正本も、副本も、証拠説明書の作成者名の右横に押印をします。
そのため、提出時には、以下のようになります。
証拠説明書が複数ページにわたる場合には、ページ番号を付して左側二箇所をホッチキス留めします。
契印は不要です。
証拠説明書を作成する際には注意点があります。
主張書面に比べて軽視されがちですが、証拠が裁判で持つ役割は大きく、証拠説明書は立証の全体像を示すうえで重要な書面となります。
例えば、証拠説明書を作成する際の注意点としては、以下の4つです。
それでは、これらの注意点について順番に説明していきます。
証拠説明書を記載する際には、立証趣旨は具体的に記載するようにしましょう。
抽象的な記載では、なぜこの訴訟においてその証拠が出されているのかが裁判官に伝わらないためです。
例えば、「WEBページに記載された内容」、「通知書に記載された内容」、「陳述書の記載内容」などと立証趣旨に記載しても、あまり意味はないでしょう。
すべての証拠で具体的に立証趣旨を記載する必要まではないこともありますが、とくに重要な争点に関わるものは具体的な記載を心がけましょう。
また、作成者や作成年月日は正確に記載するようにしましょう。
裁判官も相手方も作成者や作成年月日をよく見ています。
不正確な記載をしてしまうと、時系列と矛盾すると指摘される可能性もあります。
そのため、作成者と作成年月日について、提出前に主張や証拠との整合性を慎重に再確認しながら誤りがないかチェックしましょう。
次に、証拠説明書に「原本」と記載した証拠は、期日に持参する必要がありますので注意しましょう。
期日当日に裁判所から原本を出すように言われますので、忘れてしまうと、焦ってしまうことになるでしょう。
なお、期日当日に原本を忘れても、それにより敗訴してしまうというわけではないので冷静に対応しましょう。
とくに原本で出す意味が乏しい証拠は、裁判官から「写し」での提出に変更するということで構わないかなどの確認がされます。
最後に証拠について、後から証拠番号を遡って提出しないようにしましょう。
前回の期日で甲10まで提出した後、次の期日で甲5-2などの枝番を提出すると、裁判所から、遡ることはできないと指摘されることがあります(とくに何も指摘しない裁判官もいます)。
証拠説明書についてよくある疑問としては、以下の7つがあります。
それでは、これらの疑問を順番に解消していきましょう。
A.証拠説明書については、民事訴訟規則137条で定められています。
写真等についての証拠説明書への記載事項は民事訴訟法規則148条で定められています。
A.簡易裁判所についても、証拠説明書は不要とはされていません。
むしろ、簡易迅速な審理を目指す簡裁においては、一層、証拠説明書提出の必要性が認められるとされています。
(出典:LIBRA2021年10月号 特集9頁)
A.労働審判でも証拠説明書を提出する必要があります。
原告との記載を「申立人」、被告との記載を「相手方」とするだけで、基本的に記載方法は訴訟と同じです。
A.証拠説明書を訂正する際には、「差し替え」と「部分訂正」の方法があります。
差し替えにより訂正する際には、「証拠説明書1(差し替え)」などとして、訂正後の証拠説明書を提出します。
部分訂正により提出する際には、「証拠説明書1(甲3訂正)」などとして、訂正する証拠についてのみ、訂正後の内容を記載して提出します。
なお、とくに訂正方法に決まりはありませんので、上記以外の訂正方法も可能です。
A.証拠説明書は、文書や準文書(録音や写真)などを提出する際に用いられます。
証拠申出書は、尋問の申請などを行う際に用いられます。
A.証拠番号の欄に、「1-1」、「1-2」又は「1の1」「1の2」などの記載をします。
A.証拠説明書で作成日や作成者が不明な場合には、作成日欄や作成者欄に「不明」と記載します。
ただし、分かる範囲で記載した方が良いので、作成日などについては、「R7.10頃」「R7頃」など可能な範囲で特定しましょう。
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以上のとおり、今回は、証拠説明書とは何かを説明したうえで、書式や書き方と簡単な記載例11個を解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。

まとめ
・証拠説明書とは、裁判所に対し、提出した証拠を一覧として、その内容を説明する書面のことです。
・証拠ごとに書き方が異なるので、典型的な証拠については記載例を覚えておくと書きやすいでしょう。
・証拠説明書は、A4で印刷し、裁判所に正本を1部、相手方に副本を相手方の数だけ提出します。原則として相手方に直接送達する必要がありますが、訴訟提起時に訴状の添付書類として提出したものは裁判所から相手方に送達してもらえます。
・証拠説明書を作成する際の注意点としては、以下の4つです。
注意点1:立証趣旨は具体的に記載する
注意点2:作成者や作成年月日は正確に記載する
注意点3:原本で提出する場合は期日に持参する
注意点4:証拠番号は遡らない
この記事が証拠説明書をどのように作成すればいいのか悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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