2025年5月2日
法律一般
法律の条・項・号の読み方や書き方、見分け方|条文に1項は書かない?
法律については、条を細分化したものが項、更に項を細分化したものが号となります。読み方は、「じょう、こう、ごう」です。今回は、法律の条・項・号の読み方や書き方、見分け方を解説していきます。
2025/10/27
法律手続


民事裁判で相手方が言うことが嘘だらけで悩んでいませんか?
相手方に嘘をつかれたことに強い憤りを感じている方もいますよね。
民事裁判は、嘘だらけということはありませんが、自分の認識している事実とは異なる主張や証言をされることは少なくありません。
裁判で嘘をついた場合、裁判官の心証は非常に悪くなります。尋問であれば過料の制裁を科されることもあります。
民事裁判ではかなり詳細に事実や状況を主張していきますし、これに沿う証拠も提出されることになりますので、噓をついても結局ばれることが多いでしょう。
もし、民事裁判で嘘をつかれたと感じた場合には、冷静に事実関係や証拠を整理して裁判官に説明していきましょう。間違っても、嘘をつき返すようなことはやめましょう。
実は、民事裁判で事実関係について認識に相違があることは珍しくなく、どの事案でも少なからず相違があるものです。相手方も故意に嘘をついている事案ばかりではありません。
この記事をとおして、民事裁判で嘘をつかれたと感じた場合に知っておいていただきたいことを分かりやすくお伝えしていくことができれば幸いです。
今回は、民事裁判は嘘だらけなのかを説明したうえで、嘘はばれることや裁判官が嘘を見抜くケース、嘘に対する裁判官の心証を解説します。
具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば、民事裁判で噓をつかれた場合にどうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次

民事裁判が「嘘だらけ」だと感じる人は少なくありません。
しかし、実際には、民事裁判において、主張が食い違うのはよくあることで、必ずしも「嘘をついている」とは限りません。
人によって記憶の仕方や感じ方が違ったり、誤解していたりすることもあるためです。
例えば、同じ出来事を見ていても、「上司に怒鳴られた」と感じる人もいれば、「注意されただけ」と受け取る人もいます。
このように、当事者の認識が異なることで、結果的に主張の内容に差が生じてしまうのです。
裁判官は、双方の証言や提出された証拠を見比べながら、どちらがより合理的で具体的かを冷静に判断します。
したがって、「民事裁判は嘘だらけ」というよりも、「お互いの主張が食い違う中で、真実を探していく」のが裁判手続きなのです。
ただし、稀に悪質なケースでは、嘘としか言いようがない主張がされるようなことがあります。
このような場合には、自分の権利を守るためにも適切に認否や反論をしていく必要があります。
民事裁判で嘘をついても良いことはなく、むしろリスクの方が大きいでしょう。
裁判では真実の発見が重視されますので、当然ではありますが、嘘をつくことは許されません。
例えば、民事裁判における嘘の証言や主張のリスクとしては、以下の3つがあります。

それでは、民事裁判で嘘をついた場合のリスクについて順番に見ていきましょう。
裁判で嘘をつくと、最も大きな影響を受けるのは「裁判官の心証」です。
裁判官は、どちらの言い分がより信用できるかを判断する立場にあります。
一度でも明らかな嘘が見つかると、他の主張や証拠についても「信用できない」のではないかという印象を与えてしまいます。
その結果、本来は認められるはずだった主張まで疑われてしまうこともあるのです。
裁判では、信頼を積み重ねていくことが重要です。
小さな嘘でも、裁判官の印象を悪くしてしまえば、全体の評価が下がるリスクが高いことを覚えておきましょう。
民事裁判で原告や被告が嘘の陳述をした場合、裁判所から「過料(かりょう)」という罰金のような制裁を受けることがあります。
これは、民事訴訟法第209条に定められており、次のように規定されています。
宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたときは、裁判所は、決定で、10万円以下の過料に処する。
裁判の中で「宣誓して発言したにもかかわらず、嘘を述べた場合」には、裁判所が判断して10万円以下の過料を科すことができるという意味です。
この過料は刑罰ではありませんが、裁判所が不誠実な態度を戒めるための警告です。
裁判で証人が嘘の証言をすると、「偽証罪(ぎしょうざい)」という犯罪に問われることがあります。
偽証罪は刑法で定められた重大な罪であり、宣誓をして嘘をついた場合には刑事罰の対象となります。
これは、裁判の公平さを守るためです。
裁判官は、証人の証言を重要な判断材料として扱うため、嘘の証言があると真実の解明が難しくなってしまうためです。
つまり、宣誓をして「正直に話します」と約束したうえで、わざと嘘をついた証人は、刑罰を受ける可能性があるということです。
裁判で嘘をついても、最終的には裁判官に見抜かれることがほとんどです。
裁判官は膨大な記録を読み込み、経験に基づいて発言の信頼性を慎重に見極めます。
そのため、一見巧妙な嘘でも、時間の経過とともにほころびが見えるのです。
例えば、裁判官が嘘を見抜くケースとしては、以下の3つがあります。
それでは、裁判官が嘘を見抜く3つのケースについて順番に見ていきましょう。
裁判官がまず注目するのは、当事者の主張の一貫性です。
これまでの主張と食い違っていたり、前後関係がずれていたりすると、信頼性が低いと判断されやすくなります。
少しの食い違いでも、複数の書面や尋問の内容を照らし合わせることで分かってしまいます。
例えば、当初、原告は、被告に対して、2025年5月に100万円、2025年6月に100万円をそれぞれ貸し付けたといっていたとします。
しかし、一方で、原告は、被告と知り合ったのは2025年6月の交流会で知り合ったと主張していたとしましょう。
そうすると、5月にお金を貸し付けることは考え難く矛盾しているとわかることになります。
嘘をついている証拠が出てくることも珍しくありません。
証拠は最初の段階で全てだされるわけではなく、相手方の主張を見たうえで出されることもあるためです。
例えば、被告が不貞行為はしていないと嘘をついた後に、LINEなどで不貞行為をしていたこと裏付けられる証拠が出される場合です。
また、「●●という発言はしていない」との主張がされた後、このような発言がされている録音が出されることもあります。
裁判官は、当事者の態度、他の動かしがたい事実との関係から、当事者の主張が「信用できるか」を判断します。
嘘とまではいえなくても、説明があいまいだったり、細部が変わったりすると、全体の信用性が低いと見られることがあります。
例えば、お金を貸し付けたと主張していても、いつどうやってお金を貸したのか、何を元手に貸し付けたのかなどは、よく覚えていないとのべているような場合です。
民事裁判で相手が嘘をついていると感じても、感情的に反論するのは得策ではありません。
冷静に事実と証拠を整理し、裁判官に正確な情報を伝えることが何よりも大切です。
具体的には、民事裁判で嘘をつかれた場合の対処法としては、以下の4つがあります。

それでは、嘘をつかれた場合の4つの対処法について順番に見ていきましょう。
まずは、相手方が嘘の主張してきた場合には、弁護士に相談しましょう。
弁護士であれば、どの部分が重要な争点になり得るか、どのような証拠が有効かを判断できます。
事前に弁護士に相談しておくことで要点を抑えて説得的な主張をしていくための準備もしやすくなるでしょう。
感情的に「相手が嘘をついている」と訴えるよりも、弁護士と一緒に戦略を立てた方が、裁判官に誠実な印象を与えることができます。
相手の嘘を明らかにするには、事実を時系列に並べて整理するのが効果的です。
日付・行動・やり取りの順番を整理することで、主張の流れが明確になり、矛盾点を指摘しやすくなります。
例えば、「いつ・どこで・誰が・何をしたのか」を簡単なメモにしておくと、証拠を探す際にも役立ちます。
とくに、メール・契約書・通話記録などは、日付順に並べることで、相手の発言との食い違いを見つけやすくなります。
裁判官にとっても、事実が整理された主張は理解しやすく、信頼性を高める要素になります。
相手の嘘を立証する最も有効な方法は、客観的な証拠を提出することです。
裁判官は、感情ではなく証拠に基づいて判断するため、主張を裏付ける資料を示すことが重要です。
例えば、振込記録・メール履歴・契約書・録音データなどがあれば、相手の発言が事実と異なることを示せます。
また、複数の証拠を組み合わせることで、主張の信頼性をより高めることもできます。
嘘を「嘘だ」と言うだけでは伝わりません。事実を淡々と証拠で示すことが、裁判官に最も強く響きます。
最後に、あなた自身の主張をできるだけ具体的に説明することが大切です。
「納得できない」「違うと思う」といった感情的な言葉よりも、「どの部分がどう違うのか」を明確に伝える方が説得力があります。
例えば、「お金を受け取ったのは○月○日で、その際に返済の約束をした」など、具体的な日付や状況を入れるだけで主張の信頼性は高まります。
詳細な説明は、裁判官に「この人の話は実際に経験したことをもとにしている」と感じさせる要素になります。
結局、感情を抑え、事実を具体的に語る姿勢が、信頼を得る近道です。
民事裁判の嘘についてよくある疑問としては、以下の3つがあります。
それでは、これらの疑問を順番に解消していきましょう。
A.嘘を示す証拠が手元になくても、あきらめる必要はありません。
民事裁判では、決定的な証拠がないことも多く、複数の間接的な事実を積み重ねて判断されることも多いからです。
それらを時系列で整理すれば、全体として主張に一貫性が生まれ、裁判官の理解を得やすくなります。
A.虚偽の主張や証拠を提出して、裁判官を騙して不当な判決を取得し、財産上の利益を得た場合には、訴訟詐欺として詐欺罪となることがあります。
また、裁判で宣誓した鑑定人や通訳人、翻訳人が嘘をついた場合には、虚偽鑑定罪となります。
A.絶対にやめましょう。相手が嘘をついているからといって、自分も嘘で返すと、あなたの信用まで失ってしまいます。
裁判官は、どちらの主張がより誠実で具体的かを見ています。
一方が感情的に反論し、もう一方が淡々と事実と証拠で説明していれば、後者の方が信頼されやすくなります。
例えば、相手の発言が明らかに事実と違っても、証拠で反論すれば十分です。
「嘘に嘘で対抗する」より、「事実で示す」方が何倍も強い反論になります。
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以上のとおり、今回は、民事裁判は嘘だらけなのかを説明したうえで、嘘はばれることや裁判官が嘘を見抜くケース、嘘に対する裁判官の心証を解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。

まとめ
・民事裁判が「嘘だらけ」だと感じる人は少なくありませんが、民事裁判において、主張が食い違うのはよくあることで、必ずしも「嘘をついている」とは限りません。
・民事裁判における嘘の証言や主張のリスクとしては、以下の3つがあります。
リスク1:嘘は裁判官の心証が悪い
リスク2:原告又は被告は過料に処される
リスク3:証人は偽証罪が適用される
・裁判官が嘘を見抜くケースとしては、以下の3つがあります。
ケース1:主張が矛盾している場合
ケース2:嘘の証拠が出てきた場合
ケース3:信用性が低い場合
・民事裁判で嘘をつかれた場合の対処法としては、以下の4つがあります。
対処法1:弁護士に相談する
対処法2:時系列にして事実関係を整理する
対処法3:嘘を示す証拠を提出する
対処法4:具体的かつ詳細に事実や状況を主張する
この記事が民事裁判で相手方が言うことが嘘だらけで悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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