「人のためなら頑張れる」
—組織と人を支える企業法務の現在地—

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経済産業省への出向や上場企業の社外役員など、多様な経験を重ねてきた鴨下香苗弁護士。
人のためなら力を発揮できる」という自身の性格を原点に、一般的な感覚を忘れないこと、サービス業としての法律実務を重視してきました。
本インタビューでは、弁護士としての歩みや官庁・企業での経験、現在大切にしている考え方についてお話をお伺いしました。

弁護士を志した原点と、仕事への向き合い方
弁護士を志した原点と、仕事への向き合い方

——弁護士を志したきっかけと、今も大切にしている姿勢を教えてください。

私が弁護士を意識し始めたのは、大学4年生の頃です。
周りが就職活動をする中で、自分は何の仕事なら頑張れるのだろうと考えたとき、「人のためになる仕事」が一番しっくりきました。
昔から、自分のことになるとあまり力が入らない一方で、「誰かのため」と思うと恥ずかしがらずに前に出られる性格なんです。その気質が、弁護士という仕事につながったのだと思います。
一方で、弁護士として経験を重ねるほど、「一般的な感覚を忘れないこと」を強く意識するようになりました。
弁護士にとって当たり前のことが、一般の方にとっては全く当たり前ではない。そのギャップを埋めることこそが、サービス業としての弁護士の大切な役割だと考えています。

経済産業省への出向で学んだこと
経済産業省への出向で学んだこと

——経済産業省への出向は、現在の実務にどのような影響を与えていますか。

経済産業省への出向は、企業法務の第一線で活躍されている知り合いの弁護士に声をかけていただいたことがきっかけでした。
一度は大きな組織に属してみたい、そして法律が作られる現場を実際に見てみたいという思いがありました。
出向先では法務担当として、法令の解釈や改正などに関わる業務を経験しました。
民間ではどうしても「利益」や「依頼者の成果」が軸になりますが、省庁では「日本社会にとって何が一番良いか」を徹底的に考えます。官僚の方々が非常に優秀で、真剣に社会全体に向き合っている姿勢には大きな刺激を受けました。
この経験から、組織の意思決定の流れや、説明の仕方の重要性を学びました。
今の企業法務の仕事でも、「どう説明すれば組織として判断しやすいか」を意識した助言ができているのは、この出向経験が大きいと思います。

社外役員としての責任と、専門性の広がり
社外役員としての責任と、専門性の広がり

——上場企業の社外役員として、顧問弁護士との違いをどのように感じていますか。

顧問弁護士と社外役員の一番の違いは、「責任の質の違い」だと思っています。
顧問弁護士は、企業の日常的な事案に対応し、企業の法務部のように機能、責任を果たしますが、役員は企業の意思決定機関として、経営に関わることについて、法律的側面からだけではなく、経営的側面からも責任をもって判断していきます。
取締役会に定期的に出席し、法律相談以外の場面でも経営を内部から見続けることで、会社の体質を理解し、法律分野についても「後から対応する法務」ではなく、「未然に防ぐ法務」の重要性を実感しました。
不正調査などの分野にも関心が高まり、現在は公認不正検査士の資格も取得しています。
今後は第三者委員会など、よりコンプライアンスに深く関わる役割にも挑戦していきたいと考えています。

——女性役員としての視点が活きていると感じる場面はありますか。

正直なところ、自分の発言が「女性ならではの視点」なのか、「弁護士としての視点」なのかは、はっきり区別できないことも多いです。
ただ、役員会の構成が長年似たバックグラウンドの方々で形成されている場合、どうしても見落とされがちな違和感や細かい点があるのも事実です。
そこに異なる視点が入ることで、議論が少し変わる。そのこと自体に意味があると感じています。
女性役員の需要が高まっているのも時代の流れだと思いますが、「性別」というよりも「視点の多様性」が組織にとって重要なのではないかと考えています。

講演やセミナーなどの活動

——先生は積極的に講演やセミナーを行っているようですが、どのようなテーマに関心が集まっていると感じますか。

最近特に反響が大きいと感じているのは、下請法の改正や、セクハラ・パワハラといったコンプライアンス分野です。
企業の方々とお話ししていると、「知らなかった」「どこまで対応すればいいのか分からない」という声がとても多いですね。
講演では、「コンプライアンス」=「法令順守」ではないことを説明し、「実務ではどこが問題になりやすいのか」「どういう点でつまずきやすいのか」を、業界の常識が必ずしも社会の常識ではないという視点に立ち、できるだけ具体的にお伝えするようにしています。
トラブルが起きてから慌てるのではなく、「これは早めに手を打った方がいいな」と気づくきっかけになれば、講演をする意味は十分にあると感じています。

Utops法律事務所の強みとは
Utops法律事務所の強みとは

——Utops法律事務所はチーム制を採用しているとのことですが、チーム制で案件に対応するメリットはどのようなところにありますか。

チームで案件を検討する最大のメリットは、多角的な視点による精緻な判断と、スピード感の両立だと思います。
チーム制であれば、所内で気軽に議論や相談ができ、見落としを防ぎながら、より納得感のある結論に近づくことができます。
また、不正調査や第三者委員会のようにマンパワーが必要な案件では、チームが一体となって動けること自体が大きな強みになります。

——ITを活用した業務体制について、具体的に教えてください。

ITの活用は、依頼者の方とのコミュニケーションを円滑にするために欠かせません。
オンラインでのご相談を受けることもあります。事務所にお越しいただく負担を軽減し、迅速な対応ができています。
また、当事務所では、クラウドフォンを導入しており、外出先でも事務所の電話に対応できる体制を整えています。
その他、案件ごとに共有フォルダを作成し、資料やデータをリアルタイムで共有することもあります。大容量のデータもメール添付に頼ることなくやり取りできるため、「資料が届かない」「最新版が分からない」といったストレスを減らすことができます。
こうした仕組みを整えることで、依頼者の方にとっても、弁護士側にとっても、無駄な負担を減らし、スムーズな意思疎通ができる環境を目指しています。

趣味と人となり

——お仕事以外の時間は、どのように過ごされていますか。

休日は、作り置きの料理を作ったり、子どもの遊びに合わせて遠出したりすることが多いです。あまり家でのんびり過ごすということはないですね。
平日はどうしても仕事中心になるので、週末は意識的に気持ちの上ではリフレッシュするようにしています。
特に家族と過ごす時間をとても大切にしています。
家族と一緒に出かけたり、夫、子どもと何気ない会話をしたりする時間が、結果的に自分の気持ちを整えることにつながっていると感じます。
平日は常に全力疾走しているので、休日はできるだけ肩の力を抜いて過ごすことで、長く安定して仕事と向き合えるようにしているのかもしれません。

この記事を見ている方へのメッセージ
この記事を見ている方へのメッセージ

——最後に、このインタビューを見て下さっている方へメッセージをお願いします。

法律相談というと、「もうトラブルになってから」「大きな問題になってから」相談するものだと思われがちですが、できればその前に来ていただきたいと思っています。
少しでも違和感がある段階で相談できれば、選択肢は多く、負担も小さく済むことがほとんどです。「こんなことを聞いていいのかな」と迷うような内容でも、気軽に相談してもらえたら嬉しいですね。
問題が起きてからではなく、なるべく未然に、一緒に考えていける存在でありたいと思っています。

インタビューを受けた弁護士

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鴨下香苗弁護士

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