元銀行員・元大学職員の経験を強みに
―不貞慰謝料・刑事事件・少年事件に向き合い
平穏な日常を取り戻すために尽力する南村早紀弁護士―

元銀行員・元大学職員という異色の経歴を持ち、不貞慰謝料、刑事事件、少年事件に向き合う南村早紀弁護士。依頼者が平穏な日常を取り戻せるよう、「できることは全部やる」という姿勢で、一つひとつの事件に取り組んでいます。本インタビューでは、これまでの歩みや事件対応への思いについて、お話をお伺いしました。
――まず、南村先生のご出身や、弁護士になる前の歩みについて教えてください。
私は鹿児島の出身です。
高校は地元の情報処理科に通っていて、簿記などを学んでいました。
高校卒業後は、大学にそのまま進学したわけではなく、一度、地元の鹿児島銀行に就職しました。
銀行では2年ほど働き、その後、20歳になる頃に大学受験をして、中央大学法学部に入学しました。
大学では4年間法律を学びましたが、もともと弁護士を目指して一直線に進んできたわけではありません。
銀行員として働いたこと、社会人を経験してから大学に入学したこと、働きながら進路を考えたこと。
そうした一つひとつの経験が、今の弁護士としての仕事につながっていると感じています。
――鹿児島銀行では、どのようなお仕事をされていたのでしょうか。
銀行では、窓口業務を中心に担当していました。
お客様の手続きを受け付けたり、保険や投資信託などの金融商品をご案内したりする仕事です。
窓口業務では、書類を正確に確認することや、お客様の話を丁寧に聞くことが求められます。
また、相続関係の手続きや、金融機関として確認が必要な取引に触れる機会もありました。
当時は目の前の仕事に必死でしたが、今振り返ると、書類を見る力や手続きの流れを理解する力は、この時期に鍛えられたと思います。
――銀行員時代の経験で、現在の弁護士業務に活きていることはありますか。
かなりあります。
例えば、相続関係では戸籍や金融機関の書類を見る場面があります。
銀行員時代にも相続の手続きに触れる機会がありましたので、弁護士になってからも、そうした書類を見ることには比較的慣れていました。
また、銀行員時代の経験は、個人の方や経営者の方からご相談を受ける際にも活きています。
銀行では、日々さまざまなお客様のお悩みや不安を伺いながら、その方の状況に応じた対応を考える場面が多くありました。
お金や事業、生活に関する悩みは、誰にでも気軽に話せるものではありません。
弁護士としても、まずは相談者のお話を丁寧に伺い、何に困っているのか、どのような解決を望んでいるのかを整理することを大切にしています。単に「元銀行員」という肩書きだけではなく、実際に現場で見てきたことが、今の事件対応につながっていると思います。
――法律に興味を持ったきっかけを教えてください。
きっかけは、銀行員時代の資格勉強でした。
銀行では、金融商品や銀行業務に関する資格をたくさん取る必要がありました。
その勉強の中で、民法や金融商品取引法など、いろいろな法律に触れる機会がありました。
最初は仕事のために勉強していたのですが、法律が人の生活や仕事にかなり深く関わっていることを知り、少しずつ関心を持つようになりました。
――安定した銀行員の道から、大学で法律を学ぼうと思った理由は何だったのでしょうか。
銀行で働いていると、お金の問題や相続の問題などで困っている方と接することがあります。
ただ、銀行員としてできることには限界がありました。
債務整理であれば弁護士、相続で争いがあれば弁護士や税理士など、専門家につなぐ必要があります。
銀行員としてお手伝いできることはありますが、根本的な解決までは関われない場面も多くありました。
その中で、困っている方をより直接支えられる仕事として、弁護士という道を意識するようになりました。
――大学卒業後は、どのような形で司法試験を目指されたのでしょうか。
大学卒業後、すぐにロースクールへ進むのは経済的に難しい状況でした。
そこで、日中は明治大学の職員として働きながら、夜間の大学院に通うことを考えました。
ただ、実際には配属された部署の仕事が忙しく、夜間の大学院に通うことが難しくなってしまいました。
その後、関西のロースクールに特待生として進学できることになり、2年間学んで司法試験を受けました。
学費や生活費の不安がなかったわけではありません。
それでも、法律の道に進みたいという思いがあったので、できる方法を探しながら進んできたという感じです。
――明治大学での職員経験は、現在の事件対応にどのように活きていますか。
明治大学では、学生課で法学部を担当していました。
学生の不祥事があった場合に、大学内でどのような手続きが進むのか、理事会などでどのような判断がされるのかを見る機会がありました。
この経験は、少年事件や学生が関係する事件で活きています。
刑事事件としての対応だけでなく、学校や大学での処分にどう対応するかも考えなければならないことがあります。
退学などの処分を避けるために、大学に対してどのような説明をするか、どのような資料を準備するかという点で、大学職員時代の経験が役立っていると思います。
――実際に弁護士になってみて、当時思い描いていた弁護士像と違った部分はありますか。
刑事事件をここまで扱うことになるとは思っていませんでした。
弁護士になった当初、刑事事件を多く扱う先生のもとで経験を積む機会がありました。
少年事件や刑事事件を実際に見ていく中で、弁護士が動くことで結果が変わることがあると感じました。
少年事件や刑事事件は、初動がその後の流れに影響することがあります。
今では、少年事件や刑事事件は私の事務所の大きな柱の一つになっています。
――現在は札幌で法律事務所を構えていらっしゃいますが、札幌を選ばれた理由を教えてください。
最初のきっかけは、司法修習地が札幌だったことです。
その後、もともとは東京の事務所に就職する予定もあったのですが、札幌で1年過ごす中で、この街に魅力を感じました。
大手法律事務所の札幌オフィスで勤務し、その後、別の事務所に移籍して経験を積みました。
最終的には、札幌で独立して現在の事務所を構えています。
札幌は、仕事の面でも生活の面でも、自分に合っている場所だと感じています。
――馬に興味を持ったきっかけを教えてください。
司法試験の勉強中に、ゴールドシップという馬に惹かれたことがきっかけです。
そこから馬を見ることが好きになり、牧場巡りにも興味を持つようになりました。
北海道には馬に会いに行ける環境があります。
仕事だけではなく、自分の好きなものを大事にしながら生活できるという意味でも、札幌に来てよかったと思っています。
――先生は競馬に関するYouTubeチャンネルも運営されているそうですね。
司法試験の勉強中にゴールドシップという馬に惹かれたことがきっかけで、馬がとても好きになりました。
そこから競馬を見るようになり、牧場巡りをしたり、馬に会いに行ったりすることが自分にとって大切な時間になっています。
YouTubeチャンネルは「みなみの競馬channel」という名前で運営しています。
最近は少し更新が空いてしまっているところもありますが、ありがたいことに収益化もできています。
その収益については、できる限り引退馬支援に充てたいと思っています。
競走馬は、現役を引退した後の生活も大切です。
自分が馬に元気をもらってきた分、少しでも馬たちのためになる活動につなげられたらと思いながら続けています。
弁護士の仕事では、重い事件や切実な相談に向き合うことも多いです。
その中で、馬を見る時間や牧場に行く時間は、自分にとって気持ちを整える大切な時間にもなっています。

――不貞慰謝料請求では、どのようなご相談が多いですか。
私の事務所では、慰謝料を請求された側のご相談が多いです。
突然、相手方の配偶者や弁護士から連絡が来て、「どうしたらいいのか分からない」と相談いただく方が多くいらっしゃいます。
弁護士登録当初から男女問題には多く関わってきましたし、前の事務所でも不貞慰謝料、特に請求された側の案件を多く扱っていました。
その流れもあり、現在も請求された側の対応が比較的多くなっています。
――慰謝料を請求された方は、どのような不安を抱えて相談に来られますか。
金額への不安もありますが、それ以上に多いのが「家族や職場に知られたくない」という不安です。
自宅に書類が届いたら困る、配偶者にスマホを見られたら困る、職場に連絡がいったら困るという方もいます。
不貞慰謝料の問題は、慰謝料をいくらにするかだけでは終わりません。
その後の生活をどう守るかが、とても大きな問題になります。
――「家族や職場に知られたくない」という不安に対して、どのような配慮をされていますか。
かなり徹底した配慮をしています。
まず、事務所に来なくても相談や契約ができるようにしています。
電話相談やウェブ相談に対応していますし、契約も電子契約を活用しています。
札幌ではまだ紙の契約書を使う事務所もありますが、私は全国展開の事務所で勤務していた経験もあり、電子契約やメールでのやり取りには比較的慣れています。
日頃の連絡も、基本的にはメールでやり取りをし、依頼者の状況に合わせて電話等を使います。
法律事務所に入るところを見られたくないという方もいますので、仕事を休んで来所等をする必要が無いようにし、できる限り外から分かりにくい形で進められるようにしています。
書類をお返しする場合も、自宅に送ると困る方には郵便局留めを使うことがあります。
「バレないようにしたい」という不安は、依頼者にとってかなり切実です。
そこはできる限り丁寧に対応したいと思っています。
――訴訟になった場合の書類対応では、どのような工夫をされていますか。
交渉段階から代理人として入っている場合には、訴訟になっても、相手方に「引き続きこちらで受け取ります」と伝えるようにしています。
訴状などの書類が自宅に届いてしまうと、家族に知られるきっかけになってしまいます。
そのため、可能な限り事務所で書類を受け取れるように調整しています。
もちろん、手続き上の限界はありますが、できる範囲で依頼者の生活への影響を小さくすることを意識しています。
――相手方から感情的な要求が出てくるケースでは、どのように対応されていますか。
まずは、相手方の話を聞くようにしています。
不貞慰謝料の事件では、相手方が強い怒りや悲しみを抱えていることがあります。
その状態で、いきなり法律論だけを伝えても、話がこじれてしまうことがあります。
電話で話していると、感情が高ぶって考えが整理できなくなっている方もいます。
そのような場合には、一度話を聞いたうえで、「箇条書きで構いませんので、求めていることを書いていただけますか」とお願いすることもあります。
紙に書いて整理していただくと、少し落ち着いて話が進むこともあります。
――「直接謝罪をしろ」「仕事を辞めろ」などの要求が出た場合、依頼者はどのように対応すべきでしょうか。
直接会って謝罪することが、必ずしも良い結果につながるとは限りません。
相手方からすると、「態度が軽い」「反省していない」と感じてしまうこともあります。
そのため、直接会うかどうかは慎重に考える必要があります。
また、「仕事を辞めろ」といった要求についても、すぐに応じるべきとは限りません。
謝罪すべきところは丁寧に謝罪しつつ、依頼者の生活を守るために、応じるべき要求と応じるべきでない要求を整理していくことが必要です。
――慰謝料の減額だけでなく、今後の生活を守るために合意書で工夫している点はありますか。
合意書では、口外禁止条項を入れることがあります。
最近は、SNSで晒されることを不安に思う方もいます。そのため、SNSへの投稿や第三者への口外を禁止する条項を入れることも検討します。
また、違約金についても、依頼者にとって無理のない内容になるよう調整します。
清算条項を入れて、後から追加で請求されないようにすることもあります。
不貞慰謝料の事件では、金額だけでなく、今後の生活を守るための合意内容がとても大事だと思っています。
――不貞慰謝料事件で、早期解決を目指すために意識していることは何ですか。
早めに相手方の感情や要求を整理することです。
感情的な対立が続くと、金額の話に入るまでに時間がかかってしまいます。
まずは謝罪すべきところを丁寧に伝え、そのうえで法的に整理できる部分は整理していく。
そうすることで、最終的には慰謝料の金額や合意内容の話に進みやすくなります。
――刑事事件では、どのような事件の相談が多いですか。
盗撮、痴漢事件、不同意わいせつ、不同意性交などの相談が多いです。
そのほか、少年事件、暴行、傷害なども扱っています。
札幌では、加害者側の弁護を行う女性弁護士はまだ多くないと感じています。
被害者が女性の場合、女性弁護士の方が被害者に話を聞いてもらいやすい場面もありますので、女性の弁護士に依頼したいという需要も多いようです。需要等もあり、加害者側の弁護に注力してきたことは、私の強みの一つかもしれません。
――先生は刑事事件について、どのようなスピード感で対応していますか。
身柄事件では、一分一秒でも早く動くことが必要になることがあります。
逮捕された直後は、本人もご家族もとても動揺しています。
その段階で弁護士が早く接見し、状況を確認して、今後の見通しを説明することは大きな意味があります。
私の事務所は、札幌方面中央警察署から歩いて1〜2分ほどの場所にあります。
そのため、契約手続きが終わってから30分から1時間後には接見に行くこともあります。
――少年事件などで、親御さんが北海道外にいる場合はどのように対応されていますか。
北海道の大学や専門学校に、道外から一人で来ている学生もいます。
そのような場合、親御さんがすぐに北海道まで来られないことがあります。
来所が必要だと手続きが遅れてしまいますので、電子契約などで来所不要で依頼できる仕組みを使いながら、できるだけ早く接見に行けるようにしています。
釧路や稚内など、遠方の警察署に行くこともありますし、必要があれば関東方面まで出張することもあります。
刑事事件では、フットワーク軽く動けることが必要だと感じています。
――お問い合わせの電話には、先生ご自身が対応されることも多いそうですね。
はい。基本的に、事務所の電話には私が出ることが多いです。
もちろん、接見中や打ち合わせ中で出られないこともありますが、可能な限り自分で対応しています。
特に刑事事件や不貞慰謝料の相談では、電話がつながった時点でかなり不安が強い方もいます。
そこで一度予約を取って、後日相談という形にすると、その間に不安が大きくなってしまうこともありますし、緊急性が高く、後日の相談まで待つことに適していない事件もあります。
そのため、基本的には、お電話に出てすぐに、お名前や利害関係を確認したうえで、そのまま相談をお聞きすることが多いです。
弁護士本人とすぐ話せることで、少しでも安心していただければと思っています。
――性犯罪事件では、被害者対応や示談交渉で特に気をつけていることはありますか。
被害者の方の気持ちに配慮することは、常に意識しています。
加害者側の弁護人であっても、被害者の方の恐怖や不安を軽く扱ってよいわけではありません。
こちらのお願いを聞いていただくためにも、まずは誠心誠意、被害者の方に向き合う必要があります。
話し方や連絡の仕方、伝える順番にはかなり気をつけています。
――女性弁護士であることが、示談交渉に活きる場面はありますか。
あります。
性犯罪事件では、被害者の方が男性と話すこと自体を怖がっている場合があります。
例えば、盗撮や不同意わいせつの被害に遭った方が、男性弁護士とは話したくないということもあります。
そのようなときに、警察の方から「弁護士は女性ですよ」と伝えてもらうと、「女性なら話を聞いてみよう」と言っていただけることがあります。
実際に、示談成立後に被害者の方から、「弁護士は犯罪者の味方だと思っていたけれど、女性だったので話を聞いてみようと思った、話しやすかった」と言われたこともあります。
もちろん、女性弁護士だから必ずうまくいくわけではありません。
ただ、被害者の方が話を聞いてくださる入口になることはあると感じています。

――少年事件では、近年どのような相談が増えていると感じますか。
SNSが関係する事件は増えていると感じます。
インスタグラムのDMやマッチングアプリ、X、LINEなどを通じて知り合った相手とのトラブルが、不同意性交や不同意わいせつの問題につながることがあります。
そのほか、窃盗、万引き、暴行、傷害などの相談もあります。
SNSは少年にとって身近なものですが、使い方によっては大きなトラブルにつながってしまいます。
そのため、事件の内容だけでなく、普段どのようにSNSを使っているのかも確認するようにしています。
――先生自身のご経験が少年事件に活きてくることはありますか。
あります。
私は明治大学の学生課で働いていた経験があります。
学生の不祥事があった場合、大学内でどのような手続きが進むのか、どのような対応が必要になるのかを見てきました。
少年事件や学生の事件では、刑事手続きだけでなく、学校や大学での処分も問題になります。
退学にならないようにするには、大学に対してどのように説明するか、親御さんが一緒に行くべきか、本人だけで対応するべきかなど、考えるべきことがたくさんあります。
大学職員時代の経験があることで、刑事事件だけではなく、その後の学校生活まで見据えたアドバイスがしやすいと感じています。
――少年事件で再発防止策を示す場合、どのような具体策を提案されていますか。
かなり具体的に考えてもらいます。
少年本人やご家族と話していると、「反省しています」「もうしません」といった抽象的な言葉で終わってしまうことがあります。
もちろん、その気持ちも必要です。
ただ、それだけでは、同じ状況になったときに本当に行動を変えられるか分かりません。
例えば、SNSが関係している事件であれば、アカウントをどうするのか、誰と連絡を取らないようにするのか、同じような誘いがあったときにどう断るのかまで考えます。
友人関係が原因になっている場合には、その友人と今後どう距離を取るのかも考えます。
一つひとつ、実際の行動に落とし込むことを意識しています。
――少年本人だけでなく、親御さんに対してはどのようなサポートをされていますか。
親御さんも大きな不安を抱えています。
初めての少年事件でどうしたらいいか分からない方もいますし、2回目の審判というケースもあります。
「子どもにどう声をかけたらいいのか分からない」
「学校に何と報告すればいいのか」
「大学に一緒に行った方がいいのか」
そうした相談も多くあります。
少年事件では、刑事手続きだけを見ていても十分ではありません。
家庭での関わり方、学校への対応、今後の生活まで含めて考える必要があります。
親御さんにも、できる限り具体的に説明するようにしています。
――少年事件に取り組むうえで、特に意識している考え方を教えてください。
本人と同じ温度感で話すことです。
難しい法律用語を使っても、少年本人に伝わらないことがあります。
本人がどのような意味で言葉を使っているのか、どこまで理解しているのかを確認しながら話すようにしています。
少年の中には、言葉にするのが苦手な子もいます。
そのため、こちらが一方的に説明するのではなく、本人の言葉を確認しながら、同じ目線で話すことを意識しています。
――周囲から「熱血弁護士」と言われることもあるそうですが、ご自身ではどのような性格だと思われますか。
自分では、そこまで熱血だと思っているわけではありません。ただ、やれることはできる限りやりたいタイプだと思います。
以前、担当した事件で、被害者側との示談交渉が難しい状況だったのですが、どうにか話を聞いてもらえないかと思いながら、タクシーに乗って警察署に向かっていました。そのとき、たまたま乗ったタクシーの運転手の方と話が弾み、その方が被害者側とつながりのある方でした。
後日、その方が口添えをしてくださったことで、被害者側が話を聞いてくれるようになり、最終的に示談成立につながりました。
もちろん、毎回そのような偶然があるわけではありません。
それでも、依頼者のためにできることがあるなら、できる限りやりたいと思っています。
――依頼者のために「ここまでやる」と決めていることはありますか。
自分ができる限りのことはやりたいと思っています。
「これをやっても結果は変わらないかもしれない」と思うこともあります。
それでも、できることがあるなら、後で「あれをやっておけばよかった」と思わないようにしたいです。
代理人や弁護人として依頼を受ける以上、手を尽くすことは意識しています。
――お受けする件数を制限しているとのことですが、それはどのような理由からですか。
大手事務所にいたころ、本当に多くの案件を抱えていました。多いときには、手持ち案件が130件ほどになったこともあります。その時、この状況を続けていては、一件一件に十分目が届かなくなり、依頼者にとって不利益になってしまうかもしれないと感じました。
その経験から、今は自分の目が届く範囲で事件を受けるようにしています。
――現在は、どのような基準で受任件数を調整されていますか。
現在は、単に件数を増やすのではなく、自分の目が届く範囲でお受けすることを意識しています。
事件の内容によって、必要な対応量や緊急性は大きく異なります。
特に刑事事件では、急に接見が必要になったり、在宅事件だったものが身柄事件に変わったりすることもあります。
そのようなときにすぐ動けるよう、案件や予定を詰め込みすぎないようにしています。
ご相談内容としてはお受けしたいと思う案件でも、これ以上お受けすると十分な対応が難しくなると判断した場合には、お断りすることもあります。
依頼者にとっては、依頼を受けてもらえるかどうかだけでなく、その後きちんと動いてもらえるかが大事だと思っています。
――個人事務所ならではの強みは、どのようなところにあると感じますか。
最初から最後まで、私自身が一貫して担当できることです。
面談のときだけ弁護士が出てきて、その後は別の担当者に変わるということはありません。
また、急ぎの案件では、早朝や夜に動くこともあります。
刑事事件であれば、すぐに接見に行く必要がある場面もあります。
個人事務所だからこそ、柔軟に動ける部分はあると思います。

――弁護士として最も重視している信念を教えてください。
依頼者が、できる限り平穏な日常を取り戻せるようにすることです。
不貞慰謝料でも、刑事事件でも、少年事件でも、相談に来られる方は大きな不安を抱えています。
その不安を少しでも軽くして、普通どおりの生活に戻れるようにしたいと思っています。
もちろん、すべてが希望どおりになるわけではありません。
それでも、その方にとってより良い解決を目指して、できる限りのことをしたいと思っています。
――依頼者と向き合う中で、やりがいを感じる瞬間はどのようなときですか。
解決が見えてきたときや、事件が終わったときにお礼を言っていただくと、やってよかったと思います。
学生の方であれば、学校に居続けることができたときや、就職に支障が出なかったと聞いたときには、本当によかったと思います。
刑事事件や少年事件は、その後の人生に大きく関わることがあります。
だからこそ、事件の結果だけでなく、その後の生活につながる解決ができたときには、やりがいを感じます。
――依頼者から「先生に相談してよかった」と言われるのは、どのような場面が多いですか。
「話しやすかった」「やり取りしやすかった」と言っていただくことは多いです。
法律相談は、緊張する方も多いと思います。
特に、不貞慰謝料や刑事事件、少年事件は、人に話しにくい内容もあります。
なので、できるだけ話しやすい雰囲気を作りたいと思っています。
土日や夜しか時間が取れない方もいますので、できる範囲で都合を合わせるようにしています。
雑談をしながら、少しずつ落ち着いて話していただくこともあります。
――最後に、弁護士に相談することに不安を感じている方へ、メッセージをお願いします。
弁護士に相談するのは、敷居が高いと感じる方も多いと思います。
うまく整理して話さなければいけないと思う方もいるかもしれません。
ただ、刑事事件や不貞慰謝料の問題は、事案ごとに事情が違います。
インターネットで調べても、自分の状況に合っているとは限りません。
電話をしたからといって、必ず契約しなければならないわけでもありません。
「どうしよう」と思って動揺している状態でも大丈夫です。
こちらから話を整理しながらお聞きしますので、一人で抱え込まず、まずはご相談いただければと思います。





