
2025年5月2日
法律一般
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2025/08/13
法律一般
口約束をしたものの、約束を破られてしまい悩んでいませんか?
相手方のことを信頼して口頭で約束をしてしまい契約書を作っていなかったことを後悔している方もいますよね。
口約束(口頭契約)とは、契約書によらず口頭による発言のみで法的な合意をすることをいいます。
口頭でも契約は成立するのが通常なので、多くの場合には口約束の契約であっても法的効力があります。
ただし、例外的に、要式契約・要物契約と言われるものについては、口頭での約束だけでは契約が成立しないことがあります。
また、口約束で契約が成立していたとしても、契約書がないとそのような約束があったということを証明できないということが珍しくありません。
もし、口約束による契約が破られてしまった場合には、焦らずに冷静に対処していくようにしましょう。
実は、友人間のお金の貸し借りをはじめ個人事業主や中小企業などのビジネスにおいても、契約書が作成されていなかったことによるトラブルが後を絶ちません。
この記事をとおして、万が一、口約束だけで契約してしまった場合に是非知っておいていただきたい知識やノウハウを誰でも分かりやすいようにお伝えしていくことができれば幸いです。
今回は、口約束の契約の法的効力を説明したうえで、口頭で契約が成立しない例外や証明できないリスク、口約束が破られた場合の対処法について解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、口約束が破られてしまった場合にどうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次
口約束(口頭契約)とは、契約書などの書面を作らず、当事者同士の口頭だけで契約内容を決めることをいいます。
日常生活や仕事の場面で、ちょっとした取り決めに使われることもありますが、正式な契約方法としては推奨されません。
例えば、短期のアルバイトの依頼や小額の物品売買など、条件を簡単に決めてすぐ始めたい場合に口約束が行われることがあります。
特別な準備がいらず、時間や手間をかけずに取り決めができる点は一見便利です。
しかし、口約束は契約内容があいまいになりやすく、後になって意見の食い違いが生じるおそれがあります。
金額や期限、役割分担などをその場の感覚で決めてしまうと、認識のズレが原因で関係が悪化することもあります。
このように、口約束は手軽さと引き換えに、後日のトラブルの火種を抱える契約方法です。
口約束であっても、多くの場合は法律上有効な契約として成立します。
なぜなら、日本の民法では、契約の成立に書面を必ずしも必要としていないからです。
民法第522条は、契約は「申込み」と「承諾」という当事者の意思表示が一致すれば成立すると定めています。
さらに、特別な法律で形式が決められている場合を除き、書面の作成などの方式を満たす必要はありません。
このため、日常的な売買や業務の依頼などは、口頭で条件に合意すれば契約が成立します。
例えば、知人に「この自転車を3万円で売ります」と伝え、相手が「買います」と答えた場合、口頭だけでも売買契約は成立します。
また、仕事の依頼を口頭で行い、報酬額や期限について合意すれば、業務委託契約が成立することもあります。
このように、契約は書面がなくても成立するのが原則です。
ただし、次章で説明するように、例外として書面や現物のやり取りが必要になる契約もありますので注意が必要です。
口約束は原則として契約が成立しますが、法律で特別な方式が定められている契約については、口頭だけでは成立しません。
こうしたルールを知らずに口約束だけで進めてしまうと、契約が無効になったり、権利を主張できなくなったりすることもあります。
例えば、口約束で契約が成立しない例外としては、以下の2つがあります。
それでは、これら2つの契約について順番に見ていきましょう。
要式契約とは、法律で「特定の方式によらなければ成立しない」と定められている契約です。
口頭だけでのやり取りでは成立せず、所定の形式を満たす必要があります。
例えば、保証契約は書面によることが必要です。
また、金銭の交付をする前にする諾成的消費貸借契約も、書面または電磁的記録によらなければ成立しません。
これらの契約を口頭だけで済ませると、法的には無効と扱われます。
要物契約とは、当事者の合意に加えて、契約の目的物の引渡しなど一定の行為があって初めて成立する契約です。
口頭だけの合意では不十分で、成立に必要な行為を伴わなければ効力は生じません。
例えば、書面や電磁的記録によらない消費貸借契約は、要物契約とされており金銭の交付がなければ契約は成立しません。
こうした契約は、形式や行為がそろって初めて成立するため、口約束だけでは有効になりません。
口約束は、成立していたとしても後からその存在や内容を証明することが非常に難しい契約方法です。
なぜなら、契約書や録音などの客観的な記録が残らないため、証拠として提示できる資料が乏しいからです。
証明できない場合、相手が「そんな約束はしていない」と主張すれば、裁判や交渉の場で自分の言い分を通すことが困難になります。
また、契約内容があいまいだったり、記憶の食い違いがあったりすると、第三者から見てもどちらの言い分が正しいのか判断しにくくなります。
例えば、報酬の金額や納期、支払い方法などを口頭だけで決めた場合、後から「そんな条件ではなかった」と言われても反論の根拠がありません。
結果的に、本来受け取れるはずだったお金を請求できなくなることもあります。
このように、口約束は成立しても証明が難しいため、重要な取引や条件を伴う場合には、必ず書面や記録を残すことが重要です。
口約束による契約が破られてしまった場合でも、状況によっては法的に権利を守ることができます。
そのためには、感情的にならず、冷静に段階を踏んで対応することが大切です。
具体的には、口約束の契約(口頭契約)が破られた場合の対処法としては、以下の4つがあります。
それでは、これら4つの対処法について順番に見ていきましょう。
口約束が破られたときは、まず弁護士に相談することが重要です。
法律的にどのような主張が可能かを整理し、今後の方針を明確にするためです。
弁護士であれば、契約の有効性や証拠の評価、相手に対する請求方法などを具体的に助言できます。
自分だけで動くと、必要な主張を見落としたり、相手の反論にうまく対応できなかったりする危険があります。
例えば、「口頭で〇円の報酬を支払う約束をした」と主張する場合、どの証拠を示せば認められやすいか、どのように交渉を進めるべきかを事前に検討できます。
この段階で適切な戦略を立てることで、後の交渉や裁判が有利に進む可能性が高まります。
弁護士に相談したら、次は証拠を集めます。
口約束の場合は契約書がないため、周辺事情を示す資料や記録が重要です。
裁判や交渉で権利を主張するには、約束があったこととその内容を証明する必要があるからです。
証拠がなければ、相手が否定した時点で立証が困難になります。
例えば、やり取りをしたメールやメッセージ、打ち合わせの議事録、振込記録、関係者の証言などです。
これらは一つだけでなく、複数組み合わせることで説得力が高まります。
証拠がそろったら、相手と交渉します。
この段階では、感情的にならず、事実と法的根拠に基づいて主張することが大切です。
交渉によって合意できれば、裁判よりも短期間で解決でき、費用や労力も抑えられます。
例えば、「〇年〇月〇日にこの条件で合意した証拠があり、支払義務がある」と明確に伝える方法などがあります。
交渉で解決できない場合は、裁判を申し立てます。
裁判所を通して判断を仰ぐことで、強制的に権利を実現できる可能性があります。
裁判を通じて判決や和解調書を獲得することで、相手が支払いに応じない場合でも強制執行が可能になるためです。
例えば、未払いの報酬や貸金返還を求める訴訟を起こし、証拠を提出して裁判所に判断を求めます。
この場合も、事前に弁護士と戦略を練り、主張や証拠の整理をしておくことが重要です。
口約束の契約についてよくある疑問としては、以下の7があります。
それでは、これらの疑問について順番に見ていきましょう。
A.口約束でも有効に成立している契約は、原則として一方的に撤回できません。
契約は当事者の合意によって成立するため、解消するには双方の合意か、法律上の解除事由が必要です。
単に気が変わったという理由では、撤回は認められません。
ただし、書面に寄らない贈与など、契約によっては状況次第で解除できるものもあります。
A.口約束の契約にも時効があります。
民法では、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間、又は、権利を行使することができる時から10年間行使しないときは、時効消滅するとされています。
A.口約束であっても有効に成立した契約が履行されなかった場合、損害賠償請求は可能です。
債務不履行となるためです。
例えば、業務委託の口約束が守られず、そのために代替業者に高額な費用を払った場合などです。
この場合、損害額や因果関係を示す資料が必要になります。
A.口頭契約でも、違約金の取り決めがあれば請求できます。
重要なのは、その取り決めが当事者間で合意されていたことを証明できるかどうかです。
例えば、「納期に遅れた場合は〇万円支払う」と口頭で合意していた場合です。
ただし、証拠がないと主張が認められにくいため、違約金条項は書面やメールで残しておくことが望ましいです。
A.口約束で成立した契約に基づく代金や報酬の支払い義務はあります。
契約が有効に成立している限り、相手方に履行を求められる立場になります。
ただし、金額や支払時期をめぐって争いにならないよう、記録を残すことが重要です。
A.書面がなくても、金銭の交付がされていれば口約束の借金は有効です。
要物契約としての消費貸借契約であれば、金銭の交付が必要となりますが、書面によることまでは求められていないためです。
A.口約束に基づいてお金を請求することは可能です。
契約が有効に成立している限り、その履行を求める権利があります。
例えば、アルバイト代や業務委託料の支払いを約束していた場合です。
ただし、請求を認めてもらうには、合意の内容と履行がなかった事実を示す証拠が重要となります。
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以上のとおり、今回は、口約束の契約の法的効力を説明したうえで、口頭で契約が成立しない例外や証明できないリスク、口約束が破られた場合の対処法について解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
この記事が口約束をしたものの約束を破られてしまい悩んでいる方の助けになれば幸いです。
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